平成２６年７月５日（土曜日）地域の宝チャレンジ・トークを大崎上島町で行いました

　本日，大崎上島町にて第５回県政知事懇談「地域の宝チャレンジ・トーク」を行いました。まず，９時５５分，「ファームスズキ」を訪問したしました。こちらは，山々の湧水と瀬戸内のきれいな海水が流れ込む，養分豊富な塩田跡の養殖池にて牡蠣や車海老，あさりなどを養殖されています。牡蠣は，香港や台湾など海外へ空輸し，高級レストランなどへ提供をされています。また，オイスターハウスや潮干狩り場，バーベキュースペースの設置などを通じ，島外の方々との交流や観光客誘致にも取り組んでいらっしゃます。

　１０時４０分，大崎クールジェンに訪問しました。こちらでは，高効率発電技術とCO２分離・回収のシステムとを組み合わせた環境配慮型石炭火力発電の実現を目指す世界でも最先端の実証事業を行っており，建設中の施設など拝見いたしました。（写真の掲載はありません。）

　１１時５分，「シトラスかみじま」を訪問いたしました。こちらでは，柑橘の一大産地である大崎上島の農業者の高齢化，後継者となる担い手の不足が課題となっている状況を受け，高収益柑橘栽培による農業の活性化と新規就農者の受け皿づくりをするために，生産法人を町の支援を受けながら設立されました。農地の集積による高効率な柑橘栽培による生産量の向上やブランドの取組などをされています。

　１２時，地域の宝ネットワーク交流会で，これまでの「宝さがし」や「チャレンジ・トーク」に参加していただいた方などを中心に昼食をいただきながら情報交換させていただきました。

　１３時３０分，「地域の宝　チャレンジ・トーク」の開催です。会場には約１３０人の方がお見えになり，４人の皆さんに発表していただきました。まず，午前中に訪問をしたファームスズキ代表の鈴木隆さんから「大崎上島から世界へ！」と題して発表をいただきました。鈴木さんは，５年前に貿易関係の会社設立を行い，取引先から「生の殻つき牡蠣」の要望が多く，それならば，自ら生産して輸出したいとの思いから「ファームスズキ」を立ち上げ，車エビと牡蠣の養殖のほか，アサリの観光潮干狩りを展開されています。次に円光歩さんは，大学卒業後，地元大崎上島に住み，働きたいとの思いを実現され，大崎上島の魅力発信に貢献しています。「みんなと島のおみやげをつくりたいんよ実行委員会」の代表として，大崎上島のいいトコ・いいモノを掘り起し，最終的に手ぬぐいのデザインに落とし込んだり，出来上がった手ぬぐいをいかに多くの人々に届けるかを考えたりするワークショップを展開されています。次に大崎神路中学３年生の正出七瀬さんは，文化祭や修学旅行時に武蔵野市にて行った，大崎上島町の特産品等販売の取組「商人体験（あきんどたいけん）」を契機に島の自然の素晴らしさ，歴史・文化を再発見して，生徒会活動を通じて，大崎上島町の更なる魅力発信に取り組んでいます。最後に大崎海星高校３年生の鼻戸莉菜さんは，高校卒業後に保育士，幼稚園教諭の資格を取得し，地元大崎上島のために，子育て支援に携わる仕事につく夢に向かって日々，勉学や部活動に励んでいることを語ってくれました。本日この会にお集まりいただいた皆様一人ひとりが，地域で，職場で，学校で，あるいは共通する関心のグループ・団体で，それぞれの場での，新しい挑戦をしていただき，新しい大崎上島町と広島県づくりを行っていただくきっかけとなればと思っています。

　１５時５分，大崎上島町役場内で，県・市町連携会談を行いました。高田町長さんをはじめとする町幹部の方と定住対策やフェリーやバスに関する交通対策などについて意見交換を行いました。定住対策の点からは実際に業種や職種によっては人手不足が発生しているものもあり，単に人口減への対応ではなく，町内の産業の維持のためにも定住対策を進める必要があることなどの説明を受けました。また，定住対策を進めていく上では，住環境の整備などを進め，移住希望者などを確実に取り込んでいく必要があることや，県内で唯一，町全体が離島であるという，他の市町とは異なる状況の中で，フェリーなどの交通対策が非常に重要であることなどについて意見交換を行いました。引き続き県と町で連携して，定住対策や交通対策についてのそれぞれの事業を有機的に組み合わせて，各事業の効果を相乗的に高めて行きたいと思います。