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平成26年度第1回 広島県の教育を語る懇談会

平成26年度第1回 広島県の教育を語る懇談会

 本県教育の在るべき姿を見据えて,幼少期から社会人に至るまでの一貫した「人づくり」について,先進的な事例や専門的な知見を踏まえた大局的な議論を行い,広島県全体で取り組む施策の企画検討につなげるため,平成26年度第1回「広島県の教育を語る懇談会」を開催しました。

1 開催日時及び場所

・日時 平成26年5月8日(木)13時~15時

・場所 広島県庁 北館 第1会議室

2 出席者

・外部有識者 5名

・行政関係者 4名

 

3 議事要旨(委員の主な意見等)

≪議題≫

 経済社会のグローバル化が急速に進展する中で,社会が求めるグローバル人材を育成していくための課題や,今後,教育に求められるものについて

 

〇グローバル化というときに,日本以外の国に身を置いてキャリアを積む者もいるが,都道府県のそれぞれの地域で生まれ育つ者が大勢の中で,地域で育つ多数の子供たちに,グローバルなものの見方や考え方をどのように伝え,教え,育てていくのかということが,大きな問題としてあると思う。

〇かつてのグローバル化というのは,限られた人たちの,海外における,といった捉え方をされがちであったが,今はそういう時代ではなく,全ての人に関わるテーマとしてどのようにしていくのかが重要である。

〇それぞれの地域や学校における教育の在り方やカリキュラム,ものの見方や考え方が大事であり,大勢の子供たちを前提にした時のグローバル化という時には,バランスのとれた取組を教育活動として上手く整えていけるようなカリキュラム作りや,学校環境の作り方ということが大切になってくると思う。

 

 〇グローバルと聞くと,世界で通用する人材ということになると思うが,その中で,まず思い浮かぶのは英語であり,英語に限らず外国の方と自由に話ができるということである。実際に,私の知る小さい子供を持つ親御さんたちの中にも,英語の教室などに子供を通わせることに関心を持つ方は多い。

〇しかしながら,子供たちになぜ英語が必要なのかということを深く考えないまま,ただ「英語ができれば安心」というように進めているようにも見える。

〇日本には海外から多くの方が来られるが,地域の中で,そういう方たちと触れ合う機会はあまりないと思う。地域の生活の中で,日常的に外国の方とやり取りができる場があれば,子供たちの感覚もずいぶん変わってくると思う。

〇グローバルな活動は,海外に出て行かなければできないということばかり強調すると,出ていけない自分にしんどさを感じ,意欲が萎える人たちも出てくると思う。

 

〇グローバルな領域で活躍していく人材を育成するということになると,ユニバーサルな,普遍的な価値観や共感力を持っている人間が求められてくると思う。全く異なる発想やバックグラウンドを持つ方々と,何かを達成していかなければならない状況になると,自分の核としてどのような価値観を持っているのか,自分と全く違う状況に置かれた人たちに対してどのように共感する心を持っているのかといった,自分の核となるものがどれだけ普遍的なものなのかということが問われてくると思う。

〇そこにどのように到達していくかという点については,学校教育だけで成し遂げられるものではなく,言語的なものや出身地域の問題,経済的なものなど,様々な社会的な多様性に幼少期から触れていくことが非常に大切であると思う。それを担保していく上で,海外に出ていくことも1つの形であると思うが,例えば,広島にそういった多様なバックグラウンドを持った人たちが集まってくるような場を作っていくということも大切だと思う。

〇多様な環境に身を置いていれば,おのずと思考することが求められてくると思う。自分が中学生の時に海外に出て,すごく衝撃的だったのが,思考するということを常に学校の中で求められるということだった。こうしたことからも,普遍的な価値観や共感力を持つため,あるいは,多様な環境に身を置いた時に,自らが当事者意識を持って問題を解決するために思考するという環境が整っていくことは,非常に大切だと思う。

〇思考する上では,課題発見・解決型のアプローチが求められる。いかに既存の問題解決の方法を現実の問題に当てはめていくかということだけではなく,まず自分で問題を発見するという力が大切である。保守的な環境の場合,課題を発見して,それを提起するだけで嫌がられる組織や文化があるところもあると思うが,リスクを取って課題を提起していく人に対するリスペクトが生まれるような仕組みづくりが重要だと思う。

〇今のようなことを,教育現場で,一朝一夕に改革していくのは,色々な困難を伴うと思うが,教員自らがそういった発想をできるようになる取組が必要ではないかと思う。いきなり,多様性,思考する,課題発見解決型アプローチといっても,必ずしも教員自身がその発想が身近ではない状況が多々あると思うことから,教員自身がその重要性や,やり方を考えることができるような仕組みがあれば良いと思う。

〇こうした取組をしていく上では,できればハンディキャップのある状況に置かれている層が対象になっていると良いと思う。グローバル教育や国際化と言うと,元々非常に恵まれた環境にある国際的なマインドを持った若い人が,どうしても舞台に上がりがちだが,社会的,経済的に困難な状況に置かれている人たちの中で,チャンスを与えられれば非常に大きな成長を遂げるポテンシャルを持つ若者はいると思う。そういった層を生かすようなグローバル教育というものが進んでいけば良いと思う。

 

〇グローバルには空間と時間的の両方の側面がある。これをどのように子供たちや教育にといった時に,教員がどれだけ共通の問題意識を持っているかが非常に大事だと思う。知事や教育委員会で目標を掲げて,文章化した高いレベルのものが出て,それを教員が実行するということではなく,教員自身がそういう問題意識を作り上げていくというプロセスが大事であり,その人たちの力で目標ができ,1つの運動としてそれが目標になっていくという過程が生まれると良いと思う。このことは,研修という形でもできると思うが,教員自身が主体的に取り組むような動きになれば良いと思う。

〇グローバル性や広島という特質を生かした教育という前に,それを子供が受け止めるセンス,幼いころからどういうセンスを磨くかということが非常に大事だと思う。大人が舞台を用意し,チャンスを子供たちに与える。その中で,運良くそういうものに出会えばセンスがピッタリ合って伸びていく子供たちができる。そういったことが県全体で大規模に展開できるような運動というものがないものかと思っている。

 

〇自分のキャリアデザインを,家庭の中で考えていけるような素養を子供たちに身に付けさせていくことは,大変重要なことだと思う。海外で起きていることを自分のこととして考えていく想像力の下地になるもの,違う国籍の人たちと一緒に働ける,活動できるということが,グローバルな人材だと思う。

〇その次のフェーズは,違う国籍の人たちの中でリーダーになれるかどうかだと思う。世界中の,職業観も,家族観も,人生観も,言葉も違う中で,リーダーとなり得るのは,かなりの洞察力や創造力,倫理観などが求められてくると思う。日本人の中でリーダーになれる人材を育てることと,外国人もいる中でリーダーになれる人材を育てていくこと,外国人が圧倒的に多い中でリーダーになれる人材を育てていくことでは,かなりフェーズが違う話だと思うが,小さい時からそういう素養を身に付けていき,年齢が上がるにつれて自分に求められるスキルやリーダーシップ,自分のキャリアデザインを考えていくことができるように子供たちを育てていくことが大切であると思う。

 

〇世界に出て,世界の中で競争力を持って活躍できる人材を育てることは必要だと考えている。他方で,今の時代は否応なしに海外の人たちと接点を持たざるを得なくなってきており,今後,さらにそうなると思われる。そう考えた時に,それを受け入れる力,あらゆる層でグローバルということに対応できる力が必要だと考えている。

〇教育を,子供たちが社会で生き抜く力を身に付けるということを基本として考えると,あらゆる社会の側面でグローバル化しているということに対応できる能力というものが重要な1つであると思う。一方で,今の社会においては,社会で生き抜く力というものを他の側面からも考えていく必要があると思っている。今の時代,日本は世界の先端に出ており,従来であれば,教育はどちらかと言うと既にモデルがあり,それを効率的に追いかけていけば良かったが,最先端にいることで,自ら課題発見をして解決するということをしていかないと,社会自体が回らなくなるということがあると思っており,その中で,発揮すべき能力というものを考えていく必要があると考えている。

 

〇方針としてグローバル化というものを出す前に,教育の担い手となる人たちが,グローバル化が必要だということを,どのくらい共通認識として持っているかが大変大事になると思う。例えば,教員がほとんどそれを感じていなければ,方針を出しても実行がなかなかできないと思う。そうしたことからも,どういう点を強調し,同じ意識を作るのかという条件がないと,なかなか実行に至らないと思う。

 

〇グローバル化について,少数の方の海外展開ということもあるが,一方で,既に国内の教育問題として存在していることを認識する必要がある。

〇送り出すグローバル化というのは,10年20年前から既に認識されていたが,国内で受け止めるということについて,我々一人一人に,一段と迫ってきているという現状認識や状況認識をどれだけ共有化できるかが,今後大切になってくると思う。

〇次期学習指導要領について今検討されていることの1つは,次の世代の人たちに,どういう力を持ってもらうかを,これまで以上に明確にすることだという。これまでは,比較的内容面に重みを持たせていたが,例えば,2つの価値観をバランスを取って捉えることができる力や,思考・判断・表現といった力をもう少ししっかりと明確にしていくということである。

〇一人一人に考える力を付けるという観点で見ると,日本の小学校・中学校・高等学校の授業は,考える,あるいは考えさせる場面があまり無く,どちらかと言えば教えることに多くの時間を割き,考える時間や場面が少ないと思う。また,グローバル化ということについて,授業をする教師が必ずしも意識していないのではないかと思う。考える力を育てる,あるいはそういうところに授業をより重点化していくということは,少し話を整理して繋げていくと,本日話題にしていることに繋がってくる部分があると思う。

 

〇我が子が長年働き続けられる人材であり続けるために,親として何ができるか,何をしてあげられるかと考えた時に,「変化に適応できる力」を身に付けさせることだと思っている。

〇大学や短大,専門学校の中退者の9割は,環境不適応によって辞めている。カリキュラムとの不適応や,友人関係ができずに不適応になるといった理由である。若者の早期離職も新しい環境への不適応が要因の1つとなっている。

〇カリキュラムの中で,子供たちの考える力を育てていく,子供たちを乗り越えられる範囲である程度変化に晒していく,色々な環境変化を経験させていくということが大切であり,具体的には,海外留学経験,インターンシップ,寮生活が有効だと思う。

〇また,カリキュラム以外で,いかに変化に晒し,そこで必死に考え,どうしたら適用できるかということを,段階的に作っていく必要があると思う。

 

〇本来,求められる人材というのは,個が確立している人間であり,個の確立というのが重要だと思う。ある程度,ユニバーサルな価値観や共感力に基づいた個を持っている人間であれば,活躍の舞台が海外であっても地元であっても,素晴らしいことができると思う。

〇国際的な舞台を求めるか否かという話以前に,グローバルというよりは,ユニバーサルな人格形成みたいなものが大変重要だと思う。自立心や広く共感する力,強い人格といったものに代表される人格形成が行われていけば,海外に行く人や,地元密着型で活動する人,日本という国の枠組みで活動する人が出てくると思う。

〇色々な舞台で活躍する人たちが出てくるという前提で,全員に求められても良いと思うことは,強い個の確立である。それをいかに教育や幼少期からの活動の中で担っていけるのかということを考えるような仕組みがあっても良いと思う。

〇一方で,考えた人が損をしない社会構造になっていかなければいけないと思う。保守的な環境では,余計なことを言うと空気が悪くなる,余計なことを言ったと言わんばかりに不利益を被るといったことが多々ある社会だと,考えることへのインセンティブがなくなってしまうと思う。教育だけでは解決できない大きな社会課題だと思うが,かなり具体的な取組として,考えた人が冷遇されない、考えることが奨励される仕組みをどんどん打ち出していくべきだと思う。

 

〇皆さんの話を聞いて質問をさせていただきたいことがある。小さい時からの様々な体験の大切さを挙げておられたが,小さい時というのはいつ頃の話を指しておられるのだろうか。ここでの議論の対象の子供たちについてお聞きしたい。

〇小さな子供たちの遊びの中からできる様々な教育というのは,保護者なしでは考えられないし,保護者の関わりがあってのことだと感じている。これまでの話だと,子供にばかり焦点が当てられ,保護者については,あまり話に出てこなかったように感じた。子供の教育を考えるというと,学校現場等での話が主で,保護者が小さな子供を育てている家庭の問題がどうしても後回しになってしまうような気がしている。

 

〇「小さい時」とは,生まれた時からずっとだと思う。

〇小さい時ほど大事というのは,非常に柔らかい状態の時にセンスというものはでき,知識や方法は,いくら大きくなっても身に付くが,例えば,科学のセンスなどは,ある年齢以上になると育たない。そういう意味では,すごく小さい時から思いきり遊ばせ,その遊びの中で子供のセンスを注意深く見ていく必要があると思う。

〇日本の学校教育は,学習指導要領があって,小学校・中学校の時代にどのように教えるかという,しっかりとした体系があり,体系的な知識を勉強することは非常に大切だと思う。一方で,家庭で経験する学びというのは体系的になっていない。家庭教育が果たす役割と学校教育が果たす役割は違っており,相互に補完しあって初めて,子供にとって大変豊かな教育ができると思う。

〇現在は,家庭と学校が支え合う体制になっていない。家庭と学校の子供を通じての支え合いが,もう少し,地域としてできてくる,雰囲気としてできてくれば,全国にない取組ができると思う。

 

〇「小さい時」ということについては,色々な指標で言うことができると思うが,敢えて言うなら,0歳から15歳だと捉えている。昨今の行政や地域で,0歳から15歳までを一体として捉えて,色々な形で働きかけるという動きも出ている。

 

〇この懇談会は,幼稚園と保育所では管轄が違うであるとか,義務教育や高等学校教育も,私立学校に関わるものは教育委員会は関係ないといった,縦割り行政を乗り越えた,オール広島県として取り組む「人づくり」について議論いただくものだと捉えている。先程,「小さい頃っていつか」ということについて問題提起をいただいたが,こういうところから議論を始めるということは,非常に大事なことだと思う。縦割り行政を一切失くすというのが,この懇談会の趣旨だと私自身は理解しているので,これは管轄外などと思わず,自由に発言していただきたい。

 

〇原爆記念日には,広島に世界から多くの人たちが来られる。その人たちと触れ合う機会というのは,他の都市等に比べれば大変多いと感じており,それを捉えて,中学生,高校生,大学生あたりの若い世代の人たちが,その人たちと触れ合う機会を作りたいと考えている。そういう機会を上手く生かせるかどうかというときに,教職員や地域の人たち,家庭の人たちが本当に一体となって,子供たちにそういう機会を与えようとしているかということについて,多少疑問を持つことがある。同じ方向を向いて,グローバル人材を育てようという意識がまだ醸成されていないと感じる。

〇平和問題を,子供たちの教育という視点から捉えていくことは,広島にとって非常に有利な材料だと思っている。それを学校だけに任せるのではなく,家庭や地域の人たちも,それを有効に使うことのできる手立ては何かないかということを常に考えており,海外の人たちの価値観や多様性などの色々な問題を,若い人たちが知ることは非常に大事だと思う。

〇平和という問題や平和を維持するためにどういう行動をすれば良いかということを,若い世代が中心になって考えてくれると,そのこと自身がグローバルなものの考え方になると思う。単に,平和とは戦争がないことというだけではなく,貧困問題や宗教の問題などの様々な要素がある。世界で起きている問題について,少し広い視野で考える機会を持てる,非常に良い位置に広島はいると思う。そういうことを,県や市の教育で,もっと大きく取り上げていくことができないかと常々思っている。

 第1回懇談会の概要 (PDFファイル)(255KB)

4 資料

 次第 (PDFファイル)(21KB)

 委員名簿 (PDFファイル)(96KB)

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