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知事記者会見(平成25年2月14日)

印刷用ページを表示する掲載日2013年2月14日
  記者会見などにおける知事の発表や質疑応答を広報課でとりまとめ,掲載しています。
 なお,〔 〕内は注釈を加えたものです。
 動画はYouTubeのサイトでご覧になれます。(別ウィンドウで表示されます)

 会見日:平成25年2月14日(木曜日)

 動画は次のリンクからご覧になれます。なお,動画の収録内容は下の発表項目及び質疑のとおりです。

【動画リンク】 1/6  2/6  3/6  4/6  5/6  6/6

(発表項目)

 平成25年度 施策及び事業案の概要
   ※上記項目の動画は上の動画リンクの「1/6」,「2/6」,「3/6」をご覧ください。

(質問項目)

 平成25年度 施策及び事業案の概要
   ※上記項目の動画は上の動画リンクの「4/6」,「5/6」,「6/6」をご覧ください。

【会見録】

(事務局)
 ただいまから平成25年度施策及び事業案の概要の発表を行います。
 それでは知事,お願いいたします。

 ○平成25年度施策及び事業案の概要について

 (知事)
 それでは,私のほうから,平成25年度施策及び事業案の概要についてご説明をさせていただきます。
 まず最初に,少しコメントなんですけれども,例年「当初予算案」という形で発表させていただいておりますけれども,今年から「予算案」というのは止めまして,「施策及び事業案」というタイトルで発表させていただきたいと思います。
 従来の予算案の発表は,「どの事業にどれだけお金を使うのか」という,お金の説明が主だったというか,予算を重視した発表の形になっていたわけですけど,今回,タイトル変えて「施策及び事業案」というのは,その年度に取り組むべき施策の目標を明確にした上で,これを達成するために必要な事業を決めまして,これに沿って予算を決めていくと,それにどれだけ資源を投入するのかというプロセスをやってきました。
 これは,私の4回目の予算の策定になるわけですけども,これまで就任当初から県庁の中で徹底してきました3つの視座「県民起点」,「現場主義」,それから「予算主義から成果主義への転換」という中で,この最後の点「予算主義から成果主義への転換」というのを具体的に示す内容となるようまとめていまして,従来の発表資料から一歩「進化」をしたものかなというふうに思ってます。
 これまで仕込みと基盤づくりから,実行,そして加速というふうに進めてきましたけれども,この取組を具体的な成果に結びつけて,次の成長のステージに繋げるよう,平成25年度は広島県が『進化』する年というふうに位置づけて,持てる力を最大限発揮していくための,施策と事業をつくってきたところであります,という前置きでございます。
 資料に沿って具体的にご説明をさせていただきたいと思いますけども。ごめんなさい,そういう意味で一点ちょっとありますのは,この中で,資料の中に,従来であれば予算が付いているものだけが入っているんですけども,今回は予算がついていないもの,つまり非予算事業ですね,人という資源を投入して行われる事業という形ですけれども,これも入れてます。非予算事業というのは予算を組まないで,職員の時間を投入することによって進めていく,あるいは民間企業や団体と連携して行っていく,そんなものでありまして,例えば〔配布資料〕21ページの「都市圏魅力創造戦略推進事業」であるとか,あるいは29ページにあります「過疎地域の未来創造支援事業」,これは予算の支出が終わるところがありますけれども,引き続きバックアップ会議というのを行ったりして支援してくというものでありますとか,あるいは,「公共交通ネットワーク情報提供・移動活発化推進事業」,これ29ページであるとか,そんなものが入ってます。あとでまたそれぞれの所でちょっと触れたいと思いますが,そういうものが今回入っているということであります。
 説明をして参りたいと思いますが,まず1ページのところになります「基本的な考え方」ですけども,現在引き続き厳しい経済・雇用環境があるということで,県としても,まず足元の対策をしっかりと講じていく必要があるというふうに思っています。
 このために,国が今経済対策をやっておりますけれども,これに呼応して,スピード感を持って当面する緊急経済・雇用対策を,機動的かつ弾力的に進めていきたいと思ってます。
 それがまず一点と,当然のことながら,更に中長期的視点に立っていった場合に,本県が発展を図る上で,成長戦略の要となる「イノベーション」を通じまして,強い経済をつくっていくと,魅力ある雇用環境の創出につなげていく必要があると思ってます。
 このために,またあとで出てきますけれども,従来の4つの政策分野がありますよね。これを横断した新しい視点からイノベーションの創出に必要な施策を取り出しまして,特に,重点的に,これはある意味で言うとパッケージ的に整理して,これらの視点を踏まえた重点的な施策について,取組を進めるということにしております。
 加えまして,「中期財政健全化計画」に基づいて,計画的かつ着実な財政健全化に向けた取組を行います。同時に,3つの視座を踏まえた施策マネジメントを行いまして,検証・評価をするということですね。その結果を適切に施策や事業に反映をしていくと。こういう大きく言うと3つの点が基本的な考えであります。
 具体的にそれぞれのポイントですが,まず,ポイントの1点目,緊急・経済雇用対策でありますが,これは国の緊急経済対策も利用して,〔平成24年度〕2月補正予算と一体的で,切れ目ない緊急対策を実施するということであります。この規模ですけども,平成21年度以降のですね,このリーマンショック以降のこの経済対策の中で,補正を含めた当初予算の規模としては最大となります610億円を充てるということにしています。
 それからポイントの2点目です。イノベーションを通じた新たな価値の創造という点でありますけど,これは3ページの方となってきますけども,この仕込みと基盤づくりというところから順次発展させてきましたが,これを新たな成長軌道に乗せていくために,新しい価値を生み出すイノベーションを通じて経済成長を促していくと,そして魅力ある雇用や所得の向上につなげていくことが重要であるというふうに考えております。
 〔ひろしま〕未来チャレンジビジョン,4ページの右上のほうに,従来の4つの分野が書いてありますけど,この中で新たな経済成長のところで,「イノベーションを通じて強い経済をつくって,魅力ある雇用環境を創出します」というふうにあります。これ自体,取組としてはまだまだ評価していかなければならないと思ってまして,この部分を大きく拡大していったものがこの〔4ページの〕下の方になってきている。新たな経済成長のイノベーションという部分を特に重点的に取り上げて進めていくということとしています。
 平成25年度は,イノベーションを継続的に起こしていくことを重点的に進めていくと考えておりまして,そのために,どのようなことが必要かという観点から,今回〔3ページに記載のとおり〕「イノベーション創出に向けた4つの視点」というのを整理しています。
 これは3ページの方に戻りますが,4つの視点ですね,イノベーションを生み出していくための,「ダイナミックな事業環境」の創出,それから,イノベーションの原動力となる,「多様な人材を集積」していくということ,イノベーションを担う人材を集めていくという上で,家族との関係というのは非常に重要でありまして,家族で広島に来てもらって,安心して暮らし,楽しめる環境を創出すると,そういったことを表すキーワードとして,「ファミリー・フレンドリー」な魅力の創造というのを掲げております。それから将来のイノベーションを担う「社会で活躍する人材の教育」という点ですね。この4つの点になっています。これがイノベーションについての項目ですけれども,次に,5ページの方になりますが,広島の強みを活かした従来からの取組を継続していくということも当然重要でありまして,4つの施策について重点的に掲げております。海の道・観光,それから平和,再生可能エネルギー,そして防災という4点であります。
 更に細かくそれぞれの項目についてどうかということをご説明申し上げますと,まず,緊急経済・雇用対策ですが,6ページになります。雇用対策として県内の雇用・労働情勢を踏まえて,引き続き緊急雇用対策基金を活用した雇用機会の創出や高等技術専門校などにおいて職業訓練を実施するということであります。
 それから7ページの方になりますが,地域経済の活性化対策であります。こちら色々並んでいますけれども,平成25年度から新たに県内ものづくり企業への研究開発の支援を行うことや,引き続き,県内企業の設備投資の促進を図るための支援というのも進めていきたいと思ってます。
 それから8ページの方になりますが,地域生活基盤の整備としまして,道路や河川等の社会資本の整備,あるいは県立学校の耐震化を推進していくということであります。平成25年度から新たに私立学校の耐震化に対する支援を追加しております。また,民間保育所や社会福祉施設等の整備を引き続き行っていくということであります。
 それから9ページになりますが,暮らしの安心緊急確保対策ということで,平成25年度から新たに感染症・病理管理体制の確保のために,「感染症・疾病管理センター(仮称)」を設置します。また,児童虐待防止対策の強化のために,これ,既にいろんな形で〔メディアに〕流れていますけども,児童養護施設等に退所児童サポートステーション,これ仮称です。これを設置していくということ。また,子育て支援として,保育士の処遇改善などに取り組もうと考えております。
 次に10ページから,未来チャレンジビジョンの実現に向けた重点施策への集中的な取組になります。資料の構成を,項目ごとにワークというのを,皆さんもだんだんとおなじみになってきたかなと思うんですけども,事業の束ですよね,ワークと呼んでいる事業群に位置づけた事業を実施することで,達成を目指す目標値というのを掲げております。その目標を達成するための具体的な取組について事業名と内容を掲載しております。
 具体的には見ていただいたほうが早いかなと思うんですけれども。〔ページを〕めくっていただきまして11ページになりますが,このイノベーションを通じた新たな価値の創造という,イノベーションに特に注目した部分でありますが,これについて先程のとおり4つの視点があるわけですね。
 1つ目の視点のダイナミックな事業環境の創出というところでありますが,具体的には,その中でも更に創業の活発化・新事業展開の加速というのを行って参ります。これは12ページの方に掲げてあります。今申し上げたワークというのは,多様な創造・事業化,経営革新への取組支援というワークでその中にいくつか事業がぶら下がっているわけですが,このワークの目標として創業や第二創業の件数,これを何件支援していくかということで言うと,300件進めようと,で,その支援企業の新規事業の進出や展開数は83件つくっていこうと。支援企業全体の売上げ額の増加率を平成28年までに200%を目指すと,こういうことをワークの目標をして掲げていくということであります。  
 こういったことを実現するために,具体的な取組として,下の方に説明がありますが,創業希望者に対して集中指導するセミナーの開催や,これを我々「ブートキャンプ」と呼んでおります。創業ブートキャンプ,この開催や,公認会計士等専門家による専門的アドバイスを進めていくということ,また一連の創業支援プログラムというのを民間から企画提案していただいて,それを通じて創業を支援していくといったようなことを予定しております。また成長意欲が高くて新たな成長を目指す県内の中小企業に対しまして,全国トップレベルの専門家で構成する支援チームが新事業展開等を集中的に支援するといったようなことも進めていこうと思っております。13ページの方に載ってますけども,そういったことを進めようと思っております。これが創造支援事業展開であります。
 次にクラスター形成の促進ということであります。14ページの方であります。イノベーション創出の好循環を創るために,今後市場拡大が見込まれています医療関連産業,また環境浄化産業分野におきまして,医療機器等の生産額を平成25年125億円とするということや,環境関連産業の売上高を平成25年に1,058億円にするといったことなどを目標に掲げています。
 具体的な取組としては,医療関連分野については,県内企業の研究開発や販路拡大,医療や福祉現場のニーズに基づく新製品開発への支援を行います。また,環境浄化分野については,専門家によるサポート体制の構築や,海外の現地企業との商談会の開催などに取り組んでいきたいと考えています。
 それから15ページになりますが,アジアへの展開,アジアを中心としたグローバルネットワークの強化ということでありますが,目標としては海外事業所数の増加や,国際定期航空路線また国際コンテナ定期航路の拡充を目標に掲げています。
 具体的な取組としては,販路拡大やビジネスマッチングを支援していきますが,これは企業としても進出したいとか,ビジネスチャンスが見込まれる地域で展開をしたいと思ってます。また,荷物を広島港から送り出して,物流コストを下げていくというために他港から県内の港へ利用転換するという荷主に対して新しい助成制度を導入したいと思ってます。こういったことを進めて参りたいと思っております。
 次に,17ページの方になりますが,農林水産業です。これはご承知のとおり,今県として,産業として自立できる農林水産業の実現というのをチャレンジプランというのを定めて進めているところでありますが,特に中山間地域の産業の核としても支援をしていくということが重要だと思っています。これに向けて経営力の高い集落法人の育成や,これまで重点的に取り組んできていますレモン,あるいはかきの生産額を増やすなどの目標を定めているところであります。この目標に対する具体的な取組としては,地域の核となるような経営力の高い集落法人の設備投資や,販売力強化への取組に対して支援をする,あるいは専門家派遣による指導等を行うといったようなこと,また全国一の生産量を誇るレモンのブランド化や,かきの生産・出荷体制の強化を図るといったようなことを進めていきたいと思っています。
 次に19ページになります。多様な人材の集積ということで,この中で2点ありますが,1点目は新たな価値を創造する人材,海外市場の開拓に必要な人材の育成や集積であります。目標としては,県内企業のニーズに応じた専門人材の育成であるとか,これは45人,平成25年には進めていきたいということや,優秀な留学生の県内企業への就職者数の倍増といったことを,目標としては〔平成〕26年に掲げています。
 これに向けた具体的な取組として,県内の中小・中堅企業が社員を研修等に派遣する場合の費用や,個人が自分で行くというような場合の費用の支援を行うということを進めますが,新たに社員を中堅・中小企業に出してもらうには経営者もそういうことに対する理解を持っていただく必要があるので,新たに経営者層を対象とした実践的研修も行っていきたいと思います。また広島県留学生活躍支援センターを核として,留学生の受入れから定着までの総合的な支援を行いたいと思っております。
 それから,若者の定着ですね。22ページの方になりますが,若者というのは何かといいますと,これ潜在的イノベーティブあるいはグローバルな人材ということだと思ってますが,いずれにしても将来の広島県を支える若者の定着を図る必要がありまして,そのために,若者の転入増加や転出に歯止めをかけるといった対策などに取り組んでいきたいと思ってます。目標としては,県内の理工系大学等卒業者の県内就職率を伸ばすといったことや,県外の大学新卒者等のU・I ターン就職者数の増加,こういったことを目標に掲げています。
 これに向けて具体的な取組としてありますのは,学生に対して県内企業の魅力発信を強化をしていきたいと思っております,また本県出身者が多数進学している関東や関西での合同企業説明会の開催等を行って参ります。
 次に,ファミリー・フレンドリーな魅力創造であります。その中にブレークダウンして2点ありますが,1点目,仕事と家庭と両立しやすい就労環境の整備があります。これはご承知のとおり,結婚や出産を契機とする離職があって,女性の就業率が低くなるという,いわゆるM字カーブの傾向が非常に顕著にありますので,仕事と子育てを両立できる環境づくりなどに取り組むこととしております。女性の就業率の向上や,保育所の待機児童数ゼロを目標に掲げているところでございます。
 これに向けた具体的な取組としては,仕事と子育ての両立に向けた意識の醸成や,女性の不安解消のための研修会や個別相談の実施,女性労働者等を対象とした「働く女性のネットワーク会議」の開催などを行っていきたいと考えておりますし,保育のしやすさという観点から,民間保育所の整備や賃貸物件による保育所の分園,これを整備していくということを支援したり,保育コンシェルジュの配置によって保育のミスマッチ,預けたい園と預けられる園という部分のミスマッチがありますが,これの解消に取り組んでいきたいと思っております。
 それから,26ページの方になりますが,安心・安全な生活環境の整備という面であります。これは目標としては,県内全市町において地域包括ケアを実施するということや,平成28年度を達成期限として,がん検診受診率を50%に向上させることを目標に掲げています。これはご承知のとおり,医療や介護サービスの提供が非常に厳しい状況に直面しているということや,今後更に困難になるということが予想されますので,医療提供体制の確保や医療と介護が連携した地域包括ケア体制の構築に取り組むということをベースにしております。
 具体的な取組としては,日常生活圏で在宅医療の中心となります医師等を育成していくということなど,地域で高齢者等の生活を支える体制の整備に取り組んでいきます。また,28〔ページ〕ですね,高精度放射線治療センター(仮称)の着工を目指すということ,また,第2次「がん対策推進計画」に基づいて,「がん対策日本一」の実現に向けた総合的な取組を強化していくといったようなことであります。
 それから,生活のなかでもう一点,都市と自然の近接性を活かして人を呼び込む取組の推進という点でありますが,これは,都市圏と自然環境が近接しているという広島の強みを活かして,多様な人材が訪れ,家族とともに移り住みたいと思えるような魅力ある地域環境の創出に取り組むということを考えております,目標としては,全域過疎9市町,これは従来から行っております未来創造支援事業の対象市町ですね,ここにおきますそれぞれの計画に基づいて人口減少を抑制していくということや,中山間地域の観光客数を増やすことを目標に掲げています。
 具体的には,今申し上げた「未来創造計画」を支援するといったことや,過疎地域の生活課題の解決に向けた先導的な取組を支援していくと,これは30ページの過疎地域の生活支援モデル事業ですね。また中山間地域の市町等が策定した「観光振興計画」に基づく取組を支援するといったようなことを進めていきます。先程ちょっと触れましたけれども,未来創造支援事業というのは,2年間各計画に対して県も予算的な支援をするということですが,予算投入を終了した後もバックアップ会議等によって県としてしっかりと応援をしていきたいということでありまして,こういったことは非予算事業にあたるということでありますね。それから,公共交通ネットワーク事業ですね,これも29ページの方になりますけど,これも民間事業者の方でいろんな対応,案内の改善であるとかそういったことを統一的にしていただくようにしておりまして,これは県が働きかけて事業者に対応していただくといったようなこと,これも非予算事業の一環でありますし,菓子博などとで連携して,県内フリー乗車券,フリーパスの発行をしていただいたりとか,こういったことをやりたいというふうに思っております。
 次に,31ページになりますが,社会で活躍する人材の教育ということで,これは3つあります。
 ひとつは,安心して学べる教育環境の確保に向けた緊急対策ということで,暴力行為などが頻発する学校の教育環境を改善していこうということで,生徒指導の集中対策実施校,これはスクールサポーターを派遣する学校ですけれども。ここにおける暴力行為の発生件数を前年比で80%減少させるということを目標に掲げています。
 具体的な取組としては,問題行動が頻発している学校に,教育委員会から学校支援プロジェクトチームを派遣します。また,同時に警察からスクールサポーターを派遣していただきます。これで連携して非行防止活動等を実施していくというようなことです。
 それから,2番目として,33ページの方になりますが,小・中・高等学校段階での「知・徳・体」の育成を通じた社会人基礎の着実な定着という項目で,これは児童生徒の学力向上にはもちろんこれまでしっかりと取り組んできたところですが,更に,豊かな人間性や創造性を育成するといったようことを通じて,社会人としての基礎力の定着に取り組みたいということあります。これは以前から進めてますが,全県立高校82校において,海外校と姉妹校提携を結ぶことなどを目標に掲げています。
 具体的な取組としては,今の県立学校と海外学校との姉妹校提携を進めると,生徒の留学支援や姉妹校へ教員派遣を実施するといったようなことで,教員の国際感覚を磨くとともに,グローバル感覚を持った人材育成の充実を図るといったようなことを進めます。また,民間企業と連携した新たな学校給食メニューの開発,これは100万食プロジェクトですね,34ページ。こういったことで,県全体で学校や家庭,地域が一体となって大規模な取組を展開していきたいと思っています。
 次は35ページになりますが,グローバル化に対応でき,マネジメント力を身に付けた人材の育成を含めた大学段階での教育内容の質的改革という,これやたら長いですね,これ今考えるとタイトルが。これはですね,すみません,中身が分かるようなタイトルをつけろとやっておりまして,ちょっと長くなりました。これは,正にタイトルのとおり,グローバル化に対応してマネジメント力を身に付けた人材というのが今不足していますので,そういった人材を育成するために県内の複数大学による人材育成機能の取組の強化を支援するということを進めていきます。目標としては,大学連携による教育プログラムの受講者等の満足度を高めるというようなことを掲げています。
 具体的な取組としては,複数大学の連携,これが更に産業界等と連携して行う新しい教育プログラムの開発や実施を支援していくというようなことであります。
 それから36ページになります。広島の強みや基盤を活かした政策の継続という点で,海の道・観光,現在7県で瀬戸内ブランド推進協議会をやっておりますけども,瀬戸内ブランド認知度の向上,これを目標に掲げています。また,広島の魅力というものも,もちろん引き続き情報発信していくということで,観光客数を平成23年から205万人増やすということを目標としています。
 具体的な取組としては,海の道プロジェクト推進事業,36ページの下の方にありますが,7県が連携して広域プロモーションや広域連携事業を実施していきます。また〔瀬戸内〕しま博〔覧会(仮称)」〕ですね,これに向けた準備を進めていきたいと思います。また,次のページ〔37ページ〕になりますが,瀬戸内海クルージングの活性化,また「ナショナルサイクリングロード(仮称)」の認定制度の創設を働きかけるといったようなこと,また,観光については,JRと一緒にやります「デスティネーション・キャンペーン」,また,「おしい!広島県」に続く新たな観光プロモーションを進めていきたい,「おしい!」はどうなるんだというところがご関心かと思いますが。そういったことを進めたいと思っております。
 これも,例えば海の道のプロジェクトで言えば,牡蠣小屋を提供していくだとか,瀬戸内ブランドロゴの使用許可を通じて瀬戸内のイメージを拡大していくといったようなことは予算を使わない,非予算事業ですね,そういったことも進めていきますし,この一環として,先般も愛媛県,カゴメさんと三者協定を結びましてけれども,こういった活動も,例えばこれで全国に広島あるいは瀬戸内のブランドイメージを広げていく,そういったことも予算を使わずに進めていくと,こういったことも重要なこととして取り組んでいくというようなことです。
 それから,39ページ,平和関連であります。「国際平和拠点ひろしま構想」を平成23年度に策定をいたしましたが,これを着実に推進していくということで,核兵器廃絶に向けた具体的なプロセスを進展をさせていきたいということや,広島から世界に向けて平和のメッセージを積極的に発信するといったことなどを目標に掲げています。
 具体的な取組としては,今ちょうど,何と言いますか,大きな事態の発生がありましたけれども,東アジアの核軍縮に向けた,専門家との円卓会議,「ひろしまラウンドテーブル」といっているものですね,あるいは国連欧州本部長,ジュネーブ軍縮会議関係者の広島への招聘,また,広島市と連携した広島の復興プロセスに関する調査や研究などに取り組んでいきたいと思っています。また,7月から8月にかけて,「ワールド・ピース・コンサート」の開催を進めてまいります。
 40ページの方になりますが,再生可能エネルギーにつきましては,業務用太陽光発電導入量を増やすということを目標にしております。
 これに向けた主な取組として,これもご承知のとおり,県と中電グループが共同してメガソーラー発電事業を実施していきたいと考えております。
 それから41ページ,防災関連でありますが,これは,東日本大震災を踏まえて,大規模災害にも対応できる防災対策の強化に取り組むということとしております。目標として,災害時における迅速かつ円滑な支援活動の確保などを掲げております。
 具体的な取組としては,緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化を促進していくといったことや,災害危険情報の的確な発信を行いたいと思っております。
 それから,資料3-1というものがあると思いますが,平成25年度におけます各分野の施策の目標を資料3-1にまとめております。個々の事業が確実にこの目標に向けた成果に結びついていくように,執行段階において施策マネジメントを強化して,未来チャレンジビジョンに掲げる「目指す姿」の実現に向けて全力で取り組んでいきたいと考えておるところであります。
 予算という切り口でご説明を申し上げますと,45ページにまとめてあります。平成25年度当初予算は,国の緊急経済対策もありますので,2月補正予算と一体となって編成をしています。足元の対策であります「緊急経済・雇用対策」それから「ひろしま未来チャレンジビジョン」を推進する4つの政策分野に重点投資を行っていくと。一方で,財政健全化を計画的に進めるという観点から,県債残高は縮減を図るというような形で,メリハリを効かせた予算としています。
 当初予算規模は9,221億円,前年度比0.9パーセントの減とでありますが,24年度2月補正予算をあわせて考えますと,9,494億円,前年度比で言いますと2パーセントのプラスとなってまいります。福祉医療関係費は,高齢化の進展などによって,3.2パーセント増加します。人件費は,計画的な人件費マネジメントに取り組んでいるところでありますので,0.7パーセントの削減という形になります。公共事業費は,平成24年度2月補正予算を含めて19.1パーセント増加という形となります。
 それから,「4つの政策分野への重点配分」につきましては,「ひろしま未来チャレンジビジョン」を推進するこの4つの政策分野へ財源を重点配分をしていくと,平成25年度においては総額121億円,前年度比で1.5倍を投入するということにしています。これは施策マネジメントに基づいた事業の再構築なんかを行っていますので,そういったことを通じて原資を出しているということであります。
 それから3点目。「県債残高の縮減」でありますが,これは県債の発行額を抑制するということで,実質的な県債残高の平成25年度末の見込みは,1兆4,234億円となっております。これは前年度比304億円の縮減になりまして,将来の県民負担を軽減していくということを進めております。ちなみに,この1兆4,234億円というのは,中期財政健全化計画を策定する前の平成22年度末と比べますと,1,076億円の縮減になっております。
 その「中期財政健全化計画」ですけれども,47ページになります。平成25年度の当初予算フレームでは,要調整額を解消していくために,中期財政健全化計画に基づいて,人件費の削減などの財政健全化策に取り組むこととしています。
 しかし,これもご承知のとおり,予算編成の最終段階で,国のほうで平成25年度の地方財政対策が決定されて,地方公務員給与の削減を前提とした地方交付税の削減がありました。このために要調整額が77億円拡大しております。
 このために,計画に基づく財政健全化策を実施してもなお,不足するギャップがありまして,これに対しては当面の措置として,財源調整的基金の取り崩しにより対応しております。
 中期財政健全化計画におきましては,財政健全化目標を掲げ取り組んでいますけれども,それぞれについて試算をしますと,48ページの右下の箱になりますが,経常収支比率が90.1パーセント,目標は90パーセント程度の水準に可能な限り近づけるということで,可能な限り近づいているのかなというふうに思っております。それから,将来負担比率は,288パーセント未満に抑制するというところ,273.5パーセントということで,これも目標内に抑制をしております。実質的な県債残高は,平成24年度と比べて304億円縮減していますが,これは先程も申し上げたとおり,計画前の平成22年度と比べて,1,076億円の縮減となる見込みになっています。目標としては,5年間で1,400億円の縮減を目指していますので,ほぼ,オン・トラックと言いますか,順調に推移をしているというところであります。
 引き続き,弾力的かつ持続可能な財政構造の確立を目指しているところでございまして,中期財政健全化計画に基づいて,引き続き計画的かつ着実な財政健全化に取り組んでいきたいと思っておるところでございます。
 長くなりましたけれども,私からの説明は以上でございます。

(事務局)
 それでは発表事項に関する質問に入りますが,30分程度質問時間を取りたいと思いますので,15時15分を目処にお願いします。

(広島テレビ) 
 広島テレビです。お願いします。
 
今回提案されたもの「施策及び事業案の概要」というふうにタイトルを変えられているのを重々承知した上なんですが,予算発表と言うことで,これにサブタイトルをつけるとしたらどんな名前がつくでしょうか。

(答)
 サブタイトルというか,よく言われる一言で何ですかということですよね。これはもうご承知のように,「進化」という。これまで各年度「仕組みと基盤づくり予算」とか「チャレンジ実行予算」とか,「チャレンジ加速予算」というふうにつけてまして,そういう意味では「進化」,「ひろしま進化予算」とでも言うんですかね。そういうふうに思っています。あるいは「チャレンジ進化予算」と考えております。

(広島テレビ)
 ありがとうございます。続けてあと2つ聞きたいんですけれども。今回,観光に力を入れて,サイクリングとか,昨年度から引き続き同程度の予算を組まれたレモンとかあるんですが,そういったものに関して知事はどういった思いをお持ちなのか教えていただけますでしょうか。

(答)
 観光については,これは「産業新成長ビジョン」にも位置づけていますし,豊かな地域づくりという観点から地域の活性化にもつながるということで,重点的に取り組んでいるところであります。これは広島県の将来を考えていく時に非常に重要な施策であると考えておりますと同時に,これは息長く取り組んでいかなければいけないものだと思ってます。つまり,イベント的に,ぱっと増えてぱっと減るということでは,やはり本当の意味での効果はでてきませんから,これは継続的にじっくりと取り組んでいきたいと思っています。

(広島テレビ)
 
ありがとうございます。最後に,これでもう質問が終わっちゃうような雰囲気になって申し訳ないんですが,4年目という予算になるんですが,来年度にかける思いを聞かせていただけますでしょうか。

(答)
 来年度,これまでやり残していることを全てこれで出来るわけでもありませんけれども,特に新たな経済成長と,それから人づくりというところに,これまで重点的に取り組んできました。こういった側面,更にですね,まだ残っている部分というのを一歩進めてやりたいと思っていますし,いろんな形で,事業そのものもありますけれども,やはり従来から繰り返し申し上げているような,県民の皆さんにもこういう方向に進んでいって良かったなというふうに思えるような事業の推進というか,展開を実行段階で,進めていければなあというふうに思ってます。

(広島ホームテレビ) 
 広島ホームテレビでございます。
 まず観光について2点お伺いできればと思うんですが。「おしい!(広島県)」のキャンペーンに続く展開を,難しいとは思うんですけれども,具体的に何か伺えれば。難しければ方向性だけでも,どういった方向性で展開されるのかということと,「ナショナルサイクリングロード」を国に設立を申請され,「しまなみ」が認められる意義みたいなものをお伺いできればと思うんですが。

(答)
 まず「ナショナルサイクリングロード」の方からお答えすると,これはもちろんまだ制度というか,こういうものは無いわけですね。広島県が一生懸命力を入れて愛媛県と共にこのサイクリングの振興をやっていますけれども,このサイクリング自体,今世界的な健康に対する意識の向上ということもあって,お客さんにとっての魅力のひとつになりうるものだと思うんですね。これはぜひ地方でも国でもそういったことを認識して,新たな観光の目玉というか,それにしていきたいというふうに思っています。ぜひそこを国にそれを働きかけていきたいというところですね。それから,「おしい!〔広島県〕」の次の展開はですね,これはやはり今の段階では「それは秘密です」としか言えないんですが,「それは秘密です」みたいな,近いニュアンスのようなことが出来たら良いなというようなことも考えています。

(広島ホームテレビ) 
 最後にもう1点だけ。エネルギー政策に関してなんですが,今回メガソーラーと小水力を新たに予算計上されているんですが,今後将来的にどういうふうに展開していけば良いというふうに考えられているかを教えていただきたいのですが。

(答)
 今の動向を見ますと,いわゆる家庭用の太陽光発電ですね,これはかなり普及が進んでいます。自然エネルギーの普及促進を図るためには,引き続きメガソーラーであるとか小水力といったような事業系の発電所の拡大が必要だと思っています。幸いいわゆる「フィット」の制度が,まず当面というか,向こう1年間は比較的高い区画で維持されますので,この間,出来るだけそれを進めていくということと,それにあたって今実際にはそういう環境がありますので,非常にそれは進んでいくと思うんですね。その中で,県民の負担だけが増加していくという状況になっておりますから,そこをやはり緩和をしていくと。あるいはその不公平性というかですね,税金を取られて,それが事業者の収益に転化しているっていう状況がありますから,それを緩和していくという今回の県と中〔国〕電〔力〕グループさんの取組,こういったことが必要。あとは具体的な還元策というのをしっかりと決めていくということが来年度は重要なことと考えています。

(中国新聞) 
 中国新聞の野崎です。
 
今回の予算のキーワードの一つが「イノベーション」だと思うんですけれども,その背景として,人口減少だとか景気の低迷なんかが挙げられると思うんですけれども。その人口の減少だとか景気の低迷というのは,近年ずっと続いています。その中であえて「イノベーション」というのを打ち出した理由は何なのかというのをまずお聞かせください。

(答)
 「イノベーション」これは従来から打ち出していることなんですけれども,それが何故必要かというのは,詳しく解説すると1時間くらいかかっちゃいますけれども,一言で言うと,人口減少はしていくわけですね。近年の課題としては,そもそも一人当たりの国民所得,あるいは広島県における県民所得,これが停滞をしているということですね。また別の見方をしますと,そのいわゆる全要素生産性といったものが停滞をしているという状況があります。これを打破していかなければいけないということですが,それを実現するのはやはり「イノベーション」であるということと,それから特に新興国をはじめとする賃金の低い国々と競争する,しかもそういった国の技術力が上がってきているという中で,わが国経済の活力,あるいは広島県経済の活力を維持していくためには常に新しい価値を創造していかなければいけない。それを実現するのは「イノベーション」であるということでありますので,この「イノベーション」を継続的に生んでいくということが非常に重要であるということですね。つまり,成長戦略の大きな戦略は,「イノベーション」であると。つまり労働賃金を下げて競争力を発揮するということではなくて,新しい価値を生んでいくということが,成長戦略の柱であって,そのためにこれをもっともっと進めていかなければいけないということであります。

(中国新聞) 
 具体的な施策として創業の支援だとか,新事業展開の支援,海外進出への支援なんかがそういった面には並んでいると思うんですけれども,そういったメニューを進める中で議会なんかで聞くとですね,経営が厳しいところの支援をもっと重点的にやってほしいという声もあります。そういう中で創業とか,新事業展開に力を入れるということは,ある程度,産業構造の転換が必要じゃないかと。力強い経済作りには産業構造の転換が必要じゃないかというようなお考えがあるのかどうか。

(答)
 それは当然です。産業構造の転換なしに強い経済は生まれませんので,それは当然に必要なことですね。特に新しいものを創業というものが無ければ,新しい「イノベーション」というのもなかなか生まれてきにくいということもあります。かといって,既存企業において「イノベーション」が無いということではなくて,そこの支援というのも重要であります。それは第二創業であったりとか,あるいは大企業における「イノベーション」の創出っていうのも非常に重要であって,こういったことは「イノベーション推進会議」なんかで,まず取り上げながら今後も検討を進めていきたいと思っているところです。

(中国新聞) 
 今の創業のところなんですけれども,ずっと「イノベーション」それから創業の支援は続けてきたということなんですけれども,現状では創業とそれから廃業を比べた時に「廃業」の方が上回っているという厳しい現状があると思うんですが,その現状をどう捉えられるかということが1点と,先程の目標の中で,所得だとか雇用につなげたいという発言があったと思うんでが,今回は具体的な数値として目標を掲げられてないんですけれども,県民所得だとか雇用の拡大に向けて,目標みたいなものが期限も含めて,おありでしたら教えてください。

(答)
 まず今の雇用とか県民所得というものはですね,これはもうちょっと何回か前からご質問出ていると思うんですけれども,非常にマクロ経済政策に大きな影響を受ける部分がありますので,これは県のコントロール外という部分が非常に大きいんですね。ですから,これは直接的な目標としては置いてないということであります。これは例えばGDPというか県内総生産の数値とかですね,そういうものと同じですけれども,そう考えています。ただそういうものを向上していくような環境整備であるとか,そういったことが正に「創業支援」であるとかそういうことでありますので,そこに繋がっていくような施策ということを打ち出してやっていくということが基本的な考えにあります。それから開業率・廃業率の問題ですけれども,正にこの廃業率が開業率よりも高いということが問題なわけですね。つまり経済のダイナミズムが失われているということがあるんです。これはマクロ〔経済〕的に言えば,開業率も廃業率も上がっていくということが望ましいことかなと。廃業率が上がるというのはどういうことかというと,何回でも繰り返して開業するということも含めて,つまり一度例えば廃業したらそれであなたはじゃあ終わりということではなくて,やっぱり何度でも再チャレンジ出来るというような環境を作っていくということも大事ですから,今直ちに開業率を上げるとかそういうことではありませんけれども,やはりまず開業率を上げていくと,新しいものを生んでいく上で重要なことだと思います。そういったことについて,これはちょっと私も今すぐに手元に統計的な数字を持っていませんけれども,基本的に既存企業であるとか,大企業というのは雇用を減らして,新しく生まれた企業というのは雇用を増加していくという,これが大きなマクロ〔経済〕的なトレンドでありますから,新規開業を増やして成長企業を増やしていくっていうことによって,これも増やしていくということをですね,進めたいなと思います。

(中国新聞)
 経済のダイナミズムが正に失われているという指摘がありましたけれども,これまで「イノベーション」というものを続けてきながらなかなかその経済のダイナミズムが上がってこなかった理由というのはどのように分析されていますでしょうか。

(答)
 それは「続けてきながら」というのはどういう意味ですか。

(中国新聞) 
 要するに今回なかなか経済のダイナミズムが上がってこなかったから「イノベーション」というものを打ち出したわけですよね。更に重点化してきたわけですよね。

(答)
 それはこの4年間の取組でとかいうことですか?

(中国新聞) 
 そうです。

(答)
 いや,それは1年,2年,3年で起こるようなことじゃない。これは10年,20年かけてやることです。

(読売新聞) 
 読売新聞です。お願いします。 
 任期4年目ということで,来年度やり残したことをもう一歩進めてやりたいと先程ちょっとお話がありましたけれども,やり残していることというのは,色々着実に進められている印象は持ってるんですが,具体的にやり残してることっていうのは,例えばどのようなものがあるのかっていうのを教えていただきたいのと,財政の健全化のところなんですが,これも着実に目標に向かってやってらっしゃるかのような印象を受けるんですが,「持続可能な財政構造の確立を目指す」とあるんですけど,その持続可能にやっていくために,今後これで十分なのか,今後どういうことが必要なのかっていうことがあれば教えてください。

(答)
 やり残したことと言うか,まだやってる中で不十分であるというか,もっと力を入れなければいけないという部分ですね。それがやはり,イノベーションの環境整備みたいなところが,やはり大きなところとしてあって,それは今質問にあったように,簡単に1年,2年,3年で,わーっと世の中変わるものではないんですけれども,逆に言うと,それ位根本のところに手を入れて変わっていかないといけないということだと思うんですが,これまで色々検討も進めながら,イノベーションの環境というのは非常に幅広くあるものですから,ただ,研究開発をすればイノベーションが起きるっていうものではなくて,それを支える人の育成をしていかなければいけないし,人というのは,ただ,例えば技術力がありますとか何とかってことではなくて,やはり新しいことにチャレンジをしていくっていうようなマインドの醸成とかですね,あるいは今,イノベーションで重要なことというのは,単一の自分の専門のことだけを考えていくということではなくて,他と連携をしながら,新しいイノベーションを生んでいくっていうようなことも必要ですし,ここに実はイノベーションっていう事で一括りに括っちゃってるんですけど,本当はイノベーションとアントレプレナーシップっていうのがあって,いわゆる企業化精神ですよね。イノベーションという新しいものを生んで,それを広めて行くというのが起業家精神。こっちの部分も作っていかなきゃいけないんですよ。これもやっぱり,非常に何て言うか,日本人一般的にリスク回避的な性向がある中で,それを変えていくというようなことも必要になってきます。そういったことを総合的に取り組んでいく,また,そういったことを志向してる人の多くは今東京に行っちゃったりとかしてるんで,そういう人達が広島で働くっていうような環境を作っていかなければいけない。でも,それは地域環境になるわけですけれども,そういったこともやはり作る。それによって初めて長期的,持続的にイノベーションが起きていくような環境が出来てくるんで,そういったことについてはまだまだ,我々やってることは不十分だと思っていますから,今,やることをやっても不十分だと思ってますから,それは引き続き,年々進めて行きたいと思っているところですね。
 それから財政健全化計画について言えば,まず持続可能な財政構造に向けての目標というのが,正に中期財政健全化計画に掲げてあるような目標でありまして,フローベースでは経常収支比率は比較的低くと言うか,ある程度目標に近いところまで来てますけれども,将来負担比率なんかは,これはまだ平成27年度に向けて上がっていく可能性があるんですね。と言うのはこれから退職者が増加して,退職手当債等を発行せざるを得ないとかですね,そういった状況もある中で引き続き288パーセント未満に抑制をするということが重要なことですし,と言うか,今のうちまだ低くしておかないとちょっと上がっていくっていうことがありますし,この県債残高っていうのも,1,400億円縮減をするというところで,今のところは1,076億円でありますから,まだ324億円ですか,やっていかなければいけないということで引き続き努力が必要だと思ってます。

(朝日新聞) 
 すみません。朝日新聞の中野です。先程の質問とちょっとかぶってしまうかもしれないんですが,中期財政健全化計画を見ても湯崎知事が就任されてから,かなり財政が硬直化した状態で始まったわけですけれども,今の任期中最後の予算を編成されて,4回予算を編成されて財源捻出の難しさであるとか,そういったところもあるかとは思うんですが,4回の予算編成を振り返って,そういったところの難しさと所感,あるいは手応えと言うかご自身の感想というところをちょっと一言いただければと思うんですけれどもいかがでしょうか。

(答)
 やはり,財源捻出をしていくためには,スクラップアンドビルドじゃないんですけれども,何をやるのかっていうことを決めて,何を止めるのかっていうことを決めていかなければいけないわけですね。今,予算主義から成果主義への転換ということを図っていく中で,こういう事を達成していこうということを強く意識して,事業の構成を進めています。
 他方で,財政については今年使える枠はこれだけであるっていうのをきっちり決めて,それ以上はみ出ないんだということでやってきているわけですね。だからそこの,どうしてもはみ出て来る部分をカットしていくって事をこれは財政当局がかなり汗を流してやってくれているということがあります。やるべきことに集中投資をしながらこの枠を守るという事を進めてきています。そういう意味で単純に,何て言うか,一律カット,シーリングみたいなこととはちょっと違うような進め方をしてるわけですけれども,ただ,そういった「何を止めるのか」ということについても,もっともっと意識をした予算編成というのをやっていかなければいけないと思いますし,それは事業効果の観点,あるいは要するに,いっぱい色々やりたいことがある中で,きちんとプライオリティーをつけて事業を構成していくといったことを今後も引き続き努力していかなければいけないというふうに思っているところです。

(朝日新聞) 
 すみません。そういった意味では,県庁の職員さん,あるいは県庁全体の雰囲気としてこの4年間で,湯崎知事になってからいい方向に変わったというご認識でよろしいですか。

(答)
 実は今日ちょうど,広島県外から広島県に出向して,県庁職員じゃなく出向職員との会がありまして,色々会話をしてたんですけれども,今県庁の中で来てみてびっくりしたのは,非常に,1つはバタバタしているって言うとちょっと語弊があるんですが,常に見直しながら何をすればいいのかっていうのを常に回転をしてやってるっていうことと,それからそれをやるにあたって成果を意識して,最初の事業の企画をするところからこれは何を目指そうとしてるんだっけ,どういう事を達成しようとしてるんだっけ,ということを強く問うっていう姿勢があるという話を聞きまして。中にいると段々,連続的に変化していく部分もあるんでわかりにくいところもあるかもしれないんですけれども,外の目から見ると,「あ,広島県ってそんな所なんだ」っていうことで,もちろん,私が就任する以前のことは私はわからないんですけれども,その時から比べると,そういう思考というのは非常に強くなって定着しつつあるのかなっていうのが,ちょっと今日,感じられて嬉しかったなと思っているところです。

(事務局)
 そろそろ時間なので,今手が挙がっているところで。

(RCC) 
 RCCの真田です。
 先程の来年度への意気込みという部分にもつながるんですが,県民に方向性が良かったと感じてほしいとおっしゃいましたけれども,この4年間,最後の年を迎えるに当たって,知事が例えば具体的に4年間の成果を挙げるとすると,今年,新年度どういったことを達成したい,どういったことを達成したい,どんなような成果を県民に提示したいというふうにお考えでしょうか。

(答)
 4年目というか,それは4年間の蓄積というか累積の部分だと思うんですよね。それは例えば,経済面で言えばやはり新しいことが生まれているといったようなことですし,これまではひとつ大きな動きとしてあるのが観光ですよね。それから医療機器であるとか,あるいは環境機器,これは海外に展開しているといったことですけれども,こういったことが更に進んでいくということがひとつありますし,あるいは,観光という面だけで取り出した時に,広島県のブランド価値が上がってきているというようなことですよね。そういったこともあると思いますし,更にもう少し幅広い,先程のイノベーションというような点で言えば,今年重点的に取り組んでいくような創業支援というようなことがですね,また一定程度進んでこのダイナミックな感じが,早急にはこれも変わらないと思うんですけれども,何となく雰囲気が変わってきているよねというようなことがね,これは一般の県民の皆さんというよりは,事業に取り組んでいらっしゃるような方々に感じていただければなというふうに思いますね。
 あとはやはり暮らしの面なんかで,今一生懸命地域医療について取り組んでいますけれども,これもやはり段々と特に地域の医療が厳しくなっているというトレンドの中で,何とか戻そうとしている,こういうところにあるので,より良くなったなっていうふうに感心いただくのはなかなか簡単なことではありませんけれども,より今後,こういうふうな中でも,それほど心配しなくても安心出来る医療が確保されるなっていうことを感じていただいたりだとか,あるいは未来創造支援事業というのをやっていますけれども,中山間地域なんかで雇用あるいは農業の進展ということで,そういう中山間地域,過疎地域での明るい光が見えてきていると感じていただいたりとか,そういったことをお感じいただければなと思っています。例えばレモンなんかでも,今般の色々取り組んでいることで,農家の所得が上がっていくということがあるわけですけれども,そういったことなんかも感じていただけるとまた定着したいという若者も増えていくわけですし,結局は,何て言うか,大きな雰囲気であったりとか,そうでなければ非常に細かいディテールになっていくんですよね。ただ,それが感じていただければ僕は良いなというふうに思っています。

(RCC) 
 一言で言うと「前を向いて」とか「明るい方向へ」だとかいう・・・。

(答)
 「明るい方向へ」,そのとおりです。広島に生まれ住み,働いて良かったと思える方向に行ってるなということですよね。一言で言うと。

(事務局)
 では,最後。

(中国新聞)
 ごめんなさい。中国新聞の村田です。
 時間もないので1点だけ。事業のことですが,昨日北朝鮮の核実験を受けて,色々対応も考えられていると思うんですけれども,本年度の当初予算では朝鮮学校への補助金の支払いというか,計上されていないと思うんですけど,それについての理由と本年度未執行分の執行について,現時点で知事,この核実験を踏まえてどういうふうに捉えられていて,どういうふうな姿勢で臨まれるかというのを教えていただいていいですか。

(答)
 まず平成25年につきましては,今般,国の方でも支援しないという判断を明確に打ち出しているところでありまして,それを踏まえながらいろんな観点から検討したんですが,なかなか現時点においては県民の皆さんの理解を得るのが難しいのではないかというふうに考えておりまして,朝鮮学校への補助金というのは予算計上しないということにしているわけであります。今般北朝鮮が核実験を行って,これについてはもちろん広島〔県〕としては断固許せない行為だというふうに考えておりますので,これはしかるべく我々の考え方も伝えていっておりますし,これは許容しないという姿勢を強く維持していきたいと思っておりますけれども,そういう意味では25年〔度〕については,既にそういう判断をしていますので,そこについては変わらないということですね。

(中国新聞) 
 核実験をやったという実態を持ってですね,なかなか執行留保している本年度予算も執行することに対しての県民の理解をなかなか得にくいんじゃないかと思うんですけれども,その辺りについての知事の現時点でのお考えというのはいかがでしょうか。

(答)
 そうですね。これはまた国際社会の動きなんかも出てくると思うんですけれども,そういったことも含めて,総合的に検討して決定をしたいというふうに現時点では考えているということです。

(事務局)
 ごめんなさい。本当にこれで最後です。

(中国新聞) 
 中国新聞野崎です。
 鞆の関連予算が当初予算案に計上されていないと思うんですが,これの理由をまずお聞かせください。

(答)
 鞆につきましては,これはちょっと色々あるんですが,これはまず埋立架橋事業そのものについては,昨年6月に埋立架橋のような大きな港湾内の変更はしないというふうに方針転換をしていますから,この予算の計上はしていないということですね。
 新しい対応については,これはいろんなまちづくりあるいは道路整備について,これはトンネルというのが今の県の案があるわけですけれども,これについてはまだ住民の皆さんの理解が得られているという状況でもありませんので,これについても計上を最終的には現時点では見送るということにしています。ただ,今後住民の皆さんとの話し合いの中でこういうことについては進めていこうよというものが出てきたら,その時点でまた改めて計上していきたいと思っていますし,それがどのタイミングであるかということによって,補正予算を含めて適切に計上していきたいというふうに今は考えているところですね。

(中国新聞) 
 当初予算に計上しないことで,重要伝統的建造物もある中で鞆のまちづくりが遅れるんじゃないかという懸念を持つ住民もいらっしゃるかなと思うんですけども,その点についてどのように思われるかということと,この前住民とお話をされた時に,〔福山〕市と友好的な関係を築いてほしいというお話がありました。今補正〔予算〕の話もあったんですが,補正も含めた事業の予算化をする時に,福山市との関係というものも勘案するのかどうか,この2点をお聞かせください。

(答)
 いずれにしても,鞆のまちづくりあるいは鞆の振興を図るためには,出来るだけ早期にですね,今般,県が多少まとめてきましたけれども,これを多少手直しをするとか調整をするということがあったとしても,これを早期に実行していくということが非常に重要だと思うんですね。そのためには,そうは言っても住民の皆さんの理解を得ていく必要があるわけですから,そこに向けて努力というか,それをしていくことが重要かなと思っています。
 福山市との関係というのは,それは当然福山市と事業の中身に合意できなければ進まないことでありますので,特に福山市の分担部分というのが非常に大きいというか,あるいは福山市の試算をベースに進めるといったことがたくさんありますから,福山市との協力が不可欠であると思っています。

(中国新聞)
 最後に1点。そのために〔福山〕市長とのトップ会談みたいなものを開きたいというようなお考えがあるのかどうかということと,柔軟な姿勢とおっしゃいましたけれども,まちづくりについてトンネルがベースになると思うんですけれども,その他護岸整備だとか駐車場整備なんかを案として挙げられたと思うんですが,そういうことの変更もあり得るのかどうか,これを最後にお聞かせください。

(答)
 これは前回,鞆で申し上げたように,3点の大きな原則があると思うんですが,それについては変更するということはないと思ってます。これは住民協議会を経て中立的に掘り下げて架橋計画へ,なぜ賛成かということの裏にあるニーズであるとか,あるいは反対であるというところの裏にあるニーズであるとか,そういうことを掘り下げた上で,表面的に出てきている解決策について,これは良いとか悪いとかっていう部分じゃない根っこのところで共通する部分を拾って,県としての方針に落とし込んでいますので,そこの原則は変えるということはないと。ただ,その上で,逆に言うと,原則の上での何を具体的にやるかということはいくらでも柔軟に変えていけばいいと思いますんで,そういう方針で県としては臨んでいきたいというふうに考えているところです。

(中国新聞) 
 トップ会談について。

(答)
 トップ会談については,もちろんしかるべきタイミングで行なえればというふうに考えています。

(事務局)
 では,これで終わりたいと思います。ありがとうございました。

ダウンロード

 平成25年度施策及び事業案の概要 (PDFファイル)(5.77MB) 
 平成25年度当初予算関係資料 (PDFファイル)(5.56MB)
 施策マネジメントの実施状況 (PDFファイル)(809KB)
 施策マネジメントにおける見直し一覧 (PDFファイル)(1.55MB)
 

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