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平成19年度 広島県特別支援教育基本構想策定委員会 第1回諮問会議議事要旨

1 日時

平成19年6月13日(水曜日)13時00分~15時00分

2 場所

広島県庁北館2階 第1会議室

3 出席者

13名(欠席者:難波委員)

4 議事内容

(1)開会(教育長あいさつ)

(2)委員紹介

(3)会長・副会長選出(会長:落合委員,副会長:谷本委員)

(4)会議の公開

 諮問会議,特別支援教育推進専門部会は傍聴により公開(ただし,諮問会議は一部非公開),再編整備専門部会は非公開とし,各会議の議事録の概要版を公開する。

(5)諮問

 諮問項目

ア 幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校における特別支援教育の推進に関すること

イ 特別支援学校の再編整備に関すること

ウ その他特別支援教育基本構想策定に関すること

(6)基本構想策定スケジュールについて

(7)特別支援教育の現状について(資料説明)

(8)協議

(9)閉会

5 協議概要

会長:新しく通級による指導を設置した中学校とは,どこか。

事務局:福山市立鷹取中学校である。

副会長:制度をつくることと,マンパワーを取り入れることの両面を考えることが必要。特別支援教育に携わる教員の養成,専門性の向上及び教員の配置の構想をバックアップする組織を考えてほしい。県教育委員会では,特別支援教育担当部署は「課」ではなく,「室」である。特別支援教育に力を入れるのであれば,県の特別支援教育を統括する部分が表に見える形にしていただきたい。さらに,生涯を通じた一貫した支援ということから考えると,旧養護学校の幼稚部の設置率は,全国的に見て極めて低い。就学前段階のケアはどうなっているのか。

会長:これまでは1.8%の児童生徒が特別支援教育の対象であったが,これからは8%,つまり約4倍になることも考えていかなければならない。

事務局:知的障害があることがはっきり分かる段階が,2・3歳になってからということが多く,通園施設等,療育機関に相談される場合が多い。その他の障害についても通園施設やこども家庭センターに行かれていると考える。

委員:教育モニターアンケートによると,特別支援教育の取組みについて,重要度は高いのに満足度が低いのはなぜか。また,全国より就職率が10ポイントも低い要因は何か。

事務局:教育モニターアンケートの満足度が低いという点について,実際に満足していないという方もいるが,「わからない」の回答が32%もあり,現状がどうなっているのか,あまりよく知らない方がいるという実態もある。取組みの実情,成果及び課題を県民によく知っていただく努力が足りていないのではないかと考えている。就職率の問題については,平成18年度から就職指導充実事業を実施している。研究指定校2校にジョブサポートティーチャーを配置し,進路の開拓,教育課程の改善に取組んでいる。就職率が低い要因としては3点考えられる。1点目は,職業的自立を促す指導が不十分であること。2点目は,ハローワーク,障害者職業センター等との連携が不十分であること。3点目は,企業等への啓発が不十分であること。

委員:高等学校では,特別支援教育に対する意識が低い。公立高等学校の校内委員会の設置率がわずか9.7%と全国平均と比較して低いこともその表れである。特別支援教育に対する理解に課題があると感じている。

委員:地域の3つの特別支援学校の進路担当者と5年前から知的障害者の福祉等の関係者との協議会を実施している。内容は,進路や成人の授産施設の体制について。このような動きに対して県の意向はいかがか。高等部では,現在,希望すれば全員が高等部に入れるという状況があり重度の障害の生徒も在籍しているので,いきなり一般就労は難しいということも就職率の低い理由の一つではないか。

事務局:1点目の学校と福祉の連携について,支援の在り方を協議していくことは有意義であると思う。各学校では,個別の移行支援計画等の策定も進めており,施設にスムーズに移行できることを大切にしている。2点目について,広島県の高等部の生徒が特に他県と比べて障害が重いということはない。むしろ教育指導の面の課題が大きいと考えている。生徒の実態に合わせた授業形態にも課題がある。

会長:少年院や少女苑に入所中の少年の70%に発達障害の疑いがあるのではないかと言われている。現在,ある少年院が発達障害の子どもへの取組みを実践している。中学校や高等学校においても取り入れるとよいのではないか。特別支援教育の推進が,学校内の課題に対して様々な効果を生むのではないか。

委員:私も少年院を訪問したことがある。1人の子どもを更正させていくプロセスが学校でも利用できないかと考えたことがある。発達障害と生徒指導をリンクさせる必要がある。

委員:障害児教育を受けていた児童生徒が,あるときを境に増えている。適正な就学指導の結果だけでなく,スクールバスや施設設備の整備,充実等もあるのかもしれない。今後,どのように検証されていくのか。また,どのようにマンパワー的な支援体制を確立していくのか聞かせてほしい。

事務局:知的障害特別支援学校の児童生徒が増えているのは全国的な傾向。特別支援学級も同様。特別支援学級に在籍しようとする児童生徒が増えてきたこと,通級指導教室が設置されたことも要因かもしれない。希望される方が増えていること,高等部の設置が進んでいることは,他県では言われている。また,小・中学校の特別支援教育を進めるための人的資源ということについて,小・中学校では,校長が特別支援教育コーディネーターを指名して校内委員会を設置している。特別支援教育コーディネーターの研修を受けた教員が校内で担任を支援したり,チームで支援したり,専門家の助言を受けたりしている。さらに,国は,交付税措置の中で小・中学校に支援員を配置するための予算を市町に配分しており,市町では支援員を配置している状況がある。

委員:専門的な教育を求めている保護者に対して,ある程度,対応できてきたから増えてきたということではないか。教育モニターアンケートの「特別支援教育の充実」が,「重要」だということ,「わからない」ということを含めて適切に把握し,何をもって「不満」とするのか,対処の仕方を考えることが必要。増えてきた要因についてもっと分析し,十分に検討してほしい。

事務局:平成11年度以降,特別支援学級在籍の児童生徒が急増しているのは,1名でも特別支援学級を設置してよいとしたこと,市町教育委員会の就学指導が適正に実施されたこと,特別支援学校の小学部・中学部の児童生徒数の増加に伴って高等部への就学も増えてきたこと,また,因果関係について実証できないが,平成11年度から高等学校において定員内でも不合格は有り得るとしたということと期を一にしている。しかし,教育の専門性が高まってきたことは確実に評価されてきている。その表れとして,特別支援学校教諭の免許状保有率の上昇がある。平成14年の障害児教育ビジョン策定時,「是正指導から4年が経っていても盲・ろう・養護学校は,是正が十分できていないという状況がある」という説明を最初の挨拶の中でした。長期に渡って同じ学校に在職したため,学校経営に対する影響力が大きくなった教員構成について,学校の雰囲気を変えるために,積極的に異動をすることとした。それも学校が良くなった要因の一つ。

会長:全国的にも平成5・6年度頃から特別支援学級,平成9年度頃から特別支援学校への就学率が上昇している。

委員:滋賀県等では,支援を要する児童生徒のチェックリストがあったが,広島県には,指標がないので,実態把握が難しく各学校が困っている。大学の先生に相談しているがなかなかうまくできない。保育所や幼稚園の段階で実態がつかめていない。それが,小学生になると顕著に表れる。小学校に就学して初めて保護者に話すと,なかなか理解してくれず,困っている。

委員:保護者の悩みやストレスは,通常学級の教育以上に多い。そういう保護者の要求と,教師と子どもの営みという関係の中で障害のある子どもの教育が成り立つ。保護者の要素をしっかりと踏み込んだ議論を構築していく必要がある。常に,子ども,教師及び保護者の三者の関係を円滑にしていくという視点を大切にしてほしい。この答申が後押しとなる。答申が出て終わりではなく,この答申がどう活きていくのかが大切である。

会長:前回の答申と異なる点は,LD,ADHD等の児童生徒について,通常の教育の中で行うということ。対象の子どもの数が4倍になるからといって予算が4倍になるわけではない。限られた予算の中でどう配分するか,深刻な問題である。

委員:適正な就学指導も必要だが,適切な進路指導,進路確保の充実もお願いしたい。保護者が子どもに対して過保護になっており,就労するということになかなかイメージをもてない。本人が楽しく生きていけばよいと思っている保護者が多かった。これは,高等部3年間で培えるものではなく,小学部・中学部の段階から考えていく必要がある。また,先生方は,一人一人良いものを持っており,個性豊かである。しかし,学年集団,ティーム・ティーチングになると個性のつぶし合いになっているところがあり,もったいないと感じる。保護者は学校を支援していきつつ,学校に期待していきたいので,保護者も一緒に考えていきたい。

委員:特別支援教育は,長期的に見ると変わってきた。今,特別支援教育には期待感がある。期待感を満足感にいかにもっていくかを,この委員会で考えていく必要がある。特別支援教育は,学校全体にかかわっていくものであり,学校経営が基盤である。特別支援教育が充実することですべての教育活動がうまく回転していく。また,本県で欠けているのは,軽度の障害のある生徒の進路である。例えば,高等部におけるコース制や高等特別支援学校を考えていかなければならない。さらに,研修派遣の人数を増やして一生懸命に取組んでいる教員を支援してほしい。また,作業学習の充実のためには,施設・設備も必要。10年先のことを踏まえたビジョンを出す絶好の機会であり,「期待感から満足感へ」しっかり考えていきたい。

会長:10年前なら財政面で楽観的なことができたが,今は,小さな政府論に移行せざるを得ないような状況。その中でかなり抜本的にいろいろなことを変えていく必要があると思う。そういうことを踏まえながら広島県から施策を出すことはある意味でチャレンジである。

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