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三原養護学校における学校運営上の課題に係る調査結果について

(PDF14.3KB)

平成14年6月19日
障害児教育室

1 はじめに

 平成14年3月4日(月曜日)から,学校運営状況,教育課程の実施状況などについて,事務局職員を学校に派遣し,関係者への聞き取りや,関係書類による調査を実施してきた。また,4月26日(金曜日)に実施された行政監査を契機として,会計処理の状況についても調査を行った。
 これらの調査を行った結果,平成13年度以前の学校運営や会計処理等において,次のような課題があったことが明らかになった。
 これらの課題について,その是正を行うよう,3月29日(金曜日)以降随時,学校に対して指導を行っているところである。

2 調査結果

(1)学校運営について

ア 毎年4月に県教育委員会に提出されている校務運営規程が,教職員の間で形骸化され,職員会議等の会議が適正に実施されていなかった。

(1) 職員会議において校長が主宰する者として認められていなかった。

 管理職,主任で構成する校務運営会議が実施されていなかった。

イ 部主事や主任が機能していなかった。

(1) 小・中・高等部に置かれている部主事が,学級担任をしていたため,担任する学級のみの把握に留まり,部全体を掌握できていなかった。

(2) 校務分掌が係に細分化され,主任も係の一員とされていることから,主任が分掌全体を掌握できていなかった。

ウ 校長の決裁を経ないで校長名の文書が学校外に出されるなど,不適切な状況があった。

(1) 管理職が承知することなく,職員朝会で担当者が提示するのみで,校長の決裁を経ず,校長名での通知文を発出していた。

(2) 集団宿泊的行事の案内を担任団として担任から保護者に配布するなど,管理職が計画を十分把握できない状況があった。

(3) 日帰りの校外学習について,教職員が校長の承認を経ないで計画し,実施していた。

エ 本校と分教室との間で,学校行事の開催について意見の対立があり,分教室が校長の意に反して,学校行事を単独で計画・実施するなど,望ましくない状況があった。 

(1) 平成13年度から運動会,文化祭,学習発表会を分教室単独で実施していた。

(2) 分教室にかかわる「校長の自己診断票」の記述内容について不適当として,校長の責任を追及していた。

(2)教育課程等について

ア 県教育委員会に届け出られた教育課程と学校で行われている授業の実際が異なっていた。また,是正指導が教育課程等に関し,徹底していない状況があった。

(1) 届け出られた教育課程と,学年通信により保護者に示されている時間割表が大きく 異なっていた。

(2) 県教育委員会へ届け出ないで,「炭焼き合宿」「陶芸窯たき合宿」などの宿泊を要する行事を行っていた。

(3) 学習指導要領に示されている教科名「国語」を「日本語」としている学年があった。

(4) 特定の運動団体の方針に基づく,狭山再審闘争を教育に持ち込んだ不適切な教育活動の計画があった。

イ 県教育委員会には,単一障害,重複障害ごとに学級編制が届け出られているが,実際には,それと異なる授業集団が構成され,個に応じたきめ細かな指導の体制が図られていない不適切な状況があった。

・本校の小・中学部では,小学部児童14人,中学部生徒21人を一つの集団

・本校の高等部では,学年単位の集団

・瀬戸田分級では,小学部から高等部までの児童生徒4人を一つの集団

・大崎分教室では,中学部と高等部の生徒5人を一つの集団

として,ほとんどの授業を実施していた。

ウ 児童生徒に対する個別の指導計画の内容が不十分であり,その使用状況も不適切であった。

 学習指導要領には,重複障害者の指導や自立活動の指導に当たっては,「個別の指導計画」を作成することが明記されている。しかし,作成された個別の指導計画は,内容が不十分であったり,複数年にわたって使用されるなど,不適切な状況があった。

(3)個人総括レポートについて

  同和教育基底論に基づく自己点検,相互点検を目的とした個人総括レポートの作成及び検討が年2回計画され,校長権限や自由な教育活動が制約される状況があった。

(1) 1学期末は,8グループに分かれて,放課後2時間を4~5日,夏季休業中に終日4~5日を費やしてレポート検討をしていた。

(2) 1学期末は事務長を除く校長,教頭,部主事の管理職も執筆させられていた。
 なお,校長,教頭はグループでの検討には入っていなかった。

(4)勤務管理について

勤務時間の割振り,週休日の指定及び旅行命令について,必ずしも適切とは言えない状況があった。

(1) 勤務時間の開始8時30分から15分間を職員による掃除時間とし,職員朝会を8時45分から設定していることにより,出勤の状況を把握しにくい状況があった。

(2) 教育委員会が示している週休日指定方法に反して,課業月に2回以上指定していた り,長期休業中に指定回数を超えて指定しているなど,不適切な取扱いがあった。

(3) 旅行命令については,復命に具体の内容が記されていないものが少なからずあるなど,適切な執行と確認できないものがあった。

(5)学校における会計処理について

ア 学校の実習で生産された野菜や炭について,公金以外の会計処理がおこなわれ,広島県物品管理規則で定められた物品の管理が行われていなかった。

 校長や事務長が管理していない,野菜や木炭等を販売する会計があり,その収益を部や学年の活動費として執行するとともに,その収支の差額をそのまま教職員が所持していた。また,これに伴う広島県物品管理規則や広島県契約規則に定める手続きも行っていなかった。

イ 学校の宿泊研修施設「つどいの家泉聚宿」におけるシーツのクリーニング代について,本来実費徴収すべき額を上回り,差益が生じていた。また,その差益を学校側で所持していた。

ウ 取得状況の不明な軽トラックが存在している。

 平成12年度までの歴代校長の名義となって引き継がれている軽トラックがあり,ガソリン代をPTA会費で負担し,野菜や木炭等の運搬に使用していたが,その取得状況が不明である。

(6)その他

 他の学校や分級等の一部にも共通する課題ではあるが,三原養護学校では,学齢超過者,過年齢者が多数在籍している状況があった。特に大崎分教室では6人中5人が学齢超過者および過年齢者であった。

3 問題を生起させた要因

(1)校長権限が制約されていたこと

 教職員の間に法令などを軽視する考えがあり,職員会議の運営,教育課程の実施,勤務管理,学校会計など,校務運営の全般にわたって校長をはじめ管理職の権限が長年にわたって制約されていた。

(2)同和教育基底論に基づく活動が展開されていたこと

 同和教育基底論が,狭山再審闘争を教育に持ちこんだ不適切な教育活動の計画や個人総括レポートなどに根強く残っていた。
 また,同和教育の観点からあらゆる教育活動を点検・評価する中で,自分たちが正しいと思うことは,校長の考えには関係なく実践していくという考え方が教員の中で優先していた。

(3)上記(1)(2)のような学校の実態把握が十分でなかったこと

 是正指導のうち外見的なものについては是正されていたため,校内の状況が外部からは見えにくい状況になっていた。そのため,県教育委員会として,学校の実態の把握や校長を中心とする学校運営体制を確立するための支援体制が十分でなかった。

4 是正に向けた取組み

(1)学校運営について

ア 校長が職員会議を主宰するなど,学校管理規則や校務運営規程に則って,校長を中心とする学校運営を行っている。また,校務運営規程を見直し,毎週実施していた職員会議を隔週開催に減らし,管理職や主任等で構成する校務運営会議を毎週実施するなど,より運営の機能化を図った。

イ 部主事や主任の機能化を図った。
 (1) 小・中・高等部に置かれている主事が,部全体の掌握ができるよう,学級担任や校務分掌を持たせない,起案等に部主事の押印欄を設けるなどの改善を行った。
 (2) 主任が校務分掌の分掌全体を掌握するように見直した。  
 更に,新たに広島県高等学校管理規則第15条に基づき学年主任を命課した。

ウ 校外学習については,校長が,事前に計画内容を掌握し,計画的に実施するよう指導を行っている。

(2)教育課程等について

ア 学習指導要領に則った教育課程の編成
 (1) 学習指導要領に基づいた教育課程を編成し,週の時間割を明確に定めた。教育課程に基づく各授業ごとの年間指導計画の作成について指導を行っている。
 (2) 教科名「日本語」を「国語」に是正した。
 (3) 狭山再審闘争や個人総括レポートなど,いわゆる「同和教育基底論」に基づく教育活動から,教育の基本である公正・中立の原則,法令・法規に則った教育活動へと移行するよう,校長が教職員に強く指導している。

イ 指導内容に応じて編成するグループごとの児童生徒名及び指導者一覧を作成させた。

ウ 個別の指導計画の作成及び児童生徒一人一人に応じたきめ細かな指導の徹底

 保護者や関係機関と連携した「個別の指導計画」の作成,これに基づく授業計画,指導案,指導記録の作成について指導を行っている。

(3)個人総括レポートについて

 個人総括レポートについては,作成しないよう厳しく指導を行った。その結果,昨年度末の段階で,以後作成しないこととなった。

(4)勤務管理について

(1) 8時30分から職員朝会ができるよう勤務の割振りを見直した。

(2) 旅行命令については,計画的な執行に努めるとともに,復命についても要点を捉え,速やかに報告できるよう指導を行っている。

(5)学校における会計処理について

 (1) 今後,生産品が生じた場合は,広島県物品管理規則に基づき,必要な帳簿を整備し,収支等命令者たる校長が適正に執行することとした。また,野菜び木炭等の販売に伴う13年度分の収支差額については,その額が確定した後に財産収入(収穫物売払収入)として,県の歳入とする。

(2) 「つどいの家泉聚宿」のシーツのクリーニング代の収支差額については,その額が確定した後に諸収入(雑収)として,県の歳入とする。また,今後は実費徴収を原則とし,不適当な収益が出ないよう運営する。

(3) 軽トラックについては,現在学校が所有の在り方を検討しており,その結果を待って対応する。

(6)その他

  学齢超過者の就学については,県教育委員会として,関係法令に基づき,就学許可基準を定め,今後適正に行うこととする。

5 おわりに

(1) 三原養護学校については,学校運営・教育課程等が適正に行われるよう,今後とも,継続して訪問調査指導を実施していく。

(2) 今回の三原養護学校の課題は,他の盲学校,ろう学校及び養護学校にもあり得る 課題であり,この課題解決のため,5月に県教育委員会内にプロジェクトを設置し,学校訪問の実施等により,問題点を明らかにしながら,抜本的な是正改革を行っていく。

 なお,県教育委員会として,学校の実態の把握や校長を中心とする学校運営体制を確立するための支援体制が十分ではなかったことが大きな反省点と考えている。
 今後,こうした反省をもとに,学校運営上の課題を抱える学校と十分な連携を図り,その是正を徹底することにより,県民に信頼される公教育を確立していくために,全力を挙げて取り組んでまいりたい。


更新日:平成14年6月21日

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