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2 特別支援学校の再編整備

2 特別支援学校の再編整備

(1)現状と課題

ア 在籍者数の増加又は減少

 広島県においては,全国的な動向と同様に,知的障害特別支援学校の在籍者数が近年大きく増加している。特に高等部の在籍者数の増加は著しく,過去10年間で約2倍に増加している。このため,知的障害特別支援学校においては,施設・設備の狭隘化が進行している。

 その一方で,他の障害種別に対応した特別支援学校の在籍者数は減少しており,一部の学校においては,同一障害の幼児児童生徒による一定規模の学習集団を構成して教育を実施することが困難となっている。

イ 重複障害のある幼児児童生徒の在籍状況

 これまでの特別支援学校は,基本的に各障害種別に整備が図られてきた。しかしながら,広島県の特別支援学校の約3割(肢体不自由のある児童生徒に対する教育を行う特別支援学校においては,約3分の2)の幼児児童生徒は重複障害を有している。このため,重複障害のある幼児児童生徒の教育的ニーズにきめ細かく対応できる特別支援学校の在り方を検討することが必要である。

ウ 高等部卒業者の就職状況

 広島県の特別支援学校高等部卒業者の就職率は,全国平均と比較して10ポイント程度低い状況が継続している。特に,知的障害特別支援学校の高等部卒業者の就職率は,全国平均と比較して低位にある。

(2)再編整備の内容

ア 複数の障害種別に対応した特別支援学校への再編

 他県では,例えば,知的障害に対応した教育と肢体不自由に対応した教育を実施するなど,複数の障害種別に対応した特別支援学校の設置が進んでいる。これらの特別支援学校においては,各障害種別の教育の専門性を有した教員の協力体制の整備や各障害種別に対応した施設・設備の活用を図ることにより,重複障害のある幼児児童生徒に対するきめ細かな指導が可能となっている。

 広島県においても,重複障害のある幼児児童生徒に対する教育の充実や知的障害のある児童生徒の増加への対応を図るため,既存の特別支援学校を,複数の障害種別に対応した学校とするための検討を行うことが必要である。

 その際,重複障害のある幼児児童生徒の多くが知的障害を併せ有していることなどから,知的障害特別支援学校以外の特別支援学校が,新たに知的障害に対応した教育を実施することを念頭において検討することが必要である。

 なお,その再編の検討に当たっては,次の点に留意することが必要である。

○ 教員の配置,施設・設備の整備,教育課程の編成・実施等において,各障害種別の教育の専門性を確保すること。

○ 知的障害のある高等部生徒の増加が著しいことから,知的障害特別支援学校以外の特別支援学校において,高等部のみ複数の障害種別に対応することも検討すること。

イ 高等特別支援学校の設置

 広島県の特別支援学校高等部卒業者の就職状況を改善するためには,既存の特別支援学校において職業教育の充実を図るとともに,知的障害のある生徒の就職状況を改善するための教育システムの検討が必要である。

 他県においては,高等部単独の特別支援学校である,いわゆる高等特別支援学校を設置し,多くの知的障害のある生徒を就職させるなどの成果をあげている例がある。広島県においては,平成14年に策定された「広島県障害児教育ビジョン」で,その必要性が示されたが,未だその設置には至っておらず,その早期設置が必要である。

 高等特別支援学校においては,中学校の特別支援学級等を卒業した軽度の知的障害のある生徒を対象に,職業教育に重点をおいた教育課程と施設・設備の下,職業的自立を目指した指導を行う。また,この学校は,特別支援学校における職業教育のモデル校として,教育課程や指導方法を提示することなどをとおして,特別支援学校全体の職業教育の充実を図る役割を担うものでもある。さらに,その設置により,知的障害のある高等部生徒の増加に伴う知的障害特別支援学校の狭隘化への対応を図ることも可能となる。

 なお,高等特別支援学校の設置に当たっては,次の点に留意し,検討を進めることが必要である。

○ 生徒の就業体験先となる企業等の立地状況や生徒の通学の利便性などを考慮して,設置場所の選定を行うとともに,寄宿舎の設置についても検討すること。

○ 職業教育を充実する観点から職業学科を設置するとともに,入学定員の設定,入学者選抜の実施を行うこと。

○ 早期の設置を図るため,既存の校舎の活用等も検討すること。

○ 生徒の進路先を確保するため,企業や雇用関係機関との連携を検討すること。

ウ 学校の統合等

(ア)在籍者数が減少した学校

 在籍者数が減少した学校については,障害の特性に応じて,同一障害の幼児児童生徒による一定規模の学習集団を確保するため,同一の障害種別に対応した教育を実施する他の学校との統合を検討することが必要である。

 なお,統合に当たっては,在籍者数の推移,学校間の通学距離・時間等を考慮するとともに,幼児児童生徒の発達段階による違いを踏まえ,学部単位での統合についても検討することが必要である。

(イ)在籍者数が減少した職業学科

 在籍者数が減少している高等部の職業学科については,その在籍者数の推移,中学部生徒の進路状況,当該学科の設置の全国状況等を勘案し,廃止を含め見直しを検討することが必要である。

(ウ)障害児施設に併設した学校

 障害児施設に併設した学校については,「広島県立特別支援学校の就学区域に関する規則」で,その就学者を併設施設の入所者に限定していることなどにより,その在籍者数が減少傾向にある。このため,併設施設に入所していない者の当該校への就学について検討することが必要である。

エ その他再編整備に関すること

(ア)学校規模に応じた設置形態への見直し

 広島県の特別支援学校においては,「本校」,「分校」,「分級」及び「分教室」の4種の設置形態となっているが,これらの明確な基準がなく,各校の設置形態が学校規模に応じたものとなっていない。このため,特別支援学校の再編整備を行うに当たり,在籍者数等による基準を定め,各校の学校規模に応じた設置形態に見直すことが必要である。

(イ)特別支援学校のセンター的機能の充実

 特別支援学校の再編整備に当たり,教育相談室や研修室など,地域における特別支援教育のセンター的機能の発揮に必要な施設・設備の整備を図ることが必要である。

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