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感染症の基礎知識

印刷用ページを表示する掲載日2013年2月14日

感染症とは

 感染症とは,ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入して増殖し,発熱,下痢,せきなどの症状がでる病気のことをいいます。感染症には,人から人へ感染する伝染性の感染症のほかに,ツツガムシや破傷風などのように人から人へは感染せず,動物や昆虫または傷口から感染する非伝染性の感染症も含まれます。感染してもほとんど症状が現れずに終わってしまう場合もありますが,症状が現れると治りにくく,時には死に至るような感染症もあります。

 感染症を大きく分けると次のようになります。

ア 感染経路で分けると

1 空気感染感染した人から排出される病原体を含む飛沫(エアロゾル)が,飛沫核(直径約5μm以下)となって空中に浮遊し,それを吸入して感染
2 飛沫感染感染した人から排出される飛沫(直径約5μm以上)を吸入して感染
3 接触感染感染者の病原巣や病原体と直接に接触して感染
直接接触感染(キスや性交など)
間接接触感染(病原体が付着したものを介して)
4 経口感染病原体が経口的に消化管から侵入して感染
水系感染(飲用水などが病原体に汚染され人へ)
食物感染(病原体に汚染された食物を摂取して感染)
5 経皮感染病原体が皮膚を通して感染

イ 病原体で分けると

1 ウイルスによるものインフルエンザ,SARSなど
2 細菌によるものコレラ,赤痢など
3 寄生虫,原虫によるものマラリア,クリプトスポリジウム症など
4 その他(真菌など)によるものコクシジオイデス症など

感染症発生動向調査

 感染症発生動向調査事業として,「中央感染症情報センター」(国立感染症研究所)が,全国の感染症情報を提供しています。

「手洗い」と「うがい」による感染症の予防

 感染症の予防を呼びかける文章でよく目にする「手洗い」と「うがい」。ただやっておけば効果が期待できるわけではありません。何のために必要なのかを理解して,効果的に行いましょう。 この2つを行う意味は,「自分の体の中に病原体を持ち込まない」ということです。多くの病原体は,のどや消化器官の粘膜,目の粘膜,鼻の粘膜から感染します。これらの粘膜に病原体の付いた手で触らないために,「手洗い」を行います。また,呼吸によってのどの粘膜に付いてしまう病原体を洗い流すために「うがい」を行います。

「手洗い」の注意事項 : 環境中にばらまかれた病原体の多くはしばらく生きています。これに触れることにより手に病原体が付いてしまいます。病原体が付いた手で「目をこする」「鼻をほじる」「物を食べる」などを行うと,病原体が体に侵入する手助けをしてしまうことになります。「手洗い」を頻繁に行っていても,何かに触った後でこれらのことをやってしまうと,「手洗い」の意味はなくなってしまいます。

「うがい」の注意事項 : 空気中にばらまかれた病原体にはしばらく生きているものがいます。電車内など人が多く集まる閉鎖された場所の空気中などには,多くの病原体が漂っており,それを吸いこんでしまう可能性があります。外出から帰ったら「うがい」をするのが感染症予防には効果的です。出かける前に「うがい」をしてもあまり意味はありません。ただし,家の中に患者がいる場合には,患者からの感染を防ぐ効果はあります。

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