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平成19年度広島県特別支援教育基本構想策定委員会 第1回特別支援教育推進専門部会議事要旨

1 日時

平成19年7月12日(木曜日)9時30分~11時30分

2 場所

広島県庁東館4階 教育委員会室

3 出席者

7名

4 議事内容

(1)開会
(2)委員紹介
(3)部会長・副部会長互選(部会長:落合委員,副部会長:伊藤委員)
(4)会議の公開
 特別支援教育推進専門部会は傍聴により公開するとともに,議事録の概要版を公開する。
(5)事務局説明
(6)協議
(7)閉会

5 協議概要

委員:特別支援教育コーディネーターに指名されている特別支援学級の担任と通常の学級の担任の割合はいかがか。コーディネーターとして機能させる観点で見ると,特別支援学級担任以外の者がなった方が効果的であると思う。
 特別支援学級と通常の学級において取り組む場合では,少し取り組み方が異なると思われる。中学校1校に設置している通級による指導の運営についていかがか。

事務局:1点目の特別支援教育コーディネーターに指名されている通常の学級の担任又は特別支援学級の担任の割合については,把握していない。しかし,特別支援教育コーディネーター養成研修会の出席者名簿を見る限りでは,特別支援学級の担任が多いと把握している。また,県教育委員会が発行しているリーフレット「一人一人が輝くために」に示しているように,特別支援教育コーディネーターとして機能させるためには,生徒指導主事,教務主任等を指名することが効果的であると考えている。

 2点目の中学校の通級による指導は,福山市立鷹取中学校のことであり,今年度から設置したLD,ADHDを対象とした教室である。

委員:この教室は,どの地域を範囲としているのか。

事務局:自校通級である。

委員:1点目について,福山市では,特別支援教育コーディネーターの6割が,特別支援学級の担任である。その他に,小学校では教務主任,養護教諭が,中学校では生徒指導主事が指名されている場合が多い。学校全体を把握しながら組織的に動くといった意味では,主任等あるいは教頭が指名されることが望ましい。中学校では,特に生徒指導と連携するといった意味で,生徒指導主事が指名されると効果的である。また,特別支援学級の担任が特別支援教育コーディネーターになるのは,専門性を活かすといった意味や,学校全体を把握しながら交流及び共同学習を進めるという意味で効果的である。

 2点目の通級による指導については,県内唯一,中学校に設置している通級指導教室である。5月1日現在,3名の生徒でスタートしたが,保護者等のニーズが高く,現在十数名が活用している。相談件数も増えており,今後もLD,ADHDの生徒への適切な支援の充実が期待される。通級による指導では,自立活動を基本に行っていくが,中学生として自分の困難さを自覚していくこと,又は自分で新しい方向を切り開いていくことなども指導として必要となってくる。また,福山市では,小学校の通級による指導においては,新しく2教室が設置された。通級を活用したいという保護者の思いが強くなってきており,「期待感から満足感へ」を目指していきたい。

部会長:通級による指導については,これから研究を進めることで,指導の工夫点が整理されてくる。また,特別支援学校の特別支援教育コーディネーターと小・中学校の特別支援教育コーディネーターは異なる。特別支援学校の特別支援教育コーディネーターは,小・中学校に対して支援をするため,学校の顔として自覚を持って取り組んでいって欲しい。学校の規模や役割によっては,複数の特別支援教育コーディネーターを指名することも必要である。

委員:幼稚園においては,実際は,特別支援教育コーディネーターが指名されるような支援体制まで整備されておらず,個々の担任が助け合いながら取り組んでいる。幼稚園には私立があり,実態把握,対応方法等について公立と格差がある。加配についても同様である。どこに相談し,助言を受ければよいのかわからない。保護者に対して実態を認識していただくための手だて,地域に対する啓発も大きな課題である。また,保育所についても同様である。

 また,幼・保を問わず,幼児の課題については,発達障害が要因なのか,養育の問題なのかがわかりにくく,見極めが必要である。

部会長:早期に対応すると効果的であることを考えると,公立・私立,幼稚園・保育所を問わず,取組みが必要である。特別支援教育コーディネーターの指名等,組織の在り方も考えることが必要である。

委員:巡回相談の効果的な活用についてはいかがか。

部会長:巡回相談をしていると,3・4年前の学校のニーズと現在のニーズは変わっていると感じる。発達障害についての医学的,基本的な内容の研修を実施する学校もあれば,事例検討や通常学級における支援の工夫を内容とした研修を実施する学校もあり,学校によって研修内容が異なり,格差ができている。同一校で2年目の巡回相談においても医学的な内容の研修を実施しているようであれば,特別支援教育コーディネーターの動きができていないのかとも感じる。実際,特別支援教育コーディネーターが指名されたのだが,何をやってよいのかわからない,といった相談を受けたことがある。大学では,東広島市と連携して,小・中学校に対して大学生による支援を実施している。個別の教育支援計画を作成していることを条件に学生を派遣している。特別支援教育コーディネーターの役割が明確になり,活躍し始めた。個別の教育支援計画も作成するようになった。小学校は,担任が児童と一緒に過ごすことが多いが,中学校は,教科担任制であることから,生徒の困り感に気づきにくいのではないかと思う。

委員:気になる幼児が増えてきた。公立では,加配等のマンパワーがあるが,私立では,管轄が教育委員会ではないので公立と基準が異なり,加配は難しい。しかし,現状の中で早急に取り組んでいかなくてはならない。広島県私立幼稚園連盟では,広島大学の先生と共同で支援に取り組んでいる。先生が開発したレーダーチャートによって困っていることを確認し,キッズを使って発達診断をし,組織として実態把握をし,次にどのように進めていくのかを課題としている。県内には,発達障害や特別支援教育に関するいろいろな研修会がある。しかし,それも参加しないとわからないので,多くの人に理解していただくには,まだまだ時間がかかる。とりあえず,加配がなくてもできることからやらなければならない。

委員:高等学校では,これまで,進路指導と生徒指導,この両輪で取り組んできた。不登校等については,教育相談で対応するが,実際には,学級担任と養護教諭の連携で成り立っているので,学校全体における組織全体という意味ではできにくかった。数年前に中学校との連携で発達障害の生徒が入学することがわかった。どうすればよいのかという疑問から取組みが始まった。ある程度,組織体制ができてきた頃,専門家に来ていただいた。現在は,巡回相談の事業,スクールカウンセラーの来校による相談を実施している。既存の組織に特別支援教育コーディネーターや校内委員会を充てた。現在,特別支援教育コーディネーターになる者は,学級担任にはせず,副担任にすることにしている。また,特別支援教育コーディネーターが転勤した後も支援体制が継続できるよう,本校経験年数の短い教員を特別支援教育コーディネーターの副担当として活動を補助してもらっている。この教員は学級担任をしている。特別支援教育コーディネーターは,保健部の教育相談担当が担っている。進路指導や生徒指導については,どの学校も組織的に機能している。生徒指導と特別支援教育は同じだと思う。例えば,アスペルガー症候群の生徒等は,いじめの対象となるケースがあり,いじめをなくすためには,教職員間で情報を共有する必要があり,組織体制が必要である。他校にも拡げていきたい。

部会長:発達障害といっても小学校の児童と高等学校の生徒では,ずいぶん違うので気づくことに難しさがあると思う。高等学校で取組みをしようとすると,勉強ができればそれでよいといった場合もあり,まだ理解・啓発ができていないのではないか。

副部会長:特別支援教育コーディネーターを指名して,確かに組織的に対応できるようになってきた。特別支援学校の教員にもセンター的機能として定期的に来校していただくことで対応方法等がわかってきた。通常の学級に市からの加配の教員がいるが,学校に一人なので指導が行き届かない。他の児童が「それが許されるなら私も」と,望ましくない行動を学習するようになり,校長まで教室に入っていくような実態になっている。もう少し加配をつけてほしい。学校で工夫しなければならないと言われるが,学級担任は,他の学級まで支援にいけない。

部会長:文部科学省は,特別支援教育支援員を各学校に配置できる程度,予算をつけている。しかし,それだけでは十分でないとすれば,ボランティアが必要になってくる。今年度,3月に特別支援教育関係ボランティア活用事例集が国から出された。大学では,62名の学生が東広島市内の小・中学校に行っている。特別支援教育コーディネーターの役割として,外部の専門家に頼るだけではなく,学校内部で「学びの組織」づくりを進める必要がある。

委員:リーフレットの中で,特別支援教育コーディネーターの役割として,校内委員会のための情報収集・準備や校内研修の企画,立案を挙げている。これを進めると組織で進めていくことができる。小学校と中学校との連携が大切になっており,お互いの校内研修会に参加したり,授業を参観し合ったりしている。校区内の連携協議会でも情報交換をしながら連携を取っている。1学期半ばに各クラスから支援が必要だと思われる生徒をあげ,特別支援教育コーディネーターが情報をまとめて校内研修で教員に共通認識をさせている。そして,特別支援教育推進委員会の中で,障害の有無に関わらず,支援の必要な生徒に対して,簡単に書けそうな行動観察記録をとじたファイルを作成し,気付いたことを記入している。教員の発問,それに対する生徒の意見・様子,その後の行動の様子の3つをポイントに書いている。とにかく教育的ニーズを捉えることが課題だと考えている。特別支援教育コーディネーターが個別の指導計画等に書き込んで委員会に出している。昨年は教員の困り感が大きかった。ある生徒について,落ち着いて話ができるようにしようと,ある程度の方向性を決めたら職員会議及び企画委員会で協議して方針を決めた。うまくいかない場合もあるので,継続して話し合っていっている。こうすることで特別支援教育コーディネーターを中心として,各学年主任,学級担任との共通認識ができる。「支援の必要な生徒ではないか」という言葉が出るようになり,どう支援するのか,すぐに話し合うようになった。このことによって生徒指導面の問題が少なくなっているように思う。保護者に対して理解を得ることが難しいことについては,小学校にも中学校にも言えることである。保護者が子どもを認識できることでかなり違ってくると思う。保護者,地域にどれだけ理解を深めるかということは,非常に大切なことである。

部会長:保護者には,なかなか納得していただけない。いろいろな話のもっていき方が必要である。

委員:小・中学校,高等学校では,特別支援学校のセンター的機能をどのように求めているのか知りたい。

部会長:センター的機能に関して,小・中学校がどういうことに困って,特別支援学校にどういうことを期待しているのか,調査をしている。具体的な意見も出てきている。

 今日の議論を簡単にまとめると,中学校,高等学校になってくると,発達障害の様相がかなり変わってきている。教職員や保護者の理解に課題がある。ニーズが出てきたときに,どこから支援を得ていけばよいのか,特別支援学校は,センター的機能として何の役割を果たしたらよいのか,また,幼稚園・保育所など早期からの取組みを考えていかなければならない,公立・私立の幼稚園等では,格差があることも考えていかなければならない。

事務局:本日いただいた意見をまとめて,第2回の専門部会に提案させていただき,御検討いただきたいと思う。

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