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【図2】潮間帯生物・海浜植物

印刷用ページを表示する掲載日2011年11月21日

潮間帯生物

○イボニシ
 軟体動物門,腹足綱,アクキガイ科の巻き貝。
 肉食でフジツボやマガキを摂食する。一年中分布しており,潮間帯上部から中部にかけて多く生息している。生息帯が同じで付着形態も似通った生物として,スガイ,イシダタミガイなどが挙げられる。また,近年,船底塗料などに使用されていた有機スズによるイボニシのインポセックス(雌の巻き貝類に雄の生殖器官が形成されて発達すること。または,その個体のこと。)が問題となっていることもあり,注目されている生物である。
 イボニシ写真
○ヒザラガイ
 軟体動物門,多板(たばん)綱,ヒザラガイ科。
 放卵・放精は7月から10月に行われ,そのタイミングは潮汐と関係している。一年中分布しており,潮間帯上部から中部にかけて生息している。イボニシと生息帯は重なるが,付着形態が異なるため調査対象種として選定した。
 ヒザラガイ写真
○カメノテ
 節足動物,甲殻綱,ミョウガガイ科。
 頭状部は30枚程度の大小の殻板(かくばん)で覆われ,柄部(がらぶ)は鱗片で覆われ「亀の手」を思わせる。潮間帯上部の岩礁や裂け目に生息している。一年中分布している。なお,宮島の大野町側では最近出現が確認されている。
 カメノテ写真
○カラマツガイ
 軟体動物,腹足綱,コウダカカラマツガイ科。
 春から夏にかけて指輪のような卵嚢を産み,その上に母貝が乗っているのが見られる。生息帯は潮間帯中部から下部。付着形態はヒザラガイと似ているが,個体数が少なく生息帯が異なる。また,生息帯および付着形態が類似している生物として,ヨメガカサガイ,コウダカアオガイ,マツバカサガイが挙げられる。
 カラマツガイ写真
○ホヤ類
 脊椎動物,尾索綱。 清浄な海域の潮間帯中部から潮下帯でも少しは見られ,宮島ではマボヤを含めた3種を主に観察することができる。
 ホヤ写真
○アナアオサ
 緑色植物,アオサ藻綱,アオサ目,アオサ科。
 内湾では大型(50cm以上)になり,葉体には必ず小さな穴が開いている。環境指標となる海藻であり,汚濁海域に多く見られる。また,宮島はアナアオサの大量発生が問題となっている。
 アナアオサ写真
○オオヘビガイ
 腹足綱,ムカデガイ科。
 清浄海域に多く観察できる種である。オオヘビガイは潮間帯中部から潮下帯に生息している。3年前までは宮島の大野町側では確認することができなかったが,近年出現が確認されている。
 オオヘビガイ写真
○ツノマタ
 紅藻綱,スギノリ目,スギノリ科。
 ツノマタは壁土用のノリの原料として用いられている。潮間帯下部の岩上に生育している。富栄養海域で多量に観察することができる。 
 ツノマタ写真

海浜植物

○イワタイゲキ
 伊豆地方から西の本州,四国,九州などの海岸の岩石地に生えるトウダイグサ科の多年生草本。夏季に地下部が波で運ばれて,砂浜に打ち上げられて分布することが多い。
 希少性の他,安定した環境が残されている指標として選定した。
 イワタイゲキ写真
○ベニバナボロギク
 アフリカ大陸熱帯の原産とされるキク科の1年草。
 日本の暖地に第二次大戦に侵入して広がった。
 山林の伐採跡や林縁,山火事の跡などに出現して大きな群落をつくることがあるが,本来の植生が回復すると消滅する。
 3地点の調査において,唯一の帰化種であり,人為的変化,環境の変化が多いところの指標種として選定した。
 ベニバナボロギク写真
○コシダ
 関東以南の暖地の日当たりの良いやや感想したところにはえるウラジロ科の常緑性多年生草シダ類。暗かった林床が明るくなった結果,繁茂する。
 人為的影響や自然撹乱の指標のひとつとして選定した。
 コシダ写真
○ヒトモトススキ
 中部地方以南の海岸に生えるカヤツリグサ科の多年生草本である。塩沼地などの地下水位の高いところに生育している。小河川の流れの近くや湧水の付近に生育するため,窒素やりんの供給源を推測させる指標指標として選定した。
 ヒトモトススキ写真
○ホソバノハマアカザ
 海岸の砂浜に生育するアカザ科の1年生草本。窒素の多い土地を好み漂着物の多い,汀線際に生育することから窒素分の多い環境の指標種として選定した。
 ホソバノハマアカザ写真

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