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第4回広島県障害児教育基本構想策定委員会の概要について

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日時

平成13年11月2日(金曜日)14時00分~16時00分

場所

県庁北館 第1会議室

出席者

大下,桑原,澤崎,田口,谷本,竹林地,永井,平賀,松木,宮河,森山
(欠席:川本【代理出席 山本】)

協議内容

・特殊教育教諭免許状取得の推進,研修の充実など,教員の専門性の向上について
・その他障害児教育の推進に関することについて

資料

第4回広島県障害児教育基本構想策定委員会資料(PDF29.0KB)

第4回広島県障害児教育基本構想策定委員会数値資料(PDF110.4KB)

意見交換要旨

特殊教育教諭免許状取得の推進

(○は委員,△は事務局)

○広島県の当該学校の校種の特殊教育教諭免許状(以下「特殊免許」という。)保有率は,31%で,都道府県別の順位は44位となっている。非常に残念な状態になっている。秋田県は84%と非常に高い数字で,そこと比べると正直なところ驚いている。
 免許法には,「特殊教育の教員免許を持った者が充たらねばならない」となっているが,「当分の間は基礎免許だけでいい」という記載が免許法の附則にあり,このことがマイナスに働いて,こういう状態になっているのではないかと思う。
 今後,特殊免許を取得できる環境を整えていく必要がある。まず,考えられるのが免許法認定講習だが,これを今後どのように配置をし,保有率を上げていくかが非常に大きな問題だと思う。

○国で行われている,免許法の改正作業の推移を見ながら検討をする必要があると思う。

○知的障害養護学校の学部の構成は,小学部,中学部,高等部となっている。教員の配属は,小・中・高等学校の基礎免許に縛られるのが現状だと思う。基礎免許の専門性が優先されるべきか,特殊免許の専門性が優先されるべきかというと,それぞれの学部段階での教科の専門性を全く否定をしているわけではないが,特殊免許の専門性ではないかと思う。

○基礎免許と特殊免許とはどれぐらい研修期間が違うのか。

○4年間の教員養成コースで考えれば,基礎免許を取得するための必修単位に加えて,盲・ろう・養護学校の免許取得に必要な単位を修得する。小学校を基礎免許とする者が,特殊免許取得に必要な単位を取って卒業するケースは多いが,高度の専門性が要求される中学校,高等学校を基礎免許とする者が,さらに特殊免許取得に必要な単位を取って4年間で卒業するケースは,単位修得のシステム上非常に難しいと思われる。

○全国的に大学の特殊教育教員養成の形は,基本的には小学校を基礎免許として特殊免許を取得するコースが一般的であり,中高の教科を基礎免許とし特殊免許を取得する例は多くないのが実情だと思う。
○特殊免許は,基礎免許がなければ実質免許としての効力をもたない仕組みになっている。基礎免許があって初めて成り立つ免許である。
 全国の大学において,基礎免許の勉強を終わってから特殊免許の勉強を始めていくカリキュラムを採っている所はない。4年間で必要な単位の修得をさせようとすると,基礎免許の学習と特殊免許の学習は並行してやらないといけないということで,両方並行して学習させている。

○医師の養成では,障害児教育で言うところの基礎免許に相当する期間が6年間あり,それに上積みして特殊免許取得に相当する数年間の研修期間がある。つまり,一般的な教養を4年間できちんと積み重ねて,それに専門性を加えるのが医学部のやり方になっている。
 なぜかというと,全人的な人間を目指しているからだ。全人的な人たちの中で特殊な勉強をして,特殊な技術を持たしていこうとしている。障害児教育においても,全人的な基礎があって,その上に専門性を積み重ねていくということが必要ではないかと思う。

○特殊免許を持っている先生方も絶えず再研修の場に臨むことや免許の更新制度が必要と思う。特殊免許を持たずに障害児の学校に勤務することとなった先生方も,ぜひ特殊免許を取る方向で努力していただくことが必要だ。
 例えば,猶予期間を設けて10年以内に取らなかったら,障害児教育からは離れていただく等の方針があってもいいと思う。

○養護学校のいろいろな先生方と話す機会があるが,先生方の中に障害児教育に関する知識や力量にずいぶん差があることを感じている。

○盲・ろう・養護学校で特殊免許を取得している人が非常に少ない状況が生まれてきたのは,一つには,特殊免許を持たずに障害児の学校に転勤してきた方々,その中でもとりわけ中学校,高等学校の基礎免許を持った方々が,その後,特殊免許を取得しようとしなかった。あるいは,特殊免許を取得しようという風潮がこれまで本県において非常に薄かった。つまり,専門性を重視しない風潮がこれまであった。ここに一番の大きな問題点があったのではないかと思っている。
 今,「専門性を大切にしなければいけない」という風潮が,保護者,県民をはじめ教員の中でも生まれてきているので,それを加速させていく必要がある。
 現在,盲・ろう・養護学校に勤務しておられる先生方の意識を変えていただきたい。これからでも遅くないという形で認定講習を受けていただく,あるいは研修を受けていただくことを押し進めていかなければいけないのではないか。

○これまで専門性を有している管理職が少なかった。今は,増えつつある。管理職が当該学校の教員に対して日常的に指導をしていく,専門性が必要なことの意識を高めていく,そういう姿勢がいるのではないかと思う。

○認定講習の実施や運営に関する整備も必要であるが,それ以前に教員の方に「取得をしないといけない」という意識を高める取り組みが絶対必要だと思う。

○国立特殊教育総合研究所で長期研修,短期研修を行っている。平成4年から長期研修については,特殊教育の専修免許を取れるようになっているが,受講者の約3分の1の方が特殊教育の二種免許の取得を申請されている。長期研修でも,特殊免許を持たれていない方が来られている。短期研修になるともっとこの傾向が顕著で,約半数の方が特殊教育の二種免許の取得希望者となっている。
 病弱教育に関する調査がある。短期研修や長期研修が認定講習として位置付いているが,それへの魅力はどうかと聞いたところ,免許取得は励みになるけれども,研修に対する動機付けとしては弱いという回答があった。
 したがって,「免許取得の推進に向けて」ということになると,研修を充実するだけでは十分ではなく,免許がないと恥ずかしいというか,スタートが切れないというぐらいの認識を育てることが必要だと思う。

○まとめると,資料にもあるが,1つは,当該学校の特殊免許を有するものを採用することを基本とする。2つ目は,特殊免許を持っていない方に対しては,一定期間に当該学校種の免許を取得するよう促す。3番目に認定講習とか,いろいろな情報提供などに努めて,免許を持つことの意欲を高めていく。これらのことが話し合われて,思いがまとまったのではないかと思う。

県立教育センター等,研修機関における研修の推進,学校の研修・研究体制の確立と充実

○県立教育センターは,2日間の講座が最も多いが,1週間,3ヵ月,半年,1年という長期研修もある。ハードな講座を受講しても痕跡が残らない。本人なりに充実感を味わって,今後に活かすことの意味合いは大きいが,研修歴として痕跡が残らない。例えば,受講証を発行するなどして,研修歴の記録をすることが必要なのではないかと思う。○仕事を続けながら,定期的にブラッシュアップをしていくシステムが必要なのではないか。今あるのは経験者研修だけだ。経験者研修は,初任研に始まり,2年目,3年目,6年目,11年目に研修実施となっている。中堅層が頻繁に研修を受けるようなシステムになっていない。毎年研修を受けることは無理かもしれないが,中堅層への研修システムが必要と思う。○ 盲学校は県内に1校である。人事異動によって盲教育の専門性を高めるという機能がまったく発揮できない状況にある。障害児教育の分野でいうと,盲・ろう・養護学校の中で異動をしていくこととなる。そうすると,盲教育の専門性,ろう教育の専門性,養護学校教育の専門性というのはかなり質的に違うので,異動よって,学校としても個人としても専門性が高まらないという隘路がある。これは広島県だけの問題ではなく,各県が共通的に抱えている課題と思う。
 とりわけ,理療科は,まったく異動がない。新採から定年退職まで盲学校に在勤することとなる。
 そこで,他県と人事交流をしてはどうかと思う。これは,広島県では既に一般の小中高の教員の場合に,5,6県と県外交流を進めているので可能ではないかと思う。とりわけ学校数の少ない校種である,盲学校とろう学校と病弱養護学校で考えていただきたい。これは相手のあることなので,教育委員会同志で方向性を探っていただければと思う。

○教員になろうとする学生とかかわっていて,障害児教育の担当教員としての資質及び適正という面で,本人の意欲とは別に,向いている,向いていないを感じることがある。
 これからの障害児教育の中身を整えていくのは,マンパワーだと思っている。研修の回数,単位の取得だけではなく,教員としての資質,障害のある子にもない子にも,人として子どもに向き合うという資質を備えた教員を,現場に増やしていく方策を執っていく必要があるのではないかと思う。
 その意味では,初任で障害児学校に赴任し5年後,10年後を考えたときに,初めから障害児教育の世界だけで育てていくことのメリットもあるが,同時に,小中高等学校の教育も一度は経験することが教師としての幅を広げることになるのではないかと思う。

○ある県では,通常の小学校の教員が3年ないし4年間障害児学校で交流人事として研修をするシステムを採用している。若い教員が10年後,20年後にその学校を背負って立つためには,幅の広さ,視野の広さ,適正という部分が深まっていくような人事のあり方もシステムの中に組み込んでほしい。

○まとめると,県の教育センターの講座受講率が上がっており,認定講習受講者も増えている。専門性を高めようという先生が増えつつあるという現状がある。
 そこを踏まえて,県教育委員会の主催する研修の充実を図る。中堅が高まっていくシステム化を工夫する必要がある。研修を受けたら,研修歴が残るようなシステムが必要である。
 それから,盲学校,ろう学校,病弱養護学校というのは1校か2校しかない状況なので,県外との人事交流ということで質を高めていくような方法が有効ではないかと思う。
 最後の「学校の研修・研究体制の確立と充実」ということについてはご意見を十分うかがうことができなかったが,私見を言わせていただくと,広島県の場合には,ここ何年かはわからないが,研究指定を受けての研究公開はほとんどされていない。「研究がなされていなかった。」ということではないのだろうが,もっと研究指定を受けて研究公開するとか,教育センターの研究協力校とか,特殊教育総合研究所の研究協力校とか,学校単位で研究する体制を充実させていくことが必要ではないかと感じている。

障害児学級,通級指導教室の充実

○通級指導教室の先生方はかなりの方が研修を受けておられるが,障害児学級の先生方は,免許も持っておられないし,研修もあまり受けておられない場合が非常に多い。
 障害児学級の先生は,その学校の障害児教育を推進する中心的な立場におられる。いろいろな意味で,先生方あるいは保護者の相談員にもなるし,アドバイザーにもなる。もちろん担任としても指導していかないといけない。非常に中身が大変となっている。障害児学級の先生は,学校の中で中心的に活躍できる先生であることが望ましい。そういう立場に立てるような状況をつくる必要がある。ただ単に「学級担任をしておればいい。」というような問題ではないと思う。そうすると,障害児教育主任という形を考えていただきたい。

○担任になると,指導現場から離れられない実情がある。研修の充実と言うが,センター等で研修講座を多く設けられてもなかなか出張できない実情がある。
 自身の研修とか学校の中で障害児教育を中心になって進めるということになると,時間が必要だが,障害児学級の担任は,指導と指導の準備で,なかなか学校全体のことはできない実状がある。障害児学級の教員の数が増える方策が必要と思う。

○障害児学級の担任との話で,「児童生徒が学校にいる間は出張することがむずかしい。」とよくうかがう。子どもたちが下校した後に集まって,勤務時間を超えたところで研修会をもつなどして,かなり自主的な会をもたれているともうかがっている。
 何か対策があればいいと思う。福井県では障害児学級へ教育センターの指導主事が出かけて行って研修を行っている。研修をして本人の力を付けるということも大切だが,先生たちを支援するシステムも必要ではないかと思う。

○「障害児教育の担当を一定年数継続」ということはとても大切ではないかと思うが,単なる3年とか,4年とか,区切りにくいところがあると思う。小中学校の校長先生方に,障害児学級や通級指導教室の担当者の人事に関しては,例えば,専門性が継続できるとか,指導の内容・方法が継続できるとか,保護者や児童生徒が安心できるとかの観点を持っていただくような取り組みが必要だと思う。
 「近隣の関係者が集まっての研修」という事務局の提案だが,現在は先生方が自主的に勤務時間を超えて集まって,自分たちのお金を出し合って研修している実態だ。そこには何らかの支援が必要と思う。例えば,そこに行くのは出張扱いにすることはできないかと思う。

○障害児学級の担任が,指導と指導の準備,また,保護者へのアドバイスや学校内での相談役や指導役を担い大変だ,と言われたが私も同様に受けて止めている。保護者の直接の声を聞いても,また,私自身が障害のある自分の子どもを育てた経験からも感じる内容である。
 担任をしていただいて,1年,2年ではわかっていただけない部分が非常にたくさんある。やっと慣れていただいて,子どもの特性をよくつかんでいただけて,先生自身も,この子どもにはこういう教育をしたらいいとか,それぞれ一生懸命考えてくださって,やろうという矢先に代わられると子どもも非常に動揺するし,学級もバラバラになってしまう。ぜひ,担任はせめて3年は継続していただきたいと感じていた。保護者の話に,「いい先生が代わられたら,うちの子はせっかく慣れたのに,また,学校に行かなくなったんですよ。」という話を聞くこともある。先生の資質にもよるだろうし,「いい先生」というのがどういうふうな先生をもって「いい先生」といえるかという基準もいろいろあるだろうが,非常に熱心な,専門性のある,心の広い,やさしい,豊かな心を持った先生というのを保護者や子どもたちは求めている。そのような先生を1年か2年で交代させるということは避けていただきたいと思う。

○いろいろな所で障害児学級関係の先生方の研修会に講師で行くと,いつも初任者研修となっている。中堅以降の研修がほとんどない。この状況は,県内でも,文部科学省が主催する教育課程の研修会などでも同様である。何らかの方法で専門性を高める必要がある。
  また,私自身も障害児学級の担任をやった経験がある。私が,障害児学級の担任から通常の学級の担任に代わった後は,担任の希望者がいなかった。学校では「交替制」とか,「何とか2年間だけ辛抱してくれ。」と頼む状況が生まれているのではないだろうか。しかし,校長先生の学校運営の在り方だと思われるが,先生方の人間関係が親密で,障害児学級担当者の希望者が多くて困るような学校もある。そのような学校体制では,障害児学級を中心にしながら,みんなでそれを守って,そして,誰でも担任になれる,そういう学級づくり,学校づくりを心がけていただきたい。
  障害児学級の担任は,できるかぎり長く継続してほしいと思う。指導した子どもたちが結婚するまで継続してほしいという希望をもっている。とにかく2,3年でやめることは,できるだけ避ける方向で人事を進めてほしい。

盲・ろう・養護学校の地域の障害児教育のセンター化への取組み

○聴覚障害児教育では幼稚部教育を3歳で開始している。しかし,「3歳段階で教育を開始したのでは,言葉の獲得のためにはもう遅い。」という実態がある。全国的に,制度外で乳幼児の段階から教育相談を実施してきた。そこでは,補聴器のことや,言葉の指導をしたりしている。それを踏まえて平成11年告示の新学習指導要領の総則に,「障害のある乳幼児やその保護者に対して早期からの相談を実施していくように」という文言が初めて入った。これは,3歳の就学前の段階からのケアを盲・ろう・養護学校で行うようにという観点で入っている。

○盲学校を基準にしてセンター化を具体的に考えてみると,一つは,幼児へのケアがある。もう一つは,盲学校の特殊性と思われるが,成人へのケアが考えられる。専攻科は成人が対象である。あん摩・マッサージ・指圧師,はり師,きゅう師を養成しているが,視覚障害者の重要な職種なのでその職種に対して誇りと自信を持つような,卒業生まで広げたケアも必然的に求められてくると思う。
 もう一つは学齢児に対するケアがある。小中学校に視覚障害児がかなり在籍している。そこの学校支援を盲学校としては心がけている。

○ろう学校の場合は,言語獲得にとって,1歳前後のあたりが非常に重要であるという認識は,学校関係者は痛いほどよくわかっている。そのため,幼稚部でサービスを中心的に行っている。しかし,人的な環境整備が不備である。聴覚障害児の場合,とりわけそこがセンター化との関係で大きなテーマになると思う。

○大きく分けると幼児の段階,学齢時の段階,学校を卒業した後のケアとの区分で捉えて,センター化の視点で今後の盲・ろう・養護学校の捉え直し,機能強化がいると思う。

○何らかのケアが,幼児,3歳児では遅いとの話があった。1歳児あるいはもっと早くから「障害のある子ども」は診断できることがほとんどだと思う。それを把握する方は,お医者さんとか,保健婦さんだと思う。それから先をどのようにつないでいただけるかということを非常にもどかしく思う。医療,福祉の関係者と教育の関係者が,ネットワークを密にできる機構があればいいと思う。
 幼児の時期,3歳児というのは本当に大事な時期だと痛感しているので,早期からの充実した相談の体制をお願いしたい。

○三つお話したい。障害児教育諸学校や障害児学級がある学校には,どこも校務分掌の中に教育相談とか就学指導委員会はある。しかし,実際に相談に行くと,校長先生か教頭先生が対応される場合がある。時間的に都合のつく先生が対応されている状況もある。また,係の方が対応されている場合も,係に必ずしも障害児教育の専門性があるとは限らない場合がある。相談者は,いろいろな心配事を持っていらっしゃる。そうすると,それぞれの専門性があるし,そういうところの交通整理をする所が必要になってくる。
 それから,幼児期,児童期,卒業後から高齢に至るまでの障害者の一生を考えた時,どこかが核になって,その子どもについての資料があり,それに基づいて助言や相談ができる組織が必要だと思う。
 第3番目は,盲・ろう・養護学校,大学,医療機関,そういう障害者に関係する諸々の機関が一つに大きく体系化,組織化されて,相談しやすい体制となることが必要だと思う。

○就学前の段階のケアの場が必要だとの意見,それを機能的に運営していくためには,きちんとした組織づくりが必要という意見をいただいた。
 現行では,教育相談は基本的には先生方の,ある意味ではボランティア精神の枠組みの中で行われている面がかなりあり,きちんとした人的な制度化というのが必要ではないかとの意見があった。
 また,相談に行かれる方の側の問題としては,どこに行けばいいかわからないという問題。これは情報提供の問題もあろうが,一方で行きやすい場づくりということも必要ではないかと思う。
 他県のろう学校に行くと,どこのろう学校も教育相談に力を入れている。相談の場の建物や窓口が非常に明るい。ある県は,相談に来られる方の気持ちを少しでも和らげるためにということで,正門とは別の入り口に相談の部屋の入り口を作っている。そこの学校は全面ガラス張りで非常に明るい相談室を作っていた。
 広島ろう学校は,敷地が民間道路で分断されている。しかも,幼稚部舎とグランドと校舎が分断されている。教育相談者の気持ちを大切にした,物理的な条件づくりも必要と思う。

○医療の立場で話をさせていただく。障害を誰が最初に見付けるのかとなると,やはり,小児科医だと思う。そこでいろいろな紹介やアドバイスをする。ただ,そこで私たちがいつも困っているのが,広島県の中に人材が少ない。つまり,専門的にケア,教育をしてくださる専門家が少ないということが一番困る。
 また,小児科医の中にも小児精神科専門であるとか,小児の視力障害の専門医であるとか,聴力障害の専門医であるというのは非常に少ない。全国的にも少ない。県内の施設を見ても,それを専門にしているドクターが非常に少ないのが現実で本当に困っている。
 その中でも広島市近辺であれば児童総合相談センターで,まず相談をして,その後の対応をしている。ただし,保健医療と福祉と教育との連携が十分ではない。具体的に言うと,保育所と幼稚園のところで分かれている。0歳,1歳,2歳が子どもにとっても保護者にとっても大変大事なときであるという観点から考えると保育所と幼稚園の乳幼児は両方とも大事である。ここの対応が是非とも望まれる。

特別な教育的支援を必要とする児童生徒への支援の在り方

○このLD,ADHDについては,学校の先生方は一生懸命どうしようかと考えておられる。医療側もどうしようかと思って考えている。ところが,このつながりがうまくいっていないのが気になる。
 児童精神科医が少ないのも確かだが,学校医を利用するとか,学校医から専門医につないでいくとか,そういう連携が是非とも必要ではないかと思う。
 最近は,専門家が小児科医の中でも増えてきて,研究会も増えてきた。かなり対応できるドクターがでてきている。先ほどの盲・ろうの専門のドクターよりたくさんおり,医療と教育との連携を深めていく必要を感じる。

○学校ではこういった子どもたちが何人かいる。先生方は,指導に苦慮しておられる。一つは,先生方が,十分にこの子どもたちのことを理解できていない。どうしてこうなのか,ということを十分わかっていない実態がある。その状態に振り回されて学級経営まで混乱してしまっている状況がある。状況によっては学級崩壊までいかないが,大変な状況になっている。しかし,勉強された先生の所では子どもの状態を捉えながら,その子どもを含めて学級で落ち着いて学習指導が進んでいる所もある。先生方の理解の程度というのは非常にばらつきがある。
  こういった子どもたちの支援を,ただ単に学級の中で,こういう子どもがいるから,こういう状態だから理解して,こういう配慮をしましょう,というだけでは,なかなかうまくいかない場合がある。実際に30名もいる集団の中の生活で,その子が心を安定させて生活することもむずかしい状況がある。
 支援する方法として,いろいろ個別的な支援もあるが,通級指導教室の活用もあると思う。しかし,保護者も自分の子どもの理解が十分できていないので,情緒の指導教室へ通級させることについてなかなか理解が得にくいケースもある。そうなると個別的支援がなかなかできにくくなる。
 そこで,先生方にももちろんだが,県民一般への幅広い理解啓発が早急に必要である。
 また,広島市の教育センターも県立教育センターでも学習障害児の理解と指導方法のための講座や研修会を開催するといずれも多くの先生方が参加された。もっと研修の機会が必要と思われる。

○通常の学級の担任は,その子どもに今どういう対応をしたら一番いいのかというのがわからない。すぐできる支援策として,県や市の教育センターの所員がその学校へ出かけて行って支援をしていくという仕組みなら,すぐにでもできるのではないだろうか。人的な条件がそれをどの程度許すかという問題は確かにある。アメリカでは「巡回教師」という制度がある。同様の制度を即座に作ることは難しいかもしれないが,それに代わる方法を考える必要があると思う。

○各学級にLDと思われるような子どもたちがいるが,学習が進まない原因が先生の指導力不足ではないか,との心配から,該当学級の担任の先生方が相談できず,自分一人で苦しんでおられる例が多くある。
 実際,学級崩壊の状況にある学級でも,ある先生がやればうまくいくし,ある先生がやると,崩壊につながっていくことがある。先生方の指導力に責任が問われている傾向があり,各学級の先生方が非常に苦しんでおられる。
 また,先生自身は,LDなのかどうなのかの判断がつかない,どこへ相談に行けばいいのかわからないという状況もある。「LDへの取組みは先生個人の対応では不十分で,みんなで考えないといけない」ということを学校全体でも受け止める必要がある。その先生方がもっと相談に行きやすい体制をつくっていく必要があると思う。そういう意味での啓発や研修の機会が必要と思う。

○まず「障害児学級,通級指導教室の充実」についてまとめる。
 障害児学級の現状を変える必要がある。専門性を生かすためには,担当の先生方の資質の向上,専門性の向上のための手立てを取る。担当年数を子どもに合わせて考えていく制度を整える必要がある。
 障害児学級,通級指導教室の担当者は,一人あるいは二人という限られた人数で頑張っており,余裕がない。学校全体で支えていくシステムづくりも併せて必要である。例として,ほかの機関からの支援が得られるような体制も考えていく方法もあるのではないか。
 2番目の「盲・ろう・養護学校の地域の障害児教育のセンター化への取組み」について。機能を高めていくための手立てとして担当者の相談技能,専門性の向上が大前提として必要となるがそれに加えて,人的な制度の充実や,また必要に応じて,県内の拠点的な相談の場,また,どこに行けばいいかわかりやすい場づくりということも同時に必要ではないかという意見がでた。
 そうしたことの全県下への情報提供や必要に応じて新たな施設・設備の充実も考えていく必要があるのではないか。
 そして,最後の「特別的な教育的支援を必要とする児童生徒への支援の在り方」これはまだ概念としても十分浸透している状態ではなく,全国でも新たに取り組みが始まったばかりの事業である。しかし,現実には多くの先生方がそういった子どもと接しておられる。そういう中で学校の一般の先生方,保護者や地域に対して,障害に関する情報提供,正しい理解啓発のための取り組みが大事である。そして,校内ではそういった先生方を支えていくような仕組みづくりが必要だという意見があった。またそのためには,例えば,教育センターからの人員の派遣等柔軟な支援体制づくりの必要性に関する意見があった。

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