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20 過冷却貯蔵とは

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年8月2日更新

Q 過冷却貯蔵という言葉をよく聞きますが,どんな貯蔵法か教えてください。

A 食品の品質を長時間保持するには,一般的には貯蔵温度を低くすることが最もてっとり早い方法で,冷蔵あるいは冷凍はその典型的なものといえます。

冷蔵と冷凍との間に通称チルドと呼ばれる温度帯がありますが,質問の過冷却貯蔵とは次の3点で根本的に違います。すなわち,第1にチルドはチルド食品という言葉があるように貯蔵するものが加工食品であること,第2に貯蔵温度は0℃前後ですが温度範囲が比較的広いこと,第3に空冷であることです。これに対して過冷却貯蔵はほとんどが漁獲後の魚の鮮度保持のために採られる方法で,温度範囲は-2~-3℃の温度帯に限られ,食塩水砕氷,冷却海水などで保冷されることです。

過冷却貯蔵(半凍結貯蔵)はSuper ChillingあるいはCoolingとかLightあるいはPartial Freezingと呼ばれ,従来はこの温度帯で貯蔵すると魚肉蛋白が変性し,かつ50%前後の魚体内水分が氷結しますので,品質劣化が最も促進されることが冷凍理論では定説になっておりました。ところが淡水魚では鯉,海水魚では鮭に限り過冷却貯蔵の優位性が認められております。

一方,甲殼類ではカニの表面に薄氷がつく程度に冷却すると肉質がスポンジ化せず,またエビを-1.6℃で貯蔵すると氷蔵したものより採肉歩留りがよく最も理想的な保蔵温度とされています。ただ問題となっているのは魚の鮮度から品質を判定した場合のみ過冷却貯蔵の優位性がみられるだけで,特に赤色魚の場合,変色,退色などからみた評価は加味されていないこと,貯蔵温度範囲が極めてシビアで所定の温度を一定に保持できる魚庫の建設に多大の経費が要ることです。実験室的には,マサバ,マイワシ,ウルメイワイ,シイラ,マダイ,ヒラメ,ムシカレイなどを過冷却貯蔵すると,従来の氷蔵法よりも5~6倍,すなわち,2~4日間を10~18日に延長保持することができます。


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