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『大崎上島-竹原』船べん・歴史ガイドの開発 【事業・学習プログラム事例】
-地域教育プロジェクト- (国立広島商船高等専門学校,大崎上島町,竹原市)
分野:まちづくり
事業形式:学級・講座
学習展開方法:参加型
事業の様子 | 「船べん」に使う地元の食材を学習 | 最後の交流体験ツアー本番に向けて | 船内で島の伝説を紙芝居で紹介
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特徴 | 「船べん」とは大崎上島と竹原の地産品を使い,新しく開発した弁当であり,開発の企画からふるさとの魅力の紹介まで,子どもたちの参加型学習として取り組んだプログラムである。 本事業は,国立広島商船高等専門学校大崎上島・竹原地域教育グループが中心となり,大崎上島町の教育委員会社会教育課,企画課,竹原市総務部企画政策課,市民生活部まちづくり推進課など多くの人たちと連携して行った事業事例である。 |
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概要 | 《目的》 地域の良さや文化・歴史を子どもたちに伝え,食育の観点から地元食材を使った「船べん」の開発に取り組むことにより,「わがまち,わが地域を愛し,誇れる」人材を育てる。 《期間》 平成22年6月~10月 《場所》 大崎上島町,竹原市 《対象》 小・中学生 16人(大崎上島町,竹原市)とその保護者 地域協力者 約50人(山陽商船,竹原町並み観光ガイド,生産農家,栄養士,学生,行政職員など) 《内容》 平成22年6月 国立広島商船高等専門学校の岐美宗(みちよし・つかさ)教授らを中心に,観光名所の見学や自分たちの地域の歴史の学習を開始。船などで食べる弁当「船べん」の試作を行う。 献立作りでは,食育の観点から地元の産品を知ることから始め,生産者を訪れ学んでいった。 船べんの器作りでは,生徒のアイデアで竹原産の竹を使用した。まず,吉名町の竹林から真竹を切り出し,竹の駅駅長の坂元静馬さんの指導を受け,釜で油抜きをし,この後,煮た竹の器を磨き3色の栄養バランスに合わせて大・中・小の3種類を製作した。 9月 子どもたちが観光ガイドに扮し,竹原港と大崎上島の垂水港を結ぶ山陽商船のフェリーに乗って初めて乗客の前でガイドの練習をした。この紹介活動に向けて,地産品や島の伝説を織り込んだ観光ガイドや紙芝居を制作した。 大崎上島に向かう便では小学生が,船から見える島々や大崎上島の歴史を説明した。地元の子どもでさえよく知らない事についてもわかりやすく語り,昔から伝わる伝説も紙芝居で表現し上演した。戻りの竹原行きの便では,大久野島や竹原の町並みを紹介し,乗客にクイズも出題した。 講師として,町並み観光ガイドの神野史子さんや大崎上島町職員らが助言し,乗客には「一生懸命さが伝わった」と好評だった。 10月 本番では,参加者全員で船べん「瀬戸内ものがたり」の完成を披露し,午後0時半の竹原港発の便と同4時半の垂水港発の便でガイドを行った。大崎上島では船べんに使用した食材を作る生産者を訪問し交流を深めた。 《参加者の感想》 小学生・・・「これまでの勉強でふるさとの歴史がよく分かった」「緊張したが,乗客の方を見て話すことができた」 中学生・・・「みんなで協力して地域の特産品がいっぱい入ったお弁当ができた」「小学生に歴史を教えることができた」 保護者・地域協力者・・・「段取りが上手になった」「人前で堂々と発表できるようになった」 |
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成果等 | 《成果》 このプロジェクトを実行するために,大崎上島と竹原の子どもたち,保護者,生産者や関連の団体に声をかけ,「子どもを育む」をキーワードに協働体制が整った。子どもたちも回を重ねるごとに,アイデアややり方に工夫が見られるようになり,意思の疎通が難しい場面もあったが,地域を誇りに思う気持ちで解決するなどコミュニケーション能力にもしっかりとした成長が見られた。 《今後に向けて》 このプロジェクトを通して,地域や世代を越えて人と人がつながり,新しいエネルギーを生み出すことができた。この活動が地域活性化の起爆剤として,次の新たなチャレンジにつながっていくことが期待される。 |
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問合せ | 国立広島商船高等専門学校 流通情報工学科 岐美 宗(みちよし・つかさ)研究室 〒725-0231 広島県豊田郡大崎上島町東野4272-1 電話:0846-67-3171 E-メール:tukasa@hiroshima-cmt.ac.jp 大崎上島町教育委員会社会教育課 〒725-0301 広島県豊田郡大崎上島町中野2067-5 電話:0846-64-3055 E-メール:ky.syakai@town.osakikamijima.hiroshima.jp 竹原市市民生活部まちづくり推進課 〒725-8666 広島県竹原市中央五丁目1-35 電話:0846-22-7757 E-メール:manabee@city.takehara.hiroshima.jp |
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