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知事記者会見(平成23年7月26日)

印刷用ページを表示する掲載日2011年11月1日

 記者会見などにおける知事の発表や質疑応答を広報課でとりまとめ,掲載しています。
 なお,〔 〕内は注釈を加えたものです。
 動画はYouTubeのサイトでご覧になれます。(別ウィンドウで表示されます)

 会見日:平成23年7月26日(火曜日)

 動画は次のリンクからご覧になれます。なお,動画の収録内容は下の発表項目及び質疑のとおりです。

【動画リンク】 1/3 2/3 3/3

 

発表項目

ひろしま産業新成長ビジョン~イノベーション立県を実現します~
「広島県の未来を考えてみよう!」に対する中高生等からの意見について
 
※上記項目の動画は上の動画リンクの「1/3」をご覧ください。

質問項目

「広島県の未来を考えてみよう!」に対する中高生等からの意見について
ひろしま産業新成長ビジョン~イノベーション立県を実現します~
 
※上記項目の動画は上の動画リンクの「1/3」をご覧ください。

第14回鞆地区地域振興住民協議会について
 ※上記項目の動画は上の動画リンクの「2/3]をご覧ください。

宮城県気仙沼高等学校 学習支援プロジェクトについて
気仙沼への震災支援について
国際平和拠点ひろしま構想について

 ※上記項目の動画は上の動画リンクの「3/3]をご覧ください。

会見録

 (幹事社:時事通信社)
 おはようございます。幹事社の時事通信の宮内です。では,知事の発表事項があるということですので,お願いします。

○ ひろしま産業新成長ビジョン~イノベーション立県を実現します~

(知事)
 はい。では,私からは2点発表項目がございます。
 1点目は,「ひろしま産業新成長ビジョン」であります。ちょっと長くなりますが,詳しく,お話をさせていただきたいと思います。 
 「ひろしま未来チャレンジビジョン」を昨年策定いたしましたけれども,その「未来チャレンジビジョン」が目指す「新たな経済成長」,この部分を実現するために,このたび,概ね10年先を見据えた県内〔本県〕産業の方向性や道筋を示す基本方針について,取りまとめをしたということであります。
 名称はですね,これまで「産業振興ビジョン」というような形で名前を付けてましたけれども,県のビジョンとしては「ひろしま産業新成長ビジョン」,副題を「イノベーション立県を実現します」というふうにしたところであります。
 内容はですね,目指すべき姿,つまり将来像として4点を挙げておりまして,1点目は経済社会情勢や市場の動向に柔軟かつ的確に対応できる「イノベーション立県」が実現していること」ということ。で,2点目は「アジアを中心とする成長市場を獲得をしている」ということ,で,3点目が「多彩な産業人材の育成・集積がイノベーションを生み出す源泉となっていること」,そして4点目が,「観光が本県の成長を支える産業の新たな柱となっていること」という4つであります。
 また,この目指すべき姿の実現のための基本方針としまして,3つ挙げています。1点目は「地域のイノベーション力」を徹底強化すること,2点目が本県の強みや強みの芽を最大限に活用すること,3点目は常にグローバル化の視点を持ちアジアの活力を取り込むこと,この3つです。
 で,次に「本県産業振興の方向性」でありますけれども,1点目として,次世代産業や交流・にぎわい型産業の新たな産業の育成に取り組むということとしているということ。次世代産業の育成という面では分野として,医療・健康関連分野と,環境・エネルギー関連分野を選定いたしまして,中でも特に,医工連携による医療関連や環境浄化分野におきましては,本県のものづくり技術や公害防止等で培った環境関連技術といった強みが活用できると考えまして,今後大きな成長が見込まれる分野であることから産業クラスターの形成を目指して重点的な取り組みを推進をしたいと考えています。
 また,基幹産業の競争力の強化としましては,次世代自動車への対応やものづくり産業の高度化,低炭素化,さらにはアジアを中心とする成長市場を取り込んだ事業展開としてマーケティング力の強化による成長市場への参入獲得や海外成長企業による県内投資の拡大,あるいは促進,そして優秀な海外人材の確保,観光客誘致の促進に取り組むこととしております。
 こうした本県産業振興の方向性に沿った取り組みを進めていくためには,「付加価値・競争力を高めるイノベーション力の強化」が必要であると考えまして,また,本県産業振興の方向性にあたらない分野,あたらないと言うか,大きなその他の分野ですよね,も含めて産業全体を下支えする必要があるということからですね,県内企業等のイノベーションを促進するための環境整備として,「危機意識とマインド」それから「人材」そして「研究・技術開発」そして「資金」そして「事業化」そして最後に「周辺環境」,この6つの要素を立ててこの要素ごとにイノベーション創出のための取り組みを推進するということとしております。
 この産業新成長ビジョンの実現に向けましては,当然のことながら県のみならずですね,企業,まあこの企業が一番大きな主体になる訳ですけれども,そして,その企業の集まりである経済団体,そして関連行政機関,市や町あるいは国の関連機関,そして産業支援機関,大学,金融機関,われわれ,産学金官と言い始めてますけれども,産学官じゃなくて産学金官ですね,と言い始めてますけれども,要するにみんなが一体となってですね,その方向性を共有して一丸となって取り組んでいくということが不可欠であると考えておりますので,こういった関係者に対して今後,積極的に一緒にやるということをですね,話し合っていきたいと,その上で,また具体的な取り組みを進めていきたいというふうに考えております。
 以上が「産業新成長ビジョン」であります。

○ 「広島県の未来を考えてみよう!」に対する中高生等からの意見について

 (知事) 
 2点目が,「広島県の未来を考えてみよう!」っていう「未来チャレンジビジョン」の中高校生に対する説明版があったんですけれど,それに対する中高校生からの意見についてであります。
 去年の「未来チャレンジビジョン」の普及・浸透の一環として今年の3月にですね,中高校生向けに先程申し上げた「広島県の未来を考えてみよう!」という冊子を配布をしたところでありますけれども,この冊子にはですね,冊子を読んだ中高生からの意見を募集するはがきを同封をしておりました。このはがき等を使って送られてきた意見について,今回ですね,7月15日までに頂いたものを取りまとめました。335件あります。ちなみに,中学生が98件,高校生が233件,その他・不明が4件あったんですが,これをホームページを通じて,私からのコメントを添えて公表するということにしたものであります。
 掲載場所は,資料に記載のとおりでありまして,今日から掲載を行います。今後とも随時,寄せられた意見に対しまして,私のコメントを掲載していくという予定にしておりますので,中学・高校の皆さんを中心にですね,夏休みの時間も利用して,是非,冊子を読んでいただいて,感想や将来の夢なんかをですね,送っていただきたいと思っております。冊子についてはですね,今はホームページにも載っておりますし,ご意見はですね,同封のはがきだけではなくても,メールでも結構でありますので,是非ですね,ご意見を送っていただければと思います。
 今後,こういったことを通じてですね,広島県のビジョンの理解が若い人にもですね,進んで,多くのご意見をいただくということを期待しております。
 ちなみに,このくらいいただいたんですけれども,これで300になるんでしたっけ。あ,ネットのやつがね。これは,はがきの分だけいただいてますけれども。こういう,テレビに名前が映っちゃうと,まあ,名前は書いてないけれども,映っちゃうとまずいと思いますけれども,まあ,こんな感じでですね,ご意見いただいてます。
 ひとつひとつは,もちろん短いものもあれば,こうやってちょっと丁寧に書いてあるものもいろいろありますけれども,いくつかカテゴリーに分けてですね,掲載をさせていただいております。
 はい。私からは以上であります。

(幹事社:時事通信社)
 
今,知事の発表された2点について質問のある社はお願いします。 特にないですか。

○ 「広島県の未来を考えてみよう!」に対する中高生等からの意見について

(RCC)
 
今の中高生の意見の内容としてですね,ジャンル分けという言い方がよいのか,どういったテーマでのご意見が多かったかという中身を。

(答)
 はい。中身的にですね,主なものとして4つあって,キーワードっていうか,で分けて考えると,人口減少や少子高齢化っていうのが1つと,それから経済活動をはじめとするグローバル化っていうのが1つと,それから県の魅力をPRすべきだっていうのが1つと,それから,今がんばっていること・将来の夢っていうのが1つ,今の4つ合わせてだいたい半数弱を占めてます。 これらについては主な意見としてホームページにも掲載させていただいて,私のコメントをつけてます。 その他にはですね,観光やエンターテイメント,施設とかですね,公共交通機関に関することだとか,あるいは子育てに関すること,そしてやはり,このタイミングだったので,震災に関連した危機管理といったようなことがですね,ご意見としていただいてます。 非常にですね,特に夢などについて読んでいますと,これまで,例えば広島県から外に出たいと思っていたんだけど,やっぱり広島県のためにがんばってみたいっていうふうに思ったっていう高校生とかいくつかあったりして,非常に心強いなというふうに感じたところですね。


(幹事社:時事通信社) 
 では,他にありませんか。 発表事項に関して。

(中国新聞) 
 中国新聞の加納ですけれども。 おはようございます。 先程の中高生からの意見についてなんですけれども,きた意見を読んで,知事が何かあの,これは是非取り入れたいとかですね,何かこうぐっときたようなものがあったかどうかをお聞かせください。

(答)
 そうですね。だから,今申し上げたようなですね,県のためにね,あるいはこの地域社会のために,自分も役立つ人になりたいというですね,そういうご意見が結構あったんですね。それは,ぐぐっときたっていうか,良かったなっていうふうに,改めて思いました。
 具体的な提言っていうのは,それほどたくさんあるというよりはですね,こういうふうに考えたとか,そんな問題があったんだとかそういう感想が多いんですけど。 提言の中ではやっぱり観光面とかですね,もっと広島,PRしてほしいっていうような話であるとか,あとは若者らしいなっていうのは先程エンターテイメント施設って言いましたけれども,テーマパークとか遊園地とかっていうのは広島あったらいいなっていう意見が結構あってですね,若い人っていうのはやっぱりそういうものを求めているんだなとかそれが実際に出来るかどうかは別としてそのように感じているんだなと。つまり,やっぱりなんていうか楽しさっていうかそういうものも若い人たちにとっては,それは中高生だけではなくてもうちょっと社会人の若い人たちっていうのも含めてだと思いますけれども,そういうものが必要なのかなといのは考えさせ〔られ〕るようなことがありましたですね。

○ ひろしま産業新成長ビジョン~イノベーション立県を実現します~

 (中国新聞)
 中国新聞の永山です。「産業新成長ビジョン」のほうでお伺いしたいんですけれども。ちょっと見させてもらうとですね,広く薄く企業を,産業を支援していくというよりはですね,強みを伸ばすというか,ある程度分野を絞って企業を支援していくというようなイメージなのかなって思ったんですけれども,従来の「産業振興ビジョン」なんかに比べてですね,どの点が一番強調したい点なのかっていうのをちょっと教えてもらえますでしょうか。

(答)
 大きく言って3つあって,1つは重点分野ということで医療関連,それから環境関連,特にその中でも医療機器・医工連携の部分とそれから環境浄化分野というのをですね,明確に打ち出しているということと,それから,そういった部分だけではなくて,この地域全体でどんな事業をやっていく上でもそうなんですけれども,そのイノベーションの雰囲気っていうのをですね,作っていくっていう基盤のところですね,そこを強く打ち出しているというところかなっていうふうに思ってます。

(中国新聞) 
 一方でですね,常に経営に困っている中小企業なんかもたくさんあると思うんですけれども,そういったところに対するケアというか,下支えというか,いったようなことについての考えはここにはどのように。

(答)
 それはあの,要するに商工労働局とかが取り組むすべてのことをここに書いてある訳じゃないんですよね。当然,金融対策だとかっていうのは引き続きやっていくわけですし,例えば雇用対策みたいなことも当然,引き続きやっていくわけですけれども,ここで言ってるのは,要するに伸ばしていくべき分野っていうのをどういうところに定めて何をやっていくのかっていうことに注目した計画ですからそういうことになってるっていうことですね。 つまり,商工労働局の活動の基本指針ではないっていうことなんで。


(幹事社:時事通信社)
 他にどうですか,発表事項について。

○ 第14回鞆地区地域振興住民協議会について

(幹事社:時事通信社)
 
では,幹事社からの質問をさせていただきます。 先日,第14回鞆地区住民協議会がありました。話の内容としては,バイパスの必要性という,ある意味核心の部分に入ってきたかなという感じがありまして,知事も報告も受けられたと思いますけれども,そろそろ第14回ということもあり,着地点というのが見えてきたでしょうか,ということですが。

(答)
 一昨日の事後の記者会見でもおっしゃってたと思うんですが,「議論しつくされたかと言うと,しつくされていないと思います」というふうに住民の皆さんもおっしゃっていると思うんですね。ですから,まだまだもう少し議論しなければいけないことがあるというふうにお感じになっているんだと思います。そういう意味ではそれを踏まえた上で,最終的にどういうソリューション,解決策というものを考えていくかということになると思うので,今の段階は,まだ話し合いの最後の局面なのかな,と。「話し合いの」というのは,何が問題であるのかとか,何が課題であるのかという部分の話し合いの最後の局面にあるんではないかな,というふうに思っています。

(幹事社:時事通信社)
 
ということは,まだソリューションというか,解決策と言いますか,そこまでではなくて,まだ課題を整理というか,ぶつけると言ったら変ですが,という段階という認識ということですか。

(答)
 今回はバイパスの必要性とその機能というテーマで話し合いをしていただいたわけですけども,かなりいろんなご意見,議論があったと聞いています。ご意見自体としては,生活道として地域住民のために必要であるという話から,沼隈半島全体の産業活性化のためにバイパスを造ってネットワーク化をする必要があるというような話だとか,あるいは逆に今の道路で十分じゃないかとか,もし造るとしても生活環境を極力変化させないように考えてほしいといったようなご意見だとか出ているんですけれども,要するにバイパスの必要性や機能について,かなり踏み込んだやりとりをしていただいたのかなというふうに認識をしています。
 最終的には,これも記者会見の中でかなり繰り返しやりとりがあったと思いますけれども,話し合いの最後で,いろんな課題に直面している人がいる,と。つまり,困っている人たちがいると。困っている人たちの気持ちを理解して,いろんな考え方がある方々が納得できるような解決策を考えていくことが必要ではないか,ということが共通の理解になったということでありますから。これだけ聞くとさらっとお聞きになるかもしれませんが,逆に言うと,困っていることを個々解決をしていきましょうということですから,それを積み重ねていくと,この先にまさにそれを全体として解決していくパッケージのような解決策というのを考えていくということになっていきますので,これも非常に大きな一歩であったかなというふうに,私としては受けとめてます。

(幹事社:時事通信社)
 
わかりました。質問のある方,どうぞ。

(NHK)
 
NHKの平間です。よろしくお願いします。 今の鞆の浦のお話で,最終局面というのは,協議会として最終的に架橋計画の扱いをどう判断するかという結論に向けての最終局面,という理解でいいですかね。

(答)
 最終局面と言ったのは,鞆にはいろんな課題がありますね,と。例えば交通量が多くて,お年寄りや子どもが危険な目にあっているとか,下水道整備を進める必要があって,そのための,例えば代替路というのも考えなければいけないかもしれないとか,あるいはなくてもいいじゃないかという話があります。いずれにしても下水道整備の話だとか,あるいは緊急車両の話だとか,あるいは生活環境の話だとか,あるいは観光をどう振興させていくのか,いろんな課題があります,と。
 その課題について,こういうものとこういうものとこういうものがある。例えば鞆の道を通るのに,「5分もかかる」,と認識するのか,「5分しかかからない」,と認識するのかで受けとめ方が違うんだけれども,「じゃあ5分はかかるんだ」ということが共通理解になったとしたら,それはそういうものである,とか。そういうふうに,あることについて受けとめが少し分かれることがあるかもしれませんけども,こういう課題がありますよね,と。それについて,今申し上げたように,困っている人の気持ち,困っている人というのは,まさに下水がなくて困っているとか,トイレが水洗できなくて困っているとか。そんなのはどうでもいいじゃないですか,ということじゃなくて,それはちゃんと取り上げて,考えていかなければいけませんよね,というところに来ているということだと思っているので,そういう意味での課題を共通のものとして認識をしていくというところの最終局面に来ているのかなということです。
 その上で,それを解決する方法というのを考えるということでありますので,その解決する具体的な方法を何にするかということについては,私は以前から申し上げてますけれども,住民協議会の中でそこまで,「あ,これでいいじゃないですか」というところまで行き着けば,それは最も望ましいことだと思いますし,仮にそこまで行き着かなくても,私はそこの課題が,「ここは共通」,「ここは価値観が違って受けとめ方が違う」というようなところが分かるところまでいくというのが,最低限のラインかなと思ってるんで。
 そこの課題認識のところの最終局面である,という認識ですね。

(NHK)
 
すみません,そうしますと,急かすわけではないんですが,架橋計画の結論が出るまでの道のりでいうと,今の話し合いの段階というのは,どの辺にあるとお感じですか。例えばマラソンで言うと,折り返し地点を越えたのか,どうなのかとか。

(答)
 かなりそういう意味では,ゴールに近づいてきているような感じがしますよね。

(NHK)
 
どの辺ですかね。

(答)
 どの辺というのは,具体的にあれですけど。これから先,マラソンで言えば一番きつくなるところだと思うんですよね。エネルギー切れというか,ガソリン切れを起こす,そういうところに差し掛かっているのかなというふうに思うので,ここは,住民の皆さん,本当にここまで走っていただいて,大変お疲れだと思うんですけれども,最後もう少しご協力をいただけると大変ありがたいなと。それは何よりも鞆のためでもあるので。そのために仲介者お二人もずっとこうやって毎回来ていただいて,ご尽力いただいて。東京でも,いろいろ,ああしよう,こうしようと資料の整理も含めて,相当の時間を使っていただいているので,もうひとふんばり継続していただけるとありがたいなと思っているところです。

(中国新聞)
 
関連してなんですけれども,協議会で,先ほど知事が「最後,一番きつくなるところ」ということをおっしゃったと思います。今,バイパスのことについて議論をされているんですけれども,これからまたさらに難しい景観の問題も入ってくると思います。「一番きつくなる」というのは,こうした難しい課題のことをおっしゃって・・・

(答)
 内容ということではなくて,一年以上経っているという時間の問題ですよね。それから,これも前から何度か申し上げてますけども,一旦立場を離れて課題に集中していかないと,なかなか話し合いって進まないと思うんですけれども。その部分ですよね。それが出来て,本当にお互いがある程度納得できるようなところに行き着くんではないかというふうに思いますので,そういう意味での「きつさ」というのはあるんじゃないかなと思いますね。

(中国新聞)
 
すみません,それは時間的に1年以上経ったということの「きつさ」と,あわせて,その立場を取っ払った議論に最終的に行き着くことへの「きつさ」という意味ですか。

(答)
 そうですね。

(中国新聞)
 
環境のところは難しいテーマなので,ということとはリンクしないんでしょうか。

(答)
 そういう面も出てくるかもしれないですね。ただ,それは今バイパスのところでも既に入ってますし,既に直面はしてるんですけど,皆さん辛抱強く議論いただいてると思ってますんで,内容そのもののセンシティビティ〔感度〕というよりは,そういった時間とか,今申し上げたような本当に腹を割って話し合いをするということの難しさの部分かなと。だいぶ皆さん,本音をおっしゃっていただいてると思うんですけど。それを継続していくということの難しさ,大変さとか。出席されている皆さんは「我々,代表じゃない」っていうふうによくおっしゃいますよね。それなんかも,やっぱり周りの住民の方とのやりとりやプレッシャーとか,期待だとか,いろんなものがあると思うんですよね,それを受けてあの場にいらっしゃると思うんで,そういうものも含めて発言をしていく,という難しい面があるんではないかなというふうに思ってます。

(読売新聞)
 
すみません。読売新聞の平井です。 先ほどちょっと時間の問題ということの補足なんですけれども。1年以上経ってて,色々進展してないというか,まだ解決できないみたいな焦りとかもあると思うんですが,そういった焦りとか出てきているんじゃないかと・・・

(答)
 いやいや,そうじゃなくて,単純に,物理的に,月に1回,夜6時から。記者会見終わるのは何時位ですかね。

(事務局)
 9時半位です。

(答)
 9時半位ですよね。記者会見の後も,ちょっとお話をされたりして帰られてると思うんで。事前を含めてかなり長い時間拘束をされて参加されているんで,そういうところもお疲れになるだろうなと思いますね。

(読売新聞)
 前回出た課題で,生活道路として,産業活性化として必要だ,みたいなことがあったと思うんですが,そういった課題について,今後県側から何か代替案を提案するという流れなのか,それとも改めて住民に先ほど出たような,産業活性化のために何が必要ですか,ということを考えてもらうとか,今度どういうプロセス
に・・・

(答)
 それは,沼隈半島の産業活性化っていう部分ということですか?そこの部分について。

(読売新聞)
 
そうです。例えば。

(答)
 例えばっていうか・・・

(読売新聞)
 
その課題を皆さんで今度考えていきましょうと。困っている人のために何が必要かを考えていくということというのは,どういう形で具体的に進んでいくというイメージなのかな,と思って。

(答)
 引き続き,今やっているような話し合いを進めるということだと思いますけど。「沼隈半島の」というのが例に出てきたから分かりにくくなったかもしれませんけど,基本は鞆の話をしているわけですよね。沼隈半島全体のというのは,これは今の我々の認識から言うと,このバイパスが出来ることが直接大きな経済効果を生んでいくのとは少し離れつつあるのかなというふうに思ってますので。もちろん,一定の効果はあると思ってますけど,沼隈半島全体の産業活性化のためにこの道路を造るんだ,という認識では・・・。道路というか,架橋ということを言ったら,そのためにこの橋を造るんだという認識ではないと思ってます。

(読売新聞)
 
はい,ありがとうございます。

(NHK)
 
すみません,ちょっと,今の鞆の浦に関連してなんですけれども。 「これから一番しんどいところだ」というのは,内容的なことじゃなくて,時間的なことというお話ですけれども,1年ちょっとやってきて,もう間もなく一番しんどいところ,ゴールに近づいているということで言うと,時間的に単純に考えると,もうあと1年ちょっとかからないと。逆に言うと,あと数か月とか,年内でゴールに到達するという理解でいいですか。

(答)
 それは,これも繰り返し申し上げてますけども,残りどういうふうに議論が進められるかということに大きくよると思うんですよね。立場を離れて,お互いに腹を割って,本当に困っている人たちがいて,そこにどうすればいいのか,あるいはこの問題は重要だから解決するべきだよね,という認識を腹を割って共有していただければ,あっという間に駆け抜けることができるだろうと思いますし,そこが,立場に戻って腹を割った議論ができないと,結果として時間がかかってしまう可能性があるかなとは思っています。

(NHK)
 
ありがとうございました。

(中国新聞)
 
すいません。ちょっと言葉の確認をさせてください。 先ほど,「バイパスが出来ることで経済効果を発するということから少し離れつつある」ということをおっしゃったと思うんですけれど・・・

(答)
 いやいや,違いますよ。経済効果を発することがないと言ってるんじゃなくて,沼隈半島全体の活性化のために,この橋をかけるんだというところとは少し離れつつあるのかな,という・・・

(中国新聞)
 
それは,この協議会の中で離れつつあるということですか。

(答)
 いやいや,違います。今の産業の実態として,道路があって,沼隈半島全体がネットワーク化されるということはある程度大事だとは思っています。ただ,それは,ある意味でいうと,全体のつながりという意味では,必ずしも厳密にここを通らないといけない,というわけではないので,鞆との関連は必要ですけれども,それはいろんな考え方はあるだろうな,ということだと思います。
 むしろ,課題として重要なのは,バイパスなり道路が,鞆の地域に対してどういうインパクトを与えているか,というほうが,重要であろうと認識をしているということですね。

(幹事社:時事通信社)
 
では,鞆の問題に限らず,何かありますか。

○ 宮城県気仙沼高等学校 学習支援プロジェクトについて

(毎日新聞)
 
毎日新聞の寺岡と申します。先ほど,県教委の方から夏のトップリーダーハイスクールに,気仙沼の高校が参加されるということだったんですけれども,学習合宿の期間が8月5日から8日なんですけれども,8月6日の日の8時15分であったりだとか,式典とかの時間帯に何もしないということだったんですけれども,プログラムとして何も入ってないと,自由時間なので見る人は見るんじゃないかというような見解だったんですけれども,8月6日というのは広島にとって特別な日だと思うんですが,そこで何もしないということに関する知事の見解をお伺いしたいということなんですが。

(答)
 私は,それはもう単純で,「8.6」の問題については,強制をするものではないと思うんですね。それは,どの学校でも,小学校なんかは登校日になっているところが多いですけれども,強制登校日ではありませんし,何か勉強のために合宿をしているわけですけれども,たまたまそういう目的で集まっているから,その子たちに対して強制的に何かをしなさいというのはですね,むしろ「8.6」趣旨に反しかねないことにもなるんじゃないかなと,むしろ自主的な気持ちをもってやってもらうのが正しいことなんじゃないかなというふうに思います。

(毎日新聞)
 
確認ですけれども,自主的にやることだから,特に今後スケジュールの変更とかという指示はしないというようなことでいいですかね。

(答) 
 それは私はするつもりはありません。

○ 気仙沼への震災支援について

 (中国新聞)
 
今回の気仙沼の支援ということで,ずっと県としては気仙沼に対する支援というのをやってこられていると思います。6月の施策提案の中でも,支援自治体と受入自治体のマッチング。気仙沼に集中支援しているメリットというか,狙いというか,どういったところにあるかということについて,改めてお聞かせいただけたらと思いますが。

(答)
 メリットというか,いろんな経緯から関係が深くなっていったというのが実態じゃないかと思っていまして。ただ,継続してご支援申し上げると,当然内容的な引継ぎというのはできてきますので,そういう面での円滑な支援というものにはつながっていると思います。

(中国新聞)
 
あんまりあってほしくない話ですけれども,今後,大規模災害なんかで,引き続きノウハウとして生かせるものになりつつあるというお考えでしょうか。

(答)
 まさにそういうことで,ばらばらと入れ代わり立ち代わりいろんなところが支援に入ってくると,支援を受ける側も大変だと思いますし,支援する側も地域特性というのがわからないので,大変だと思うんですよね。そういう意味では,マッチング的にしっかりと地域を決めてやっていくというのは意義があるんじゃないかなというふうに思います。

(幹事社:時事通信社)
 
それでは,最後の質問ということで。

○ 国際平和拠点ひろしま構想について

(産経新聞)
 
産経新聞山澤と申します。よろしくお願いします。 先週の〔7月〕21日に,東京の外国人記者クラブ〔日本外国特派員協会〕のところで,国際平和拠点構想について講演をされた件なんですけれども。現地には取材はできなかったんですが,まずは手ごたえをどういうふうに感じていらっしゃるかということ1点と,伝えられるところによれば,核廃絶の問題と,今非常に注目が高まっている脱原発の議論とは切り離して考えるべきだというようなお話をされたということですが,この真意と,一方で日本被団協なんかは,脱原発に舵を切らなくちゃいけないということで,方針を転換するということもあるわけですけれども,そういった中で県として,脱原発と切り離して考えるべきではないかということ,被爆者団体との関係について,どういうふうに考えていらっしゃるかということをお聞かせください。

(答)
 手ごたえという意味では,最初,部屋に入ったときは「何の話なのかな」というのは,たぶん皆さんあまりご理解いただけてなかったと思いますし,やや戸惑いを感じられてたんじゃないかなというような雰囲気だったと思うんですけれども,話をするにしたがって,「あぁ,そういうことを考えているのか」というふうにご理解いただけたのかなと。それについては,大変なことではあるけれども,いいことではないかな,と。それは是非進めていってほしいというような雰囲気になったのかなというふうに受けとめてます。
 そういう意味では手ごたえがあったということだと思うんですけれども,核兵器と原発の話については,いろんな見方がもちろんあると思うんですけど,私自身は,原発というのは一定のリスクを伴ったものである,と。今回のように非常に危険な事態に陥る可能性をはらんだものであるというものではあるわけですけど,リスクがあるものと,まさに殺傷と破壊を目的にした究極の兵器を同列に扱うということは,むしろ核兵器の非人道的な側面,邪悪さというものを薄めてしまうんじゃないかなと思うんですよね。だから同列に比較するのは適切ではないかなと。放射線被ばくについて,それをなくすべきだとかは当然のこととして,それは言ってみれば,例えは難しいですけれども,いろんな化学薬品をいろんなところで使いますけども,その化学薬品と化学兵器とを比較できないと思うんですよね。兵器は兵器なんで。それを同列に論じ始めると,核兵器って原発みたいなものなの?っていう逆の効果になっちゃう気がしてですね,私は適切じゃないんじゃないかなと思います。

(産経新聞)
 
ありがとうございました。追加なんですけども,そうしますと,今後とも県としては脱原発というようなことについて,積極的にアナウンスというかアピールしていくようなお考えはないということでよろしいんでしょうか。 というのは,今,全国の自治体の中でも,「卒原発」,「脱原発」とか言葉は違いますけれども,首長の中でそういった議論があるわけですけども,現時点広島県の舵取りをされている湯崎さんとしては,在任中そういうお考えは今のところないということでしょうか。

(答)
 僕が繰り返し申し上げているのは,原発については,エネルギー問題であるので,エネルギー問題について包括的な議論をする必要があると。その上で,原子力が少ないほうがいいだろうとか,自然エネルギーが増えたほうがいいだろうというところはいいと思うんですけれども,「脱原発」とか,「卒原発」ということが本当に言えるのか,と。いうことはですね,現状だと分からないと思うんですね。それは,そういうふうにおっしゃっている一般の人,あるいは政治家なりリーダーシップを持っている人も,そこまでまだ検証しておっしゃってないと思うんですよね。だけど,実際コストがどうなのかとか,あるいは原発を減らしていく速さによっては需給ギャップが出てくるわけですから,ひとつはコストの問題だったりとか,あるいは節電をある意味で言うと代替電源にしようと言う考えもあると思うんですけれども,本当にどこまで我慢できるのか,と。私,エアコンなしで部屋〔知事室〕にいるのをご存知だと思いますけれども,今日みたいなワイシャツを着ているとすごく暑いんですよね。だけど,今,原発をなくせといったら,3割減ってエアコン付ける場合じゃないという話になるし,生産だって止まる話ですから,どこまで我慢できるの,という冷静な議論なしに,何か早急な結論を得るべきではない。
 今,ムードで流れているからこそ,私は政治のリーダーははっきりと冷静な議論をするべきであるという議論をするのが正しいんじゃないかと思ってますので,そういうふうに申し上げているということですね。
 それを踏まえて,客観的な判断をできるようになったら,そこではいろんな意見をつくることができると思うので,そうなったら,またいろいろと考えたいと思ってますけれども。

(幹事社:時事通信社)
 
では,時間になりましたので。どうもありがとうございました。

(答)
 ありがとうございました。

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