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廃棄物処理・リサイクル事業 環境影響評価準備書に係る知事意見

印刷用ページを表示する掲載日2011年12月1日

 

 基本的事項

〇 予測の前提として使用した現況調査の結果及び既存資料の解析結果などについては,資料編として評価書に記載すること。

〇 当該施設の施設管理や燃焼管理等については,具体的な管理基準及び管理方法について記載すること。

〇 工事中及び供用後において,事前に予測し得なかった環境問題が生じた場合,又は予測等に用いた計画諸元をやむを得ず変更する場合は,速やかに調査等を行い,関係機関と協議の上,適切な措置を講じること。

〇 工事中及び供用後における環境保全措置を的確に履行するとともに,最新の技術・工法等を積極的に採用し,環境負荷の低減に努めること。

〇 環境に係る苦情の申立てがあった場合は,直ちに,その原因を調査し,誠意をもって苦情解決のための必要な措置を講じること。

個別的事項

1 大気環境

 (1)大気質

ア 排出ガス

〇 当該施設の稼動とそれに伴う現有施設の廃止による影響を予測しているが,当該事業計画地周辺への新たな排出源の立地計画状況を踏まえ,バックグラウンド濃度の変動についても考慮すること。

〇 逆転層出現率について検討し,逆転層の出現頻度は低いとして,予測の前提に逆転層を考慮していないが,逆転層出現率の年変動について検討し,調査年の逆転層出現率が平年並でない場合には,逆転層出現による排出ガスの環境予測濃度への不確実性を明らかにすること。
 [以上排出ガス全項目共通]

〇当該事業の実施による環境濃度への影響は現況をわずかに下回ると予測しているが,当該地域が硫黄酸化物の総量規制地域や公害防止計画策定地域であることなどから,脱硝触媒等のより効果的な排ガス処理施設の設置を検討し,ばい煙量の一層の低減を図ること。また,環境保全措置に係る時系列的又は並列的に検討した過程の記載においては,処理効率等の排出諸元の設定根拠を明らかにすること。
 [硫黄酸化物,窒素酸化物,浮遊粒子状物質,塩化水素共通]

〇 排出ガス中のばいじん及びダイオキシン類の環境保全対策については,選定に至る検討過程を記載することにより,より良い技術が導入されていることを明らかにすること。また,環境保全措置に係る時系列的又は並列的に検討した過程の記載においては,処理効率等の排出諸元の設定根拠を明らかにすること。
 [浮遊粒子状物質,ダイオキシン類共通]

〇 当該施設の排出ガスによる環境影響については年平均値及び日平均値の2%除外値等について予測を行っているが,1時間値の環境基準が定められている物質については,気象条件等により高濃度となる条件における1時間値についても予測・評価を行うこと。
 [硫黄酸化物,浮遊粒子状物質共通]

〇 二酸化窒素の予測には,二酸化窒素への転換率及び日平均値の年間98%値への換算係数等の不確実性があること,浮遊粒子状物質の予測には,二次粒子生成や日平均値の年間98%値への換算係数の不確実性があることから,これらの不確実性を明らかにすること。
 [窒素酸化物,浮遊粒子状物質共通]

〇 施設の稼動に伴い,水銀及びその化合物だけでなく,その他の有害大気汚染物質についても排出が懸念される物質については排出口調査を行い,環境影響が懸念される場合には,周辺環境での事後調査を検討すること。
 [水銀及びその化合物を含む有害大気汚染物質共通]

〇 浮遊粒子状物質やダイオキシン類の予測には各種の不確実性があること,浮遊粒子状物質の予測において環境基準を超える可能性があること,また当該事業によるダイオキシン類発生量は当該地域における寄与率が高いことが想定されることから,排出口のみならず周辺環境においても事後調査の実施について検討すること。
 [浮遊粒子状物質,ダイオキシン類共通]

イ 廃棄物等の搬出入

〇 予測に当たっては,焼却処理を行う廃棄物の搬出入に伴い増加する交通量による影響について行っているが,廃家電リサイクルなど関連事業により増加する交通量の影響についても予測に含めること。

〇 自社保有の廃棄物搬出入車両等へのDPF装置の設置や天然ガス車等の低公害車採用など計画的かつ積極的な環境保全措置を検討すること。
 [以上窒素酸化物,粉じん等共通]

〇 道路端での予測に当たっては,現況交通量による道路端への環境影響を明らかにした上で,新たに発生した交通量による二酸化窒素寄与濃度を含めた濃度を予測し,環境基準との整合性について評価すること。
 [窒素酸化物]

〇 車両の運行に当たっては,まきあげ粉じんの防止のみならず,過積載や急発進の回避など黒煙発生防止に係る環境保全対策についても検討すること。
 [粉じん等]

 ウ 資材等の搬出入

〇 車両の運行に当たっては,まきあげ粉じんの防止のみならず,過積載や急発進の回避など黒煙発生防止に係る環境保全対策についても検討すること。
 [粉じん等]

 エ 工事の実施

〇 建設工事の実施に当たっては,良質燃料の使用,排出ガス対策型建設機械の採用,工事区域の遮蔽などの環境保全措置について検討を行うこと。

(2)騒音・振動

ア 建設機械の稼動

〇  工事の実施に当たっては,積極的な低騒音型建設機械や低振動型建設機械の採用や環境負荷の小さい新しい工法の導入に努めるとともに,周辺への影響が大きい建設機械,車両等については使用時間帯に十分配慮すること。
 [騒音,振動共通]

〇 杭打機による騒音予測において,工法に係る予測諸元の設定に関し振動の予測との整合性を図るとともに,環境影響の低減について検討すること。
 [騒音]

イ 資材等の搬出入

〇 振動の予測式について現況再現の検討を行い,不確実性について評価すること。
 [振動]

ウ 施設の稼動

〇 施設の稼動に伴う騒音の予測において検討した環境保全措置においても,特定工場等の規制基準と同等の騒音の発生が懸念されることから,騒音予測値に対する発生源ごとの寄与率を明らかにした上で,効果的な環境保全措置の可能性の検討を行い,一層の環境影響の低減に努めること。
 [騒音]

エ 廃棄物等の搬出入

〇 予測に当たっては焼却処理を行う廃棄物の搬出入に伴い増加する交通量による影響について行っているが,廃家電リサイクルなど関連事業により増加する交通量の影響についても予測に含めること。
[騒音,振動共通]

〇 振動の予測式について現況再現の検討を行い,予測の不確実性について評価すること。
 [振動]

(3)悪臭

〇 排出ガスによる悪臭の予測では,有風時のみの予測となっているが,弱風時及び無風時における環境影響についても予測を行うこと。
 [排出ガス]

〇 廃棄物の種類ごとにその保管場所等を明らかにするとともに,悪臭の発生が懸念される保管場所については環境保全措置を検討することにより一層の悪臭の低減を図ること。この場合,ドラム缶破砕設備についてはその詳細を記載するとともに,液状廃棄物の保管については具体的な悪臭防止対策を明らかにすること。

〇 廃棄物ピット棟からの悪臭に係る環境保全措置については,廃棄物ピット棟の構造を含め明らかにすること。また,固形廃棄物焼却炉が停止している状態における環境保全措置についても明らかにすること。
 [以上施設の稼動]

〇 事後調査においては当該施設による悪臭に係る地域の状況が明らかになるよう,悪臭の影響が最大となる気象条件や操業状態等を勘案して行うとともに,その頻度についても検討すること。
 [排出ガス,施設の稼動共通]

2 景観

〇 当該地域は緑被率が低いことから,事業計画地への積極的な植栽計画を策定すること。

3 廃棄物等

〇 現有焼却施設の解体作業に当たっては,シート養生の密閉構造及び排気処理並びに環境大気及び周辺土壌に与える影響についての調査計画を策定すること。また,それに従った調査結果は公表を行うこと。この場合,厚生労働省マニュアルの公表時期により,それらの措置が評価書に記載できない場合には,それらの公表方法を明らかにすること。

〇 施設の稼動により発生する廃棄物は自社管理型最終処分場への埋立処理を行うとしているが,管理型最終処分場への埋立基準の確認方法について,検査の方法,項目,頻度及び基準等を明らかにすること。

4 温室効果ガス

〇 温室効果ガスの予測に当たっては,当該施設における発電による間接的な削減率のみ評価しているが,現有施設に係る二酸化炭素排出量との比較についても検討すること。

5 その他

〇 排水の一部は最終処分場の余水処理施設で処理し公共下水道へ排出するとしているが,この排出水に係る水質検査の項目,頻度及び基準等について明らかにすること。

〇 当該事業に関連する廃家電リサイクル事業において回収した冷媒用フロンの処理法を明らかにするとともに,断熱材フロンについてはその回収・破壊技術の開発動向を踏まえた処理方法の検討を行い,環境負荷の低減を図ること。


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