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第3回広島県高校教育改革推進協議会概要

第3回 広島県高校教育改革推進協議会について

日時

 平成12年12月20日(水曜日)14時30分~16時30分

場所

 県庁北館 第1会議室

出席者

 安藤,石橋,内田,東風上,佐々木,椎木,鈴木,富永,二宮,藤田,森,山極,吉田,渡邉
  (欠席 名越)

協議内容

 (1) 入学者選抜制度の改善
 (2) 適正配置及び通学区域の見直し

意見交換

<入学者選抜制度の改善>

  •  中途退学者数が増加している背景には,選抜制度に起因するものがあるのではないか。特に選抜(3)により不本意な入学となった生徒の中には,結果として中途退学により自尊心を失ってしまうことがある。生徒自身の思いを生かすという視点からの入試制度の改善がポイントであり,例えば受験機会の複数化等について検討する必要がある。
  •  選抜(3)で入学する生徒の中には学習への意欲・関心の面からみると課題の多い生徒がいる。この点を踏まえた入試制度の改善には賛成であるが,学区が拡大することによって郡部では,定員割れが生じる高校も生まれ,都市部で行き場を失った生徒に機会を与えるということを考慮すると,制度として選抜(3)を残してもらいたいという中学校側の願いもある。
  • 選抜(3)と中途退学者数の増加について,実態を捕捉した上での議論が必要である。
  •  高校における中途退学の要因は,中学校の段階ですでに学習意欲を失っていたり,あるいは自分が希望しない進路先であったりするところにあるのではないか。選抜(3)には功罪があるが,選抜(1),(2)で失敗しても「何とかなる」という安易な発想が中学校現場に横溢していることもあるのではないか。
  •  選抜(3)は一定の歴史的役割を終えたのではないか。もう一度,選抜(3)の果たしている役割・機能を再点検して,新しい機能を付加した制度をここで議論すべきではないか。
  •  高校への全員入学という理念,高校進学率の意義について再検討し,決着をつけるべきものには決着をつけなければならない。
  •  生徒の学習意欲,個性,能力が十分考慮されていない高校進学は,様々な面で弊害をもたらしている状況にある。すべての生徒が高校に行かなければならないということはない。生徒それぞれの個性,能力に応じた進路選択があってもよいのではないか。
  •  特色ある学校づくりという視点から,中途退学をしなくてすむような学校づくりをすることと,適正な入試制度の在り方とを組み合わせた検討が必要ではないか。
  •  選抜(1)は学力検査では測定できない生徒の多様な能力・適性をみることができる制度なので,この制度の改善を図るならば,この観点を生かす方法での検討が必要である。
  •  入試改革はドラスティックに行うと,必ず光の部分と影の部分が出てくるので慎重であるべきだが,広島県の場合,改革の全国状況と比して,実施されていないものがある。例えば,特色づくりの推進を一方で強調しながら,入試問題はどの学校も同一であることは矛盾するのではないか。学校独自の出題があってもいいのではないか。学区も全県一円というような学校があってもいいし,そうでない学校があってもいい,これが特色だと思う。学力検査と調査書の比重の弾力化についても,もっと大胆さが必要ではないだろうか。
  •  現在,中学校で行われている総合的な学習,選択科目での学習成果等を何らかの形で高校入試で取り上げてもらいたい。また,来年度から実施されることになった傾斜配点は高校の特色とつながるべきではないか。このまま傾斜配点のみが先走ると,中学校の側は振り回されてしまう。
  •  生徒の意欲,能力・適性,様々な努力の成果,活動の成果,また「生きる力」の育成等,多様な観点から高等学校では評価して選抜をするという視点から入試制度の在り方について検討する。その中に,生徒の自己アピールあるいは生徒の申告による傾斜配点等の技術的な問題も含めて検討を本協議会の専門委員にお願いしたい。さらに,各高等学校の特色づくりからみての入試制度の在り方について検討を行い,その中で選抜(3)の在り方を加味した検討をお願いしたい。

<適正配置及び通学区域の見直し>

  •  保護者の立場からすれば,学区拡大によって自分にあった学校選択ができるなら,これは理想的であり,中途退学の問題解決にもつながるのではないか。しかし,全て学区を取り払うと新たな問題が発生するかもしれないので,十分検討しなければならない。
  •  高校教育改革を推進する現場では,少子化が進行する中で保護者や生徒たちが何を望んでいるのかということを的確に把握しながら特色づくりを進めており,定員を確保することにも努力している。そのような背景の中で,学区の拡大は望ましいと考えている。また,学区間の調整率の問題にしても,現実はこの枠を大幅に越えて受検希望者がいることから,中学生や保護者も学区の自由化を望んでいるのではないか。学校に魅力があれば,通学の利便性や時間はあまり関係がない。
  •  これからは教育を授ける側が競争し,子どもたちが自由に選択する市場原理の発想が,学校現場に必要となってくる。学区の数は現行の15から1桁程度にし,学区にある学校数を増やしていく。隣接の学区からの受け入れも,県で一律に割合を決めるのではなく,各学校の裁量によって実施していいのではないか。そのことによって,学校が切磋琢磨し,質の高い教育を提供でき,それをユーザーが選ぶというシステムに変えるべきではないか。
  •  これからの学区の改革で,全県1学区あるいは以前のような4学区制等にすれば,通学時間,家庭の経済問題が生徒の高校受験に大きな影響を与えることになるであろう。したがって,現在の学区について学区間の調整率を拡大することや,現行の学区を隣接学区まで拡大するという方法でも,生徒の高校選択の幅を広げることに十分に資するのではないか。
  •  学校の選択肢を広げるという考え方だけでなく,地域社会への参加により何のために勉強するのかというような意欲をもたせることも考えるべきだ。
  •  農村地域では,5%の学区間調整枠を利用して一生懸命学区外へ出ようとする傾向がある。また私学志向もある。逆に他学区から選抜(3)によって生徒の逆流現象も起こっている。そのような状況の中で地域性を出そうとしても,ままならない現実がある。学区の見直しには通学時間や経費等の現実的な要素を調査した上での検討もいるのではないか。
  •  競争原理を忘れた教育現場が問題である。現実の社会は競争原理がはたらいているが,子どもたちはそこから隔絶された世界で育てられている。学区を広げることによって学校選択の自由を拡大することが教育の機会均等ではないか。
  •  地域によっては,かなりの生徒が隣県の中学校,高等学校へ通学しているという現実がある。広島県の教育に絶望しているのではないか。また,授業料の違いにもかかわらず,私学志向の状況は幼稚園の段階から始まっている。こういう状態から脱皮しないといけないのではないか。もう少し危機感をもたなければならない。学区の拡大は,それだけで学校選択の余地が広がるのではないか。
  •  特色ある学校づくりは,社会からの学校評価と並行して推進しなければならないのではないか。学区制については,競争原理を導入した改革により,少子化と相俟って生徒が集まらない学校が出てくる可能性がある。そうなると,学校がなくなった地域の生徒は,通学等で経済的負担が大きくなり,困難な状況が生まれる。そのことは本当にいいのだろうか。学校選択がほどほどにできる学区にすべきだ。