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10 キシロース

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年8月2日更新

Q キシロースという糖はどのような性質なのでしょうか。食品加工におけるその使用上の留意点などについても教えてください。

A キシロースは,別名木糖といわれるペントース(五炭糖)で,ヘミセルロースの構成成分として植物界に広く分布しています。主に,トウモロコシの芯,ワラ,綿実殼を加水分解してつくられます。

キシロースの一般的性質としては,ブドウ糖や蔗糖などと比べてアミノ―カルボニル反応活性が著しく強い,甘味度はブドウ糖より少なく(蔗糖の約60%)上品でさわやかな甘味がある,腸からの吸収性が低い(ノンカロリー),難発酵性及び緩下作用がある等があげられます。これらのうち,アミノ―カルボニル反応活性が強いということに主眼を置いて,食品加工上の留意点を述べてみましょう。キシロースがアミノ酸やタンパク質などと共存すると,アミノ―カルボニル反応が容易に進み,その結果,食品に種々の変化をもたらします。褐変による食品の着色(褐変は,キシロース単独で焙焼したり,キシロースと有機酸が共存している場合でも起ります)や揮発成分の生成により,食品への二次的なフレーバーの付与,還元性物質による油脂酸化防止効果の発現,抗菌性物質の生成による保存性向上などが可能となります。一例として佃煮に例をとると,煎り炊きコウナゴ佃煮では,キシロース10%+蔗糖10%含有のものは,蔗糖20%含有のものより,また,ノリ佃煮では,キシロース5%+蔗糖5%含有のものは,蔗糖10%含有のものよりかなり保存性がよくなります。反面,コウナゴ佃煮は褐変が進みやすいです。ノリ佃煮の場合は,着色性が強いのはかえって好都合でありますが,焦臭がしたり,藻体がくずれやすくなるといった現象が認められました。

一般に,このアミノ―カルボニル反応は,pHや温度が高くなるほど著しくなり,また,適度の水が必要であり,酸素や光も影響します。従って,この反応活性が特に強いキシロースを使用する場合は,これらの環境条件を考慮すると同時に,各々の食品へのキシロース使用適性,添加濃度,時期,併用するアミノ酸類(キシロースとの反応活性が強いのは,グリシン,グルタミン酸ナトリウム,リジンなど),有機酸類(キシロースとの反応活性が強いのは,リン酸,酢酸,レブリン酸,クエン酸,コハク酸,リンゴ酸など)の種類等も充分検討する必要があります。


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