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ダイオキシン類対策特別措置法に基づく規制の概要

印刷用ページを表示する掲載日2023年9月25日

  ダイオキシン類が人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあることにかんがみ,ダイオキシン類による環境汚染の防止及びその除去などをするため,ダイオキシン類に関する施策の基本とすべき基準を定めるとともに,必要な規制,汚染土壌に係る措置などを定めることにより,国民の健康の保護を図ることを目的としています。(第1条)

1 ダイオキシン類に関する施策の基本とすべき基準

(1) 耐容一日摂取量(TDI)(第6条) 人の体重1kg当たり4pg-TEQ
(2) 環境基準(第7条) 

媒 体 基 準 値
大 気 0.6pg-TEQ/m3以下
水 質(水底の底質を除く) 1pg-TEQ/L以下
水 底 の 底 質 150pg-TEQ/g以下
土 壌  1,000pg-TEQ/g以下


 * 備考 基準値は,2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシンの毒性に換算した値

 

 

2 排出ガス及び排出水に関する規制

 

(1) 特定施設規制の対象となる施設を政令で指定 
(2)   排出基準(第8条)  排出ガス(大気),排出水(水質)に係る排出基準の設定
  排出ガスについては,政令で定める指定地域にあっては総量規制基準も設定 
(3)   特定施設の設置の届出,計画変更命令(第12条~第16条)         
  特定施設を新設する際に,知事または政令市長へ届出
(4)   排出の制限,改善命令(第20条~第22条)     排出基準の遵守義務 
(5)   事故時の措置(第23条)     事故時の応急措置,県への報告

3 廃棄物焼却炉に係るばいじん・燃え殻等の処理等(第24条・25条)

 ばいじん・燃え殻中のダイオキシン類の濃度基準及び最終処分場の維持管理基準を設定

4 汚染土壌に係る措置(第29条~第32条)

 知事は,対策が必要な地域を指定し,対策計画を策定

5 国の計画(第33条)

 内閣総理大臣は,ダイオキシン類の排出の削減のための計画を作成

6 汚染状況の調査・測定義務

 (1) 知事は大気,水質及び土壌の汚染状況を常時監視し,環境大臣に報告(第26条)
 (2) 事業者に排出ガス,排出水,廃棄物焼却炉のばいじんなどの年1回以上の測定義務(第28条)
 測定結果の知事への報告,知事の公表

2 特定施設の種類について(法施行 別表1,2)

区分 号番号 内 容
大気
基準
適用
施設
1 焼結鉱(銑鉄の製造の用に供するものに限る。)の製造の用に供する焼結炉
 原料の処理能力が1トン/時間以上のもの
2 製鋼の用に供する電気炉(鋳鋼または鍛鋼の製造の用に供するものを除く。) 
 変圧器の定格容量が1000キロボルトアンペア以上のもの
3 亜鉛の回収(原料として製鋼用電気炉の集じん灰を使用するものに限る。)の用に供する焙焼炉,焼結炉,溶鉱炉,溶解炉及び乾燥炉
 原料の処理能力が0.5トン/時間以上のもの
4 アルミニウム合金の製造(原料としてアルミニウムくず(同一事業所内の圧延工程において生じたものを除く。)を使用するものに限る。)の用に供する焙焼炉,溶解炉及び乾燥炉
 溶解炉:容量が1トン以上のもの
 焙焼炉及び乾燥炉:原料の所理能力が0.5トン/時間以上のもの
5 廃棄物焼却炉 
 火床面積※(炉の床面積)が0.5平方メートル以上または焼却能力※が50kg/時間以上のもの
 (※一つの焼却施設に二以上の焼却炉が設置されている場合にはその合計)
水質
基準
対象
施設
1 硫酸塩パルプ(クラフトパルプ)または亜硫酸パルプ(サルファイトパルプ)の製造の用に供する塩素または塩素化合物による漂白施設
2 カーバイド法アセチレンの製造の用に供するアセチレン洗浄施設
3 硫酸カリウムの製造の用に供する廃ガス洗浄施設
4 アルミナ繊維の製造の用に供する廃ガス洗浄施設
5 担体付き触媒の製造(塩素または塩素化合物を使用するものに限る。)の用に供する焼成炉から発生するガスを処理する廃ガス洗浄施設
6 塩化ビニルモノマーの製造の用に供する二塩化エチレン洗浄施設
7 カプロラクタムの製造(塩化ニトロシルを使用するものに限る。)の用に供する硫酸濃縮施設シクロヘキサン分離施設及び廃ガス洗浄施設
8 クロロベンゼンまたはジクロロベンゼンの製造の用に供する水洗施設及び廃ガス洗浄施設
9 4-クロロフタル酸水素ナトリウムの製造の用に供するろ過施設,乾燥施設及び廃ガス洗浄施設
10 2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノンの製造の用に供するろ過施設及び廃ガス洗浄施設
11 ジオキサジンバイオレットの製造の用に供するニトロ化誘導体分離施設,還元誘導体分離施設,ニトロ化誘導体洗浄施設,還元誘導体洗浄施設,ジオキサジンバイオレット洗浄施設及び熱風乾燥施設
12 アルミニウムまたはその合金の製造の用に供する焙焼炉,溶解炉または乾燥炉から発生するガスを処理する廃ガス洗浄施設及び湿式集じん施設
13 亜鉛の回収(原料として製鋼用電気炉の集じん灰を使用するものに限る。)の用に供する精製施設,廃ガス洗浄施設及び湿式集じん施設
14 担体付き触媒(使用済みのものに限る。)からの金属の回収(ソーダ灰を添加して焙焼炉で処理する方法及びアルカリにより抽出する方法(焙焼炉で処理しないものに限る。)によるものを除く。)の用に供するろ過施設,精製施設及び廃ガス洗浄施設
15 廃棄物焼却炉(大気基準適用施設に限る。)から発生するガスを処理する廃ガス洗浄施設,湿式集じん施設及び汚水・廃液を排出する灰の貯留施設
16 廃PCBなどまたはPCB処理物の分解施設
PCB汚染物またはPCB処理物の洗浄施設及び分離施設
17 フロン類の破壊(プラズマを用いて破壊する方法その他環境省令で定める方法によるものに限る。)の用に供するプラズマ反応施設,廃ガス洗浄施設及び湿式集じん施設
18 下水道終末処理施設(水質基準対象施設の1から17及び19の施設から排出される下水を処理するものに限る。)
19 水質基準対象施設の1から17の施設を設置する工場・事業場から排出される(これらの施設に係るものに限り,公共用水域に排出されるものを除く。)の処理施設(下水道終末処理施設を除く。)

(参考)廃棄物焼却炉について

  • 火床面積0.5平方メートル とは,円筒形の炉であれば直道約80cm,角形の炉であれば約70cm四角に相当します。
  • 焼却の主たる目的が熱回収(ボイラー)である場合などでも,廃棄物を焼却する炉は廃棄物焼却炉に該当します。(大気汚染防止法との違い)
  • ドラム缶による焼却などは焼却炉とみなしません。なお,これらの行為は野焼きであり,廃棄物処理法で禁止されています。
  • 火格子面積2平方メートル以上または焼却能力200kg/時間以上の施設(廃プラスチック類の焼却施設にあっては,焼却能力100kg/日超)は,廃棄物処理法の許可対象施設となり,構造・維持管理基準等が適用になります。

3 特定施設の設置等の届出について

1 届出の種類等

 届出の種類 内 容 届出期限 届出等様式 根 拠
特定施設設置届 特定施設を設置しようとするとき 設置の工事着手日の60日以前

 様式第1 (Wordファイル)(30KB)
 (PDFファイル)(246KB)
記入例 (PDFファイル)(378KB)

第12条
第1項
特定施設使用届 既に設置している施設が新たに特定施設に指定されたとき 指定された日から30日以内 第13条
第1項
特定施設の構造等変更届 特定施設の構造,使用方法,排ガス・汚水の処理方法などを変更しようとするとき 変更の工事着手日の60日以前 第14条
第1項
氏名等変更届 届出者の氏名,名称,住所及び法人の代表者氏名並びに事業場の名称及び所在地に変更があったとき 変更があった日から30日以内

様式第3 (Wordファイル)(16KB)
(PDFファイル)(67KB)

第18条
特定施設使用廃止届 特定施設の使用を廃止したとき 廃止した日から30日以内

様式第4 (Wordファイル)(16KB)
(PDFファイル)(67KB)

第18条
承継届 特定施設を譲り受けまたは借り受けたとき,相続や合併により承継したとき 承継の日から30日以内

様式第5 (Wordファイル)(16KB)
(PDFファイル)(70KB)

第19条
第3項
(参考)ダイオキシン類測定結果報告 排出ガス・排出水・ばいじんなどの測定を行ったとき 測定後すみやかに

様式第6 (Wordファイル)(23KB)
(PDFファイル)(254KB)

第28条
第3項

(注)1 水質基準対象施設が大気基準適用施設になったとき,又は大気基準適用施設が水質基準対象施設になったときも該当部分に係る使用届が必要です。
 2 水質基準対象施設を設置する事業場で,瀬戸内海水域に1日最大50m3以上の排水を排出する事業場は,水質基準対象施設(下水道終末処理施設を除く。)については瀬戸内海環境保全特別措置法の許可や届出の対象となり,この法律の届出は不要です。

 

2 届出先

公害防止に関する申請・届出窓口一覧参照

4 ダイオキシン類の排出基準について

 大気,水質ともに,特定施設ごとに排出基準が決められています。

1 大気(排出ガス)排出基準 (単位:ng-TEQ/m3N) 

号番号 種類 新設施設の基準 既存施設の基準
1 焼結鉱製造用焼結炉 0.1 1
2 製鋼用電気炉 0.5 5
3 亜鉛回収用焙焼炉等 1 10
4 アルミニウム合金製造用焙焼炉等 1 5
5 廃棄物
焼却炉
4トン/時間以上 0.1 1
2トン ~4トン/時間未満 1 5
200kg~2トン/時間未満 5 10
~200kg/時間未満

(注1) 基準適用場所は各排出口(各煙突)とする。
(注2)   酸素濃度の補正は,焼結炉にあっては15%,廃棄物焼却炉にあっては12%とする。 
(注3) 既存施設とは,平成12年1月14日までに施設の設置工事に着手しているものをいう。ただし,平成9年12月2日以 降に設置工事に着手した製鋼用電気炉及び廃棄物焼却炉(火格子面積2m2以上または焼却能力200kg/時間以上のものに限る。)については新設施設とする。
(注4) 廃棄物焼却炉の規模は,施設全体の規模ではなく焼却炉(燃焼室)の規模とする。

2 水質(排出水)排出基準 (単位:pg-TEQ/L)

号番号 種類 排出基準
1 パルプ製造用漂白施設 10
2 カーバイド法アセチレン製造用アセチレン洗浄施設
3 硫酸カリウム製造用廃ガス洗浄施設
4 アルミナ繊維製造用廃ガス洗浄施設
5 担体付き触媒製造用廃ガス洗浄施設
6 二塩化エチレン洗浄施設
7 カプロラクタム製造用硫酸濃縮施設等
8 (ジ)クロロベンゼン製造用水洗施設等
9 4-クロロフタル酸水素ナトリウム製造用ろ過施設等
10 2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノン製造用ろ過施設等
11 ジオキサジンバイオレット製造用ニトロ化誘導体分離施設等
12 アルミニウム・同合金製造用焙焼炉等の廃ガス洗浄施設等
13 亜鉛回収用精製施設等
14 担体付き触媒からの金属回収用ろ過施設等
15 廃棄物焼却炉の廃ガス洗浄施設等
16 PCB処理施設
17 フロン類破壊用プラズマ反応施設等
18 下水道終末処理施設
19 事業場の排水処理施設

(注) 基準適用場所は,事業場の排水口(水質基準対象施設に係る排水口)とする。

排出規制の概要図

 ※排出基準に違反した場合,改善命令や罰則の対象となります。

5 事故時の対応について

 特定施設の設置者は,特定施設の故障,破損その他事故によりダイオキシン類が大気中または公共用水域に多量に排出されたときは,直ちに応急措置を講じ,すみやかに復旧するよう努めるとともに,事故の状況を報告しなければなりません。
 報告先:公害防止に関する申請・窓口一覧参照

6 廃棄物焼却炉の燃え殻等の処理について

 廃棄物焼却炉から発生する燃え殻などにダイオキシン類の処理基準が設定されています。
 処理基準に適合しない場合,特別な処理などが必要となり,適合する場合でも,事業者の責任において適正に処理しなければなりません。(廃棄物処理法に基づく規制)

廃棄物焼却炉から発生する廃棄物の処理基準

対象となる廃棄物 ばいじん(集じん灰),燃え殻,排ガス洗浄施設の汚泥
処理(埋立)基準 ダイオキシン類:3ng-TEQ/g以下(含有基準)

新たなばいじん等の処理方法 

新たなばいじん等の処理方法の図

 最終処分場における措置

最終処分場における措置の図

7 設置者による測定について

 特定施設の設置者は,排出ガス・排出水・廃棄物焼却炉の燃え殻等に含まれるダイオキシン類の濃度を年1回以上測定し,県などに報告することが必要です。

1 測定内容

区分 測定場所 測定回数
 排出ガス 大気基準の適用場所(煙突出口) 年1回以上
 排出水 水質基準の適用場所(排水口)
 ばいじん,燃え殻 廃棄物焼却炉から排出されるもの

(注) 水質基準が適用されない排水口にあっては,排出水の測定は不要です。

2 測定結果の報告

報告先   公害防止に関する申請・窓口一覧参照
報告期限 測定後すみやかに
報告様式

様式第6 (Wordファイル)(23KB)

PDF (254KB)

※ 測定結果は,県でまとめて公表することが義務付けられています。

 3 測定方法

区分 採取方法 分析方法
排出ガス

煙突の測定口から専用の装置で排出ガスを採取します。
測定時間は,燃焼が安定してから約4時間かかります。
(概要図)

  測定方法の概要図
 ※ 煙突に測定口がない施設は設置する必要があります。
  • JISK0311
  • 0℃,1気圧に換算
  • 酸素換算
    焼結炉:15%,
    廃棄物焼却炉:12%

 

排出水 排出水を採取します。
  • JISK0312
燃え殻など 燃え殻などを採取します。  

4 測定機関及び測定費用

 測定機関は,ダイオキシン類の濃度が測定できる計量証明事業所であればどこでも構いません。
 測定費用は,現地の状況などにより異なりますが,1検体当たり,数十万円かかります。
 測定結果が出るまでには,通常,1~2ヵ月かかります。

8 公害防止管理者などの選任について(一部の事業所に適用)

 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律に基づき,公害防止管理者などを選任し,届け出る必要があります。(平成13年7月16日施行)

1 対象事業者

次表の特定施設のいずれかを設置する者

区分 号番号   種類
大気基準適用施設 1 焼結鉱製造用焼結炉
2 製鋼用電気炉
3 亜鉛回収用焙焼炉等
4 アルミニウム合金製造用焙焼炉等
水質基準対象施設 1 パルプ製造用漂白施設
2 カーバイド法アセチレン製造用アセチレン洗浄施設
3 硫酸カリウム製造用の廃ガス洗浄施設
4 アルミナ繊維製造用廃ガス洗浄施設
5 担体付き触媒製造用廃ガス洗浄施設
6 二塩化エチレン洗浄施設
7 カプロラクタム製造用の硫酸濃縮施設等
8 (ジ)クロロベンゼン製造用の水洗施設等
9 4-クロロフタル酸水素ナトリウム製造用ろ過施設等
10 2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノン製造用ろ過施設等
11 ジオキサンジンバイオレット製造用ニトロ化誘導体分離施設等
12 アルミニウム・同合金製造用焙焼炉などの廃ガス洗浄施設等
13 亜鉛回収用精製施設等
14 担体付き触媒からの金属回収用ろ過施設等

2 公害防止統括者などの選任(従業員20人以下の事業所を除く。)

  • 公害防止業務を統括する者を選任します。
  • 資格は不要です。

3 公害防止管理者等の選任

  • 公害防止業務を管理する者を選任します。
  • ダイオキシン関係の資格が必要です。

4 選任等の届出

9 罰則について

罰則は次のとおりです。

   罰則
 設置届出に係る計画変更命令違反  1年以下の懲役または100万円以下の罰金
 排出基準違反に係る改善命令違反
 排出基準違反  6か月以下の懲役または50万円以下の罰金
 事故時の措置命令違反
 過失による排出基準違反  3か月以下の禁錮または30万円以下の罰金
 特定施設設置(構造等変更)届出違反  3か月以下の懲役または30万円以下の罰金
 特定施設使用届出違反  20万円以下の罰金
 設置届出提出後60日以前の設置
 報告徴収違反 

10 その

1 ダイオキシン類とは

  • 有機塩素化合物の一種で,PCDD(75種類),PCDF(135種類)及びコプラナ-PCB(十数種類)を指します。
  • ダイオキシン類のうち最も毒性が強い2,3,7,8-TeCDDは,人が多量に摂取した場合の発ガン性があることが認められています。また,ダイオキシン類を投与した動物実験で奇形を起こすことが認められていますが,通常の環境汚染レベルでは危険はありません。
  • ダイオキシン類の毒性の強さは,毒性など量(TEQ=最も毒性が強い2,3,7,8-TeCDDに換算した値)で示します。
  • 無色で水に溶けにくく,自然界ではほとんど分解されません。
  • ごみの焼却のほか,様々な発生源から副生成物として発生します。

我が国におけるダイオキシン類排出量の推計(概要) [単位:g-TEQ/年]

発生源 平成9年 平成11年 平成13年 平成16年 平成19年 平成22年





一般廃棄物焼却施設 5,000 1,350 812 71  

33

産業廃棄物焼却施設 1,500 690 533 74 73

29

小型廃棄物焼却炉など 700~1,153 517~848 342~454 73~98 74~96

33

産業系発生源 463.4 300.9

203.8

152.2 109

61

その他

3.6~6.2

3.7~6.5

3.7~6.5

3.8~6.7

3.7~6.7

2.5~4.3

 水への排出

12.8

12.4

4.4

2.1

1.8

1.5

7,680~8,135

2,874~3,208

1,899~2,014

376~404

323~348

158~160

【出典】 環境省 ダイオキシン類の排出量の目録(排出インベントリー)についての概要版(平成23年度)から抜粋 

2 排出削減対策

(1) 廃棄物焼却炉

  • 廃棄物焼却炉から排出されるダイオキシン類には,廃棄物中の有機物と塩素が反応し,不完全燃焼により生成するものと,排ガス処理施設などでガス温度が300℃程度になった際に合成されるものがあると言われています。また,ばいじん中に多く含まれています。
  • このため,高温で完全燃焼することや,排ガスを高性能の集じん機で処理することにより,ダイオキシン類の発生量を減らすことが必要です。
  • 廃棄物処理法の許可対象施設に適用される構造・維持管理基準の概要は次のとおりです。
    ・ 燃焼ガスを800℃以上に保つことなどによる完全燃焼の確保
    ・ 燃焼ガスを200℃以下に急速に冷却することなどによる適正な排ガス処理
    ・ 排ガス中の一酸化炭素濃度を100ppm以下とする燃焼管理
  • また,平成14年12月1日から全ての廃棄物焼却炉に適用される構造基準が強化され,基準に適合しない焼却炉は使用できなくなりました。
    〔詳細 廃棄物焼却炉の基準強化について

(2) その他の施設

  • 産業活動から排出されるダイオキシン類の排出削減対策については,原料対策(なるべく不純物を含まないようにするなど),燃焼管理,高温処理,排ガス急冷,バグフィルターの設置,集じん効率の向上・管理強化,活性炭・消石灰の吹込による吸着除去などが有効であるとされています。
  • 排水処理に用いられている凝集沈殿処理,砂ろ過処理,活性炭吸着処理等は,ダイオキシン類の除去に効果があるため,これらの施設を適切に運転管理することが有効とされています。
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