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相談4「新たに農業分野に参入したい」(企業参入)

印刷用ページを表示する掲載日2016年8月16日

1.農業参入 | 2.農地を確保する方法 | 3.経営計画

1.農業分野への参入

 Fさん: 平成21年12月の農地法等の改正で,一般企業が農業へ参入しやすくなったと聞きました。農業はこれからビジネスチャンスが大いにある分野なので,どうやったら参入できるか教えてください。

 相談員: 広島県でも農業ビジネスへの農業外企業の参入は増えており,推進しているところです。(→詳しくは「農業ビジネスへ参入しませんか」のページを御覧ください)
 一般企業が農業へ参入するためには,大きく2つの方法があります。
 一つは新たに「農地所有適格法人要件」を満たした法人を設立して資本参入する方法です。
 もう一つは,現在の法人のまま,いくつかの要件を満たして農業に参入する方法です。

F さん: 「農地所有適格法人要件」とはどんなものですか。

相談員: 農地所有適格法人の要件は4つあります。

 一つ,法人形態要件。・・・会社法で言う「株式会社(公開会社以外)」・「持分会社」又は農協法で言う「農事組合法人」のいずれかであること。
 二つ,事業要件。・・・過去3年の売上の過半が農業(農業関連事業を含む)であること。
 三つ,議決権要件。・・・農業関係者の議決権が総議決権の2分の1超であること。
 四つ,役員要件。・・・理事等(株式会社の場合取締役)の過半が法人の常時従事者であること。さらに,理事等のうち1名以上(責任者であれば理事等でなくても可)が農作業(耕作又は養畜に直接必要な作業)に従事すること。

 4つ全てを満たすと,農地の貸し借りに加え,所有することもできます。

Fさん: ウチの会社は建築業で実績があるんです。農業に参入しても売上の過半は農業にはならないだろうな。

相談員: そうですね。建設業の企業さんからの相談は多くありますよ。現在のままでは,この4つの要件を満たせることはほとんどなく,農地所有適格法人要件を満たす別会社を設立して,株主の一員として資本参加する方法が多く取られています。

相談員: 現在の法人のままで参入するためには,要件があります。
 まずは,業務執行役員の一人以上が農業(農業関連事業を含む)に常時従事することです。

 Fさん: 何か違いがあるんですか。

相談員: この方法だと,農地の所有権は持つことが出来ません。賃借権及び使用貸借権のみの権利取得が認められています。
 また,借り受けた農地をちゃんと使っていない場合は「契約を解除する」という条件を付けた契約を,農地所有者と結ぶ必要があり,地域の他の農業者と適切な役割分担(水路管理など)も定めておく必要があります。

2.農地を確保する方法

Fさん: 農地はどうやって確保すれば良いですか。

相談員: これまでは,農業外企業が参入できる区域は,農業経営基盤強化促進法で市町が設定する区域に限定されていましたが,平成21年12月の改正法施行以降は限定されなくなりました。

Fさん:農業経営基盤強化促進法とは何ですか。

相談員: 簡単に言うと,市町が立てた計画に沿った農業経営を行う農家・企業体を支援するため,農地を集積する手助けをする法律です。
 この法律では,農地の貸し借りの際,市町等が仲立ちしてくれることから,農地所有者からすれば,安心して農地を貸しやすい制度と言えるでしょう。
 (→詳しくは「農地流動化(農地の貸借・売買)」のページを御覧ください。)

Fさん: その他に農地を確保する方法はありますか。

相談員: 農地法による権利取得という方法もあります。農地法は基本的に,契約当事者の双方が共同で申請する方式なので,農地所有者の合意を得るためには企業の努力が必要でしょう。農業経営基盤強化促進法による貸借は契約期限がくれば契約解除になりますが,農地法による貸借は解約を事前に申し出ないと契約が自動更新されることが一番大きな違いです。農地所有者がこの自動更新を嫌う例が多く,現実には農地の賃貸借の99%が農業経営基盤強化促進法による貸借です。

相談員: 法律に関わらず,農地所有者からすれば,農地をちゃんと使ってもらえるのか,無断で建物を建てる(=転用)違法行為をしないか,地域の他の農業者に迷惑をかけるような農薬散布をしないか,万が一撤退した場合に元の農地の姿で返してもらえるのか,等,不安な面をたくさん持っています。参入を希望する企業は,地域に対して不安を取り除く対応を心がける必要がありますね。

農地所有者との交渉,という面では市町に後ろ盾になってもらう農業経営基盤強化促進法という方法の方が農地を借りやすそうですね。

Fさん: 現在,自社有地の中に,資材置き場として確保している土地があるのですが,そこを利用して農業を始めるということも可能ですか。

相談員: 現状が農地でなく,山林や雑種地,宅地などになっている土地を農地にすることも可能です。農地にすることは農地法や農業振興地域制度(→詳しくは「農業振興地域制度」のページを御覧ください。)の規制はかからないため手続きはありません。ただし,他の法律で用途が制限されている(保安林など)土地でないことは確認してくださいね。
 注意が必要なのは,一度農地にすると,農地法が適用され,農地以外のものに利用するとき(=転用)は,転用の許可が必要になります。元の資材置き場に戻すときも転用です。

3.経営計画

相談員: 作物を育てる農地の日当たり・水はけ,地域の気候,土耕栽培にするのか施設栽培にするのか,栽培技術の習得はどうするのか,販売方法はどうするのか,直販や観光型の農業まで広げるのかなど,コストとリスクも頭に入れておかなければいけないでしょう。
 参入しようとする地域の産地状況や空き農地情報などをいろいろ聞いてみて,個別具体的に相談していただくのがいいと思います。
 参入地域を決めていない場合など,農業外企業の参入相談は,広島県で受け付けています。(→詳しくは「農業ビジネスへ参入しませんか」のページを御覧ください。)

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