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広島県特別支援教育基本構想策定委員会 第2回特別支援教育推進専門部会議事要旨

1 日時

平成19年7月19日(木曜日)9時30分~11時30分

2 場所

広島県庁東館4階 教育委員会室

3 出席者

7名  

4 議事内容

(1)開会

(2)事務局説明

(3)協議

(4)閉会

5 協議概要

(1)校内体制の整備

部会長:大学の研究で,特別支援学校のセンター的機能に関するアンケート調査を実施した。結果は検討中であるが,小・中学校の多くの教職員が特別支援学校に期待していることとして,「配慮や支援を必要とする子どもたちに対する状況に応じた指導へのアドバイス」,「個別の指導計画作成のためのアドバイスや作成支援」などがあった。中学校からの意見の中に「特別支援学校から正しいアドバイスをいただけるとよいが,逆に混乱させられては困る。そのような教職員がまだいると聞く」という内容があった。私も特別支援学校に訪問した際,このようなことに直面したことがあった。特別支援学校が,どのようにセンター的機能を発揮するかは大きな課題である。

 文部科学省が125号の通知で示しているように,校長のリーダーシップの発揮,校内委員会の機能化など校内体制の整備について協議したい。

委員:地域のどこに何があってどう活用できるのかなど,資源を把握し,活用できる校外体制の整備が必要である。メーリングリスト等を使用して相談体制を作ってみたが,何を相談してよいのかわからないなど機能していない。幼稚園では,校内体制の整備については,これからの課題である。個別の教育支援計画等は,どのように小学校につなげたらよいのか考えていかなければならない。

部会長:広島県教育委員会の資料の中に相談機関の一覧がある。リソースマップでは,専門機関だけでなく,ボランティア組織のようなものがあるとよい。市町単位の身近なリソースマップがあると便利である。

副部会長:校内には研究推進委員会があり,研究体制はできていたが,個々の児童についてのケース会議はできなかった。特別支援教育コーディネーターを指名して,校内委員会を開催する中で,教職員の中で児童の捉え方にかなりズレがあることを感じた。共通理解を図るのに役立っている。また,特別支援学校からの専門的なアドバイスを受けることで,今まで気付かなかった新しい視点を持つことができた。ただ,時間のない中で進めているので,お互いの授業を見合うことがなかなかできず,話し合った内容が授業の中にどう活かされているのかというところまでは,お互い把握できていないことが課題である。

委員:校内委員会の時間をどのように確保していくのかが課題である。例えば,第1週は校内委員会を開催するなど,重要課題として定期的に行うよう決めていると機能していくように思う。特別支援教育コーディネーターについては,まず,役割を明確にすること,次に,支援の必要な生徒を具体的に挙げ,どのように支援していくかということを,特別支援教育コーディネーターを中心に話し合えば,機能していくように思う。特別支援学校のセンター的機能や巡回相談を活用して指導を受けることも効果的である。

部会長:本や事例でも小学校の取組みはよく紹介されているが,中学校や高等学校は少ない。教科担任制のため,生徒の全体像を把握しにくい状況があり,共通理解が難しいので工夫が必要である。

委員:高等学校では,生徒指導体制が整っていれば,特別支援教育の体制もできてくる。情報の共有を図るため,放課後,教職員は,特別支援教育コーディネーターに1日の様子等の情報をできるだけ伝えるようにしている。特別支援教育コーディネーターは,情報を収集して,必要があれば全体に報告するようにしている。時間を取りにくいが,月に1回は情報を交換するように決めている。この体制は全ての高等学校でできるかどうかはわからないが,学校がある程度落ち着けば可能である。特別支援学校のセンター的機能に関しては,ぜひ活用したいが,どこに相談したらよいのかわからない。また,特別支援学校も児童生徒の指導をしているのに,突然,電話で相談するのは申し訳なくて心苦しい。特別支援学校の窓口となる特別支援教育コーディネーターを明示してくれると相談しやすい。

部会長:これまで学級担任が課題のある児童生徒に一人で対応していくのが当然という状況があったため,学校によっては,特別支援教育コーディネーターをあまり重視していない状況も見られた。しかし,現在は,課題が複雑化しており,学校という組織で対応していくことが当然となっている。

(2)一貫した支援体制の整備

部会長:教職員が,個別の教育支援計画と個別の指導計画等をまだ理解できていない現状がある。

委員:個々のどういうところに課題があって何を支援すべきなのか,明確にできていない。幼稚園と小学校との連絡会などで,個々の情報を的確に伝えていくためには,どういったものが必要なのかを考えていく必要がある。

副部会長:幼稚園や保育所と小学校が連携しているが,きめ細かな連携をするためには,支援に関するカルテのようなものが必要である。担任が替わるごとに白紙の状態から考えて取り組んでいることがあり,保護者にとっては,なぜ伝えてもらっていないのかと学校に対して不信感を持つことがある。

部会長:そういった引継ぎをするためのものが,個別の教育支援計画,個別の指導計画になると思う。ある地域では,サポートファイルというものを試行的に作成している。支援機関や支援方法が増える度に書き込むことができ,スムースに引継ぎができる。学校では,個別の指導計画等が同様に有意義である。また,大学が小学校や中学校と連携をとると,個人情報だから話すことができないと言われることがある。保護者が了解をしている場合でさえ,同様のことがある。

委員:今年度は,入学する生徒に関して多くの情報があったため,支援がうまくいっている。小学校との連携の中で,情報をいかに集めるかということが大切である。生徒指導面による課題なのか,障害の特性による課題なのかによって,指導方法も変わってくる。特別支援教育コーディネーターが,情報を入手して整理していくことにより,当該生徒に支援が必要であることがわかるだけでも,随分,指導方針等が明確になる。中学校から高等学校への進学についても連携が大切である。

部会長:中学校では,教科担任制のため,生徒の実態把握にズレが起こることがある。計算は得意だが,国語の学習は苦手な生徒の場合,数学では誉められることが多いが,国語では授業中に寝てばかりいることもあり,国語科の教員は,その生徒がふざけていると思ってしまう。また,教職員の障害に対する理解も多様であり,これらが複雑に絡み合っているから,なおさら意識のズレが大きくなっている状況がある。

委員:高等学校の場合,一般的には,合格決定後の3月中に中学校と連携している。その際,課題があると思われる生徒については,生徒指導の面と特別支援教育の面の両方を聞いている。4月になると,その生徒に直接,指導する教職員は,情報を共有している。学級担任が把握した情報については,保護者の意向も踏まえ,情報の管理を配慮している。

部会長:ある私立高等学校では,発達障害の可能性のある生徒の割合が15%であった。高等学校については,学校によって実態は多様であるが,発達障害の生徒が入学することを前提にして取り組む必要がある。しかし,発達障害のある生徒の実態と現在の高等学校の教育課程が合っているかということも課題である。

(3)特別支援学校のセンター的機能の充実

委員:特別支援学校のことがあまりよくわからない。特別支援学校がセンター的機能として何をしているのか情報発信がほしい。

部会長:東広島市は,特別支援学校,広島県発達障害者支援センター,広島県立障害者リハビリテーションセンター,広島県立障害者療育支援センター及び大学など多様な資源のある地域である。現状では,特別支援学校より広島県立障害者リハビリテーションセンターのコーディネーターがかなり活動していると聞いている。

副部会長:誰に何を相談したらよいのかわからなかったが,特別支援学校と連携していく中で,相談することがわかってきた。特別支援学校がこれまで取り組んできた専門性を情報発信してほしい。特に,高機能自閉症等について役に立つことが多かった。公開授業研究等,ぜひ参加したい。

委員:昨年度,月に1回,特別支援学校の巡回相談を受けた。診断の有無に関わらず,通常の学級で何をすればよいのか具体的に教えていただいた。また,特別支援学校を訪問し,教材・教具についても助言をいただいた。今後も継続して連携を取りたいと思っている。

部会長:特別支援教育コーディネーターの活動を充実させるために,1人の指名でよいのかということも考えていかなければならない。

委員:これまでの教育相談は職人芸のようなところがあった。しかし,その教職員が転勤したらどうするのかといったことを考えると,教育相談に向いている次のコーディネーターを育てていく必要がある。小学校や中学校は,地域の全ての児童生徒が通ってくるから多様な事例があり得るが,高等学校になると事例があってから動き出すといったところがあり,特別支援教育については認知されていない現状がある。特別支援学校に相談する以前に,どういうことを相談したらよいのかがよくわからない。

委員:これまでは,特別支援学校は,地域の小学校や中学校と連携をとることはあまりなかった。国の施策として明確になり,地域のセンター的機能を発揮できるよう,医療,労働,福祉機関等と連携し,一貫してサポートしていこうという体制をつくっていく必要がある。そのためには,専任の特別支援教育コーディネーターを全ての特別支援学校に配置することが必要である。小学校や中学校と連携を取ることが多くなり,組織として動いていくようになってきた。以前は,特別支援学校に入学する生徒の情報を得ようとしても「担任が変わったからわからない」と言われることが多かったが,今は,特別支援教育コーディネーターが対応してくれるようになった。小学校,中学校からの具体的な相談が増えているので,巡回相談の充実を検討してほしい。また,他機関との連携も取りやすくなり,就学や就労に向けての個別の教育支援計画の提供もスムーズになってきた。地域の協議会を立ち上げることで,小学校,中学校の教職員の悩みもわかるようになるなど,より連携が深まった。特別支援学校の教育設備の活用や大学生の活用も考えていきたい。介護等の体験や教育実習生も地域資源の一つとして大学との連携も考えていきたい。

部会長:地域のニーズを発掘することが,学校の使命を果たすこととなる。ボランティアの活用や特別支援教育支援員の活用については,文部科学省から冊子が出ている。

委員:特別支援学校も地域格差があると思う。西部では,専任の特別支援教育コーディネーターが配置されていることもあり,連携が進んできているが,東部では難しい点がある。東部の特別支援学校も小・中学校等に対して公開セミナーや公開授業研究等の情報発信があり,以前よりも情報の提供はあるが,なかなか組織的な連携になっていない。全県的な特別支援教育の推進から考えると,専門性のある教職員の人事異動や地域資源の活用にも課題がある。

(4)教員の専門性の向上

部会長:大学の教育学部でも特別支援教育の課程でない学生が自発的に発達障害についての授業を受けるようになった。本来,20人程度の授業に対して,60人程度の学生が授業を受けている。

委員:校内研修を実施すると,講師は専門分野の話をしてくれ,それなりの意義はあるが,特別支援教育を推進する上で,どのようなことを段階的に研修したらよいのかという研修の方向性がわからないので研修プランを明確にする必要があると思う。その中で自分たちの位置がどこなのか知りたい。特別支援学校のセンター的機能にも研修を総括するような機能を発揮してほしい。

副部会長:ここ数年,特別支援教育に関心が高くなり,研究部会の会員数も増えている。さらに専門性を向上させるためには,現職教職員の大学院などへの派遣の機会を増やしてほしい。

委員:特別支援学級の担任でさえ専門性が乏しい状況である。特別支援学級を担任したいという教員が非常に少ない。教科の関係から希望していてもできないこともある。広島県立教育センターの特別支援教育の講座も申し込んでも希望者が多くなかなか受講できない状況がある。市町の教育研究会では,特別支援教育コーディネーターや特別支援学級の担任以外の教員が研究会へ参加を希望するなど,小学校,中学校ともに特別支援教育を推進する機運は高まっている。また,特別支援学級の授業を学級担任以外の教科担当がすることで,職員室での話題に特別支援学級の生徒のことが出るようになり,特別支援教育に意識を持つようになってきた。

委員:高等学校によって差はあるが,小学校や中学校のように機運が高まってはいない。しかし,目の前に生徒がいると,どうすればよいのか考える。特別支援教育コーディネーターに悩みの情報が集まり,悩みの内容に適した講師を招聘して校内研修を実施したり,スクールカウンセラーに相談したりしている。そうすることで,教職員全員が底上げされているように思う。学級担任は,問題を一人で抱え込んでしまうので,特別支援教育コーディネーターを中心にみんなで相談するように言っている。結局,特別支援教育コーディネーターの負担は多くなるので,特別支援教育コーディネーターの授業時間等の持ち時間の軽減をお願いしたい。

委員:特別支援学校は,特別支援学校教諭免許状の取得をさらに進めていきたい。ある程度,障害のある児童生徒の実態把握ができないと子どもにも保護者にも対応できない。認定講習は,まだまだ縮小せずに拡充してほしい。特別支援学校は,教育課程の中に自立活動という領域があり,その充実を図るために,現在,広島県は,特別支援学校に理学療法士(PT),作業療法士(OT),言語聴覚士(ST)等を導入し,教職員と連携を取って専門性を持って指導に当たっており,効果的である。

委員:特別支援教育に関して,関心が高まっており,通常学級の担任も研修等に行くようになってきた。土曜日に開催された特別支援教育関係の研修会にも教職員が参加するほど関心が高まっている。専門性の向上に関しては,通級による指導の充実が必要である。自立活動,特に言語に関する内容など,日常の学校生活では対応できないような専門性をどう高めていくかということを考えると,大学への派遣等も積極的に実施していきたい。市では,通級による指導の担当教員を講師として養成講座を企画したり,大学の協力を得て講座を企画したりして,研修を実施してきた。しかし,市が自前でやっていくのは制約がいろいろあり難しい状況もある。LD,ADHD等を対象とする通級による指導についても,何年もかけて自主的に研修を積んで学会等の資格を取得した教員が中心になり,学校間の連携の中で専門性を広めていっている状況がある。

(5)特別支援教育に関する普及啓発

委 員:今年度から改正学校教育法の施行を踏まえ,市の広報を活用して特別支援学校について説明したことがあった。各学校でもホームページで情報提供したり,親の会やNPO法人で著名な講師を招いて研修会が開催されたりすることが多く見られる。多くの場面で関係機関としっかり連携を取って特別支援教育に関する啓発を進めていく必要があると思う。

部会長:「特別支援教育を推進するための制度の在り方について(答申)」の中でも,「特別支援教育の理念と基本的考え方が普及・定着することは,現在の学校教育が抱えている様々な課題の解決や改革に大いに資すると考えられる」という文言が入っている。また,「特別支援教育の推進について(通知)」には,「共生社会の形成の基礎」ということばが入っている。このことは,かなり意味の深いことであり,ボランティアや地域の方も含めて,一体となって取り組む必要がある。

部会長:今後,諮問会議にこの特別支援教育推進専門部会の報告書を提出する。報告書については,部会長,副部会長及び事務局に一任していただいてまとめるということでよろしいか。

委員:異議なし。

部会長:それでは,報告書は,部会長,副部会長及び事務局に一任させていただくことにする。

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