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知事記者会見(平成26年4月7日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年4月7日更新

 記者会見などにおける知事の発表や質疑応答を広報課でとりまとめ,掲載しています。
 なお,〔 〕内は注釈を加えたものです。
 動画はインターネットチャンネルのサイトでご覧になれます。(別ウィンドウで表示されます)

 会見日:平成26年4月7日(月曜日)

発表項目

  • 核軍縮に関する「ひろしまレポート(2014年度)」について
  • 知事の米国訪問について
  • 知事とケネディ駐日米国大使との懇談について [動画ページ]

質問項目

  • 核軍縮に関する「ひろしまレポート(2014年度)」についてなど(毎日・中国) [動画ページ]
  • 核軍縮に関する「ひろしまレポート(2014年度)」についてなど(NHK・RCC・毎日・中国・共同) [動画ページ]

会見録

(司会)
お待たせいたしました。ただ今から知事会見を開催いたします。本日の会見の発表項目は3つを予定しており,「核軍縮に関する『ひろしまレポート2014年度版』について」,「知事の米国訪問について」,「知事とケネディ駐日米国大使との懇談について」でございます。
 なお,本日の会見には,国際平和拠点ひろしま構想推進委員会副座長,前公益財団法人日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センター所長,原子力委員会委員でいらっしゃいます阿部信泰様に同席をいただいております。
これより説明に移らせていただきますが,ご質問は3つの項目の説明終了後にまとめてお願いをいたします。
 それでは,1項目,「核軍縮に関する『ひろしまレポート2014年度版』について」,ご説明いたします。お願いいたします。

○核軍縮に関する「ひろしまレポート」について

(知事)
 それでは,まず,「核軍縮に関する『ひろしまレポート』」からご説明をさせていただきたいと思います。今,ご紹介がありましたけれども,今日は国際平和拠点ひろしま構想推進委員会の副座長をしていただいております,また前職,公益財団法人日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センター所長として,「ひろしまレポート」の作成に携わっていただきました阿部信泰大使に同席をいただいております。
 まず,この「ひろしまレポート」の事業の趣旨ですけれども,県におきましては,国際平和拠点ひろしま構想」の具体化に向けました取組の一つといたしまして,昨年度に引き続いて,日本国際問題研究所に委託をさせていただき,「NPT体制等貢献事業」を実施をしたところであります。
 本事業では,国際社会におけます核兵器廃絶のプロセスの進展に貢献することを目的として,核軍縮,核不拡散,核セキュリティの三つの分野における各国の取組状況について,条約の署名や批准,また核兵器の削減状況等といった客観的な事実に基づきまして,調査・分析,また評価を行って,その結果を「ひろしまレポート」として取りまとめているわけであります。
 昨年度からの主な変更点を少しご説明をさせていただきますけれども,レポートを信頼性と客観性の高い取組にしていくために改良を行っているということでありますが,まず,「評価基準の見直し」について,「拡大核抑止」や「核実験の実施」の項目について,国内外の有識者の皆さん等々から,プラスの方向に評価がされるということは違和感があるというご指摘をいただきました。そういったことを踏まえて,これらの項目の評価基準を見直しまして,評点の満点を「ゼロ」として,拡大核抑止への依存や核実験の実施がある場合には「マイナス」とするという評価といたしました。
次に「評価方法の工夫」についてご説明しますと,今年度のレポートにおきましては,核軍縮,不拡散,核セキュリティの各分野における同一グループ内での相対性を把握しやすくするとともに,世界の大まかな動向を見るための参考資料といたしまして,分野ごとに対象国すべて評点率を示した棒グラフを掲載をしております。よりわかりやすくということであります。
 最後に,この報告書自体はかなりぶ厚いものになるわけでありますが,県民の皆さまを含めて,国内外のより多くの方々に,このレポートの内容をご理解いただきたいと思いまして,概要版,8ページになりますけれども,概要版を作成をしております。
 実施結果というか,内容については,後ほど,阿部大使からご説明をいただきたいと思います。
 最後に,「4 今後の展望」というのがございますが,ここに掲げておりますとおり,今回の「ひろしまレポート」では,核兵器を保有する国について,その国を取り巻く世界情勢等により,核軍縮に向けた取組の姿勢が大きく異なっているということを一定の根拠をもって具体的に示しながら,各国の抱える課題を明確にすることができたと考えております。
また,非核兵器国につきまして,主要な国々の積極的な取組を紹介をして評価をすることで,こうした取組の重要性について認識を広める一助になったと考えております。
 県としても,今後「ひろしまレポート」が国際社会に広く受け入れられていくことで,核兵器廃絶に向けた世界的な機運がより一層高まるということを期待しておりますし,また,各国における核軍縮に向けた新たな取組につながるということも期待をしております。 
こういうことを,総合的に国際社会におきます核兵器廃絶のプロセスが着実に前に進むと,それを大いに期待をしているところであります。
それでは,内容のご説明について,阿部大使によろしくお願いいたします。

(阿部大使)
 どうもありがとうございました。阿部でございます。
 それでは,この「ひろしまレポート」の内容につきまして,補足申し上げたいと思いますが,今,知事から概略についてはお話がありましたし,この要点は皆さまにお配りした資料もあると思いますので,これでほとんど尽きてるわけですが,一つ申し上げるとすれば,昨年から比べてだいぶ対象になる国を増やしました。これは,昨年の段階でいろいろ入れたい国もあったんですけれども,時間的な関係もありまして,増やせなかったんですけれども,今回は,かなりいろんな国を入れました。
 これ,実際上,この報告を作成するに当たり,それから,報告をつくった後で各々その国の関係者といろいろ意見交換をします。「あなたの国については,この辺がちょっとよくわからないけれども教えてほしい」とか,「自分の国については,こう書いてあるけれども実はこうなんだ」と,いろんなことをいろいろやりますので,その意味において,この中に新しく加わりました国,たとえばオーストリア,これは今年の末に例の核兵器使用の人道的結末に関する会議を主催することになっておりますが,そういった国との間で,この研究所,それから広島県の方々とが具体的に直接,こう意見交換をする糸口ができるんですね,そう意味においても,これは非常にいいことだったと思います。
 あとは,この表資料の中でも,グラフにするなどといろいろ工夫をしていますので,手前味噌になりますけれども,昨年に比べてかなり良くなったんではないかなと思っております。
 そこで,あとは,こういう報告をご覧いただく一般的な背景につきまして,今日お配りしました一枚紙,簡単な表でございますけれども,項目をざっと並べております。
 ベルリン演説から並んでざっとありますけれども,この一年半ぐらいの間の動きをざっとおさらいをして,今の核軍縮,不拡散を巡る状況がどうあるのかという背景をご説明申し上げたいと思います。
 一言で申し上げますと,核軍縮といえば,何といってもやはり,一番核兵器をたくさん持っているアメリカとロシアがどうやってこれを進めるかということが中心でございますけれども,この米・露関係というのがこの1年半の間,ほとんどジェットコースターに乗っているように,アップしたり急にダウンをしたり激しい動きをしてまいりました。
 まず,2013年,去年の初めにオバマ大統領がベルリン演説をしまして,核軍縮,核不拡散を指針するという点をもう一度確認してくれましたので,これでまた進むかという期待が出たんですが,そのしばらく後には,スノーデンの事件が起こりました。
 アメリカの機密情報を大量に流すということをしたわけですが,その彼が,最終的にロシアに亡命すると,ロシアがこれを認めたということで,アメリカとロシアの関係が非常に緊迫しまして,急激に米・露関係が悪化するという事態が起こりました。そこでだいぶ望みがなくなるかなと思ったんですが,続いてこの後には,シリアの化学兵器の問題について,これは核兵器とは直接関係ないのですけれども,大量に化学兵器を持っているというシリアが,アメリカとロシアの行動によって,それまで考えられなかったことですけれども,化学兵器を全部手放すという決断をしたということがあったんで,これでひょっとするとアメリカとロシアの協力関係が回復するかなという望みが出ました。
 またその後には,11月にはイランの核問題について,アメリカ,ロシアなどが中心になって話し合った結果,本格的合意までに半年間の間,暫定的にいくつかの措置をとるという合意ができました。これもいい方向の流れかなと思ったんですが,そうこうする間に今度はウクライナ危機が起こりまして,クリミア半島を住民投票に基づいてロシアに併合するという動きに出て,米・露関係が最悪の状態になったと。今,アメリカ国内ではもうロシアとの軍備管理というのは「話を中断しろ」というような声も出てますし,ロシアの方はロシアの方でアメリカとの協力は中断だというような動きが出てますので,非常に雰囲気が悪くなっております。
 一部では,冷戦後の米・露関係は今最悪の関係にあるという表現がありますので,そういう状況において,米・露間の軍備管理はどうなるのかと非常に不安な状態にあります。
 この意味では,今年の夏にかけての動きが非常に重要な時期になります。シリアの化学兵器の廃棄は夏までに全部やると,こういう約束になっていますので,はたしてこれが夏までに本当に実現するのかどうか,これを見極める必要があります。
 それから,イランとの合意についても,夏までの半年間で本格的な合意をまとめるという合意になっていますけれども,はたしてこれが本当にできるのか,これも非常に疑問のところで,私はそこにクエスチョンマークをつけておきましたが,こういった動きがどうなるかによって,来年のNPTの運用検討会議本会議がどうなるのか,非常に大きく影響を受けると思います。その前座として,今年の4月から5月にかけて,ニューヨークでNPTの運用検討会議準備委員会が開かれると,知事がそちらにいらっしゃるということになっておりますが,今度そのための,また更に有志国の間で準備をするということで,NPDIの広島会議が近く開かれるという,こういう一連の動きがありますので,これらの動きを総合して踏まえて,来年の5月の会議に向けてどれだけの成果が出るかという微妙な状況にあるということが現在の状況かと思います。
 加えてもう一つ非常に大事な問題が,中東の国際会議,実は「中東大量破壊兵器禁止地帯に関する国際会議」という非常に長い名前ですけれども,その会議が実は本当は2012年に開催することになっていたんですけれどもできなかった。昨年もできず,今年できるかどうかによって,来年の運用検討会議本会議が平穏に進むか,大荒れになるかという,これまた非常に大きな要素があるということで,ここも大きなクエスチョンマークがついております。
 こういった状況が現在の状況で,なかなか総じて厳しいところの状況にあるというのが私が今の状況ではないかと思います。
 以上,簡単ではございますが。

(司会)
ありがとうございました。
それでは続きまして「知事の米国訪問について」,知事よりご説明いただきます。
お願いいたします。

○知事の米国訪問について

(知事)
 続いて,米国訪問について,お手元の紙でご説明をさせていただきたいと思います。
まず,今回のこの訪米の趣旨ですけれども,今,阿部大使からもお話がありましたように,ニューヨークで開催されますNPT運用検討会議の第3回準備委員会に参加をいたしますと。それで,この同会議への参加国多数あると思いますけれども,そういった参加国あるいは国連機関,国際機関またNGOに対しまして,「国際平和拠点ひろしま構想」や「ひろしまレポート」をはじめとします本県の取組を紹介させていただきたいと思っております。
また,この機会に,各国の政府関係者であるとか,あるいは研究機関や財団の関係者等々との会談を通じて,本県の平和の取組について,世界に発信をして,また意見交換をしていくということが,趣旨,目的であります。
訪米の日程については,内容というところにありますけれども,期間は4月24日木曜日から5月2日金曜日までになります。訪問場所はニューヨークとワシントンになります。訪問者,訪問団というか,メンバーは,私と県職員5名,そして,阿部大使の合計7名となります。
 主な用務でありますけれども,冒頭に申し上げましたように今回の訪米では,NPT運用検討会議第3回準備委員会に参加をして,参加国の政府代表や国連機関,国際機関,NGOとの個別の面談を通じまして,本県の平和の取組を紹介をいたします。
 また,別紙に記載してありますように,NPT準備委員会の期間中に,本県が主催するサイドイベントを開催する予定としています。このサイドイベントでは,サイドイベントというのは,この準備委員会が主なイベントなので,それに並列して,平行してやるということでサイドイベントというわけですけれども,このサイドイベントでは,私と広島市長,松井市長が県・市の平和の取組を紹介をするとともに,パネル・ディスカッションを行いたいと思ってます。メンバーとしては,赤十字国際委員会やモントレー国際大学またNGOの方々にご登壇いただきたいと思っております。で,このパネルでは「核兵器の人道的影響を踏まえた核兵器廃絶の取組」や「各国の核軍縮,不拡散等の取組状況のモニタリング」について意見交換をするということにしております。
 次に,「政府関係者等々との意見交換」ですけれども,各国の政府代表団や「国家安全保障会議」いわゆるNSCというところ,また「戦略国際問題研究所」CSISと呼ばれております,あるいは「外交問題評議会」の関係者等との意見交換を行いたいと思っております。
さらに,ジョージタウン大学あるいはコロンビア大学で,研究機関や大学関係者,また学生に対しまして,本県の平和の取組を紹介をして,意見交換を行う予定にしております。
 こういうかたちで,NPTの準備委員会に参加をすること等を通じまして,本県の平和の取組を世界に発信をしていきたいと考えておるところであります。

(司会)
それでは続きまして「知事とケネディ駐日米国大使との懇談について」,引き続き,知事よりご説明をいたします。

○知事とケネディ駐日米国大使との懇談について

(知事)
4月8日ですから明日ですね,明日,訪米に先立ちまして,米国大使館を訪問して,キャロライン・ケネディ駐日米国大使との懇談を行うこととしております。
 主な目的,二つありますけれども,一つは「ひろしまレポート」をはじめとして,平成23年度に策定をいたしました「国際平和拠点ひろしま構想」に基づいて推進をしております本県の平和に関する取組を紹介するということであります。
また,ケネディ大使ご自身,それからオバマ大統領の広島訪問を早期に実現をしていただきたいということを要請を行いたいと思っております。以上です。

(司会)
 以上をもちまして,説明は終了いたしました。
 これより,質疑に移りたいと思います。
ご質問の際は,社名とお名前,そして,知事または阿部大使どちらへのご質問かをおっしゃっていただいてから,お願いをいたします。
それでは,ご質問がございましたら挙手をお願いいたします。


 

○核軍縮に関する「ひろしまレポート」についてなど

(毎日新聞)
 毎日新聞 吉村です。よろしくお願いします。「ひろしまレポート」について,知事に質問させていただきます。レポートが出て,新たに対象国数も増えて,順位もそれに伴って日本ですと,例えば核軍縮分野で言えば昨年はトップだったとは思うんですけれども,今年は5位という結果になりました。核セキュリティーの方でもプルトニウムの保有などについて点数を下げているなど,なかなかちょっと厳しい部分もあるかなと思うんですが,そういうのを踏まえて講評,日本以外についての部分でも結構なんですけれども,知事の講評をお願いします。

(答)
 まず日本の評価については,今,プルトニウムの問題というご指摘がありましたけれども,核分裂性物質の保有量が多いと。特にプルトニウムですよね,これが非常に多いという,そういう意味でセキュリティー上のリスクが高いということで評価が低くなっているのかなと思います。他方でさまざま,今,核抑止力の話が政府の姿勢の中で問題というか課題になっているところがありますけれども,他方で国連あるいは多国間協議の中で核軍縮に積極的に取り組んでいるということもあって,一定の評価も受けているということで,これはさらに我々としては,国には更なる努力をしていただいて,この評価が高くなっていくということが我々の願いであると考えております。
 それから,その他の国はまたいろいろあるので,個別には申し上げませんけれども,やはり,今回のこの評価,我々としては客観的につけていると考えておりまして,これが,各国におけます議論,あるいは国際間における議論のもとというか,一つの契機といいますか,そういうかたちで貢献できたらいいなと。何というか,議論を進める一つの契機になるといいなと思っているところであります。

(中国新聞)
 中国新聞です,金刺です。日本の話で,核の傘に入っていることが今回マイナス評価ということもあるんですけれども,その辺りの受け止めをお伺いしたいのですが。

(答)
 これ,前回からその評点としてはマイナスのつもりではあるんですが,点のつけ方としてわかりにくいところがあったので,ゼロをスタートとして,マイナスにしているわけですけれども。核兵器廃絶を訴えるということと核の傘に留まるということは確かに矛盾していることではありまして,これはやはり,その解消を目指しているということが何よりも重要だと思ってますので,そういう意味で核兵器に依存しない安全保障体制というものを構築をしていくという努力を続けていただきたいと我々は思っております。

(中国新聞)
 すみません,引き続き,知事にお伺いします。
先ほど,各他の件,各国別のという話がありましたけれども,総じて言うと,5大国なり,事実上の核保有国4国,〔計〕9国,これに対する評価が全体的に低いのかなという点と,その中でも北朝鮮が,昨年に続き全分野で最下位ということで,という評価が出ているんですが,全体的な傾向というのが昨年とそう変わりないかもしれませんけれども,2013年という時を見たときに,何かその辺り,特徴というんですかね,今回のレポートの特徴というのをどう捉えてらっしゃるかというのをお伺いしたいのですが。

(答)
 去年,前回のものとの比較という意味ですかね。そうですね。一つは先ほど阿部大使からもご説明があったように,対象国を増やしているということ,19か国から31か国に増やしているということと,評価項目数も61から64に拡充をしているということがありまして,前回のレポート発表後,国内外の研究者あるいは実務者の方々からいろいろなコメントを寄せられております。そういったご意見をいただいて,評価基準であるとか配点の見直しも行っています。そういうかたちで,より公平性であるとか,あるいは信頼性というものを向上させることができたかなと思ってまして,これは,今後やはりこういった活動が世界的な影響力を得ていくというか,発揮をしていくためにも,引き続き,いろんなご意見をいただきながら改善をしていきたいと思います。と同時に,それだけ多くの方々が関心を持っていただくということ自体が,先ほど申し上げたようなこれを契機にいろんな議論をしていくということにもつながっていくのかなと思ってまして,そういった点を踏まえているということが今回,特に特徴的なことかなと思ってます。

(中国新聞)
 質問が悪かったようです。北朝鮮が改めてずっと低いことについてのご感想と,あと5大国,かなり低い,100点満点によっても,その辺り,依然として低いことに対しての知事のご感想を。

(阿部大使)
 じゃあ私が報告することに。北朝鮮は,去年第3回目の核実験をして,そういう意味においても,核開発を進めているということで,「ひろしまレポート」の中でも,なおさら悪いということが言えるかと思います。それから核兵器〔保有〕国については,そもそもこの報告書は核軍縮,つまり核軍縮ということは核をゼロにするということなんですね,というのが目標であり,また,そのもともとの評価の指標にはNPTの最終文書,加えて広島の2020宣言ですかね,あの話も入れていますので,当然このゼロに行くのがいいんだと,こういうのが出発点でございますから,そういう意味においては核兵器を持っているのは全部マイナス点数なんですね。そういう意味においても核兵器〔保有〕国は非常に点数がマイナスが大きい。加えて,なおさら一番たくさん持っているアメリカとロシアは非常に減点が大きいんですね。しかしながら,持っているけれども,やっぱり減らそうということで努力をしている国はやっぱりこれは評価した方が良いんじゃないかということで,アメリカとロシアは評価しているんですが,この辺なんかは実は中国の方からコメントがありました。持っているのはアメリカとロシアが断然大きいじゃないかと,そっちが点数が甘いんじゃないかというのがありましたんで,そこはそれも勘案して少し厳しくしてありますので,そういったところが反映されたということでございます。

(NHK)
 NHK高田です。阿部さんにお伺いしたいんですが,まさに今の関連で,報告書2014を読みますと,新STARTの後,それに沿って軍縮が,削減は進んでいるものの,ベルリン演説の後からは,一向に交渉をスタートする兆しがないというところを含めて,そして,今回の第3回準備委員会での報告する様子も見られないという,重ねて,苛立ちのような文章が結構見られたなと思うんですが,その点いかがでしょうか。

(阿部大使)
 これは正にそのとおりで,アメリカとロシアが新START条約に基づいて削減は確かにやっているんですけれども,その次をやろうじゃないかとオバマ大統領がベルリン演説で提案したんですけれども,ロシアの方からはいろんな条件がたくさん出てまいりまして,ほとんどやる気がないという感じなんですね。ですから,そういう意味において非常に失望が大きい。加えて,このNPDIのプロセスで提案をした透明性について,核兵器〔保有〕国がこういうことを発表してほしいといったのを提案したんですけれども,なかなか回答がないし,どうやらなかなかその5大国からも報告が出てこないと。本来はこれは,今年の会議で発表して,来年の本会議のために出さないといけないんですけれども,本当に出てくるのかとみんな首をかしげているという状況であります。先ほどのベルリン演説に関するロシアの消極的な姿勢の一つのあれは,ロシアは核軍縮はもはや米・露だけではなくて,多国間でやるべきだと。つまり中国とか他の核兵器を持っている国も入れてやるべきだというような条件を出してきているんですね。いずれはそうなるかと思うんですけれども,中国あたりは今からそれは無理だということを言ってますね。ですから,そういう意味においても,やはりこれは米・露だけではなくて,いろんな国と話し合いを進めていく必要があると。中国も含めて。そういう意味において,広島の拠点構想でもう一つ進めているラウンドテーブル,これは中国・韓国・その他の専門家を呼んで話し合いを始めてますけれども,そういう場を通して,どうやったら中国を含めて,核軍縮・核不拡散を確実にできるのかという話を進めるのが非常に大事だと思いますので,これはもう一つの拠点構想の大きな目玉が非常に重要であるということになっているかと思います。

(RCC)
 RCCの友定と言います。今の話の関連なんですけれども,特に今回のレポートの中で,中国に関してなんですけど,5核兵器〔保有〕国の中で唯一削減に取り組んでいないとか,非常に点数の配点的にも低くなっているんですけれども,日本の懸念というか,安全保障上の懸念としても非常に中国の核兵器というのが核の傘の問題とも関連があるのかもしれません。中国に対してどのようにアプローチをしていって,中国がいわゆる削減なりのテーブルに乗るにはどのようなことをすればよいのかということをお聞かせいただきたいんですけれども。

(阿部大使)
 これは,レポートの評価そのものは,日本の観点から見てどうかということで評価してませんので,日中間の協議,認識,あるいは中国の問題意識というものは評価に入れておりません。そこはあくまでも客観的にどうするかということで,これは押しなべて,中国は数はともかく,数についても透明性がないということ。あるいは軍縮の具体的な措置を取っていないというようなことなど,客観的に点数を取ればどうしても低くならざるを得ないということかと思います。中国はどうやったらば核軍縮の場に引き出せるのかということについては,これは報告書というよりはこれからどういう方法をとるかということであろうかと思いますが,一つはやはり,アメリカ・中国でやっている戦略対話などの場を通じて,相互の理解を深めて,信頼を深めて,どういうふうに軍備管理,あるいは安定性を確保するかということから始めて,さらに軍縮を将来多国間で始めるためにはどういった枠組みを考えるべきかというようなことに中国がだんだん話に入っていくようにすべきじゃないかと。今,一つの糸口としては,5つの国が集まって,いろんな協議をしているんですね。例の5か国による核兵器の保有状況,その他の情報の提供ということもこの場で話し合っているようですので,そういった場の話し合いを進めてもらって,だんだんと中国をそういう道に向かわせるということが重要かと思います。

(司会)
 その他,いかがでしょうか。

(毎日新聞)
 毎日新聞 吉村です。阿部さんにちょっと質問させていただきたいんですけれども。今回,これ2回目の「ひろしまレポート」になりまして,基本的にはこれ3か年の事業だとは思うんですけれども,こういった核軍縮に関する報告書というのはシュプリエスとか,その他NGOなどが出しているものもあると思うんですが,改めて,今回新たな評価項目として例えば平和式典への出席とかそういうものも入りましたけれども,広島からやっていく意味ですとか,他のものと比べてこういう観点でちょっと違うんだっていう独自性というんですかね,そこら辺を改めて,ちょっと聞かせていただければと思います。

(阿部大使)
 一つはやはり広島である,〔広島〕から出たものであると。「ひろしまレポート」であるということで,やはり世界で広島から来たんだというと,これは読まねばいかんなというかなり意識を持たせるんですね。そういう意味において,広島でやっていただくということの意味はあるということと,また今回,評価の一つの基準に広島の平和式典に誰か参加してもらっているかということを入れてますから,そういった意味においては,受け取った人が「ああ,こんなのが入っているな」と,とすると,これは誰か派遣するかどうか考えなければいかんなということを考えさせるきっかけになりますので,そういった意味にも使えるかと思います。
 で,それから独自性という意味におきましては,他にもいくつか類似の報告書がありますけれども,やはり広島のこの報告は,ゼロに向かうというところが非常に大きな評価の中心になっております。それがゆえにゼロに行かねばいかんのだという広島の思い,それから日本の立場というものを強く反映した報告書として,これは他との違いがあるかなと思います。

(毎日新聞)
 ごめんなさい。今,2番目の独自性の部分でゼロに向かうというところが他のものとは違うと。もうちょっと詳しく説明していただいてもよろしいですか。ちょっとごめんなさい。僕が勉強不足であれなんですけれども。

(阿部大使)
 もちろん,他の報告書も核軍縮というからにはゼロということでありますけれども,そこについて,例えば,例の2020議定書でもこれを点数に入れるということは,点数の配分をかなりそこに大きく重きを置いておりますんでね,そういう意味においてウェイトがあるということが言えるかと思います。

(毎日新聞)
 あと,ごめんなさい。もう1点質問させていただきたいんですけれども。昨年出された「ひろしまレポート」なんですが,1年間,いろいろな機関等に配られて,専門家の方々も目を通されてるとは思うんですけれども,この活用状況,例えば,どこか重要な論文・レポートなどに引用されているだとか,そこら辺のちょっと国際的な評価というんですかね,そこら辺はどのように認識されているかというのを教えていただければと思うんですけれども。

(阿部大使)
 具体的にちょっと今日は紹介する引用例は手元にありません。ではありますけれども,NPTの準備会議の場面とか,いくつかの場面でこの報告を手元に置いて,これについて,こうだけれどもということで議論してますので,そういう意味において,この報告書がいろんな議論の材料として使われているということが言えるかと思います。

(中国新聞)
 すみません,中国新聞です。湯崎知事にお伺いします。明日,ケネディ駐日大使に会うということなんですけれども,早速,この「ひろしまレポート」を説明するような予定なのか。来週にはNPDIがありますけれども,その場での活用を考えているのか。あと,今回,非保有国,22か国に増えて評価されているんですけども,核兵器廃絶に向けて,非保有国の存在感は増していると思うんですが,今回,こういった多くの国を評点したことによって,何かしらのものが見えてきたと言いますか,意義付けみたいなものがあれば,よろしくお願いします。

(答)
まず,明日のケネディ大使との懇談ですけれども,当然,この「ひろしまレポート」についてもご紹介をさせていただきたいと思いますし,現物も持っていく予定にしております。さらに,ニューヨークでも勿論「ひろしまレポート」についてご紹介をしていきたいと思いますし,できるだけ配布をさせて頂きたいと思っているところであります。そういったことを含めて,いろんな機会を通じて,この「ひろしまレポート」について,よりたくさんの方々に知っていただきたいと思ってますし,先ほど阿部大使からご説明がありましたように,広島から発信をしているということに,非常に大きな,やはり受けとめがあって,皆さん,それなりに関心を持っていただけるというか,そういう効果があると思います。それが議論のきっかけになっていくということが大事なことだと思いますので,それは進めていきたいと思います。それから後,ごめんなさい,何でしたっけ。NPDIですね,そこでも活用させていただきたいと思ってます。

(中国新聞)
 あと,非保有国の存在感みたいなところは。

(答)
 そうですね,この数が増えたということは,一つはいろんなところの反応というか,ご意見とかもあるんですけれども,やはり自分のところが評価されているというのは,皆さん気になるのかなと思いまして,これ各国大使館なんかにもお配りするわけですけれども,そういうところでも,自分のところがあるとどうかなとか,さらに比較してどうかなみたいなことになるので,そういう効果がひとつあると思うんですね。ここから見える全般の傾向というのは,私がご説明するよりも,阿部大使にご説明をいただいたほうがいいかもしれませんけれども,やはり私自身の受け止めとしては,これからやはり核セキュリティということも非常に,より重要になっていくのかなと思ってまして,この核軍縮自体が今,米・露の関係で,確かに,この大きな壁が見えそうな感じがあるわけですけれども,現実的な危機としては,核物質あるいはその起爆の技術も含めて,拡散をしていくということが,やはり非常に現実的な課題なんだと思うんですね,それが過去と比べても,どんどん正に拡散をしつつあると,北朝鮮においても,実際の核兵器の起爆能力というものをより高めていっているという現実が見えているわけでありますから,そういったことは非核兵器保有国にとっても,非常に重要な課題であるということで,よりそういった面での関心も高めてもらいたいなと思っているところです。

(共同通信)
 共同通信の芦澤と申します。湯崎知事になんですが,先ほどNPDIでも「ひろしまレポート」を活用したいということだったんですが,具体的にどういうふうに活用したいとお考えでしょうか。

(答)
 一つはこれ,代表団にお配りをするということにしております。それから,シンポジウムの場面なんかでも,勿論ご紹介をさせていただきたいなと思っているところです。

(共同通信)
あと,アメリカ訪問なんですけれども,この準備委員会への参加ということなんですが,これはお立場としてはどういった位置づけで,この準備委員会への参加ということになるんでしょうか。

(答)
 立場としてはNGO枠で参ります。政府代表団ではないんで,NGOとして入るというかたちですね。まあ従来の〔広島〕市長と同じですね。

(共同通信)
松井さんと同じ。あと,すみません。これ広島県知事として,湯崎さんに限らず,広島県知事として,このNPTの運用検討会議の準備委員会に参加されるというのは,これは初めてでしたっけ。

(答)
 はい。

(共同通信)
初めて。はい。

(NHK)
 すみません,関連しまして,米国訪問についてでNHKです。湯崎知事にお願いします。トップ会談でもお話が出ましたが,市長,知事とともに,知事として行かれるのも初めてですし,二人揃って国外で核廃絶を訴えるというのも初めてだと思うんです。改めて,その意義とそして,その役割分担,お二人とも同じ場におられるので,いろいろ役割を分けながらやるのかなと想像するんですが,そのあたりを伺いたいということと。もう1点,ごめんなさい,ケネディさんのお話に戻りますが,これ,知事から懇談を申し込んだという,そういった経緯なんでしょうか。すみません,改めてお伺いできますか。

(答)
 まず,ケネディ大使の方は当方から勿論,面談を申し込んだということであります。それでNPT準備委員会の,市長とあわせて知事が参加をするということでありますけれども,市長はご承知のように,核兵器使用についてのその実相,被ばくの実相を世界に強く訴えていくことが主眼であるというか,主な役割とおっしゃってまして,それをいろんな場面で実践をされているということであると思います。で,県は,これは松井市長の表現ですけれども,アンパンの皮の部分であるということで,その餡子の周辺部分というか,その実相というのは,まさに広島が訴えていくメッセージの中心的なものだと思いますけれども,ただこの,それに加えて広島として貢献できることも多々あるんではないかと,そういった部分を県が主に担っていくという役割分担になってます。で,今回は二人出席をして,サイドイベントに一緒にやって,そこでメッセージを出していくということは,私は,準備委員会への参加国であるとか,あるいは集まって,NGOに対して関心を持っていただけるんじゃないかと思ってまして,そういった場面で,このいろんなメッセージというか,一つはやはり核兵器の非人道性であるとか,あるいは,さらにこの核兵器廃絶に向けたロードマップを推進していくというのが,我々の目的の一つになってますけれども,そういった側面であるとか,より強力に力を合わせることによって,より関心を高めていただいて,より強力にメッセージが出せるんではないかなと思ってます。そういう役割分担と,その力を合わせる部分というんですかね,それがあると思ってます。

(司会)
それでは予定時間となりましたので,もし質問がございましたら,次を最後の質問とさせていただきたいと思います。質問,ございますでしょうか。

(毎日新聞)
ちょっと確認させてください。阿部さんの肩書きなんですけれども,日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センター所長は,もう前職,4月になって前職になったということで,これ「ひろしまレポート」作成時はそうだったということでよろしいですね。

(阿部大使)
 はい。

(毎日新聞)
はい,わかりました。ありがとうございます。

(司会)
それでは,予定時刻となりました。以上をもちまして,会見を終了させていただきます。
ありがとうございました。

 

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 資料1(概要) (PDFファイル)(758KB)
 資料2(本文全体) (PDFファイル)(3.05MB)
 資料3(評価) (PDFファイル)(542KB)
 資料4(知事の米国訪問について) (PDFファイル)(121KB)
 資料5(知事と駐日米国大使との懇談について) (PDFファイル)(54KB)
 

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