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【レポート】「働きがい」が企業発展のカギ 県内企業3社が「働きがい」向上の成果を発表!(令和3年度働きがい向上企業コンサルティング事業)

印刷用ページを表示する掲載日2022年3月28日

  働きがい企業コンサルティング事業


県内モデル企業3社が約9か月間にわたり,専門コンサルタントの伴走支援のもと「働きがい」向上に向けた取組を進めてこられました。
「働きがい」向上は,休暇の取得促進や時間外削減といった目に見えやすい取組と異なり難しいテーマですが,三者三様工夫を重ねて取り組んでこられました。各社で取組内容は異なりますが,共通しているのは,「働きがい」が企業の持続的発展に不可欠であるという考えです。取組の集大成である「成果発表会」の発表内容の一部をご紹介します。(令和4年2月24日にオンラインにて開催)

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※「働きがい向上企業コンサルティング事業」は,県内企業の働き方改革を「働きやすさ」から「働きがい」へとステップアップするためのモデル事例創出プログラムです。
「働き方改革実践企業認定制度」認定企業3社(モデル企業)対象にコンサルティングを実施し「働きがい」向上に取り組むことが経営上のメリットにつながることを実証し,その取組内容と成果を公表することで,県内企業の「働きがい」向上に対する取組意欲を引き上げることを狙いとしています。

1 株式会社ハマダ (安芸郡府中町/製造業) 

問題解決力・課題解決力の向上が働きがい向上につながる

2018年に,「100億円企業を目指す」「海外事業を確立する」など2028年に向けた4つの経営目標を掲げました。目標達成のためには自律型従業員の育成が不可欠であり,育成する上で重要となるのが「働きがい」であると考えています。
「働きがい」の現状を把握するため従業員サーベイを実施したところ,「ムリ・ムダ・ムラがあり仕事が属人化している」「能力不足でストレスを感じる」「上司とゴール,目標を共有できていない」といった課題が明らかになり,社内で複数のプロジェクトチームを立ち上げて働きがい向上に取り組むこととなりました。 ・・・続きはこちら (PDFファイル)(93KB)

ハマダ

2 共栄美装株式会社 (広島市西区/廃棄物処理業)

新3K運動「一人一役全員主役」

制度,待遇や福利厚生施設の充実を進め,2020年に「働き方改革実践認定企業」となりました。その後,新たな人事評価制度を導入するなど,従業員が夢や目標を持ち,それをかなえられる会社となることを目指していましたが,それには「働きがい」が不可欠であると考えるようになりました。
当社の従業員のモチベーションの源泉は,住民や顧客からの感謝の声や,仕事への誇りです。また,当社は「回収するだけでは終わりたくない。地域のため,未来のため,私たちは,誇りと使命をもち住環境を守ります」というビジョンを掲げており,このビジョンのもと,会社や仕事への誇り・地域への貢献意識を育み,ボトムアップでより良い会社を従業員と共に創りたいと考えました。そこで,全員参加の「新3K運動」 (「3K」(きつい・汚い・危険)」 を,「新3K(きれい・かっこいい・志高い)」 に変える運動)を展開することとしました。・・・続きはこちら (PDFファイル)(114KB)

共栄美装

3 株式会社サンヨーフーズ (廿日市市/製造業)

~ALL クリーン・ALL クリア(輝く未来のために)~

小集団活動を通じた業務改善により、働きやすい職場環境づくりは整ってきましたが、一方で,制度がクリアでない,自分の仕事に誇りを持てない,という従業員の声が挙がっていました。
そこで、当社は「人を活かし,品質を極める」という企業理念と様々な制度を連動させ、組織力の強化を図ることにしました。人事制度の再構築、理念・ビジョンの浸透、魅力ある管理職づくり、連帯感UPにより、従業員が「働きがい」を感じ,誇りを持てるクリーンな会社を目指したいと考えました。・・・続きはこちら (PDFファイル)(103KB)

サンヨーフーズ

講評 県立広島大学大学院 経営管理研究科 教授 木谷 宏氏

コロナ禍で大変厳しい環境の中,各社素晴らしい取組をされていらっしゃいました。これを実現したのも,各社経営者の強いリーダーシップとサポートがあったからこそと考えております。

ハマダさんの取組は,「バックキャスティング型働きがい向上モデル」と呼べるでしょう。100億円企業を目指すために,いったい何をすべきなのか。現状の積み重ねである「フォアキャスト」ではなく,あるべき姿から今やるべきことを逆算していく「バックキャスト」の手法によって働きがい向上を試みました。

共栄美装さんは「ビジョン掘り下げ型」です。ビジョン実現のための「新3K運動」を全員参加で立ち上げ,「きれい・かっこいい・志が高い」とはどういうことかを具体的な行動によって掘り下げました。そのプロセスこそが働きがいの向上につながったのです。

サンヨーフーズさんは「ミドル支援型」です。働きがい向上の取組におけるミドルマネジャーの重要性が様々な調査からも指摘されています。多様性を推進する取組も見事でした。

各社の発表で共通していたのは,理念・ビジョンを徹底されていた点です。「働きがい」向上において,理念・ビジョンの重要性が改めて明確になったのではないかと思います。また,各社,従業員が参画する小集団活動により取組を進められていた点も共通しています。経営者や人事・総務部だけではなく,多くの従業員の方を巻き込んで取り組まされていました。

今後取組を継続される上で留意いただきたいのは「人材不足」です。人材が不足すると,「働きがい」以前に「働きやすさ」が脅かされてしまいます。今後,副業や企業間の人材共有といったことも視野に入れていただくのも良いのではないかと思います。また、「女性活躍推進」といったテーマで,3社による合同プロジェクトなどを立ち上げられても面白いでしょう。

木谷教授

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