平成24年度 第2回県政知事懇談「湯崎英彦の地域の宝チャレンジ・トーク」を,次のとおり三原市において開催しました。
平成24年6月9日(土曜日) 13時30分から14時40分まで
ゆめきゃりあセンター多目的ホール : 三原市館町二丁目5番2号
訪 問 先 | 内 容 |
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(株)阪井養魚場(三原市大和町上徳良) 代表取締役社長 阪井義道(さかいよしみち) | ○ 30万平方メートルの養殖面積を有し,日本一の 規模と生産量を誇る。生産された錦鯉は,日本全国 はもとより広く海外へ輸出されるとともに,優れた品 質から各地の品評会で数々の栄冠に輝いている。 |
道の駅みはら神明の里(三原市糸崎) 社長 伊達和仁(だてかずと) 駅長 江藤央康(えとうてるやす) | ○ 平成24年3月24日オープン。 地元の農・水産物,特産品の販売や地元食材を使っ た料理の提供などを通じて三原の魅力を発信する。 また利用者の生の声を生産者に届けるパイプ役とし て,三原の魅力向上に取り組む。タコを中心とした商 品が多く売れている。 |
三原市漁協(三原市古浜) 代表理事組合長 浜松照行(はままつてるゆき) | ○ 「タコのまち三原」として発展していくため,販路 の確立や担い手の育成などが喫緊の課題。三原市 内の二漁協が合併,母体強化を行っている。これま での栽培漁業に加え,販路の確立,また観光漁業 などの可能性を検討している。 三原市の五藤市長も参加予定。知事のタコ天の試 食あり。 |
日本一の規模と生産量を誇る錦鯉の養魚場を訪問し,国内,海外へ向けた販売の取組についてお話を伺いました。
今年3月にオープンした道の駅を訪問し,生産者と施設利用者のパイプ役として三原の魅力向上を図る取組についてお話を伺いました。
三原市漁協を訪問し,「タコのまち三原」発展のための販路の確立や担い手の育成に向けた取組についてお話を伺いました。
(1)湯崎知事による挨拶
(2)地域住民の方(4組)による『私の挑戦』の発表
三原市在住で,あらかじめ選定した方に「人づくり」「新たな経済成長」「安心な暮らしづくり」「豊かな地域づくり」等の分野の取組について発表していただきました。
発表者 | 取組内容 | テーマ |
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村上睦宏(むらかみよしひろ)さん 三原やっさ祭り実行委員長 | 市民総参加,震災支援,踊りの成 | 「三原やっさは広島の宝」 |
梶谷きよみ(かじやきよみ)さん (有)梶谷農園取締役 | 農業企業家として有機農業に取り 組み,女性農業者を育成するほか ,被災地の農村女性と交流,支援 活動を行っている。「食べられる年 賀状」のヒット商品を生み出した。 | 「私の農業の道のり」 |
土田美千恵(つちだみちえ)さん さぎしまを愛するボランティアガイド副会長 | 先人が育んできた風土を大切にし | 「さぎしまを愛するボランティア ガイドの活動とチャレンジ」 |
細井亮佑(ほそいりょうすけ)さん 三原市立宮浦中学校3年 | 昨年8月,少年少女海外研修に参 加し,シンガポールを訪問。バレス ティアヒル中学校での交流を通じ て,一生に残る貴重な体験をした。 | 「私の夢は海外ジャーナリストに |
●村 上
やっさ祭り実行委員会の実行委員長を努めている。祭りは,まちを盛り上げたいという住民の気持ちによって開催されており,まちを元気にするためのうってつけのツールである。これを活用し,三原をより活気あるまちにしていきたいと考えて活動している。
やっさ踊りは約445年の歴史があり,「華やか」,「楽しい」,「簡単で親しみやすい」という特徴がある。また,やっさ祭りは7,000人の出場者があり,市民の10人に1人,約1万人がやっさを踊ることができ,まちに浸透している。これだけすばらしい素質を持っているので,徳島の阿波踊りのようにもっと盛大にしていきたい。
今最も力を入れているのは「子どもやっさ」で,未来のやっさ祭りの繁栄に欠かせないものであると考えている。市民総参加の,より盛大な祭りにしていくため,是非とも皆さんにもたくさんの子どもたちをやっさ祭りに連れてきていただきたい。
○知 事
住民の力が重要というお話をされたが,私もそう思う。広島県の10年後を見据えた総合計画「ひろしま未来チャレンジビジョン」のテーマの一つに,「広島県を変えていく原動力は県民一人ひとり」がある。行政がどんなに祭りを盛り上げようとしても,住民の皆様が参加しなければ楽しいものにはならないし,元気な祭りにするには,皆様が自ら取り組むことが大事である。
県政でも同じで,福祉や経済にしても,実際に携わっている方々がしっかりと取り組まないと,どんなに行政が支援をしても,元気な広島県にはならない。この祭りを通じて,県民が主役だということを示していただいているのではないかと感じた。
●梶 谷
三原市久井町で40年間農園を経営し,有機農業でハーブや食べられる花,サラダ用の野菜などをつくっている。
何気ない一言から,田んぼのあぜに生え,雑草として捨てている植物が「七草」であると気付き,販売を始めた。他にも,あぜに生えているタンポポやスイバは,フランス料理ではハーブとして使われる植物である。様々な視点から見ると,久井町には宝がたくさんある。地域の宝を掘り起こせていけたらとてもいいことだと思う。
また,日本各地の農村の女性たちのネットワークに所属し,勉強会などを行っている。今年の2月から3月にかけて,モザンビークへ行き,修道院の中にある孤児院へボランティアに行った。物流も交通もしっかりしていなかったが,人と人との交流が温かいところだった。その経験を通して,日本の便利さ,自分が恵まれていることに気付き,この状況にある農家だからこそしなければならないことがあると感じた。これからは,農業に携わる女性だからこそできることを,世界の人々に伝えることにチャレンジしたい。
○知 事
雑草だと思っていたものが,見方を変えると大きな宝になる。例えば県北では,雪は邪魔者として見られてきたが,最近は雪室を作って酒やキムチなどの保存に活用している。島しょ部でサイクリングが盛んになってきているのも,車が少ないから走りやすいといって人気が出るなど,たくさんの例がある。邪魔者が突然宝になる。これと同様に活用していらっしゃる。
また,海外にボランティアに行くなど,地域のことだけでなく,世界のことを考えていらっしゃる。自分から何かしよう,世界につながろうと考えて,自分に囲いをつくらないところがすばらしいと思う。
●土 田
三原市沖の佐木島で「さぎしまを愛するボランティアガイド」として,観光客に島のすばらしさを伝える活動をしている。20名のメンバーで,ガイドマップやポスターなどを製作し,マスコミへアプローチし,PRに努めてきた。旅行会社との共同企画で交流ツアーも開催した。
ガイドの際心がけていることは,史跡を詳しく説明するよりも,さぎしまの暮らしなどを話しながら一緒にウォーキングをすることや,あまり費用のかからない柑橘などでのおもてなし,何よりも元気な笑顔で迎え,自分も楽しむことである。また,ひろしま夢プラザや三原市内での直接販売,通信販売など物産品の販売も広げている。
これからの目標・展望は,島の宝をつくることである。全島公園化計画,郷土料理の創作とレストラン,新藤兼人記念館の設立,さぎしまみかんブランド化等に向けてこれからも団結して頑張りたい。
○知 事
20名,つまり住民のうち2.5%もボランティアガイドをしているということにまず驚いた。旅行会社と交渉してツアーを企画したり,新しい物産品をつくったり,積極的に活動されている。行政に頼るのではなくて,皆さんが地域を愛し,自らがやろうと思われるからこそ活動が広がっていっているのではないかと思う。
さぎしまは人が少なくて大変だと言うだけではなく,実際に行動を起こすことが大事だということがよく分かるお話だった。
●細 井
海外ジャーナリストになりたいと考えている。池上彰さんがテレビで政治や経済,歴史などについて分かりやすく説明されている姿を見て感銘を受け,そんな人になりたいと思うようになった。
この夢の実現のため,より広い世界を知りたいと思い,シンガポール研修に参加した。この研修で,世界は人と人との共和によって成り立っていることが分かった。自分は相手に分かってもらおうと英語でしゃべる。相手は,一生懸命日本語でしゃべろうとする。お互いに認め合って,理解して,助け合って生きていく。それが世の中で大事だと思った。
また,今まで日本しか見ていなかったが,海外を見て,広い世界でのコミュニケーションや,様々な視点から物事を見分けることの重要性を学んだ。
将来は,世界の人がお互いに認め合い,理解し合い,思いやりを持てるような報道をするジャーナリストになりたい。
○知 事
中学3年生にしてこんな大きな夢を持っているというのはすばらしい。将来の三原市と広島県,そして日本を背負って立つ人材ではないかと思う。世界を飛び回るようになっても,心は三原にあると思う。これからも頑張ってほしい。
(3)知事まとめ
約120名参加
懇談の模様を録画でご覧いただけます。
こちら(インターネット放送局)からご覧ください。
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