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平成18年度第3回キャリア支援会議の概要について

キャリア教育支援会議の画像

次のとおり,平成18年度第3回キャリア教育支援会議を開催しました。

1 会議の概要

(1) 日時

平成19年1月22日(月曜日)13時30分~15時30分

(2) 場所

県庁北館 第一会議室

(3) 内容

・キャリア教育関連事業の本年度の成果及び課題について(報告・協議)
・学校と産業界との「つながり」について(協議)

2 会議の主な内容

(1) 平成18年度第2回キャリア教育支援会議における協議のまとめについて

 ○ 広島県のキャリア教育は,子どもたちを夢や希望,志(こころざし)を持った大人に育てるために,学校が拠点となりながらも,家庭,地域,産業界とがつながり,コミュニティー全体で育てていくものであり,特別なことではなく,これまでの取組みをしっかりやっていこうというものである。

(2) キャリア教育関連事業の本年度の成果及び課題について

 ○ 各事業とも様々な形で地域との連携を図っているが,各地域で行われる他の協議会や連絡会等の会合においても,事業についての活動報告や情報交換を行い,情報共有を進めれば,地域との密着が一層深まるのではないか。

 ○ 「キャリア教育実践プロジェクト」に係る説明資料の中に,生徒の声として職場体験を終えた感想があった。これらの感想を見ると,子どもたちが職場体験を通して「働く」ということに対する理解を深めていることが伺える。
 こういった働くことに対する理解や実感といったものは,実際に職場体験を行うことによってはじめて得られるものであり,学校の中だけでは決して得られないものだと感じた。

 ○ 私の子どもが,本年度,職場体験でガソリンスタンドにお世話になり,接客や洗車などといった体験をさせていただいた。体験後に話をしてみると,単に周りから見るのではなく,その職場で働く大人と会話をしながら,手ほどきを受けながら,実際に「仕事」を体験することを通じて,子ども自身が自信を深めるといったことが感じられた。

 ○ 私の居住している福山市の取組みでは,報告にもあるように3,800名余りの生徒が参加する大規模な取組みであり,様々な課題がある。職場体験の期間中に,多くの事業所で職場体験の様子を伺う機会を得たが,事業所の規模によって,子どもたちと接する大人の接し方や接触度に差が見られる。このことは,成果に大きく関係すると思われる。

 ○ 子どもたちが自分の将来を描くこと,自分の将来設計をすることは重要なことであり,そのためには,多様な職種・業種を知ることが非常に大切である。
 現在の職場体験は,勤労観を育成するという面では,非常に効果的な活動だと考えるが,実際の取組みの中では,安全確保や情報管理など,様々な事情で受入れの困難な事業所が存在し,受入れ職種・業種が非常に偏る結果となっており,子どもたちの将来設計という点では現状の職場体験だけでは物足りない。将来設計を描くため,ものづくり等の経験をいかに積ませるかが大切である。
 職場体験だけでなく,様々な体験や機会を通して,子どもたちが自分の将来設計をするために必要な知識を習得していくことが必要であり,この点が大きな課題であると感じる。

 ○ 昔は「親の背中を見て育つ」ということがあったが,今は見ることがない。現在の取組みが続いていくように願う。

 ○ 「ものづくり」の製造業関係も,若い人に勉強させていくのがよいと思う。事業所・業種が職場体験を受け入れるうえでの支援や,職場体験以外での連携も重要であり,経営者協会としても,受入れ企業の開拓等で協力していきたい。国や県でも「ものづくり人材の育成」ということが盛んにいわれており,製造業の体験もして欲しい。

 ○ 職場体験における受入れ事業所・業種の偏りは大きな課題である。福山市でいえば,代表的な地場産業として製造業関連があげられるが,製造業等の業種は,安全面や衛生管理上等の様々な制約があるために職場体験の受入れが難しい場面が相当あると思う。

 ○ キャリア教育を,小・中・高とこんなに大きく広げて,組織的,系統的に行っていくというのは無理なような気がする。
 働くことや勤労観・職業観の育成も重要なことだが,それぞれの段階で,本来行わなければならない教育があるはずで,小学校,中学校,高等学校ともそれぞれやるべきことがあり,それをしっかりとすることが重要である。

(3) キャリア教育関連事業の本年度の成果及び課題について(まとめ)

 ○ 本県のキャリア教育の取組みについては,小・中・高等学校の各段階で様々な活動がなされている。
 小学校段階では,職場体験ではなく,むしろ普段の生活の中で,「なりたい自分」を考え,将来や夢を描くといった取組みを行い,中学校段階では,キャリア教育のひとつの取組みとして,職場体験を行っている。また,高等学校段階では,キャリア教育のひとつの取組みとして,インターンシップや将来のキャリアプランづくりや専門的な知識の学習を行っている。
 各段階における活動の大半は,コミュニケーション能力や「ことばの力」といった社会性を身に付ける取組み,基本的・普遍的な力を育成する活動である。瀬戸田地域での島ぐるみのキャリア教育の取組みに見られるとおり,これまでの教育をしっかりやっていこうという取組みの積み重ねが,結果としてキャリア教育につながっているということである。
 ここまでの意見から,広島らしさという点では,「ものづくり」の視点や,地域の豊かな教育環境を生かした第一次産業といった視点が重要であるとの示唆を頂いた。
 また,県内でのそれぞれの取組みを見てみると,比較的小さなコミュニティーでは,地域ぐるみといった多くの成功例が見られる一方,都市部の大きなコミュニティーでは,メリットとともに課題も大きいと思われる。
 本日の各委員からの意見等を踏まえて,各地域及び各学校における研究・実践の一層の充実を図っていただきたい。

(4) 学校と産業界との「つながり」について

 ○ 職場体験やインターンシップに事業所や企業側が協力するのは,社会貢献や将来的な人材育成といったことを考えてのことであるが,もっと企業にメリットがある形で行われれば,多くの事業所が受け入れてくれると思う。受入れには,人の手配,資料作成,安全管理など手間暇がかかる。将来その会社に入ってくれるとか,企業のPRになるとか,何らかの「見返り」が求められる面もある。こういった面への理解も重要である。
 このことからも,新規に受入れ事業所を開拓する場合には,その事業所・企業のトップの理解を得ることが重要であり,その事業所のトップやそれに近い部署に面会して協力を求めることが実施の近道だと考える。

 ○ すべての生徒に画一的に職場体験を行うことに少し疑問を感じる。受入れ事業所としても,本当にやる気のある生徒に指導したいと思うのではないか。特に安全面などで注意が必要な職場環境では,だらだらした態度の生徒はとても受け入れられない。職場体験には本人のやる気が重要であり,そのためには本人のやってみたい「仕事」を体験させることが有効である。

 ○ 商工会としても,企業と子どもとの結びつきをどう図るか考えている。企業,商工会が,これまでの取組みも含めて協議し,地域の人材育成について議論を深められると思う。
 企業,特に中小企業は後継者不足の状態である。地域の子どもが地域に根をはり,地域を支える人材として育っていって欲しい。こういった取組みをさらに進めて欲しいと考える。

 ○ 今の学生・生徒に対する企業側の印象として,「積極性」や「コミュニケーション能力」が足りないと感じている。
 キャリア教育においては,職業観や勤労観を育てるということだけではなく,チャレンジする力や躓いてもまた挑戦する力といった「積極性」や「元気さ」などの基本的な力に目を向け,何か目標を持ってやり遂げるといった形のもの,地域での体験活動やスポーツ,部活動などの場面で養われるチャレンジ精神,継続力などの育成の視点も重要である。

 ○ チャレンジする力や躓いてもまた挑戦する力といった積極性などは,まさに広島型のキャリア教育の大きな視点のひとつといえる。そういった面での取組みの弱さが課題である。

 ○ 働く親の背中が見えない時代といわれる昨今では,中学校の職場体験活動の重要性はますます高まってくると思う。働くことが身近に感じられない状況の中では,やる気のない生徒も含めてすべての子どもに体験させるべきであると考える。

 ○ キャリア教育は,本来,家庭の中でしっかりと行うものであるが,家庭の教育力が低下しているなかで,「それでも大人になっていく子どもたちを育てなければならない」という現状から,学校が拠点となりながらコミュニティーが一体となって子どもたちを育てていこう,より実社会,実生活につながっていこうというものである。
 産業界・企業で働いている方々は,家に帰れば父親であり母親である。父親や母親としてしっかりと家庭で子どもと向き合える機会を確保する取組みを行うことも,産業界の果たすべき役割の一つだと感じる。

 ○ わが社は建設業だが,広島商業高校からインターンシップを受け入れている。生徒の希望職種からいえばミスマッチといえるが,下水道の設置などを通して社会基盤の仕組みや,建設業の社会的な役割など,生徒は大変よく勉強して熱心に取り組んでいる。
 インターンシップにおいては,その仕事を知ることも重要であるが,その職場を体験することで「仕事をする真剣な姿を学ぶ」ことが重要である。職種にこだわることなく,異業種においても仕事の本質的なものは学ぶことはできる。

 ○ インターンシップや職場体験を実施するに当たっては,まず,学校で挨拶やマナーなどの最低限の基本的なことをしっかりと教えることが重要である。そのような企業の声が大きい。そのことができていれば,体験が効果的なものとなるし,企業の方も受け入れやすくなるはずである。

 ○ 産業教育振興会では,各支部で産学懇談会を定期的に開催し,企業・経済団体と高等学校でよく意見交換をしている。企業からは「会社の内容をよく知ってから来させて欲しい」「会社を支える人になってくれるような生徒をよこしてくれ」などの率直な意見も出される。学校の先生方も会社の内容を知りたいということで,何年も連携を続けてきている。かなり企業と子どもとのコミュニケーションはできてきている。

 ○ 職場体験活動やインターンシップでは,様々な効果がみられるが,生徒が企業本来の機能だけではなく,企業が果たしている社会的な役割,社会貢献の機能を理解すること,その企業の志(こころざし)を知ることも大きなメリットといえるのではないかと考える。

 ○ 「月一回は『家庭の日』」といった取組みをすることで,家庭で企業の話をしたり,コミュニケーションしたりする機会が設けられたらと思う。企業に勤める親が「毎月20日は早く帰宅して家族で話をする」といったことも大切ではないか。

○ 以前,ハローワークで職業紹介を担当する職員が,紹介する業種や職場を知るために,実際に企業に赴いて実習をさせていたことがある。学校の先生方を対象に,企業・職業を知るといった機会を設けるのも有効であると思う。
 また,職業紹介をする資料として,それぞれの業種の実際の職場を取材したビデオを作成したことがあるが,こういったものは,職業を知るうえで有益な教材となるのではないかと考える。

 ○ 職場体験では「がまんする力」を身に付けさせることも大切である。

 ○ 雇用・能力開発機構が運営する広島センターでは,昨年12月にある中学校から施設見学の訪問を受けた。一年生を対象に,職業訓練の実際を見学し,ものづくりに関する様々な職種について理解させることをねらいとしたもので,中学校2年生に実施される職場体験を見据えたものであった。その際には,見学とともに「職業適性検査」も体験してもらい,自分の将来を考えるきっかけにしてもらえたと考える。こういった職場体験の前の段階,準備段階においても当機構の施設はお役に立てると考えており,積極的に協力していきたい。

 ○ しつけには家庭のしつけと社会的なしつけというものがあると思う。家庭でのしつけには限界があり,やはり家庭では甘さが出て,子どもが緊張する場面が少ない。我が子が社会の一員として一人前になるには,社会に受け入れられる人間にならなければならない。
 社会的なしつけを学校や地域,産業界に期待したい。学校では緊張感のある授業が行われることが大切で,「背筋を伸ばした授業」は社会人の育成の第一歩ではないか。

 ○ キャリア教育というと,職場体験やインターンシップといったことだけに目が行きがちだが,それらは「手段」である。子どもたちにどういった社会性を身に付けさせ一人前にさせるか,自分の将来設計を立てさせるかということがキャリア教育の本来の目的だと考える。子どもたちに「自分が将来どうやって生きていくのか」といったことを考えさせることが必要である。また,子どもたちが,社会の成り立ち,仕事の成り立ちを知ることや,ものづくりの喜びなどに触れること,地域の中にどんな仕事があり,自分たちとどうかかわっているのかを知ることが大事だと感じる。
 こういった企業や社会の仕組み,地域とのつながり,成り立ちを理解させることは大変なことで,職場体験を受け入れる事業所にとっては大きな負担になると思うが,職場体験に限らず,職場見学なども,子どもたちが地域や社会を知ることに大きく貢献する貴重な機会である。
 そういった場面や機会を,各地域で各企業に提供してもらうことが大切ではないか。様々な形で学校と産業界とのつながりが可能なのではないかと考える。

 ○ 職場体験を行った生徒の保護者に対して,アンケート調査を実施した。多くの保護者が体験の成果を実感し,9割の方が「また機会があれば参加させたい」と回答している。また,受入れ企業・事業所に対する調査の結果,9割の企業等が,職場体験の実施について肯定的な回答をされた。
 これらの結果を踏まえ,学校としては,今後とも継続して職場体験等を進めていきたいと考えている。
 学校としては,きちんとしたマナー,態度を身に付けた子どもを育て,体験を充実させていくことが大切であると考えている。継続して受入れ等に御協力頂くとともに,厳しくそして温かく子どもたちを見守っていただきたいと考える。

 ○ 今後も様々な形で地域の力をお借りする場面があるが,地域や産業界からも学校に対する要望や思いを積極的に伝えていただきたい。それにしっかりと応えていきたいと考える。

 ○ 瀬戸田地域におけるキャリア教育の活動の中では,様々な方々に御協力を頂いている。その中で期待されることは,地域を担う人材を育成してほしいという願いである。今後もその期待に沿うよう努力していきたい。

(5) 学校と産業界との「つながり」について(まとめ)

 ○ 広島型のキャリア教育を進めていくうえで,学校と産業界との「つながり」について3つ挙げてみたい。一つ目は,産業界はキャリア教育の「もう一つの教室」であり,「もう一人の先生」であり「もう一つの教科書」であることである。
 なぜかというと産業界そのものが子どもたちを大人に育てていくことができる「教育力」を持っているからである。この「教育力」を活かすためには,「本物」を見せなければならない。「本物」で,厳しく社会というものを味わわせることができるからこそ,もう一つの「教室」であり「先生」であり「教科書」と言える。二つ目は,「キャリア教育がやれる」ということは,「その学校ではしっかりとした教育活動がなされている」ということとイコールであるということである。学校の中でいじめなどの問題がたくさんある中ではキャリア教育どころではないし,コミュニケーションや人間関係などの基本的な力がしっかりと身に付いていない段階では職場体験どころではない。基本的な力をしっかりと育成することが前提であり,重要である。
三つ目は,広島県で生まれ育った子どもは「ひろしま」という「ブランド力」を持った子どもなのだと思い思われるようになればよいと思う。
 広島の学校を卒業した子どもは,学校や地域,産業界が連携した取組みによってこういう力を身に付けているということが言えるようになればよいと考える。
 とりわけ,広島らしさという視点でいうと,「ものづくり」という観点から子どもたちが将来を描いていくことについても,産業界が「教育力」を発揮していくことが重要であり,大きな役割があると言える。 

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