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オランダからの御夫婦

【オランダからの御夫婦】
 ボランティアでガイドをしていると女性から外国からのお客さんをお連れしたいという連絡があり、昼過ぎ来館されました。よくよく聞くと、日本の伝統的な小さな家屋を見てみたいとういうリクエストでした。前回に続きオランダからの御夫婦であったが、どうも気持ちが乗り切っていない感が見られます。とはいえ、この広島市内やその近辺で期待通りの場所はなかなか見つけられないだろうと思います。ガイドはすぐに当資料館の居室を連想してくれたようです。このあと縮景園へ行くとのことでした。当方としては刀剣の展示を見たつながりで広島城を勧めましたが、はたしてどうしたろうか。

  ひとつの話題として、漢詩のことに話が及びました。すると御主人曰く、文章を書くとき日本語は上から下へ書いたり、左から右へ書いたりするんだよね。当たり前に思われることが異文化の人には奇妙に見える例だろう。「かつてはその日本語も右から左へ書いていた。そういえばアラビア語は今でもそうですよね」、と返すと強い関心が見て取れました。「日本語はなぜ? 」とまでは発展しなかったが、それに納得してもらえる内容を即座に答えるのは無理と思った次第です。

   あとでネット検索すると,「縦書き・横書き」ということがひとつの研究領域になっていることを知ることになりました。

 「文字列展開方向」と「文字列配置方向」などの言葉、日本語のように縦書きも横書きもできる言語というのは、実は非常に珍しいこと、元々、日本が文字(漢字)を輸入した中国語も縦書きであったこ、古代エジプトの象形文字も同様だったことなどを仕入れることができました。テレビのCMで時々聞こえる”セレンディピティ”ということばを想起した一幕でした。