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平成14年度環境ホルモン環境汚染状況調査結果について

印刷用ページを表示する掲載日2011年12月1日

1 環境汚染状況調査

 環境ホルモンと認定されたノニルフェノール及び4-オクチルフェノールによる環境汚染の状況を把握するため,河川水質及び大気の調査を実施した。

(1) 河川水調査

 ア 調査時期: 平成14年11月5日~11月11日
 イ 調査地点: 25地点(御手洗川等の8河川)
 ウ 調査項目: ノニルフェノール,4-オクチルフェノール
 エ 調査結果(詳細は,別紙のとおり。
 (ア) ノニルフェノール
 調査結果は次表のとおり,1地点で予測無影響濃度※1(魚類に対してのもの)を超過していたが,その他の地点は全て予測無影響濃度を下回っていた。なお、予測無影響濃度を超過していたのは大田川下流(大田橋上流:尾道市高須町)で,濃度は2.2μg/Lであった。
(イ) 4-オクチルフェノール
 全ての地点で予測無影響濃度を下回っていた。

物 質 名 検出範囲
(μg/L)
予測無影響
濃度を超え
た地点数
〈参考〉全国調査結果
(平成10~13年度)
検出範囲
(μg/L)
予測無影響濃度を
超えた割合
ノニルフェノール <0.05~2.2μg/L 1/25 <0.03~21μg/L 4.2%(90/2,164)
4-オクチルフェノール <0.01~0.08μg/L 0/25 <0.01~13μg/L 0.1%(2/2,164)

※1 予測無影響濃度
○ ノニルフェノール:0.608μg/L1,4-オクチルフェノール:0.992μg/L2
○ 魚類へ内分泌攪乱作用による影響を及ぼさない最大の濃度に,10倍の安全率を乗じて設定された濃度である。
○ 人への健康影響については,現在国が各種実験中であり,魚類の予測無影響濃度が,そのまま人には当てはまらないことに留意する必要がある。(環境省の報告書による。)

(2) 大気調査

 ア 調査時期: 平成15年3月3日~11日
 イ 調査地点: 大竹油見公園等の8地点
 ウ 調査項目: ノニルフェノール,4-オクチルフェノール
 エ 調査結果: 全ての地点が検出下限値未満※2であった。(詳細は,別紙のとおり。

 ※2 検出下限値
 分析法,分析機器の精度等により,検出できる濃度の下限値をいう。

2 河川水確認調査等

 ノニルフェノールが予測無影響濃度を超過していた大田川について,大田橋上流域の工場・事業場の立入調査を実施するとともに,ノニルフェノールを使用・排出していた事業者に対して代替製品の使用等を指導した。
 また,大田川の大田橋上流において,ノニルフェノールの水質確認調査を実施した。

(1) 工場・事業場の立入調査・指導

 ア 実施時期:平成15年1月~4月
 イ 立入調査内容:大田橋上流域の66工場・事業場へ立入り,ノニルフェノール含有洗剤の使用・排出等について聞取調査を実施した。
 ウ 指導内容:ノニルフェノールの使用・排出が判明した5工場・事業場の事業者に対して代替製品への転換等を指導した。その結果は次のとおりである。

事業者の対応 工場・事業場数
代替製品への転換
排出しないよう作業工程の改善
代替製品への転換を検討中

(2) 確認調査

 ア 調査時期:平成15年4月22日及び4月30日
 イ 調査地点:大田橋上流
 ウ 調査項目:ノニルフェノール 
 エ 調査結果:次表のとおり,予測無影響濃度を下回っており,水質が改善したことを確認した。

 

試料採取日 4月22日 4月30日
ノニルフェノール濃度(μg/L) 0.314 0.451

 3 今後の対応

 (1) 代替製品への転換を検討中の工場については,早期に転換するよう引き続き指導する。
 (2) 平成15年度も引き続き,大田川においてノニルフェノールの水質確認調査を実施するとともに,主要河川におけるノニルフェノール等の環境汚染状況調査を実施する。

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