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平成23年度 第1回教育改革推進懇談会 概要

平成23年度第1回教育改革推進懇談会の概要 及び平成22年度第3回教育モニターアンケートの集計結果について

1 懇談会の目的

 教育委員会委員が第一線の教育関係者と意見交換することにより,学校教育に関する施策の有効性を点検し,より適切・妥当な施策展開の方向性を探る。

2 日時及び場所

 平成23年6月16日(木曜日)10時~12時
 県庁北館2階 第1会議室

3 出席者

 広島県教育委員会委員 5人
 教育関係者 10人
 (学識経験者1人,学校関係者4人,PTA関係者2人,民間3人)

4 テーマ

 教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価について

5 主な意見の概要

【子育て支援体制の充実,学力の定着・向上】

○ 幼児期の基本的生活習慣の定着やコミュニケーション力の育成などの基盤作りという意味からも,幼小連携を推進していくことが重要である。幼稚園の研究公開は年々増加し,また,幼・小・中の教職員が一同に会しての全体研修会も行っている。幼稚園の取組状況が年々充実し,研究推進体制も確立してきている。幼小連携に関して,行事を通じた交流は進んでいるが,教職員が教育課程や保育課程について一緒に話し合い,練り上げるという,教職員同士の相互理解がまだまだであり,育ちの連続性を踏まえた取組を進めていくことが必要ではないかと思う。
子育て支援の体制づくりに関しては,子育てに係る学習機会が非常に充実してきている。ただ,問題があって本当に参加してほしい方が講座などに参加しておらず,その辺りをこれからどうするかが課題ではないかと思う。
 放課後子ども教室に関しては,子どもたちの満足度が高い。放課後に安全・安心に活動できる場として,地域の方の参画を得て実施している。核家族化が進んでいるが,例えば地域のおじいさんやおばあさんに,そういう場をとらえて礼儀やマナーを教えてもらいながら,色々なことを学ぶよい機会になっている。今後は,指導者の確保について考えていくことが必要ではないかと思う。

○ 基礎・基本定着状況調査の結果などから,中学校に課題があると認識している。県教育委員会には,指導力の問題や課題の分析など,的確な手立てをしてもらった。それでもなお,小学校と比較して中学校に課題が残っていることについて,学習意欲の問題が根底にあると思っている。不登校や生徒指導の諸課題などの問題がとても大きく,結果として,その生徒の学習意欲がなかなか向上しないという課題に直面している。これに関する取組として,結果は十分ではないが,地域でも存在感を持てるように,地域でボランティア活動などをしている。学校の中でも自主的な活動を中心に取り組んでいるが,自分がこの地域に住んで良かった,学校に来て良かったという気持ちをどれだけ持たせられるかということを通して,学習にも意欲を持たせようと取り組んでいる。

○ 保護者は一生懸命頑張っている。子どもたちのことを思い,子どもたちが将来の広島県を担って社会貢献できるようにと思って子育てをしているが,実際は問題行動や不登校等もある。ただ,いつも協力しながらやっていかなければいけないと思っている。
学力の定着・向上の課題について,県が掲げるトップ10への挑戦,数値目標を出して学力をつけるということを,もっと保護者も理解しないといけないし,小学校,中学校の教員に,その意識があるのかと感じるところがある。管理職が研修等で教員に浸透させているのだろうが,教員も学習指導において何を目標にしているのか,もう少し統一した意識やスキルを持って子どもたちに接してもらえればと思う。
 小学校では,新学習指導要領に移行されて授業時数が増えたが,以前と変わらず学校行事がある。子どもたちはとても忙しい中,このシラバスで本当に学期が終わるのだろうかという見方をしている。教員・保護者・地域の共通意識の中に,例えば広島県の子どもたちの学力向上が課題で,そのことについてもう少し交流を持つという場面があってもよいのではないか。

○ 学力向上では,小学校では結果が出てきており,高等学校も以前より遥かに良くなってきているが,中学校は難しいようである。その難しさの理由がどこにあるのか考えたときに,学力と生徒指導がもう少し一体化するような取組があればよいのではないかと思う。
 キャリア教育は県民や教員の評価もかなり高いが,それは表面から見た満足度ではないかとも思う。中学校については,キャリア教育の視点に立った進路指導,あるいは生きる力を基盤に据えた進路指導というのがまだ足りないのではないかと思う。

○ 子育て支援に関しては,自己評価のBは妥当であると思う。ただ,講座数やファシリテーターは増えているものの,問題は,この講座に来ていない,さらに課題を抱えている方にどうアクセスするかということである。昨年度もかなり悲しい事件が起きている。こういう講座を増やしていくことと同時に,セーフティネットの充実が課題になろうかと思う。
 学力向上に関して,小学校は成績が上がっているものの,中学校に課題が残っているという認識である。なぜ小学校での成績が中学校につながらないのか,きちんと要因分析をしてもらい,更に,中学校の状況が高校とどう関わっていくのか,幼小連携,小中連携,中高連携,それから地域との連携ということが取組課題であろう。教育委員会や学校は一生懸命頑張っているが,そのことが子どもを通して保護者の方に今一つ伝わっていないのではないか。子どもも学校も頑張っている,教員も努力しているということをもっと共有できればよい。

【豊かな心と健やかな体の育成,特別支援教育の充実】

○ 豊かな心の育成に関しては,小学校で行われた3泊4日の長期宿泊体験活動によって道徳性が向上したという大きな成果があり,すばらしいと思った。本校は全児童生徒33名という小規模校であるが,この特色を生かし,異年齢集団での遊びや,知的障害教育部門・情緒障害部門の両部門の合同行事などの充実を学校経営計画に入れている。昨年度は,このように成果が出ているので,是非このノウハウを生かした取組の普及を図ってもらいたい。また,特別支援学校でも,生徒指導上の問題への対策が必要となっている。未然防止のために心を育てるという取組は大変参考になる。
 健やかな体の育成に関しては,授業改善への支援,それから児童生徒に一流・本物を見せる,触れ合う,そこから学ぶという取組を,是非このように進めてもらいたいと思う。

○ 「志の教育の推進」について,大きな「志」を持たせるための教育的な取組を,現場でも教育委員会でも指導をいただいて行っている。例えば,科学オリンピックなど,一流に学ぶといったような取組である。また,資料のとおり各市町で6つセミナーが単独で開かれている。これは非常に有効なことである。同窓会等の力を借りて,毎年1~2回,著名な同窓生による講演会を開く取組をしている学校もあるが,多くの学校は,なかなかそこまでは難しいと思う。やはり教育行政の大きな力により,できるだけ中高生のような若く感性が豊かな時代に,一流の人に接することができる機会が増えるような取組を,今後も継続していただきたい。
 ただ,その開催の頻度が広島中心ではないかと感じている。広島で開くのであるなら,福山や三次でも,というように回数を増やしてもらえれば,地域で頑張っている子どもたちが,必ず出掛けて,参加する生徒の数も増えるのではないかと思う。
 この取組は,検証するのにかなりの時間を要する。今すぐ取り組んで,すぐに実績を出さなければいけない教育的課題と,5年・10年のスパンで夢と希望を持って,確信を持ってやり続けるという取組の両面がいるのだろう。10年後に,広島県からとても志の高い人物が出れば,大変すばらしいと思う。これこそが教育に携わっている者のロマンではないか。生徒に「夢やロマンを持ちなさい」と言っている本人が,そういうものを教員である限りは持ち続けて,常に語りかけなければいけないのではないのかと思う。
 このことに絡んで言うと,小規模高校間の連携事業であるが,これも同じレールの上に敷かれた事業であるととらえている。スケールメリット等を生かしながら,生徒同士が切磋琢磨する中で,小さな学校でもキラっと光る学校づくりに,この事業に参加している学校は取り組んでいるところである。これも,1・2年で成果が出るとはとても思わない。最終的なメルクマールは生徒数の増加であることは承知しているが,全体の生徒数が島嶼部・中山間地域で減少する中で,この事業に取り組んだからといって,一挙に生徒数が増えるとは思えない。その評価基準は大切にしながら,それ以外の部分で,生徒がこういう地域でどれだけ頑張っているか,周辺校でも頑張っているといった部分の評価も,今後は県教育委員会には取り入れていただきたい。

○ 目先のことも大切だが,どこに向かっているのかを共有していくというシステムを考えなければいけない。一流に触れさせることは,健やかな体についても十分に同じことが言える。トップスという,広島のすばらしいスポーツマンがネットワークを組んでいるので,それをもっと有効に使っていけたらと思う。あのようになりたい,また,そういう一流の選手は何を考えているのか,こうしたことに触れ合えるようになれば良いと思う。
 行事の開催について,広島中心に考えているのではないかと言われれば,確かにそのとおりだと思う。県としての色々な活動も考えていかなればいけない。

○ 特別な支援ということで話をすると,虐待などを受けて行き場所のない子どもについて,学力が甚だしくついていない。小学校で,学校には来ているが,服装も持ち物も,他の子が持っているものがないということを目にする。「あの子はなかなか大変で」という話をよく聞くが,小学校では大きな問題を起こさないので,そのまま卒業する。そういう子どもが中学校に入り,学校の勉強が全然分からない中で,不登校になる子もいるし,学校に行く子は授業妨害をしたりする。小学校において「芽」というものがあると思うが,それをどう察知して中学校に繋いでいくのか,もう一歩具体的な取組として何かできるのではないか。
 家庭の教育力の問題で,一生懸命頑張っている保護者はたくさんいるが,保護者に期待するのは厳しいのではないかという家庭もあり,そういう家庭で暮らす子どももたくさんいる。先生方が察知して尽力していると思うが,正直言って限界に来ているのでなないかと思う。そこについて,学校だけでやりきれるのか。学校ではなくて,福祉部門との連携を図ることもあってよいのではないかと思う。

○ 特別支援学校にも軽度の障害のある子どもが入ってくるようになり,生活指導面での取組も必要になってきている。先ほども言われたように,今後,福祉機関との連携や,地域の小中学校とのネットワーク作りなどを組織的に行っていく必要があると考えている。

○ 豊かな心と健やかな体の育成に関しては,体験活動や道徳教育の推進という点で,かなり充実しているが,自己評価はCである。この一番の課題が,生徒指導,問題行動の部分だろうと思う。生徒指導をしっかりやって欲しい,立て直して欲しいと,言うのは簡単だが,実際には多くの複雑な要因も絡むし,地域・家庭の問題もあり,早々に結果が出るものではないと思う。しかし,これは県民ニーズに応えるための重要な課題と位置付けてもらいたい。子どもたちが色々な閉塞感の中でやりきれない思いをしている。「志」の教育は,ひろしま未来チャレンジビジョンでも大きなポイントになるので,これに力を入れてもらいたい。また,子どもたちが「志」を持つような仕組みや周りの環境への工夫が必要だと思う。
 特別支援教育の充実に関して,就職環境が厳しい中で,高等部卒業生の就職への取組については,評価してよいのではないかと思う。これから益々厳しくなると思うが,引き続き,取組の推進をお願いしたい。また,特別な支援を必要とする対象,一般的に小中学校で課題になっている発達障害など,いわゆる特別支援学校でのケアは必要としていないが,通常の学級でのケアを必要とする子どもたちへの目配りや手当てというのも考えていただければと思う。

【キャリア教育の充実,グローバル社会に生きる力の育成】

○ キャリアノートは,小学校1年から高校3年まで1年ごとにきちんと作られていて,その内容も細やかな内容であり感心させられた。ただ,持ち上がりのときにこれが活用されていないのは,本当に残念だと思う。持ち上がりの際の継続性が重要なことではないかと思う。例えば,小学校6年間のファイルを中学校1年生の担任が見ることによって,この子はこのように育ってきたということでコミュニケーションも取りやすいし,子どもも,この先生は自分のことをよく分かっていると考え,信頼関係に結び付くのではないかと思う。持ち上がりの継続に関して,イメージ的には,母子手帳や年金手帳などの個人がずっと保有する形態のものができたらいいのではないのかと感じた。
高校生の就業能力に関して,高校生が入社して3年で5割辞めていくのは,大卒に比べてのコンプレックスのほかに,モラトリアムの問題がある。高校からすぐに社会人ということで,社会に慣れるための離陸する期間があまりにもなさすぎるため,このモラトリアムの部分を少しでも高校の中で指導できれば,もっと離職率は改善できるのではないかと思う。
 「もしドラ」で知られるようになったが,ピーター・ドラッカーは,とても日本びいきで,21世紀は日本の時代だということまで言われていた。残念ながら2005年に亡くなられたが,その最後に,10年間閉塞した日本に対して,「日本に何が足りないのか,今から何をすべきなのか。」という問いの答えとして,「やはり日本は教育しかない。」ということを言われたのが大変印象に残っている。資源がない極東の島国で,資産は人しかないという面では,大変教育界には期待している。

○ キャリア教育に関して,大学生を見ていて感じるのは,小・中学校のキャリア教育がもっと繋がってくればよいということである。身に付いていないことが多すぎる。その点は,先ほどの「志の教育」というところに尽きると思う。一流に触れさせ,高い志を持たせるということは非常に大事なことである。ただ,夢を持たせるということも大事だが,それぞれの身の丈に合った,今の自分たちに可能なことにまずチャレンジするということが欠けている。イチロー選手を夢見て野球選手になれるのかという議論がよくされるが,自分の家庭はどのように成り立っているのか,父親や母親の職業は,そして地域はどのように成り立っているのかということを見せるのが,小・中学校の現場だと思う。小学校でゲームをしながら学習するということから,続けるということは大事で,一過性のものになってはいけないと感じている。小・中学校の現場で,子どもたちが将来,自分の力で自分の生活ができるようにという,一番シンプルなところに特化して,あいさつをする,物を片付ける,人に何かを譲るなどの精神と,それを行動に繋げるということに力を入れてもらえれば,キャリア教育がもっと充実すると思っている。
 それから,学校現場の教員のキャリア教育の理解が,職場体験だけではないかと感じている。子どもたちが社会に出るというのは本当に大変なことだということをもっと理解して,キャリア教育の時間を充実させてもらいたい。これは高校でも同様で,高校生が社会に出る期間があまりにも短く,社会人という自覚が持てないということについては,問題意識を持たないといけない。

○ ここ数年,グローバルに関しては,グローバライゼーションやグローバル化など色々な言葉が出てきている。最近は,経済的な観点から,日本の経済が大変な中で,グローバルな人材をしっかり育てていかなければいけないということも言っている。国際協力だけではなく,相互依存関係である今の国際社会の中で,グローバル社会に生きる力の育成という観点で教育をしていこうという流れは絶対に必要だと思っている。
 目標に書いてある今の地球の大きな問題,環境問題や資源・エネルギー問題などは,日本がこれだけ相互異存している中では本当に大事だと思うし,地球規模の課題を自らの問題として,若いうちから理解して欲しいと思っている。
 語学力やICT(情報通信技術),持続可能な開発のための教育(ESD),最初のきっかけとして,若い人に,国際協力だけではなく,グローバル社会の中で,こういうものがとても大事だということに関心を持ってもらうためには,まずは知ることが大事である。
我々としても,様々な取組をしている。例えば,アフリカや中東の研修員が地元の学校に行って,子どもたちと交流することで,お互いにとてもよい経験になっている。小学生でアフリカ人と会うことは,我々が若いときにはあり得なかったと思う。そういうことによって,すぐに何かできるかという話ではなく,地球の中にはこういう人々がいるのだということを理解してもらう。まずは知ること,これが最初のきっかけだと思っている。そういう中で,どんどん関心を広めてもらいたい。これをどうやって伝えていくか。そういう意味で,単に理論の話だけではなく,色々な交流の場,実体験の場を作っていくことが大事ではないか。
 「志の教育」でも話があったが,仕事も教育も勉強も,常に夢と目標を持って生きていくということが大事である。それがあれば,一生懸命,活き活きと生きていけると思う。そういう思いをさせるということが,教育の一環としてとても大事だと思う。形式的な教育だけではなく,まずは関心を持ってもらう,夢や目標を持つということが,一人の人間としても,地域としても国としても,非常に大事なことだと思っている。予算は厳しいが,どのように実体験的なものを行っていくかということを是非考えてもらいたい。

○ 国際化に対応した教育の推進に関して,外国の生徒との交流機会がないというのが課題として挙げられているが,それに対する取組方向として具体的に何をするのかがないのが残念である。例えば,姉妹校を増やして文通するとか,今はメールなど色々な手段があるし,交流する外国人を同世代に限る必要もないと思う。JICAの研修員は世界各国から来ているし,県立世羅高校には必ずアフリカの選手がいる。奨学金を出してでも,そういう方を周辺の小学校に派遣するなど,もっと身近なところで貢献し,協力してもらうことができるのではないか。そういうことをもっと増やせば,留学生と地元の人双方にとって,良い関係ができるのではないかと思っている。
 情報化に対応した教育の推進に関して,ハードウェアに話が特化されているのが少し残念である。他に何をしていたのかよく分からないが,例えばユネスコスクールに参加して,ユニセフや国連がどういった活動をしているのか,具体的にソフトの面から紹介したり,WFP(国連世界食糧計画)のフードフォースという世界の食糧のないところに食糧を届けようというゲームを活用するなど,もっと身近なところで対応できるのではないか。
 大きな夢を持つことに関して,世界を見るとまだまだ平和でないところがたくさんあり,それに日本はとても絡んでいる。世界中の紛争に絡んでいるので,そういうものと結びつけて,世界中が平和であるということを夢見て行く,大きな夢を持っていくということを伝えられたらよいと思っている。

○ グローバル化とかグローバリズムとか,色々なグローバルが言われているが,これだけ情報が手短に入ってきて,交通手段が便利になると,必然的に地球が小さくなってグローバル化してしまう。その中で,自分たちがどう存在価値を出すかということがグローバル化ではないかと思う。
 そういう面では,「日本人とは」というところをもっと自覚すべきではないか。人口で65億人分の1億3千万人,たった2%の人口,それも極東の資源のない島国が,たった60年間で焼け野原からGDPで第2位までになった。たった2%の人間でピーク時には16~17%あった。その優位性,特徴は何なのかについて,色々な人と話すがなかなか答えが出ていない。手先が器用とか勤勉と言っても,今の中国やベトナムの方がよほど勤勉であるし手先が器用である。思うに,日本は譲り合いや思いやりという気持ちを持ちながら,豊かな自然と調和し,共に生きてきたという感性がある。この感性で物を作り,サービスを提供するから,世界にメイド・イン・ジャパンというものが流れて行ったのではないかと思う。
 そう考えると,感性教育というのは本当に大事だと思う。こういうことを色々な体験や経験を通して,歴史観や自然観の中で,きちんと子どもたちに伝えて,日本人のアイデンティティを確立しなければ,グローバル化の中では存在し得ないのではないかと考えている。
 英語もICTも,あくまでも手段であって,目的は何かというのをきちんと押さえないといけない。ICTとか英語を習得してもらう目的は,コミュニケーションであり,仕事の実現である。教育においても,ICTを使って何をするか,覚えることが目的ではなく,小さなこと,手紙を1枚書かせるとか,企画書を1枚書かせるだけでもよい。その達成感などを子どもたちが味わえば,社会に出たときにもっと役に立つのではないかと実感している。

○ キャリア教育に関しては,キャリアノートの持ち上がりにしっかり取り組んでもらいたい。大学まで持ってきてほしいとも思う。大学生も卒業して3割が3年で離職するという話があるので,是非お願いする。また,学習指導要領が変わり,授業時数の確保の中で,インターンシップをどのように位置付けていくのか。かなり浸透してきたが,企業と学校とがどこまで連携し,実績を上げているのかということについて,改めて検討をお願いしたい。
 グローバル社会に生きる力の育成に関しては,各委員が言われたとおりである。グローバル社会に生きる力とは,意欲・関心であったり,リーダーシップであったり,課題解決能力であったりするのだろうが,英語にしてもICTにしてもスキルであり,そのスキルを使うためには内容が必要である。広島県の中高生が,グローバルな,国際的な物の見方や行動ができるようにするためには,どんな力が必要かという視点を少し考えてもらえたらと思う。

【教職員の資質・指導力の向上,教育改革を支える基盤の強化】

○ 高校について言えば,ほとんどの教員は非常に優秀であり,資質を問われるようなことは少ないという認識を持っている。ただ,残念なことだが,オープンな体制をとっているので,テレビや新聞等に登場する機会がとても増えている。それによって,一般の方や保護者の方が悪い印象を強く受けてしまうということを危惧している。今後は,教職員だけではなく,保護者が一体となって進めていかなくてはならないと思う。まず,保護者が自分の子供が通っている学校に対してもっと興味を持つことである。学校もそれを持ってもらうような体制をとる必要がある。保護者全員が学校に来るのは,最初の入学者説明会であるが,だんだん減ってきて,次にほとんど100%が達成できるのは卒業式である。その間に色々な催し物,例えばPTA総会をやると,ほとんどの学校において参加者は約2割から3割で,50%超えている学校は数えるほどである。こういう無関心な状況の中で,新聞報道だけで,我が子が通っている学校の先生を評価するというのは,非常にナンセンスな話だと思う。
 一人でも多くの教員が,保護者と触れ合えるような環境作りをお願いしたい。ある学校は保護者との懇親会を全体に声をかけて年に1回やっている。600人規模とすると200人以上の保護者が一同に会し,そこに全教職員が集まり,テーブルを囲んで,約2~3時間懇談をしている。来た方の評判は非常に良かった。やはり,直接,顔を見て話をしないといけない。苦情についても,保護者が教員の顔を見て,直接いろんな話をしていくことが大事だと思う。
 研修については,予算などあるのだろうが,同じ組織の中だけでなく,いわゆる異業種との交流を行う研修が必要ではないか。また,新人の教員は,いきなり現場配属させる前に,ある程度の期間,企業のように色々な経験をさせる研修に費用をかけてもらいたい。

○ 学校経営基盤の確立のために,校長先生を始め先生方が一丸となってやっていくこと,あるいは地域とのつながり,開かれた学校づくり,安全・安心な学習環境の確保,こういう目標を持って,是非,頑張ってもらいたいと思う。
 特色のある学校づくりでは,例えば,西条農業高校は,昨年度まで「目指せスペシャリスト」という文部科学省の事業の指定を受けていた。何回か発表なども聞かせてもらったが,生徒たちが,挨拶がとても元気で,礼儀が正しいということに感心した。受験勉強や農業だけでなく,地域や国際社会の環境問題を含めた大きな最新のテーマを掲げた研究をしていたが,高校生がこういうことを意識するということは,非常に大事だと思った。研究しているすべての生徒がそれに関わっていくわけではないが,こうした課題をテーマにした研究を,学校の教員が色々とアレンジしてくれていた。子どもたちがそういうことに関わることで,いろいろな経験ができていると思う。
 西条農業高校では,酒造りの基本として綺麗な水について科学的に分析したり,エコの関係で稲わらを使ったバイオエタノールの研究をしたりなどしていた。長い時間をかけて研究するというわけではないが,そういうものに関心を持って研究するということが,中・高校生にとって良い経験になるし,夢や目標を持つ一つの大きなきっかけになる。色々な目標を達成するための活動があり,その中でも,特色ある学校づくりの推進として,学校の連携等について書いているが,研究活動も行って,社会の問題も意識していくということが非常に大事だと思っている。

○ 教員には,「この1~2年のスパンで,内を固めて外に打って出る。これ以上難しいことは言わない。先生方も心を一つにして頑張ってください。」と言っている。「内を固める」というのは,例えば,不祥事防止のための取組を強化するとか,教科指導力を上げるとか,教職員としてのマナーを腹の底まで到達する形で徹底するなどである。「外に打って出る」というのは,今までの校内での取組がなかなか地元に知られていないので,情報公開や情宣活動に力を入れなければいけない。これについては,県教育委員会の学校経営計画対応事業の中で,学校だよりについて支援をいただいた。カラー刷りの立派なものを,月に1部ずつ出している。これを地元で回覧し,全ての人に読んでもらう。また,地元の中学3年生全員に配布しており,また図書館や公民館などにも持って行き,情報公開に努めている。その結果,次第に地元の方に認められているという部分があると思う。
 地元で生まれて育った子供たちは,やがては大きな志と夢を持ちながら,地元で貢献できるという人材に育って欲しい。そのための学校の役割,ミッションというものは非常に大きなものがあると思っている。今までの取組の流れについて,中身の精度を高めることに尽力したいと思っている。

○ 基本的には,教員は大変頑張って努力していると思うが,管理職の処分がずっと出てきており,次の学校経営の機軸を担う方たちの問題行動は,厳粛に受け止めてもらいたいし,その原因をしっかり分析して,課題解決にあたってもらいたい。ドラッカーはアメとムチは一番下手なマネジメントだと言っている。是非,そうではないマネジメントをしていただきたい。
 教育改革を支える基盤の強化について,学校を見せてもらうと,管理職がリーダーシップをとって,マネジメントについての意識もかなり進んでいるし,学校改革について外部に情報公開していくことについての共有意識も浸透していると思う。そういう意味でB評価を認めるが,一つ気になるのは,例えば学校経営基盤の強化の中で,「一部の学校では『育てたい子ども像』が明確でなく,目標の重点化が進んでいない」とあるが,どういう子どもを育てたいのか,どういう力をつけて送り出したいのかが明確でない,あるいは教職員間でバラバラという部分は,是非,改善してもらいたいと思う。

【生涯学習の振興,文化・芸術の振興,スポーツの振興,人として互いに尊重する社会づくり】

○ 小規模高校で連携しているが,本当に地域に根ざしたと言うのであれば,もっと学校を開放したらどうか。図書室もあるし,様々な部活もしている。地域でしか活動できない,遠くに出て行けない方もたくさんいる中で,もっと学校を開放して,生涯学習と連携することによって,生徒は少ないが地域の方は毎日たくさん来ているという学校もあってよいのではないかと思う。それによって,自分の孫や子どもをそこに行かせようということに繋がっていくこともあるだろう。地域の中に学校が入ってくるような方向性ができないかと思う。

○ 歴史博物館等の施設の利用に関して,小学校3年生の社会科や6年生の歴史学習,3~6年生の総合的な学習の時間において,このような施設を活用して,実際に見たり聞いたりするのは,非常に説得力があって有効である。ただ6年生の場合,修学旅行で歴史的なものを見学する学校がとても多く,それに加えてとなると,時間や経費等の問題,あるいは学校行事の関係など,色々な要因から,活用が難しい状況がある。
 近隣にある同様の施設を活用している学校も多く,身近な学習の機会が得られているので,その辺りも歴史博物館等の利用が増えない要因になっているのではないかと思う。逆に,出前授業や体験学習などの学校連携事業は,学校にとっては大変ありがたい。プログラムを考えてもらっているが,今後は,その内容や時期など,シラバス等をもとに学校のニーズに対応したメニューを小中学校の関係者と一緒に考えれば,より改善が図れるのではないかと思う。
 歴史に興味や関心の高い子どもが参加しやすいということで,夏休み等の長期休業中や土日などの時間が確保しやすい時期に,県内各地で出前授業のようなものを実施し,家族で参加するなど,色々な形で参加できるような仕組みも考えてもらえればと思う。

○ 中学校でのスポーツの振興ということで言えば,部活動となる。子どもたちが減り,学校規模が徐々に縮小する中,以前のように部活動をたくさん維持していくことは難しくなっていることが,学校の悩みである。保護者や子どもたちのニーズは広がったままで,それになかなか対応できないというのが現実である。その中で,社会体育,スポーツクラブと学校教育との関係が,これから作られ,検討されていくのではないかと感じている。学校は,学校の中だけで子どもたちの体力や運動能力を考えているし,社会体育,スポーツクラブは,そこだけで考えている。これからはお互いが歩み寄っていくべきではないか。

○ 人として互いに尊重する社会づくりとして,具体的にどういったことをしているのか,数値目標だけしか書いていないので,内容がよくわからない。人権問題は不登校やいじめの問題,本人の学力や周りの学力,多様性を認めるという意味では,グローバル社会の問題にも関わってくるので,もっと重視してほしい部分だと思う。
 具体的な人間のストーリーを出すというのは一番大切なことだと思っている。例えば難民や子ども兵士の問題,日本や海外で起きた地震や津波など,具体的な事例を挙げながら,人間のストーリーとして,子どもに教えていくことが大切ではないかと思う。
 もう一つ,人を尊重するということは,自分を尊重するという自尊がなければできない。これはよく言われていることだが,そういうことから,どうしたら自分を尊重できるかということについて,子ども同士で話し合わせることも必要なのではないかと思う。

○ スポーツに関して,国民体育大会の総合順位というのがある。本県では,ベスト8を目指して取り組んでいる。平成9年~17年まで9位になったことが3回ある。もう一歩で8位という年が3回あったということを,もっと強調し,みんなで支えれば必ずベスト8に入るということを特にPRしたい。

○ 人権教育に関して,子供が育って生きていく中で,その子の人権をどのように確保していくのか,そのことをどのように教えていくのかというのは,教育の根幹の1つだと思う。

○ 生涯学習や文化・芸術に関しては,とても幅が広く,課題も大きい部分だと思う。昔から言われている,学校教育と社会教育の連携(学社連携)が大切であり,学校を開放するときに,学校関係者だけでなく,社会教育関係者も関わることが必要であるし,文化・芸術もそうである。
 スポーツに関しても同様である。学校では,そこでスポーツができるということで人気が集まったりしているので,学校を越えた社会体育というものも必要である。
 人権教育は,学校教育で推し進める部分と社会教育で推し進める部分と,両輪で進めていくべき課題であろうと思った。

6 資料

(1)教育改革推進懇談会開催要領,委員名簿 (PDF128KB)
(2)教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価について (PDF1.69MB)
(3)点検及び評価に係る参考資料 (PDF661KB)
(4)平成22年度第3回教育モニターアンケートの結果について (PDF625KB)

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