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第5回広島県高校教育改革推進協議会概要

第5回 広島県高校教育改革推進協議会概要について

日時

平成13年4月17日(火曜日)14時30分~17時00分

場所

県庁北館 第1会議室

出席者

安藤,東風上,椎木,鈴木,富永,名越,二宮,藤田,松木,森,山極,吉田,渡邉(欠席者 石橋,佐々木)

協議内容 

 中間まとめ(案)についての協議

意見交換

○ 通学区域の見直し

・ 中学生が意欲的で主体的に学校を選択でき,生徒の多様なニーズに応える通学区域というと,理想は通学区域を設定しないことだと思う。しかし,まだ,全ての高校が特色ある学校とは言えない現段階において通学区域を廃止すると,特定の地域では,そこの地域の生徒が全く締め出されてしまう可能性も想定できる。中学校としては通学区域を廃止することには不安が残る。
・ 保護者アンケートによれば,通学時間は1時間以内というのが一番多かった。この結果から,通学区域を全く設けないのではなく,現在の「14学区」とは別の形の「適正な通学区域」があるのではないかと思う。
・ まとめ案には,中山間地域にも十分配慮した記述がある。通学区域を広げるということは,子どもの選択幅を広げるためには大切な要件だが,教師の資質向上の問題,通学に関わる保護者の経済的負担の問題等の中身をじっくり詰めながら実施していただきたい。
・ 現在,調整枠を利用して郡部から都市部へ,中学生が流れる傾向がある。郡部の高校が特色づくりを打ち出せば,地元率も上がるであろう。この調整枠の動向についても郡部の中学校は関心をもっている。
・ 公共交通機関網の発達という面だけで学区を考えていいのだろうか。生活圏域を考慮した通学区域でないと,通学途上で生徒指導の観点から新たな問題の発生も想定できる。通学区域見直しの実施時期は平成15年度からが望ましいとされているが,少しばかり急ぎすぎではないかと思う。「特色ある学校については全県一円とすることも検討する」とあるが,その特色ある学校とは何を指すのかを明確にして欲しい。また,各高校の特色づくりを類型化して鮮明にするとあるが,これらが普通科,総合学科,専門学科とどのように対応するのか明確化して欲しい。
・ 「特色ある学校については全県一円とすることも検討する」とは,学力偏重,受験中心主義を特色とする学校ではなく,例えば,インターネットを利用する等,優れた最先端の教育技術や機器を活用した学校とか,マルチメディア芸術等の新しい感性を持った普通科とか,あるいは中高一貫教育校など,多くの子どものニーズがある学校であれば,特定の学区に貼り付けるのはどうかという考えである思う。
・ まず特色ある学校をつくることを先行させないと,特定校に生徒が集中するのではないか。通学区域を設定しない場合のデメリットを,通学時間の過重負担等としているが,これ以外にも問題は想定できるので,その点を明記し,それらを克服するための方法も盛り込むべきではないか。
・ 現在,国においては通学区域設定の根拠規定を削除し,全県一円も可能とする教育改革法案が審議されている。その背景には,高校における特色づくりの進展,生徒・保護者からの学校選択幅拡大の要請等がある。本県においては,アンケート調査によれば,現在よりも選択幅を広げて欲しいというものが多い。
・ 本年度,普通科の特色づくりの一環として,初めてコース制を設置した。関係者等の中には,「新しいコースを設置する場合は,機会を与えて欲しい」という意見があり,コース制では,隣接学区からも受け入れるという機会の拡大の取組みをしている。特色ある学校,例えばコースや,総合学科でも非常にユニークなものであれば,チャンスはより広げていく必要があると考える。
・ 通学区域の見直しについて,全県一区という考え方や要請もあるが,すべての普通科を全県一区というわけにはいかないのではないか。一定の通学区域を設けて,生徒の主体的な学校選択の幅を拡大し,チャンスを与えるべきではないか。その際の通学区域は,現行の通学区域を拡大する方向で考える。これを,この協議会におけるおおよその共通理解としたい。

○ 定時制課程,通信制課程の高等学校の在り方

・ 定時制課程について,都市部を中心に拠点整備を図り,昼夜間開講の単位制独立校の設置を検討するのであれば,生涯学習も意識し,通信制課程や生涯学習施設等とも一体となった総合的な学習センター的なものにすれば,より相乗効果が発揮できるのではないか。場合によっては県の生涯学習センターを移設するという大胆な発想があってもよいと思う。
・ IT革命の只中にある現在,例えば通信制高校はインターネットを通じて生徒の自宅に教材が配布されて,メールやテレビ電話での質問も考えられるので,自宅に居ながら高校教育を受けることが可能になるのではないか。これらについても前向きに取り組んでほしい。
・ 芦品まなび学園高校は広島県で初めての単位制の定時制独立校で,生徒は自分のライフスタイルに合わせて学ぶことができ,一般の社会人も生徒と一緒に授業を受けることができるシステムになっていると聞くが,生徒がどのような年齢層なのか。また,大学での授業に,大学生以外の社会人が入ってくると学生の意欲が高まり,いい効果が上がると聞いているが,ここでは,そういった意味での成果はあるか。
・ 聴講生の場合は年齢の高い方が多い。生徒は中学校新卒者が中心だが,30~40才代の方もいる。一般的に,本県の定時制課程の場合は,6割程度が中学校新卒の生徒であるが,通信制 課程における中学新卒者の割合は定時制課程より少ない状況である。
また,年齢の高い方々が若年の生徒に与える効果は大きい。とりわけ芦品まなび学園高校については,昨年度,聴講生がそれぞれ週に1回登校され,生徒と一緒に授業を受けた。生徒 は最初,緊張していたが,聴講生と共に学ぶ中で刺激を受けるようになり,社会勉強にもなり学習効果が大きかったと把握している。
・ 単位制により3年でも卒業できるようになったのは,とても大きなことであり,新しいイメージで定時制高校を捉えなおすことになると思う。年齢の幅のある,多様な学習集団ができるということは非常によい影響を与えるので,聴講生制度を積極的に活用し,地域社会の人々に開放していく必要がある。
・ 中学校の卒業生のなかには,進学も就職もしない生徒が増えており,これは不登校と関係がある。その他,目的意識をもち得ない生徒,極端な場合,問題行動をおこす生徒もでてきている。また,学力は高いが,合格しながらほとんど1日も登校できないで断念するという生徒もいる。
このような生徒の中には,型にはまった高校のイメージにはなかなか入っていけない場合が多い。芦品まなび学園高校のような柔軟な教育システムをもっている高校であれば,こういった生徒が興味関心を持って学ぶ学校となりうるのではないかと,私は非常に興味をもっている。このような学校が可能ならば,都市部にひとつ欲しいと非常に強く思う。
・ 定時制課程をパートタイムという位置付けをされているが,芦品まなび学園高校のような場合は,フレックスタイムとした方がよいのではないかと思う。自分のライフスタイル,自分のスケジュールに合わせて選べる,そういうイメージを強く出すほうがいいのではないかと思う。
・ 全日制と定時制を明確に区分して考えるのはやめたほうがいいのではないか。定時制課程において,社会人と共に学ぶことが,生徒の学習意欲をかきたてることに効果があったのなら,全日制もその利点を摂取する方向を検討してはどうか。つまり,全日制と定時制の相互の乗り入れを考える必要がある。
・ 土・日曜日でも8月でも学ぶことができるいわば,「イヤーラウンドの学校体制のもとで,様々なニーズに合わせた定時制の独立校」を,都市部の利便性のよいところに,作ってほしい。
・ 定時制課程については,少なくとも新しいイメージで捉えなおすが,第1に単位制の機能を最大限に活用し,柔軟な教育システムをもった高等学校づくりということで,都市部に独立校をつくることを検討する。第2に,地域の人々が学びの場として学習センターとしての使えるという制度を重視したり,あるいは地域の人々が持っている教育力を一層,積極的に活用したりする方向で検討する。
通信制課程については,新しいメディアを積極的に活用しながら,全県的に質の高い教育が提供すること,また,定時制との連携の在り方等を検討する。

○ 入学者選抜制度の改善

・ 学校・学科の特色に応じて,各学校長の判断で工夫した入試の実施を可能とするということを基本にすれば,一般入試については,定員を分割して前期・後期試験を実施した場合,すべての学校が前期・後期,分離分割ではないと思うが,各期の試験の在り方を少し工夫してはどうか。
・ 生徒の主体的な選択で,多面的に評価するため,傾斜配点や受検教科の選択を生徒の申告制にしてはどうか,これは思い切った提言である。このような場合,前期,後期のダブル受検は可能なのか。受検スタイルも多様になってきて,難しい問題となる。制度は一種の生き物であり,マーケットとは異なる生き物なので,県民にどのような出し方をするかが問題である。
・ 高校が入試問題を作るとしたら,教員にその力量が必要である。
高校側が本当に欲しい生徒をとるには,選抜(1)で高校側が特色に応じて独自の問題を作り,選抜(2)で県教育委員会作成の問題を利用するということはあってもよいのではないか。
・ 高校の校長の判断で学校独自に入試問題を作成できるという改革は,広島県においても導入していく時期に来ていると思う。
 学校独自の入試問題作成には,さまざまなメリットが考えられる。その第1は,高校の教員の教科指導力を高めることができる。第2に,中学校の教育内容を高校の教員が十分理解することができる。入試問題の作成に当たっては,高校において中学校の教育内容の把握が必須の条件となる。高校側の研究が進めば,教育内容における中高の接続が連続的なものになる。第3に,各高校の特色を反映した入試問題が作成されれば,当該校の教育内容が中学生にとってより明瞭になって,中学生の主体的な学校選択に資するようになる。第4に,5教科に限らず,教科横断型の総合的な問題を出すことも可能になると思う。
・ 入試に関するここまでの議論は,基本的には生徒の選択を促すこと,多様な評価尺度で多面的に個性を伸ばすための評価していくこと,学校の特色づくりに応じた適正な学習集団をもってより効率的な効果的な学校教育をしていこうという意味での特色に応じた各学校の工夫ある入試を考えてみることであった。これをもとに中間まとめを専門委員会に付託していくこととする。

○ 中間まとめ全体

・ 中間まとめにおいて,「画一的で形式的な平等を重視した教育システムから脱皮」,「結果における平等主義」については,説明が必要である。また,「開かれた学校づくりの推進」するために,「学校評価の説明責任の明確化」としているが,そのイメージをもっと明確化する必要がある。
・ 県内には公立大学がいつくもあるのだから,高大連携を特色づくりの一つとすることは,面白い取組みだと思う。このような取組みをする学校は,通学区域を全県一区でやってもいいと思う。

○ まとめ

・ 中間まとめの大枠については,これで御了解いただいたものと考え,これまでの協議を踏まえ,最終案のとりまとめを専門委員会に一任することとする。