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広島県障害児教育ビジョン

1 はじめに

 県教育委員会では,平成13年6月,広島県障害児教育基本構想策定委員会に対し,総合的・長期的な観点から本県における望ましい障害児教育の在り方について諮問いたしました。
 策定委員会におかれては,「県民の願いや期待に応える障害児教育は,一人一人の教育的ニーズを把握し,必要な教育的支援を行わなければならない。」という基本認識に基づき,慎重な協議が行われました。そして,その結果について,平成14年3月,答申としていただきました。
 また,県教育委員会は,平成10年5月,文部省(現文部科学省)から本県教育について,法令等に照らして逸脱,あるいはそのおそれがあるなど不適正な実態があり,その是正を図るよう指導を受けました。是正指導から4年が経過した現在,盲・ろう・養護学校においては,未だに学校運営や教育課程等において,是正が十分に進んでいない状況があり,指導の徹底を図っているところです。
 「広島県障害児教育ビジョン」は,こうした是正の徹底と教育改革の推進を図る中で,策定委員会からの答申を踏まえ,新たな「教育県ひろしま」の創造を目指した本県障害児教育の基本的な方向性を示したものです。

1 ビジョン策定にあたって

 平成11年3月に盲学校,ろう学校及び養護学校の幼稚部教育要領,小学部・中学部学習指導要領,高等部学習指導要領の改訂が行われました。この改訂は,平成14年度から実施された完全学校週5日制のもと「特色ある教育」を展開し,幼児児童生徒に「生きる力」を育成することを基本的なねらいとして行われたものです。
 とりわけ障害児教育においては,障害に基づく種々の困難を改善・克服する教育活動を一層重視し,障害の重度・重複化,多様化への対応,早期からの適切な教育的対応,職業的な自立の推進,軽度の障害のある児童生徒への対応の観点から改善が図られています。こうした基本的なねらいに基づいて,今後の障害児教育は,展開される必要があります。
 国においては,平成13年1月の「21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議」からの報告を受け,障害児教育の充実に向けた取組みが進められているところですが,本県においても,総合的・長期的な観点から,障害児教育の基本的な方向性を明らかにし,障害児教育の充実を目指していく必要があります。
 本県の障害児教育は,昭和54年の養護学校教育の義務制実施を節目として,整備・充実を図ってまいりましたが,20余年が経過した現在,障害のある幼児児童生徒の能力や可能性が十分に発揮されていない状況もあり,一人一人の教育的ニーズに応じた取組みが十分であるとはいえません。
 現在の本県の障害児教育に必要なものは,障害のある幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じて能力や可能性を最大限に伸ばすための教育を行うこと,さらに障害のある幼児児童生徒が自己のもつ能力や可能性を最大限に伸ばすための教育システムと教育内容を創造することです。

2 ビジョン策定の基本方針

次の基本的な方針に基づき,専門性に基づく障害児教育を推進します。

(1) 能力や可能性を最大限に伸ばす教育

 障害児教育は,障害のある幼児児童生徒一人一人の能力や可能性を最大限に伸ばすための教育です。
 障害児教育については,障害のある者も障害のない者も同じように社会の一員として社会活動に参加し,自立して生活することのできる社会を目指すというノーマライゼーションの理念に基づき,その充実を図ることが必要ですが,本県においては,この理念が一面的に捉えられる傾向もあり,どこで教育を行うかという教育の場の論議が先行する状況がみられました。
 障害のある幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた教育は,将来,社会的に自立し,社会参加することができるよう,その基盤となる力を培うために必要不可欠なものですが,これまでは,そのような教育内容の創造が十分に行われず,結果として障害児教育における専門性が軽視されてきたという状況がみられました。また,こうしたことが,本県の盲・ろう・養護学校の卒業者の就職率が全国平均と比較して10ポイント以上低いという状況にもつながっていると考えられ,社会的自立,職業を通じての社会参加という点での課題となっています。
 今後は,教育的ニーズに応じた適正な就学指導を図り,専門性に基づく障害児教育を充実・推進します。

(2) 「生きる力」を培う教育

 障害のある幼児児童生徒が自己のもつ能力や可能性を最大限に伸ばし,自立し,社会参加するための基盤となる「生きる力」を培うことをねらいとして盲・ろう・養護学校の学習指導要領の改訂が行われました。この新学習指導要領の趣旨を踏まえ,「盲学校」「ろう学校」「養護学校」「小・中学校の障害児学級」「通級による指導」において,障害児教育の専門性に基づく教育を充実・推進します。
 また,通常の学級に在籍する学習障害(LD)児等への指導の充実を図るなどの取組みを行います。
 さらに,交流教育について,新たに幼稚園教育要領,小・中・高等学校の学習指導要領にも明記された意義を踏まえ,効果的な推進を図ります。

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