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広島県特別支援教育基本構想策定委員会中間報告に係るパブリックコメント集約結果

 「中間報告」への意見募集を平成19年11月1日(木曜日)から11月21日(水曜日)まで,21日間実施しました。

 県民の皆様をはじめ,県外の方も含めた150人の方から,電子メール,ファックス及び郵送で御意見をいただきました。
 多くの方々から御意見をいただきましたことに対しまして,厚く御礼申し上げます。
 御意見の集約に当たっては,中間報告の目次の項目に沿って,同趣旨の御意見はまとめ,概要を次のとおり取りまとめました。

 はじめに

【中間報告 p1】

(意見なし)

1 広島県の特別支援教育の現状と課題

【中間報告 p1】

○ まず「是正指導」の問題が書かれているが,具体的に何が問題であり,現在も課題が続いているのかを明確にしてもらいたい。

○ 特別支援教育は,79義務化,国際障害者年,サラマンカ宣言,インクルージョンという流れで推移していることを示してもらいたい。

○ 「広島県障害児教育ビジョン」,「広島県障害児教育ビジョン推進事業」の検証が不可欠であり,それこそ中心に書かれるべきである。この成果と課題について,もっと綿密に分析してもらいたい。

○ 「適切な就学指導」とは何かを,インクルージョン等の関係で述べてもらいたい。また,「教員の専門性の向上」は県教育委員会の人事上の課題と相まって述べるとともに,「専門性」とは何かも述べてもらいたい。

○ 「『元気挑戦プラン』実施計画」で「『特別支援教育の充実』が掲げられるなど,障害のある幼児児童生徒の能力や可能性を最大限に伸ばす教育が推進されてきている」とあるが,もっと具体的に分かりやすく表現してもらいたい。

 ○ 特別支援学校の在籍者の増加を成果と見る根拠は何かがわかりにくい。

2 基本構想策定の視点

1 特別支援教育の理念

【中間報告 p4】

○ 特別支援教育の理念に大変共感する。一人一人の教育的ニーズに応じたきめ細かく丁寧な指導や支援は,学校教育の抱えている様々な課題の解決のために必ず役立つ。

○ 一人の子どもが生きていく上で,困難な状況が起きたときに,手を差し伸べてくれる人がいれば,障害を気にせず生きていける。是非この理念を実現させてもらいたい。

○ 今後の特別支援教育の在り方として,いい方向に向かっている。今後は,この方向性を市町,そして小・中学校や高等学校に浸透させていってもらいたい。

○ 教育基本法にある人格の完成や平和で民主的な社会の形成者を育てていくためには,もっと視点を広く持って基本構想を考えてもらいたい。

○ 国連で採択された障害者の権利条約では,原則統合がひとつの理念となっているにもかかわらず,この中間報告を見るかぎり,分ける教育を充実させることしか考えられていないように感じる。

○ 中教審答申では,「我が国が目指すべき社会は,障害の有無にかかわらず,誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会である。その実現のため,障害者基本法や障害者基本計画に基づき,ノーマライゼーションの理念に基づく障害者の社会への参加,参画に向けた総合的な施策が政府全体で推進されており,その中で,学校教育は・・・重要な役割を果たすことが求められている」とある。このことを中間報告の理念に入れてもらいたい。

○ 文科省は障害の有無にかかわらず誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会を目指すといっている。その方向性,具体的施策を理念に入れてもらいたい。

○ 学校教育法等の一部を改正する法律案に対する付帯決議では,「障害者基本法に基づき,また,国際的な障害者施策の潮流であるノーマライゼーションやインクルージョンの理念を踏まえつつ,障害のある子どもたちが,生涯にわたって健康で文化的な生活を営むためにも,障害のない子どもとの交流及び共同学習がいっそう推進されるよう努めること」とある。このことを理念に入れてもらいたい。

○ 「共生社会」を実現するためには,幼い頃から同じ場で共に育ち,学ぶことが最も大切であり,将来生活していくうえで必要な力を身につけることにつながる。国際的な潮流である「インクルーシブ教育」の実現には,地域で共生できないことは課題と考える。

○ 答申には,今後,広島県でインクルーシブな学校教育をどう実現していくのかという長期的展望に立った,特別支援教育の推進方針を示してほしい。

○ 理念の中に「インクルーシブな教育」が必要であると考える。

○ 障害者自立支援法や介護保険法などでは「できるだけ施設ではなく地域社会の中で生活していく」ことを目指しているが,教育の分野ではまったく逆のことが行われていると思う。

○ 広島県は,1997年に「障害児教育にかかわる基本的な考え方」で,地域社会に障害者差別が根強く存在することを認め,その解消をめざすという観点のもと,障害者が障害者として主体的に生きていく力を身につけることを保障し,障害者と健常者が共に生きていく社会の実現をめざすことという先進的な方針を打ち出したのに,このことが踏まえられていないのではないか。

○ 「共生社会」の概念について,教員への周知が必要。「健常者と障害のある人が関わる時間を多くすれば良い」といった短絡的な考え方が特別支援学校の中には多い。論は乱暴であると思うが,単に関わる時間が多いだけで,障害のある人の困難性が解決するのならば,発達障害の問題は生じないはずである。また,健常者の障害に対する理解は深まるだろうが,適切な支援なしで果たして障害のある人に力がついていくのか疑問であり,ある面教育の放棄である。このままでは,個々のニーズに対応していくべき特別支援教育の意義が見失われると考える。

○ 障害があろうとなかろうと,児童生徒の持っている力を十分に伸ばしていくことこそが教育の平等であると思っている。しかし,これまでの広島県の障害児教育は「一緒にいること,一緒にやること」ばかりに重きをおいていたように感じる。一人一人の状況に応じたきめ細やかな教育を行うことが,子ども達のもっている力を伸ばすはずである。

○ 自立や社会参加を教育の最終目標としているが,具体的な取組の方向性について述べてあることが「就職」に矮小化されている。障害児のさまざまな進路希望を分母に就職率などの充足率を算出し,必要な取組を明確にしてもらいたい。

○ 障害の有無に関わらず,幼い時から一緒にいるということは互いを認め合う最も大事なことである。障害者を特別にしないでほしい。 

2 基本構想策定の視点

(1)幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校における特別支援教育の推進

【中間報告 p4】

(意見なし)

(2)特別支援学校の再編整備

【中間報告 p5】

(意見なし)

3 広島県の特別支援教育の今後の在り方

1 幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校における特別支援教育の推進

(1)現状と課題

ア 幼稚園,小学校,中学校,高等学校における支援体制の整備

【中間報告 p6】

(意見なし)

イ 特別支援学校における教育の充実

【中間報告 p6】

○ 障害者の就職率が低いのは,企業が障害者に対しての理解をしておらず雇用をしないことにも原因があり,すべて学校の取組不足というような捉えはおかしい。就職率が低い原因をもっと詳細に分析してもらいたい。離職率についても課題として盛り込んでもらいたい。また,障害者の就労は,教育だけの問題ではなく,社会全体の問題として捉えてもらいたい。

 ウ 教員の専門性の向上

【中間報告 p7】

(意見なし)

エ 特別支援教育に関する普及啓発

【中間報告 p7】

(意見なし)

(2)特別支援教育の推進の内容

ア 校内支援体制の整備

(ア)校長のリーダーシップの発揮

【中間報告 p8】

○ 学校や先生によって,特別支援教育の取組への温度差を感じる。校長がリーダーシップを発揮し,特別支援教育や発達障害に対する知識を深め,多岐にわたる障害と個々の発達段階に沿って起こる事象に,迅速できめ細かい支援や外部の療育機関や相談機関と学校の連携など,積極的に特別支援教育に取り組んでもらいたい。

○ 児童生徒の状況等,現場実態を把握していない校長がリーダーシップを発揮しても特別支援教育の推進にはつながらない。必要な教育活動を教職員が実施できるようにすることがリーダーシップである。

○ 一般の高校で学んでいる発達障害のある生徒がかなり在学しているので,その生徒の実態から,まず教育課題を明らかにし,条件整備をしてほしい。

(イ)特別支援教育に関する校内委員会の機能の発揮

【中間報告 p8】

(意見なし)

(ウ)特別支援教育コーディネーターの機能の発揮

【中間報告 p8】

○ 特別支援教育コーディネーターの機能の発揮には大変期待している。特別支援学級担任以外を指名するという方針に賛成である。しかし,現在の学校はあらゆる意味で多忙を極めており,コーディネーターを置くからには,その人数は教員を増やさなければ問題は解決しないと思う。また,コーディネーターを機能させるため,専任又は授業時間数の軽減が必要である。

(エ)個別の指導計画の作成・個別の教育支援計画の策定による指導の充実

【中間報告 p9】

○ 個別の教育支援計画が他の機関と連携され,生きた計画となり,活用されることを望む。 

(オ)市町教育委員会における特別支援教育の推進

【中間報告 p9】

○ 今年度から始まった特別支援教育は,障害のある子どもたちだけに特化した教育ではなく,すべての子どもたちの学ぶ意欲と育ちを支援する教育として,その意義は大変大きいと思う。子どもたちは成長の途中なので,さまざまな難しさにぶつかることも少なくない。そのときに必要な支援が適切に受けることができたら,その人なりの道のりで成長していけるはずである。

○ 特別支援教育の理念や推進については,これまで以上に取り組み,とりわけ地域の幼稚園・保育所,小・中・高等学校での取組が充実することを望む。そのために,県・市町教育委員会は,必要かつ十分な予算・人的措置を講ずることが大切であると考える。

○ 発達障害の児童生徒の支援には様々なケースが考えられる。専門的な判断は学校現場では難しく,支援が必要な子どもについて,専門家による検査などの条件整備が必要である。その上で学ぶ場を保護者に助言する仕組みや,担任が指導する場合の条件整備や人的な援助措置が必要である。そういった具体的な取組を入れてもらいたい。

○ 市町教育委員会に特別支援教育の専従者が必要だと思う。個々への問題解決へのプロセス,学校支援など多岐にわたる連携・情報処理など専門性の高い専従者がいないと,スムーズに行かない。

○ 普通学級に入学を希望する発達障害児が,適切に学ぶことができる条件整備をしてもらいたい。

○ 特別支援教育支援員の制度を普及させ,理解させてもらいたい。学校現場を救う有効な手立てである。 

○ 特別支援教育支援員は,障害があるために配慮が必要な全ての児童生徒に対する支援を行うのではなく,インクルージョンの理念に基づいて,障害の有無に関わらず地域の小・中学校で共に学び育つための支援をしてもらいたい。

○ 発達障害のある児童が複数いる場合,授業が成立しにくい。支援員の配置基準や特別支援教育研修の義務付けなど,このような実態への対策について明記してもらいたい。

○ 肢体不自由の子を受け入れてくれる特別支援学級が近隣の学校にない。障害のある子が健常児より遠くの学校に通わなければならないことは問題であると考える。 

イ 一貫した支援体制の整備

 (ア)教育委員会による支援

【中間報告 p10】

○ 就学前からの一貫した支援体制の確立,教育相談体制の充実,関係機関の連携強化を図ってもらいたい。

○ 一つの学校ではなく,市を単位として,教育のみならず,医療・福祉・警察等が入って協議するケース会を開ける組織を作ってもらいたい。

○ 以前から早期支援は言われてきたことであるが,いままで具体的な方策はなかった。何をどうするべきか,具体的にしてもらいたい。

○ 障害児への適切で必要な連携がなく,親が動かなければ何も情報が入ってこないことも痛感している。園と専門医とで連携会議や担任と個別療育の先生との連携など,今後の発達障害児への支援を確立してもらいたい。

○ 文部科学省は,特別支援教育に関わる支援体制の構築に関わって,「関係機関からなる特別支援連携協議会(仮称)」の設置を提言されていますが,県教委として,県レベルで「特別支援連携協議会」を設置,機能化させ,各地域で「特別支援連携協議会」を機能化させる条件整備を行う必要があると思う。また,この「関係機関」に,障害者市民の当事者団体など, NPOが含まれることを明示してもらいたい。

○ 一貫した支援体制の整備は,待ち望んでいる事案である。保健所や児童相談所などとも連携して,早期の療育を受けさせてもらいたい。1日のうちのどの事象が教育で,どこからが家庭ですべき事なのかの切れ目があいまいで,24時間の生活の流れを考えて欲しい。ここまで,と切られてもその先にも支援がないと生活が出来ないから障害なのだが,教師の労働時間は守られなければいけない。各所と連携してもらいたい。

○ 幼児教育に携わる園長先生や教育関係者の方々に,発達障害児にとって集団での教育が重要であることや特別な配慮が必要であることをわかってもらいたい。

○ 特別支援教育の推進のためには教育予算の拡充が必要で,教育予算についての答申が必要と思う。

○ 特別支援学級・通級指導教室の設置と教育条件整備について具体的な提言をお願いする。広島県では全国的に見てかなり障害の重い児童生徒を特別支援学級で受け入れている。そのため市町は独自の「指導員」制度で対応している。県としてこの問題をどう解決するか方向性を示してほしい。また,障害種別の特別支援学級・通級指導教室の設置も大変遅れている。中学校への通級指導教室の設置を進めるとともに高校への設置も検討してほしい。  

(イ)校種間の円滑な接続

【中間報告 p10】

○ 通級教室に通いたくても通えない子どもがたくさんいることを知ってもらいたい。また,通常学級の教員の意識改革と円滑な通級との連携を早期に実現してもらいたい。

○ 現在通級にいる子どもが,中学校,高校に進学した際にも支援を受けられるよう中学校への通級指導教室の設置など子ども一人一人が,就学する時期を通して,何らかの取組をしていただけるよう願っている。

○ 中学校,高校には通級指導教室がなく,高校進学に不安がある。発達障害の子どもの進学に対する対策の充実を期待する。

○ 通級を利用していた子どもが,小学校を卒業した後に通級指導に代わるものがないことは,保護者にとって大きな心配となっている。週に一回程度の利用ではあるが,通級は子ども達または保護者にとっても,大きなよりどころになっている。

○ 特別支援学級に通う生徒に,高校受験の機会を与え,高校でも学べるよう学校選択できるようにしてもらいたい。

○ 定員内不合格は出さないという高校現場の取組の中,普通校や定時制の高校に進学していた生徒が,特別支援学校の高等部に進学している。理念どおりに言えば,当事者の障害者が普通校や定時制高校を選んで進学しても,その学校で,「必要な支援」を受けることができたはずである。

○ 「いじめや不登校等の生徒指導上の諸問題の背景に発達障害が関係していることが考えられる」ということと文科省のいう「発達障害者がいじめの対象になる場合がある」とは,全くニュアンスが変わっていると思う。いじめの問題は格差社会等,社会のゆがみが子どものところへ表出していると思う。

ウ 特別支援学校における教育の充実

(ア)障害種別に応じた専門性の向上

【中間報告 p11】

○ 軽度の障害のある子どもと重度の障害のある子どもの教育課程を明確にし,実践してもらいたい。

○ 特別支援学校においては,児童生徒の実態により,同一の学級でも異なる教育課程を編成している場合がある。単一障害,重複障害という観点だけでの学級編制ではなく,教育課程に沿った学級編制が必要である。

○ 近年の障害の重度化に対応した適切な教育課程の編成,指導の充実が大切である。

○ 重度重複障害を考えるとき「医療的ケア」の充実は欠かせない。特別支援学校への看護師配置が一定程度進み,経管栄養や痰の吸引の対応はある程度可能となってきたが,それ以外の医療的ケアが必要な児童生徒は依然訪問教育の対象とされたり,保護者同伴の登校を余儀なくされている現状がある。医療的ケアの有無で通学が制限されないよう,看護師配置の充実とケア内容の拡大・充実をしてほしい。

○ 特別支援学校において当たり前に,特別支援教育「TEACCHプログラム」が受けられる環境を作ってほしい。チーム担任制で授業展開されている現在の特別支援学校においては,一人一人の障害特性など関係なく,集団教育重視で授業展開されており,一人一人に合った支援は大変困難である。

○ 特別支援教育は障害の種別や重さで分けてする特殊教育から,生徒のニーズに応え,どのような教育支援をしていくかが問われている。障害の種別・重さによって分けた教育は逆行するものと考える。生徒たちのニーズに応じた支援教育を望む。

○ 「交流・共同教育」への言及が全く無いことが残念である。確かにかつて(もしかすると今も?)広島県では「いびつな交流教育=全面交流とか原学級主義とか」で混乱していた。しかし,本来の交流・共同教育は今年4月に文部科学省が出した「特別支援教育の推進について(通知)」を待つまでもなく,児童生徒の社会性や豊かな人間性を育む上で重要な役割を担っている。積極的な推進の姿勢を示してほしい。

○ 誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会を目指すためには,障害者基本法14条3にあるように,交流教育を積極的に進める必要がある。特別支援学校の児童生徒にとっては,様々な分野における実際の体験が,何よりも大事であると考える。特に職業的自立を促進するためには,在学中に会社等での体験を多くする必要がある。そのための予算と教員を早急に増やす必要があると考える。

○ 教員経験年数のバランスのある教員配置や基本的指導力を持ち,特別な配慮と工夫のできる教員の配置が特別支援学校の教育を充実させるために必要ではないか。

○ 教員の専門性向上の大きな妨げの一つが,あまりにも短期の人事異動だと思う。「現状と課題」でも特別支援学級担任の経験年数が少ないことを課題としている。しかし,「推進の内容」ではその点について触れられていない。特別支援学校の教員についても,専門性を無視した人事異動がなされている現状がある。じっくり腰を据えて,実践に取り組み,専門性を高めることができる人事方針を示して欲しいと思う。

○ 人事異動による学校間の交流は,人材育成の観点からも必要である一方,各特別支援学校の専門性といった観点からは大きな課題ともなっている。異動してきた職員のために,各障害種別の指導に当たって活用できるマニュアル作りが必要であるというのが現状である。学校現場でも取り組んでいるが,特別支援学級に在籍する児童生徒の指導にも活用できるようなハンドブックの作成等,研究機関でも取り組むことも必要ではないか。

○ 障害種別に応じた専門性の向上に関して,教師と生徒間でのコミュニケーションに支障が出ている。とても一人一人のニーズにあった教育がなされているとは言えない状況である。ろう学校で経験を積んだ先生を,本校に戻してほしい。また,現在本校で手話を用いて,熱意をもって教鞭をとっている先生を異動させないでほしい。これが,本校において,ろう児が教育を受ける最低限の前提条件と思う。

○ 理学療法士,作業療法士,言語聴覚士の時間数,人数を増やしてほしい。

○ 専門性の向上に関して,特別支援学校のベテランの一部には批判的な言動が見られる。日々の実践を通して専門性を高めていかなければならないが,研修しづらい雰囲気があり,採用の状態も変わり若手が多くなっていく中で果たして専門性が高まって行くのか不安である。

○ 特別支援学校の教育を充実させるために,施設設備の充実に取り組んでもらいたい。肢体不自由の学校にエレベーターがひとつだけというのも問題であると思う。

○ 人間関係が作れない少人数指導の実施や校外学習の予算措置などについては,個々のニーズに合わせた教育ができるよう条件整備をしてもらいたい。

○ 生きる力を育てるには,寄宿舎での生活教育のすばらしさを知ってもらいたい。そこでの経験は,生徒をたくましくするし,社会性が身につく。生きる力の実践でもあると考える。そういった寄宿舎の教育的特性を特別支援教育の一部に取り入れてもらいたいものだと思う。

○ 学校の名称が統一されても,それぞれの学校が培ってきた伝統や専門性を大切にしてもらいたい。

○ 今までの「ろう学校」が「特別支援学校」の改革により,教育水準がずいぶん低下したと聞いている。早期に解決すべき問題だと思う。

(イ)職業的自立を促進する教育の充実 

【中間報告 p11】

○ 一般就労するための一番の基本は,働く生活リズムを作ること。今のように3時に学校が終わっていたら,働くリズムにならない。放課後のクラブ活動を導入して,体力・技術・生活リズム作りを目指してもらいたい。

○ 各校で高等部の生徒数が急増し,教室の確保も課題となっている現状の中,高等部における作業学習の充実のためには,その条件整備(作業棟等の施設設備)も必須である。

○ 作業学習(職業教育)を充実させるためには,施設・設備等の条件整備が必要である。

○ 軽度な知的障害児は,自分に合うような教育内容が期待できないため,県内の養護学校への進学をあきらめている。「就職率が低い」ことが指摘されているが,ひとつの原因は,全国一低い,養護学校在籍率にある。他県ならば養護学校高等部に在籍し,学習が保障されるような障害児が,広島県では高等部に入学していない。数年前の文部省是正以前,解放教育と一体となって障害児教育をさぼっていたつけがまだ残っている。障害が重くても軽くても,可能性を最大限伸ばすことができる特別支援学校高等部になることを望む。

○ 特別支援学校の卒業生の進路を安定させるためには,就労先の確保が大切だと思うが,広島県はその部分においてもまだまだ整備されていないと思う。経済界との協力体制をもっと強くして,しっかりと社会参加していける道を作って欲しいと思う。生徒が力をつけても先が見えないと頑張る力も湧かない。障害のある生徒たちが将来に夢を持てるようにしてほしい。

○ 特別支援学校の高等部卒業生の就職率の低さで,重要なのはその分析である。高等部の入学基準は各都道府県によってかなり異なり,重度障害の生徒を多く受け入れている広島県と全国平均を単純に比較して論じてもあまり意味がないと思う。実際,様々な調査からは,主な離職原因に「職場でのコミュニケーション(人間関係)」,「余暇の過ごし方」などがあげられている。単に作業学習・実習を増やすということではなく,調和のとれた教育=「人格の形成」が求められているのではないか。「就職率」の向上については,社会的には企業や地方自治体の障害者法定雇用率の厳守,教育現場にとっては進路指導担当教員の加配がもっとも具体的で有効な方策だと思う。

(ウ)センター的機能の充実

【中間報告 p11】

○ 特別支援学校にセンター的機能を発揮させるには,専門的知識だけでなく,地域性をよく知っている教職員の配置や全県的なバランスがとれた専任の教育相談主任やジョブサポートティーチャーを配置してもらいたい。

○ 知的障害を担当する特別支援学校においては,特に(軽度)発達障害に関する専門的な知識・経験を有する教員が地域の学校に対して,指導・助言・支援ができる体制を整えることが重要であると考える。その他の障害種については,これまでどおり,従来(盲・ろう・肢体不自由・病弱)の障害の専門性を有する学校として地域に貢献できる体制を維持できることが必要であると考える。

○ オープンスクールや地域ボランティアの導入,学校のある地域との交流など特別支援学校の開かれた学校づくりの推進を盛り込んでもらいたい。

エ 教員の専門性の向上

 (ア)免許法認定講習・教員長期研修派遣の計画的・継続的な実施

【中間報告 p12】

○ 免許法認定講習や長期研修などは継続して取り組んでもらいたい。

○ 免許を持っていることだけが専門性ではない。保護者の悩みを聴き,きちんと子どもと関わることについて取り上げてもらいたい。また,経験やスキル,情熱といった要素をどう判断していくのかということも必要なのではないかと思う。

(イ)研修の充実

【中間報告 p13】

○ 大多数を占める45歳以上の教員の研修について言及してもらいたい。

○ 特別支援教育を推進するためには,教員一人一人の専門性の向上は不可欠であり,教員が日々,危機意識を持って,一時間一時間の授業を充実することが必要である。

○ 専門性向上には,より多くの時間と費用を費やしてほしい。発達障害のある児童生徒の二次障害はその多くを学校現場で受けている。社会への大きなはばたきを支援してほしい。

○ 教員の障害種別の専門性の向上に加え,福祉制度に関する知識を持ってもらいたい。

○ 障害の状況や特性などを把握する事のみが教員の専門性ではない。障害者の障害にだけ目を向けるのではなく,一人の人間として向き合い教育活動を行うべく人権感覚を持つ必要がある。

○ 幼・小・中・高等学校に在籍する軽度発達障害児の教育指導上の課題に対応するために,教育センター特別支援教育・教育相談部を充実させる必要があると考える。

(ウ)中核的な人材の育成

【中間報告 p13】

○ 不適格教員とされるやる気のない力量もない教員を安易に特別支援学校や特別支援学級に配置し,何の指導もしないことを放置するのは,やめてもらいたい。物言えぬ子どもがかわいそうである。

○ さまざまな障害種別に応じた専門性を有する教職員の育成を,まず先に行うべきである。現状は,どの障害についても専門性のある教職員はいないに等しい。 

オ 特別支援教育に関する普及啓発

(ア)教員の意識改革

【中間報告 p13】

○ 中学校,高校では,全教科の先生の障害に対する理解が必要になる。現状況では,中高の特別支援への理解と支援にとても不安を抱いている。各教科一人一人の先生の理解としっかりとした支援を受けることができるようにしてほしい。

○ 先生が障害のことを理解し,学級経営を上手にすることを望む。

○ 教員の意識改革においては,特別支援学校と小・中・高との人事交流も方法のひとつと考える。

(イ)保護者・県民への普及啓発

【中間報告 p14】

○ いろいろな方法をとり,特別支援教育基本構想の存在を県民に広めてもらいたい。 

○ 特別支援教育は,学校・医療・福祉・労働のそれぞれの機関が連携することにより,一人一人の教育的ニーズに応えていく必要がある。そのためには,関わる全ての人の協力と理解を得られるよう教育委員会として普及啓発をしてもらいたい。

○ 広島の特別支援教育の在り方や教職員の意識が変わりつつあるとはいえ,是正指導以前の印象が強いために広島の教育に批判的な目で見る者が他県ではまだ多くいる。そのような見方を変えるためにも,本委員会の報告が迅速に施策に反映され,真に広島は変わったといえるようになることを期待する。

○ 保護者は,学校や子どもへの関心が薄れてきており,個別の指導計画や教育支援計画を立てる際にも,どう携わっていくのかよくわかっていないのが現状である。保護者の意見を聞く姿勢がなければ,学校離れは進む一方である。保護者の理解がなければ,協力は得られない。保護者に浸透させなければ,普及啓発はできない。

○ 発達障害に関して,保護者の受け入れが十分でなく,検査できない児童がたくさんいる。このことに対する普及啓発を盛り込んで欲しい。

○ 特別支援学校のことを知らない保護者もたくさんいる。一人で悩んでいる保護者のためにも,わかりやすい,相談しやすい支援を広めて欲しい。

○ 今,特別支援学校の校外学習・地域学校の交流授業時間が減らされている。この子らを外に出さないでは,理解は得られないと思う。障害の重い我が子が社会参加し生活するために,スムーズに他者とかかわりを持てるように,社会のルール・仕組みを実地で経験を何度でも重ねて身に付けさせたい。社会と知的障害者の相互理解という橋渡しのためにも,校外活動は他に代えられない貴重なものだと思う。

○ 社会啓発を教育委員会としてどんなことをやってきたのか。まずはその事を反省すべきである。そして,企業に対しての啓発の具体案を示して欲しい。

○ 一方的な普及啓発だけでなく,現場の声を聞く機会や意見交換できる場を設定してもらいたい。

○ 学校名を以前のろう学校に戻すか,現在の学校名に「ろう」を入れてもらいたい。聴覚障害の学校であることが伝わらない。

2 特別支援学校の再編整備

(1)現状と課題

ア 在籍者数の増加又は減少

【中間報告 p15】

(意見なし)

イ 重複障害のある幼児児童生徒の在籍状況

【中間報告 p15】

(意見なし)

ウ 高等部卒業者の就職状況

【中間報告 p15】

(意見なし)

(2)再編整備の内容

ア 複数の障害種別に対応した特別支援学校への再編

【中間報告 p15】

○ 生徒数の増加が著しい知的障害の特別支援学校について,教室の不足等に対する教育環境の整備を大至急行ってもらいたい。

○ 尾道市から多くの児童・生徒が,三原特別支援学校,沼隈特別支援学校へ1時間余りかけて,登校している。また,地域に知的障害の学校がないため,地域に知的障害に対する理解が薄く,就労にも結びつかない。よって,尾道特別支援学校に知的障害の児童生徒の入学を認めてもらいたい。

○ 大規模校化した特別支援学校は分離新設の方針をはっきり打ち出してほしい。例えば,児童生徒数が250名を越えている市立広島特別支援学校は直ちに分離するべきだと思う。

○ 障害種別に応じた施設設備の充実がなければ再編整備できない。

○ 障害種別に応じて専門的な教育をしている今の学校を大切にしながら,再編整備を検討して欲しい。

○ 特別支援学校において,まず当該学校が対象とする障害種別の専門性の向上を個々の教員に対して求めた上で,将来的に学校としては複数の障害種別に対応していくことが求められている。教員一人一人の専門性を生かし組織としてニーズに応えながら特色ある特別支援学校を作っていくことが次の課題だと思う。

○ 看護師やOT,PT,ST等が現場に入るようになって教育内容が改善された面も多い。再編整備を行ってもこれらの職種は必要である。

○ 「特別支援学校の障害種別に応じた専門性の向上」では「より一層障害種別に応じた指導の充実」を必要とされているが,特別支援学校の再編整備では「複数の障害種別に対応した再編」となっている。理念的には「複数の障害種別に対応」することは理想的かもしれないが,教育実践的には多くの,そして大きな困難を抱えることは明らかである。重複障害への対応は充実させる必要があるが,安易な複数障害種別対応には反対である。

○ ソフト面が充実していないのに,ハード面だけ複数の障害種別に対応した学校へ移行したところで,本当に特別な支援が受けられる学校になるとは思えない。逆に,どちらの障害についても中途半端な対応しかしてもらえない危険性もある。

○ 重複障害のある子どもの教育の充実のため,複数の障害に対応した学校を設置することは必要である。

○ 重度の重複障害の児童生徒は,それぞれの特別支援学校に在籍しているが,その教育課程・教育内容,施設設備に大きな違いがある。「重複障害のある幼児児童生徒の教育ニーズ」の中の,重度の重複障害の児童生徒の実態に合った教育内容の研究推進にも是非焦点をあてていただきたいと思う。また,特別支援学校の学級編制は,現在単一障害か重複障害かという観点で行われている。重複障害学級の生徒実態は軽度から重度まで幅が広く,一つの学級に,異なる教育課程の児童生徒が在籍するケースがある。教育課程による学級編制の検討が必要ではないか。

○ 医学の進歩により以前であれば死んでいた子どもが助かることで,重度重複障害の子どもが増えている。子どもや保護者の負担にならないよう地域に特別支援学校を設置し,地域の子どもが通えるようにしてもらいたい。

○ 重度重複の生徒たちの学習内容を充実させていくためにも再編成は必要だと思う。「分ける」為ではなく,一人一人に合った教育をするために必要なことだと思う。高等特別支援学校以外はできるだけ自宅から通学しやすいように整備してほしい。

○ 共生社会の実現に向けて,就学区域や設置形態によって入学することができないということを廃止し,子どもが行きたいと思う学校,親が見て行かせたいと思う学校に入学できるようにしてもらいたい。

○ 障害種別ということにこだわりすぎると,幼い幼児児童生徒たち,とりわけ身体が弱い子どもたちが,遠く離れた学校への通学を強いられたり,親元を離れ,寄宿舎入舎を余儀なくされてしまう事になると思う。特別支援学校の数は少ないので,保護者のニーズに応えられる設置形態を望む。

○ 重複障害のある幼児児童生徒に対する教育の充実に加え,重度知的障害のある幼児児童生徒に対する教育の充実を入れてもらいたい。また,保護者負担軽減のため,寄宿舎併設校の入学も検討してもらいたい。

○ 寄宿舎を重要な社会資源ととらえ,社会で自分らしく元気に生きていく力をつける場として,しっかり活用するべきだと思う。知的障害のある生徒も寄宿舎教育を受けられるよう複数の障害種に対応できるよう再編整備を希望する。

○ 様々な障害に対応できるよう教員の人数にも配慮してほしい。

○ 知的障害のある高等部生徒の増加に対応するために,特別支援学校が障害種別を複数担当して,その生徒たちが入学できるようにしようという発想は,まさしく現在あるものを安上がりに使おうという経済効率のみの発想である。まったく生徒・保護者のニーズに応えようと考えていないではないか。

○ 複数の障害に対応して授業することのイメージが現場にない中で,一方的な押し付けで実施しないでもらいたい。他県の状況など,参考にすべき点や問題点を整理して,現場とよく議論して進めてもらいたい。

○ 多岐にわたる障害全てに対応していく学校を,どのように再編するのかわからない。

○ 障害者が減っているとは思えないが,なぜ他の障害種別に対応した特別支援学校の在籍者数は減少しているのか。知的障害・盲・聾・肢体不自由児,全てが同じ教室で同じ勉強をするのか。その場合,クラスは学年で分けるには無理があるかと思うが,知的能力別クラスになるのか。障害別であるなら今までと変わらないと思うが,教員が減ってしまうのだと現場はもっと厳しいものになると思う。

○ ろう者は,ろうの仲間に囲まれて育つことができる。ばらばらでは,社会性が育つことが難しいと言われている。だからこそ,ろう学校が必要である。「各障害種別に応じた教育の専門性を確保する」と言うのであれば,ろう児の集団を壊さない学校体制の維持をお願いする。

○ 盲ろう者は,サラマンカ宣言では,インクルージョンの例外を規定している。このこととの整合性について触れられていない。

イ 高等特別支援学校の設置

【中間報告 p16】 

○ 障害のある子が夢や希望をもって社会に挑戦することを「無理をさせないほうがいい」という一言で摘み取るべきではない。本人・保護者が持っている夢や希望に力を合わせて,全力で形にしていくことが教員のすべきことである。広島では,ジョブコーチやジョブサポーターの養成もあり,就労支援の取組もまた新しい局面を迎えていると聞く。本人の力をしっかり伸ばしていく取組みを特別支援学校がしないで,どこがやるのか。その責任を果たすべきである。そういう意味で,就労支援のコース制を維持し,働く力を育てるカリキュラムの研究など,取り組むべきことは山ほどある。この間にも,毎年卒業を迎えていくことを思えば,充実したコース制の実践を早く軌道に乗せ,高等特別支援学校の設置もできるだけ早く実現してもらいたいと思う。

○ 障害の種別や程度は多種多様である。障害を持った子供が1人でも多く自立して生きていくためには,その子その子が必要とする特化した教育や支援も重要だと思う。ただただ早期実現を望む。既存する校舎利用もいいと思う。すぐに,せめて2~3年後には開校して頂きたいと願っている。これから増え続ける軽度の障害の子供たちが,自立のための適切な教育を受ける場もなく時間だけが過ぎるのは避けてほしい。

○ 幼稚園,小・中学校と個々の力で何とか乗り切ってきた子どもたちが,それぞれの能力を発揮して自活することが難しい現状で,大阪府や福岡県に設置されているような高等特別支援学校の設置は,多くの方々が望んでいることであり,早期に実現してもらいたい。

○ 早急な高等特別支援学校の設置を望むが,家庭の力(両親の子育て・親の教育)が弱くなることが危惧されるので,寄宿舎の設置は必要ないと思う。今以上に障害者の家族が学校・施設にお任せになる事で結局,社会に適応できない子ども達を増やすような気がする。卒業後の通勤を考えると,毎日通学する方がよい。

○ 高等特別支援学校の設置については基本的賛成である。早急に設置してほしい。しかし,中間報告にある「職業教育のモデル校」という位置づけには賛成しかねる。他県の例をみても職業教育中心の高等養護学校は「人格の形成」をめざす教育という視点から問題であるだけでなく,実際にそこでの作業学習は就労には結びつかない例が多いことでも明らかである。バランスのとれた教育課程(もちろん適切な職業教育を含めて)の軽度発達障害の生徒を対象とした高等特別支援学校の設置を是非実現させてほしい。また,「早期の設置」を理由に安易に「既存校舎の活用」ですまさないでほしい。また,軽度発達障害児の後期中等教育の課題を解決するためには高等特別支援学校の設置だけでなく,高等学校への特別支援学級・通級指導教室の設置,あるいは特別支援学校の分校・分教室を高校に併設するなど多角的に取り組む必要があると思う。専攻科の設置を検討してほしい。高等特別支援学校だけでなく他の特別支援学校も含めて専攻科の設置は「自立」に向けた取組として大変有効だと思う。

○ 就労を目指す高等特別支援学校の設置には賛成であるが,知的障害の軽微な生徒や発達障害の生徒が増えており,大学とはいわないまでも専門学校への進学や芸術,数理などに特異な能力を伸ばせるコースを持った高等特別支援学校の設置も検討してもらいたい。

○ 特別支援学校高等部卒業者の就職状況を改善することは,非常に重要な課題であると考える。高等特別支援学校の早期設置の必要性は,平成14年のビジョンでも示されていながら,設置に至っていない理由や,設置に向けたこれまでの経過については示されていないので言いにくいが,新規の建設が困難であれば既存の施設を活用したり,他県の例でも見られるように,高等学校の中に「知的障害生徒自立支援コース」や「特別支援教育部(共生コース,福祉共生専攻科)」などを設置していく方法も考えられる。高等学校における特別支援教育の推進にも良い影響を及ぼすのではないかと思う。もう少し具体的な設置についてのビジョンを示していただければと思う。

○ 一人で生きていける術を身につけ,高校3年間で一般企業の就労に結び付けられる高等特別支援学校の設置は不可欠である。

○ 高等特別支援学校設置も含め,それが県全体の障害のある幼児児童生徒一人一人にとって,教育条件が低下しないよう施策を講じてもらいたい。

○ 軽度の知的障害児は中学校卒業後の進路に非常に行き詰っている。軽度の子が特別支援学校に入学することは,現在持っている力を継続するどころか,低下するのは明々白々である。かといって,一般の高校入学試験には到達できないし,低偏差値の私学は風紀も乱れ二次的障害が懸念される。広島県にも是非,早期に「高等特別支援学校」の設立を願う。わが子の年齢が「高等特別支援学校」の設置・入学に間に合わない場合,県外の同等の学校への入学を検討したいとも思う。

○ 中学校までは地域の学校に行き,高等部から特別支援学校に入学してくる生徒が増加し,知的障害の特別支援学校高等部では軽度から重度重複まで様々な状況の生徒が一緒に学習している。他県に比べて就業率が悪いのは,生徒の力を十分に伸ばしきれていないのだと思う。一般就労に目標を絞って,しっかり力をつけていける環境を作っていく必要があると思う。経済的,社会的自立に向けて力をつけていくことは大切である。

○ 企業との連携でより職業訓練をする学校を作ってもらいたい。ヘルパー資格が取れる機会を作ってもらいたい。

○ 軽度のみでなく,重度でも就職を希望する生徒が入学できるようにして欲しい。

○ 様々な課題を含む中身であり,「設置委員会」を設けて,より多くの関係者で検討してもらいたい。

○ 高等特別支援学校に入学できなかった子どものために,各特別支援学校の高等部との差を埋めるコースやカリキュラムを設定して欲しい。

○ 高等特別支援学校を県内に1校作るだけでは希望者が全員入れないと思われる。現状の特別支援学校の高等部の充実を図るとともに高等学校への障害者の進学を進めるべきだと思う。

○ 人的な保障や教育予算があれば今の高等部の教育内容をより豊かに,それぞれの学校が特色を出すことができるのではないだろうか。

○ 障害者の就労率が低いのは,企業が障害者を雇用しようとしないからであり,高等特別支援学校設置の必然性はない。障害者を能力別に分けて教育することには反対である。

○ 高等特別支援学校をつくることで就職率が上がるとは思われない。障害者が就職しにくい問題は,法定雇用率未達成企業が多く存在する現実から分析し,課題を明らかにする事が必要である。

○ 軽度の障害児ばかりを集めて,職業自立に特化するような高等特別支援学校の設置には反対する。軽度の障害児が進学できる高等部になることは切望する。将来職業自立できることは重要であるが,仕事のスキルだけでは長続きできない。余暇の使い方,仲間との過ごし方,生き方を学ぶ文化や芸術や科学的な思考など,同じ世代の青年期の仲間とともに,障害があってもなくても同じように貴重な青春を輝かせることができる後期中等教育の場を作ってほしい。障害児が養護学校高等部に進学しないで,べらぼうに高い授業料を払って専門学校に多数通うような状況は早期に是正すべきである。

○ 入学者選抜という発想は,能力,障害で「場」を分けるということは,インクルージョンの理念には反するのではないか。

ウ 学校の統合等

(ア)在籍者数が減少した学校

【中間報告 p17】

○ 在籍者が減少している学校については,子どもたちの学び合いを大切にするため,在籍者の多い学校と統合すべきである。中学・高等部は少人数では教育の効果が上がりにくいため,学校の統合によりスケールメリットを生かした教育を実施できるよう環境を整備してもらいたい。 

○ 「一定規模の学習集団を確保するための統合」とは,一見理にかなっているようであるが,果たしてそのことによってどれだけ障害を持つ子どもたちが,学校の統廃合によって無理を強いられるのか良く考えてほしい。これ以上の学校の統廃合は,行わないでほしい。

○ 同一障害の幼児児童生徒だけの集団を作ったのでは,支え合う共生社会は作れない。

○ 幼児児童生徒の数が少ないからといって,経済効率だけの強引な統廃合は絶対にしてはいけない。実際にその学校に通っている生徒がおり,その学校でないと来られない生徒もいる。ニーズもあるわけである。体が強健でないことも念頭に入れておいてもらいたい。また,保護者の負担に配慮してもらいたい。

○ 生徒数が減少している学校については統廃合がなされると述べてあるが,保護者の多大な犠牲と負担の中で,分級や分教室設置の願いが生まれた経緯を十分理解して,統廃合を強行しないでほしい。

○ 生徒の人数が少なくても統廃合には反対する。その地域で根付いてきた歴史のある特別支援学校を,その一時の情勢によって簡単に消していくことは,許されるべき事ではないと思う。対象の学校の在校生・保護者・卒業生・当事者運動をしている方々等の意見を聞き,十分話し合い解決の方向を見出していくべきだと思う。

○ 全ての障害を持つ子どもに教育を保障するためには,地元から通える範囲内に特別支援学校があることが重要である。また,小規模校においても,これからの特別支援学校の役割としての地域での特別支援教育の拠点としてのセンター的役割を積極的に付加していくことで,その存在意義は大きなものになると思う。

○ 特別支援学校の入学者がゼロになれば再編整備が行われる必要がある。保護者の希望を大切にし,地域で子どもを育てる教育が求められている。

○ 単純に児童生徒数の増減や学校規模のみによる統廃合については反対である。これまで,その学校が地域の教育に果たしてきた役割(地域性)や障害種別の専門性を分析し,必要な学校はたとえ少人数でも維持していくと考えることが重要である。物理的条件においても,県内に1校しかない状況におかれたなら,交通の利便性による通学の時間的制約も生じてくる。寄宿できる年齢についても,下限はあるのではないか?幼児や小学校低学年の児童や保護者にそのような負担を強いてきた現状もあるのではないか? そういったことも考慮しつつ,県内の特別支援学校の配置について考えてほしい。

○ 学校の統合の理由として「同一障害による一定規模の学習集団」をあげているが,少人数での教育実践の例(学年を越えた課題別集団の編成など)は多くあり,実践的に克服できることだと思う。広島県の学校配置からは増設こそ必要ではないか。教育実践の到達点や児童生徒の置かれた通学状況に対する現状認識を疑う。

(イ)在籍者数が減少した職業学科 

【中間報告 p17】

(意見なし)

(ウ)障害者施設に併設した学校

【中間報告 p18】

○ 西条特別支援学校は,「施設併設の学校」という設置基準になっているが,若草園の通園部において新規募集が行われなくなって久しく,それはそのまま西条特支の児童生徒数の減少を招いている。また,東広島市及びその周辺に居住する障害のある子どもの保護者からは,「西条特支(養護)へ子どもを通わせたい」という声が出ており,そうしたニーズに応えるためにも「設置形態の見直し」が急がれるところである。あるいは,県内の,いわゆる肢体不自由児童生徒に対する教育課程を持つ学校は,広島特支,西条特支,福山特支の3校であり,エリア的にも西条特支の設置基準を見直すことは意義あることと考える。さらに,特別支援教育の推進に関わっては,特別支援学校は地域におけるセンター的役割を果たすことが求められており,西条特支が地域と緊密な関係を構築していく上においても,病院・施設が同一敷地内にあり,学校設備にも恵まれている立地条件の良さを生かして,この学校を必要とする地域の子どもたちが通える学校にしてもらいたい。

○ 自宅近隣に在る病院併設の特別支援学校は,入院している児童生徒のみが対象となっているため,入学できない。本来,病弱であるため,通学の負担を考慮すれば,自宅へ近接する学校へ入学するのが最善の策である。児童生徒の学習機会がなくならないよう適切な就学指導をお願いしたい。

○ 特別支援学校の選ばれる学校づくりを進め,校区の自由化を図ってもらいたい。 

エ その他再編整備に関すること

(ア)学校規模に応じた設置形態への見直し

【中間報告 p18】

○ 分校・分級などの区別は一般的にも分かりにくいので,統一されるのが望ましいと思う。

○ 設置形態の見直しは早急に進めるべきだと思う。

○ 再編整備,設置形態についても本人・保護者のニーズを聞き取り,一番近くの学校に通えるようにしてもらいたい。

○ 設置形態の見直しは,障害種別の形態にこだわることなく,希望する子どもが自分の住んでいる近くにある特別支援学校へ行けるようにする方向で行うべきである。

(イ)特別支援学校のセンター的機能の充実

【中間報告 p18】

○ 特別支援学校がセンター的機能を果たすための施設設備等条件を整えて欲しい。

(再編整備に関連して) 

○ 養護学校から特別支援学校へとかわった初年度であるが,県や学校側から,こんな風な特別な支援が受けられるようになったというような明確な説明があるわけでもなく,実際に昨年度と変わった特別な支援をしてもらっているわけでもなく,ただ単に名前が変わっただけである。教職員の側にも新しい特別支援学校という体制の中で,特別な支援をしていこうという意識や熱意も感じられず,こんな状況で再編整備をするのは絶対に無理がある。

○ 来年度の高等部入学調査より,一般校の第2次選抜の日程と同日一斉に実施されることとなり,ますます特別支援学校では入学生徒数の変動が年ごとに大きく変わってくることと思われる。また,在学している児童生徒本人や保護者のニーズに応えることが,現在公教育の現場に求められていることであるということは,県教育委員会の認めていることでもある。このことが,特別支援学校にのみ適応されないとは考えられない。県内どこに住んでいても,どんな障害を持っていても,教育的ニーズに応えようとしていくこと,均一の保障をしていこうとすることが求められているのではないか。たとえば,近くの学校に通えること,学校を選べること,それは特別支援学校に通っている,また通おうとしている子どもにも,一般校に通っている子と同じだけの権利があって当然だと考えている。教育の機会均等なくして教育力のアップはあり得ないだろうと思う。

○ きちんとした支援で,他の子どもに迷惑をかけず,わが子を安心して学ばせられる学校に行かせたい。他の親や学校に謝ってばかりである。このような子どもが通える学校を急いで作ってもらいたい。

○ 特別支援学校の再編整備をいうのであれば,どんな障害を持つ子どもも,可能な限り,地域の他の子どもたちと同じ学校に通い,共に学ぶことができるよう,特別支援学校の教職員が支援スタッフとして関わることのできるような方向での再編整備をこそ,要望する。

○ 教員全体の専門性が向上したら,小学校ではその生活圏から地域の学校の特別支援学級に在籍して,中学校・高等学校でより専門性の高い支援学校へ通学することを望んでいる。しかし再編が進み,統合などで支援学級の拠点化や支援学校の廃止があり,通学が困難になったりしないか心配である。障害児・者への福祉政策も市町村単位でまだまだ移行段階である。福祉現場と私たち保護者のニーズも踏まえて慎重にお願いする。

○ 入寮を望まない者を家族から引き離したり,教育を諦めさせたりすることのないような再編整備にしてもらいたい。1人でも教育を望む者があれば,それは無視してはいけないと思う。

おわりに

【中間報告 p19】

○ 「いよいよ中身の充実を図る段階」とあるが,特別支援学級・通級指導教室・特別支援学校ともその整備自体がまだまだ不十分な状況である。教育条件整備と教育内容の充実は車の両輪である。両者を統一して進めていっていただきたいと思う。

○ 教員の指導力がないからみんな一緒に・・・はもうやめるべきである。教員の専門性の向上はもとより,人間性の向上も不可欠である。

○ 特別支援教育基本構想が実現するには,先生方の日々,一時間一時間の授業の充実と,保護者の参画ということから始まると思う。 

(その他) 

○ 財政状況の厳しさから教育活動の予算が削減される中,個々のニーズに応えるための事業なのか疑問に思われる事業がある。もっとニーズを把握してもらいたい。

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