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平成22年度 第2回教育改革推進懇談会 概要

平成22年度第2回教育改革推進懇談会の概要 及び 平成22年度第1回教育モニターアンケートの集計結果について

 「高等学校教育に求めるもの」について,平成22年度第1回教育モニターアンケートの調査結果などを基に,意見交換をしていただきました

1 懇談会の目的

 教育委員会委員が教育関係者と意見交換することにより,学校教育に関する施策の有効性を点検し,より適切・妥当な施策展開の方向性を探る。

2 日時及び場所

 平成22年9月10日(金曜日)10時~12時
 県庁北館2階 第1会議室

3 出席者

  • 広島県教育委員会委員 6人
  • 教育関係者 10人(学識経験者1人,学校関係者4人,PTA関係者2人,民間3人)

4 テーマ

 ○ 「高等学校教育に求めるもの」についての意見交換

5 主な意見等

意見交換テーマ:社会に必要とされる力を培う学校教育について

 ○ 「高等学校教育に求めるもの」ということで大きく2つの視点を出してみたい。1つは,高等学校を卒業する段階で一体どういう資質・能力を身につけておくべきなのかという点である。高等学校を卒業したときに,どういう力を身につけておけば,高等学校教育がうまくいった,目標を達成したと言えるのかがかなり大事である。アンケート結果では,「主体的に判断できる」,「主体的な生き方」というように「主体性」という言葉が挙がっていた。高等学校改革の1つの柱に,「自立して生きていける力を身につけること」がよく言われている。自立とか主体的というものを,もう少し具体的に言うとどういうことができる力なのかということが1つポイントになる。「主体性」は大事だが,もう少し具体に言えば,どういう力が社会で必要になるのか,求められるのかという観点である。
 もう1つは,高等学校教育も当然社会の中での学校教育であるので,社会の影響が大きく反映する。高校生が,ある意味学ぶ意欲を少し落としているというのも,そういう社会の影響が彼らの中にも入ってきているという面はあると思う。いろいろな階層・格差が出てきている。当然格差には経済的な問題も絡んでくるが,そういう中で,意欲や主体的に判断する力を持てない場合もあるかもしれない。要するに,いろいろな社会環境あるいは家庭,地域などの子どもたちを取り巻く状況の中で,主体的に学ぶような姿勢・意欲を彼らに育成するためには何が必要か。社会環境の問題も絡めて高校生たちに伝えたいこと,育成したいことは何かという点である。
 
 ○ 小学校とか中学校はそれなりに身近に感じ一般の人からも様子が分かるが,高校は一般の人との関係が薄いと感じる。これからは,高校生が小学校とか中学校を訪問する機会がほしいという気がする。今高校生にはあいさつとかマナーが欠けていて,注意してもなかなか聞いてくれない。学校で教育してそれを直すというよりも,小学校や中学校を訪問し後輩の面倒を見る中で,あいさつはこうしなければならないとか,社会の最低限のマナーは守っていこうという,人を指導することによって自分が身につけていけるような,そういう環境が必要ではないか。
 
 ○ 生徒に何でも興味を持ってチャレンジするいわゆる総合力を身につけることが必要である。環境に対応する力も必要である。1つのことをがんばるのもいいけれども,いろいろな事をやっていかなければならない。それを受け入れる素地を高校のときに身につけておくべきである。そのためには,授業であればバランスよくすべての教科を学習する,いろいろな行事に参加する,地域に出ていろいろと小中学生と交流する等,いろいろなことをすることによって,そういうものが身につくのではないか。総合的なもの,社会に出ていざとなったときに対応できる力をつけるべきである。
 
 ○ 本校は専門高校で,いろいろな内容や機会を与えている。例えば,クラブを一生懸命する,ものづくりを一生懸命する,資格を取る,何でもいいから一生懸命やって,自分は高校生活でこんなことをしたよという体験が大切である。その体験は,いずれ社会に出ても,自分が何かに向かっていくのだという意欲に変わるものであると思う。これしかできないということではない。逆に燃えるものがない,何をするというものがないということでは,3年間たってもなかなか意欲に変わるものが見つからない。クラブ活動を一生懸命させたり,資格を取らせることも非常によいことであるし,先日ものづくりでロボットを作ったけれども,そういうものづくりも非常に意味のある教材だ。一生懸命こういうことをやる,こういうことをしたいという意欲を身に付けさせるようにすることが必要である。高校側は,うちに来ればこういうことをする,こういうふうになる,こういうことをやる子を求めている,という部分をしっかり発信する必要がある。
 
 ○ 私立学校では,「建学の精神」があり,卒業時に身につけさせておきたい資質なり力というものを「建学の精神」に基づく人材育成像という形でそれぞれの学校が持っている。そして,その育成すべき人材像に基づき教育するシステムをそれぞれの学校が持っている。これが私立学校の特色教育である。私どもの学校では,育成する人材像として,「自立した女性を育てる」ということを掲げ,具体的には,「自らの目標を持ってその実現に向かって努力ができる。そして,他者とのコミュニケーションができる」という形でブレイクダウンをさせている。そして,自らの目標を持ってその実現に向けて努力ができるためには,何を学校教育の中で行うのか,そのようなシステムが本校の教育システムである。
 「自主性なり主体性なりを育むには何が必要か。」という話があったが,やはり「学力」である。基礎となる学力,例えば,文章をきちんと読み込む力,それが何を訴えるのか自分で理解する力,物事を論理的に考える力,社会の様々な事象を知る力,そして,そういった力を基に自分の必要な情報を収集する力,それらをベースとして,その上に,経験や体験を通して自主性や主体性を身につけていくのではないか。
 
 ○ 最近特に気になるのが,各家庭の収入面の格差の問題である。高等学校よりもむしろ大学進学面での格差である。進路指導も近場の国公立大学へ進学させることが中心になっていないか。例えば,推薦入学にしても,いわゆるお金の問題があり,行かせたいけれども行かせられない。推薦の応募者さえいないことがある。そういうことに対して,奨学金などの具体的な対策を考えて幅広い選択肢を与えてほしい。近場の国公立大学でいいからということで敬遠される。
 アンケートで特に気になったのは,「自分の子どもを今から高校に行かせるのに,高校の中身が分からない。」という意見が見られた。高校も出前授業などを随分行っているが,もっと機会を増やして中学校との連携を行うことが必要である。教職員だけが対応するのではなく,生徒を巻き込んだ取組が必要である。 
 
 ○ 「地産地消」の大切さ・重要さを,子どもたちに教えていないのではないか。教える必要があるのではないか。そういうところから,いろいろな体験をさせることによって,幅広いものができてくるのではないか。農地は生み出すものがたくさんあるのに,それが漫然と見えてしまっている。そこの価値観というものをいろいろな形で彼らに理解させる。そういうことがとても大事になっている。
 我々はインターンシップで学生を受け入れるが,農業とか林業の枝打ちだとかたくさんの事に取り組んでいる。学力ということもあるけれども,世の中がどんな人材を要求しているのかという目線をしっかり見てもらいたい。そして先ほどの農業ではないけれども,何が本当に信用できるのだろうかということのために,いろいろな経験をさせてみたい。昔はチャンスがあったらどんどん海外でも出ていったものである。国際性という面で早くいろいろな機会を与えることが小・中・高全部に必要になってくると思う。
 
 ○ 障害を持った子どもたちの将来像というのは,自立と社会参加とがある。高等部では,進学や就職あるいは施設の利用といった進路がいろいろあるが,生徒には人の役に立ち,人のために生き生きとした卒業後の生活を送ることができる職業人としての気持ちを持ってもらいたいと思っている。そのためには,日々の授業をできるだけ一人ひとりの障害の状態に応じた指導法や指導内容であるように心がけるということを大事にしている。
 就職においては,それまでのプロセスとして,就業体験や職場実習を企業の協力を得ながら実施している。企業との連携ということでは,他県をモデルに「デュアルシステム」ということを行っているところもある。これは,職場実習と就労をセットで考えるような実習を募り,実施しているものである。最近は,大学に仕事を積極的に作ってもらい実習をさせてもらっている。そしてこの体験の期間を,できるだけ長く2,3週間,場合によっては1か月間取っている。また,中学部の段階から,本人・保護者の希望を踏まえ見通しを持った進路を考え実習を行っている。職種としては,福祉分野の職域を開拓しているということもある。日々の授業で本当に子どもにあった教育内容を考えて力をつけている。本当にきめ細かいプロセスを踏んで,スモールステップで教育指導をしていくということで,校外での実習に力を発揮させるよう取り組んでいる。
 
 ○ 子どもたちの学習意欲が以前と比べるとかなり低いのが一番の課題である。社会に出ていくということを教えていく家庭・学校・地域の役割が大切である。学校で言えば,人間性や人格の形成を目指して中学校でどの程度指導していくかということになる。人間性を育てるためには,教員自身がそういう魅力を持った人間でなければならない。そのためには,校長自身が教員の前に立つ人間として魅力あるリーダーにならなくてはならない。
 もう1つの課題は,学校というのは究極的なドメスティック産業であり,世の中はグローバル化しているので,全く相対する業界であることから,グローバル化の体験・経験や感覚が大変むずかしくなっているということである。教室の中では,グローバル化ということに対しての感覚が非常に少ない。外部との交流等で補っていくことも必要である。また,高校から来て授業をしてもらったり,大学や専門学校に中学生を連れていき中学生用の授業をしてもらったりということも経験・体験を積ませているが,授業時間としては少ないので,家庭の協力が大事である。例えば,中学生の子どもたちが父親の仕事や母親の仕事を分かっているか,家庭から子どもにそういう話を伝えきれているか等,学校としては,保護者に仕事についての話を子どもにしてもらうようにアプローチをしているが,実際に家庭の中で仕事について話ができている,あるいは,将来どんな人間になりたいかとか将来どんな仕事をしたいかということについての話ができているとは感じていない。なかなかできていないのが現実である。しかし,子どもたちにとっては,学校の中だけで社会を知るというのは無理である。やはり,社会や将来の生き方を学ばせていくためには家庭での親の力が大切なので,保護者も巻き込んだ子どもの自立に向けての取組を実施していく必要がある。
 
 ○ 高等学校卒業時に求められる生徒像を考える場合,さかのぼって小・中学校の義務教育の間に家庭・地域との連携で子どもを育てるということに尽きる。高等学校の役割として,進学を踏まえた取組,就職を踏まえた取組があるが,進学に関しては,学力向上に継続して更に力を入れて取り組んでほしい。また,広島県内の高校は全県一円化になり,どこでも受けられるということで保護者に対して説明もされるのだが,受験制度について自由ですよと言われている割には,選抜Iや選抜IIなどの制度が分かりにくくなっていることと,それがまた子どもに伝わりにくい状況ではないか。成績の積み上げや教科に関することも,どれだけの成績を取ったらここに受かるから受けてみなさいという指導が中心ではないか。偏差値社会と言われるように,数字をもって子どもに指導をする場面が非常に多いのではないか。各学校の先生方が,子どもたちはどのような特徴を持っていてどのような将来を見据えているかということを,子どもたちや保護者と密な連携を取る中で把握し,その子に応じた進路選択をその子自身ができるようにしてもらえればと思う。その子自身というのは,自分の力で立って生きていくということもあるが,自分を律して生きていくということもあると思う。
 また,子どもたちは本当に経験不足だと思う。中学校のクラブであるとか,委員会とか,もっとさかのぼると小学校の係とか,当番ということになると,グループの中の一員という意識がとても薄くなっている。誰もしなくてもすぐに手を出してくれる。就職指導の中でも,「あなたはどういう役割を果たせる人間であるか」と聞いたときに,「クラブに属していないから私はできない」とか「サークル活動をしていないからできない」と返ってくる。「社会とはそういうものだよ,一員になるのだよ。ではどの企業の一員になりたいかということをあなたは考えましょう」と聞いたら,さかのぼってそういう経験がない。子どもたちに誰かのためになるとか誰かの役に立つとかいう,将来を見据えて社会の一員になる意識をつけてもらいたいと思う。
 
 ○ 広島県の私立学校の学校数,生徒数は,いずれも高等学校の場合は約3割を占めており,中学校の場合も約1割を私立学校が占めているという現状である。広島県の私立高等学校の入学者の状況は,募集定員が8,692人に対して,この4月に入学した生徒が7,708人で約88.7%の入学率である。地域別には,広島地区が約92%の充足率,東広島・呉地区が約85%の充足率である。そして,東部地区の三原,福山,尾道は約8割の充足率しかないという現状である。
 次に学納金についてだが,この4月から公立高校無償化,私立学校は就学支援金という形で月額9,900円,年間118,800円の支給を国から受けている。昨年までは公立学校は9,900円,私立学校は平均35,000円前後,約3.5~3.6倍の差があるという状況であった。
 そして,3番目に私立学校が抱えている諸課題についてだが,特色教育を推進していくことが私立学校の使命であると思っている。しかし,昨今この特色教育を推進していくにあたり,本当に特色教育になっているのかどうか,進学に特化をする,社会のニーズに適応しているのかどうかなどについてそれぞれの私立学校は悩んでいる。そういった意味で,それぞれの学校,特色教育の在り方について,今様々な形で特色教育の検討を進めているところである。そして,学納金の公私間格差というものに何十年来私立学校は取り組んでいる。この度,就学支援金制度ができ,生徒一人当たり一律118,800円,そして収入に応じてその1.5倍,2倍という形の就学支援金が出るようになり,また,広島県の独自の制度である授業料等軽減制度も昨年度までは授業料のみの軽減であったのだが,今年度からはそれを拡充し,授業料等ということで学納金全体にその幅を拡げていただくことができた。そういった意味ではより私学が身近になった,学校選択の幅が広がったということが言えるのではないかと思っているが,引き続き学納金の公私間格差の是正に努め,較差がより少ない中での学校選択というものをめざしていければと考えている。
 
 ○ 私もたまたま大学と専門学校のお手伝いをさせていただいている。大学では,「よく学ぶ人」と「学ばない人」に2極化している。学ぶ姿勢ややる気の無い学生が最近すごく目立つ。福祉の専門学校では,高校を卒業して入ってくる生徒を担当する先生が非常に苦労されている。行くところがないから福祉学校へ入ってくる。2年すると国家資格が自動的に付与され福祉現場に就職するが,大体3か月から半年ぐらいしかもたないと言われており,定着しない。そういう中で,一般社会人で就職のない人を対象として,福祉の専門学校の2年間の授業料と生活費を補助する仕組みがあり,その対象者を学校が40人ほど受け入れている。高校を卒業して入ってくる者とこれらの社会人とを混ぜることによって,向上心というか,社会に興味を持つということが生まれるのではないかと思う。やる気が出てくると,社会人に負けないくらい一生懸命勉強する。
 そういう面では,今の高校では,そのようなきっかけが少ないのではないかという気がする。インターンシップと言われると,企業は喜ばない。高校生の場合は手がすごくかかる。しかし,そういう機会が子どもたちのやる気を引き出すきっかけを作っているので,ぜひ続けてもらいたい。さらには,その高校を卒業したOBをどんどん高校へ戻してもらいたいと思う。先輩に目標を持って取り組む仕事のおもしろさとか働く意義を高校生に示してもらうことで,彼らも触発され,その姿をめざすようになるのではと思う。
 また,モラルやマナーを身につけさせるために,家庭に期待するのは分かるが,親がそういう教育を受けていないので,社会全体がお互いにサポートしながら取り組む仕組みをつくる必要がある。

教育委員

 ○ 私たちの役割は,県民の皆さんの意見を正しく理解して,県の施策として考えることであるが,現在の高校生は,1つは学力が足りない。もう1つは生活規律が身についていないのではと言える。これは高等学校教育,学校教育の両輪なので,それが足りないということを受けとめさせてもらった。また,地域や家庭と連携・協力することが,むずかしいことを達成する唯一の方法ではないかと思っている。社会の変化と学校がどう関係をもっていくか,どう対応していくかという視点で,例えば,かつてできていたことが社会の変化でできなくなったのではないかという観点からの指摘がたくさんあったと思う。それは,社会や学校や地域の課題をどう解決していくか,困難な社会改革を行うわけなので,しつけ一つをとってみても誰が役割を果たすのかということについての深刻な問題である。それから目標がない。なかなか目標を見つけにくい社会である。無目標社会と言われて30年近い。それを学校だけが子どもに夢を持てとどこまで言い続けられるかという御指摘がたくさんあった。これは本当に難解な課題である。
 もう1つは,新しいニーズにどう応えていくのかということ。グローバル化ということが出たし,働くことの意味が変わってきているといった新しい課題をたくさん指摘していただいた。それについてはお金の問題もあると思うし,プライオリティーの問題もあると思う。
 
 ○ 高等学校の求められる像に迫っていくためには,高等学校だけではできないということを改めて感じた。高等学校をあるべき姿に近づけていくためには,小学校,中学校あるいは幼稚園時からの連携が不可欠である。また,地域・家庭との連携も重要だ。家庭教育は重要で,その点は強調すべきだが,家庭の問題ということで終わってしまうと結局は子どもにしわよせがいく。ここを,どう補完していくかという視点は,教育委員会として不可欠である。アンケートにおいて「家庭教育で行うべき」という結果が出ているからといって,終わりにできる話ではない。高等学校として何をしていくべきかと考えると,1つは積極的な情報発信である。受身であってはいけないということを改めて感じた。
 もう1点は,主体性を求められているにも関らず,進路指導において生徒の行きたいところではなく,行けるところへという指導だ。主体性を持たせる形になっていない。現実の制度の中で,容易に改善できることではないが,自分がやりたいと思ったことについては,子どももがんばれると思う。そういう形の進路指導ができるように,工夫努力はしっかりしていかなくてはならない。全体としての高等学校の様子が生徒や保護者に分かりやすい形で見える仕組みを作るとか,ホームページなどを使うということもあるが,私立も市立・県立もそれぞれの高校の特色を示す。うちの高校へ来たらできますよ,だから来ませんかということを個別には行っておられるけれども,効率的にすれば生徒の側にも分かりやすくなると思った。
 
 ○ 自立心を養うという言葉が最初にあった。しかし,最近感じているのは,放任と自立心を養うということを混同しているのではないかと思うことが時々起きている。したがって,自立心を養うということはどういうことなのかともう一回議論して,施策に反映していかなくてはならないと感じている。そういう中で,自立心のある子は自分の行動を自分で決められる子だ。隣が何をやっているか,隣がどうしているか,同期で入った人間のことばかり気にしてその上で自分の行動を決める子と,自らの常識と良識と良心に基づいて自分の行動が決められる子とでは,最初は同じでも,2年目3年目から大きな差がついてくるということに気が付く。自分の行動を自分で決められる。そのような教育をやっていかなくてはいけない。
 最近,教科書が厚くなった。では中身はどうなっているのか。新しい学習指導要領の中で,教科書は自習の道具ではないということ,授業を通じて子どもたちに学問のすばらしさを気付かせ,自ら学ぶということを気付かせる道具であるということをあえて感じさせられる昨今であると改めて感じた。景気のよい時代であれば,「明日があるさ」ということで済むけれども,今の世の中では明日があるかどうかも分からない。したがって,「今日解決できることは今日解決する」という一期一会の世界を学校現場で展開していく必要があると感じた。高校生活を終えて社会に羽ばたいていく,大学生であろうが企業に就職しようが選挙権を持ち,納税の義務を果たしていく,そういった社会人になっていく子どもたちに対する準備期間としていろいろ大変であるということを学校現場に行って感じている。
 
 ○ 「今高校に求められていること」というテーマでのアンケート結果は,社会全体が抱えている課題と一緒だ。私も一企業人としてかつて高校生を採用したときには,企業側がしてほしいことをできる人を求めていたが,今はまさにこの企業の中で一体何をしてくれるのか,何をしたいのかということが重要で,それがその企業を成長させることにつながるという状況になっている。それは生徒が一体何をしたいのかという,自立して主体的に生きていく力を持っているかどうかが必要であるということと同じである。それは決して高校生だけの問題ではなく,今の日本を取り巻くすべてのことに通じることだろうと思う。その根底にあるのは,「志」ということになるであろうし,夢という言葉にも表現される。これを表現するに当たって,みんなそれぞれ違いがあるわけで,経済的な格差が広がっている中で,進路指導を通じて個人の夢を丁寧に時間をかけて探り,一人ひとりの生徒にじっくり取り組んでもらえるような教育システムの在り方ということに教育委員会もしっかりと取り組まなくてはならない。
 吉田松陰のことばに,「夢なくして目標なし。目標なくして計画無し。計画なくして実行なし。実行なくして成功なし。」という言葉がある。まさに夢が最初のスタートになるはずである。ぜひ高校教育の中においても,このテーマを生徒と一緒に考えていただきたい。そのためには,苦労して成功した話を知識としてたくさん持っていただきたいと思う。
 
 ○ 80年という人生をどう幸せに生きていくか。それは唯一知恵であろうと思う。経験と知識とすばらしい人との出会いで生きていくのだろうと思っている。それは常に弱い者が生き残る。切り開くのは強い者だが,生き残ったのは弱い者。それは知恵があったからで,そういったことを伝えていかなくてはならないと思う。

6 懇談会資料

(1)教育モニターアンケート(一般用)(PDF)

(2)集計結果

(3)広島県の高等学校に関するデータ(参考資料1)(PDF)

(4)広島県の高等学校に関する基礎資料(参考資料2)(PDF)

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