平成２４年１２月２２日（土曜日）　地域の宝チャレンジトークで府中市を訪ねました

　今日は，第１１回目の「地域の宝チャレンジ・トーク」で府中市を訪れました。府中市は人口約４万３千人，県東部に位置し，府中家具でも有名なところで，また，工業も盛んで全国的に有名な企業も多く存在しています。

　午前中は，現場訪問です。最初に，上下町出身の若者グループ「ａｎｇｏｌｏ（アンゴロ）」を結成し，地域の祭りを中心に，上下町の魅力発信に取り組んでいる団体を訪れました。歴史を感じる江戸時代の商家の玄関を入ると，着物を着た若者達が迎えてくれました。この若者達は，上下で生まれ育ち，今も住んでいる人もいれば，広島市など住みつつ，イベントを手伝いに帰ってくる人もいるようです。８人のメンバーがドンドンと広がっていくことを期待しています。

　また，建物は，グループ代表とお姉さんが再生して，「指物濱一」を開業し，木工美術，生活道具の製作・修理，喫茶室となっています。建物の雰囲気と，着物姿の若者たちに囲まれ，大正時代にタイムスリップしたような，ノスタルジーを感じますね。かつて銀山街道の宿場町として栄えた上下の魅力と奥深さを伝えてくれます。

　次に，諸毛町の諸田地区を訪問しました。この地区はやわらかくて美味しいと有名な「諸田ごぼう」の産地で，毎年１２月に「ごんぼう祭り」が開催されています。残念ながら祭りには参加できなかったのですが，即売会には早朝から多くの人が詰めかけ，ごぼう料理も大変好評だったようです。「ごぼう」の話から始まりましたが，私が訪れたのは，ねぎを栽培しているハウスです。Ｕターンの若夫婦がハウス栽培のねぎで就農し，地域活性化の一翼を担っています。諸田地区では，集落法人を設立し，持続的な営農と経営の効率化を目指しています。地域の農地，農業を皆で協力して守るという目的の中で，多くの農家が参加し，大変まとまりが良いと思いました。視察後，特産のごぼうを使った料理をいただきましたが，噂どおり，大変美味しかったです。

　１２時，「地域の宝ネットワーク交流会」を開催しました。２４名の方々に参加いただき，日頃の取組みについての情報交換を行い，相互のつながりを深めていただけたのではないか，と思います。最後は皆で記念写真を撮りました。

　１３時３０分，「チャレンジ・トーク」の始まりです。今回はいつもより多い，５組の皆さまに事例を発表していただきました。最初に，ＮＰＯ法人「府中ノアンテナ」の平地緑さん，宗籐正典さんから「府中ノ木育プロジェクト」のテーマで，府中のファンを増やすべく，魅力を発信したり，「木育（もくいく）プロジェクト」をスタートさせたこと発表されました。「木育」とは簡単に言うと，「子どもや高齢者などすべての人たちが、木とふれあい、木に学び、木と生きる」ことでしょうか。府中家具等の伝統工芸技術を活かして，大きく広がっていくことを願っています。次に，喫茶店「仏蘭絁（ふらんせ）」経営の木下正則さん，「三和スーパー」オーナーの小田津多江さんから「地域の活性化はお年寄りの食事から」と題し，駅前商店街のスーパーが閉店したために買い物難民となっている高齢者に対し，弁当の配食サービスを始めたこと，健康的な弁当を提供するとともに健康保持や安否確認をするなど地域コミュニティの中心となって活動されていることの発表がありました。３番目は，県立上下高等学校の山本聖羅さんと福品有希さんのお二人です。「元気な上下町へのチャレンジ～生まれ育った地域への愛～」と題し，上下高校への入学希望者の増加に向けて，学校と生徒が協力しＰＲを行ったことについて発表されました。書道部員と美術部員が中心となってポスターを作成し，近隣の中学校や駅に掲示しています。４番目は，県立府中東高校の細川訓平さんと県立上下高校の大石翔さんから「学校間連携における部活動の取り組み」として，両校の野球部が高校野球連合チームを発足し，県大会出場を果たしたことなどを発表されました。最後は，市内の４つの中学校の生徒会長，高山千穂さん，石原郁也さん，福品和孝さん，四茂野芽衣さんから「人・物を大切にできる『府中掃除革命』～みがこう学校・みがこう心・みがこう自分～」と題し，各中学校でに取り組みの発表がありました。

　ほっとけば流してしまうことを，ほっとかない。他人事にせず，自分のこととして考えて，やっていく。周りの人を巻き込み，幸せにしていく。最初は小さなことでも一人ひとりが積み重ね，実践することで大きな変化を生むことができるという素晴らしい発表でした。そして，新しい「宝」が府中で発見できました。また，多くの方に参加していただきありがとうございました。