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83 みそ醸造の乳酸菌の性質と役割

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年8月9日更新

Q みそ醸造に関係のある乳酸菌の性質・役割について教えてください。

A 乳酸菌は,形態が桿状(桿菌)のラクトバチルスと球状(球菌)のストレプトコッカス,ペディオコッカス,ロイコノストックの4属に分類され,いずれも通性嫌気性菌です。これらのうち,みそ醸造に関係深いのは四連球菌のペディオコッカス・アシディラクティシィと同属のハロフィルスです。前者は麹中に生育し,往々にしてみそを酸敗させる菌として嫌われます。ただ,この菌は食塩耐性が弱いため,麹の塩切りを丁寧にすれば繁殖が防げます。これに対し,後者は10%以上の食塩濃度に耐えて生育(耐塩性)し,みそ醸造の初期に繁殖し熟成に寄与する有用菌です。単に乳酸菌と呼ばれてみそ醸造用に市販されているものはこの種の菌です。ペディオコッカス・ハロフィルスは,麹菌酵素により分解されてできるペプチドやアミノ酸等を利用して乳酸を作ります。その結果,みそのpHは5.0付近まで低下し,雑菌の生育を抑制します。みそを食塩だけで防腐するには25%以上の濃度が必要とされますが,乳酸との相乗効果で10~13%食塩濃度で防腐が可能となるわけです。また,みその香味を左右する酵母はpH4.3~5.1の間で最もよく活動します。従って,乳酸菌は酵母が活躍する下地を作ることになります。 pH低下が不十分な場合,野生産膜酵母が働き,香味を悪くするとの報告もあります。さらに,乳酸発酵によりみその味(塩なれ,しまり)が改善されると同時に原料臭(蒸し大豆臭,麹臭)が除去され色調が安定するとされています。

このように重要な役目を果す乳酸菌を効果的に働かせるためには,まず,酵素力が強く清潔な麹を作り,仕込み時のpH低下を防ぐことが大切です。乳酸菌はpHが中性に近いほど良く生育しますし,雑菌により栄養を先取りされるのを防ぐ必要があるためです。また,乳酸菌は25~30℃の温度範囲でよく生育しますので,仕込み後は35℃以上の高温に長く保つことを避けなければなりません。


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