平成24年度 第1回県政知事懇談「湯崎英彦の地域の宝チャレンジ・トーク」を,次のとおり大崎上島町において開催しました。
平成24年5月27日(日曜日) 13時30分から14時40分まで
大崎上島町東野保健福祉センター : 大崎上島町東野6625-1
訪 問 先 | 内 容 |
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(株)フルーツセンター文田 (豊田郡大崎上島町中野) | ○島の特産品である『文田しいたけ』の生産 約4,000坪の敷地で菌床しいたけを栽培。生 産量広島第1位,西日本トップクラス。広島だ けでなく,関西圏へも出荷。メニュー開発とイ ベント等広報で消費拡大に努める。 |
亀田農園(株) (豊田郡大崎上島町中野) | ○瀬戸内の温暖な気候を利用した独自の手 法で生産し,糖度の高いトマトとして人気の 『亀ちゃんトマト』の生産。 有機堆肥を使い化学肥料・農薬を軽減し,環 境にやさしい農法で栽培。過疎地域の未来創 造支援事業で,フルーツアイランド大崎上島 再生を目指す。 |
しいたけの菌床栽培施設を訪れ,消費拡大に向けた取り組みについてお話を伺いました。
トマト,ミカンを栽培する農園を訪れ,フルーツのブランド強化や,地域の活性化を目指す取り組みについてお話を伺いました。
大崎上島町在住で,あらかじめ選定した方に「人づくり」「新たな経済成長」「安心な暮らしづくり」「豊かな地域づくり」等の分野の取組について発表していただきました。
発表者 | 取組内容 | テーマ |
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亀田英壮(かめだえいそう)さん 亀田農園(株)代表取締役 | ・瀬戸内の温暖な気候を利用した | 『活かそう島の恵み』 |
森ルイ(もりるい)さん カフェ&ショップantenna(アンテナ)代表 | ・Iターンで島の古民家に移住。 WWOOF(ウーフ)(金銭のやりと りなしで『労働力』と『食事・宿泊場 所』を交換する仕組み)のホストと して自宅を活用。カフェで,島の特 産品販売など島の魅力を発信。 | 『大崎上島観光親善大使として』 |
浅野仁(あさのじん)さん 広島商船高等専門学校商船学科5年生 | ・商船学科にて,電気・電子工学 | 『ものづくりにチャレンジ!』 |
望月紹美(もちづきつぐみ)さん 大崎上島中学校3年生 | ・修学旅行中に東京・大崎駅で島 の特産品を販売する商人体験を 実施。売上を震災義援金として, 同じ離島の女川第二中学校(宮城 県牡鹿郡)へ送付。 | 『商人(あきんど)体験から見えたもの』 |
●亀 田
「亀ちゃんトマト」をブランド化し,商品開発と販路の拡大に取り組んでいる。また,以前市場に勤務した経験を生かして,今年から露地野菜を始めた。自分の農園以外からも野菜を集めて,広島のスーパーに大崎上島町産の産直コーナーを設けてもらっている。
大崎上島町では,柑橘類と違い,野菜を島外で販売することはこれまであまり行われていなかった。野菜の販売を定着させ,より多くの島民に参加していただきたいと思う。取扱店舗数を拡大し,産直ブームにのって,大崎上島町の野菜,果物,加工品,海藻等の特産品を皆さんと一緒に盛り立てていきたい。
○知 事
出荷の頻度や量は生産者に任せるというのは,生産者にとって取り組みやすいと感じた。
今まで開拓をされてきた小売店との関係をほかの農家の方にも開放して,全体の販売を上げていくプランだと思うが,この思いはどこから生まれたものか。
●亀 田
今,先祖が何年もかけて切り開いた土地が荒れていっている。そういった中で,農業でも飯が食えるようにしたい。元気だねと言われる大崎上島にしたい。また,若い人が帰ってこられる島にしていきたい。これらの思いが取り組みにつながっている。これからも,生産者に喜んでもらえる環境づくりをしていきたい。
○知 事
なんとかしたい気持ちは多くの方が持っているが,実際に行動に移されるところがすばらしい。亀田さんのような方が増えると,島も元気になっていくのではないかと思う。これからも地域の方々をまとめて,大崎上島のブランド,産直コーナーが広がっていくことを期待している。
● 森
自称「大崎上島観光親善大使」として,島のよさを発信する活動に取り組んでいる。
大崎上島町はとてもいいところなのに,住民の皆さんが気付いていないと思う。例えば,私は古民家に引かれて移住を決めたが,住民の皆さんは古いだけだと価値を感じていない。しかし,移住者にとっては,古く,土間のある家が魅力的に映ることもある。島外の人から見て,何が魅力的なものなのか分からなければ,打ち出し方も分からないのではないかと思い,よそ者なりの視点でいろいろなものを見て,島のよさを発信するアンテナショップを運営している。
また,国際交流にも取り組んでいる。WWOOF(ウーフ)というシステムで,外国人,日本人を自宅に受け入れている。その方々が世界中にちらばっていて,それぞれがインターネットでつながり,世界中で大崎上島の観光親善大使になってくれている。皆さんが繰り返し来ていただける愛着を持ってくれる島にしていきたい。自分は,島の外と内をつなぐ存在でいたいと思っている。
○知 事
価値観は人それぞれ違うが,島というのはある意味閉じた地域であり,住民には気付けないこともある。森さんはそこに気がついて,異なる価値観を島に紹介していただいているのではないかと思う。
活性化のためには,よそ者,ばか者,若者が必要であるといわれることがある。自分も他人がしないことをしてきたのでよく分かるが,違う視点を持ち込むことによって,外とのパイプになり,新しいことに気づくことができるのではないかと感じた。そして,それを実行に移すことによって生まれた変化が,自分だけではなく次々と連鎖していくものであると分かった。
森さんが新たな島の宝になっていくのではないかと思う。これからも頑張っていただきたい。
●浅 野
テレビ番組の学校紹介で興味を持ったことをきっかけに,大崎上島町の広島商船高等専門学校に入学した。
大崎上島町は,櫂伝馬や町民運動会など,地域を盛り上げようとする活動が盛んで,商船の学生もよく参加している。組織の中でいろいろな話を聞いて,とてもいい経験になった。
これからはエンジニアの道へ進もうと思っている。大学でものづくりを学び,人の興味を引き,人の役に立ち,感動を与えられるものをつくりたいと思っている。就職後は,学んだことを生かして,地元や地域の人たちにものづくりを体験してもらえる場をつくりたい。
○知 事
この島で5年間勉強して,新しい夢を育んで大崎上島町を巣立っていかれる。この学校で学んだことや島の環境での経験は,きっと忘れないものだと思う。これを糧にして大きく羽ばたいていただきたい。
●望 月
修学旅行で訪れた東京の大崎駅で,大崎上島町の特産品等を販売する「商人体験」を行った。仕入れから宣伝,販売までグループで行い,特産のレモン,生しいたけ,トマトジャム,ブルーベリージャム,ふりかけを販売した。大声を出すのはとても勇気のいることだったが,完売に向けて必死になり,完売したときは大歓声と拍手がわき起こった。大崎上島ゆかりの方々や,見ず知らずの方に「頑張ってね」,「去年も来たよ」と言ってもらったのもうれしいことだった。
この活動を通じて大崎上島の特産品と流通の仕組みを知り,働くことへの感謝と意欲を持つことができた。また,まちへの愛着と誇りが一層強くなった。収益金は,大崎上島と似た環境の学校,宮城県女川町立第二中学校に,東日本大震災の義援金として送った。
このチャレンジによって,ふるさと大崎上島町を見つめ直すことができ,当たり前のように感じていた生活の中にも思わぬ発見があった。大崎上島中学校としてのチャレンジをこの先も進めていきたい。
○知 事
商人体験で,どんなことを感じたか。
●望 月
言葉をかけてくださる方もいて頑張ろうと思えたが,仕事の途中で通り過ぎる方にチラシを受け取ってもらえないこともあり,大変だった。
○知 事
たくさんの人がいると,中には邪険にする方もいると思うが,仕入れから販売まで体験し,最終的には女川第二中学校に義援金を送って役に立ててもらうというのは本当にすばらしい経験だと思う。
学生たちが勇気を持てるように,大人の皆さんに学生の島内外での活動をサポートしていただければと思う。また,県もサポートしていきたい。
約110名
懇談の模様を録画でご覧いただけます。
こちら(インターネット放送局)からご覧ください。
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