【解説】
正覚院本尊。三鈷杵(さんこしょ)の彫形の鋭さ,衣文の刀法などより,室町時代中期(15世紀)を思わすもので,部分的には珍しい形を残す秀作である。
頭髪は莎髻(しゃけい)に結い,前面に花形の花冠を付している。みづらは肩に垂らさず花弁しぼりに結んでいる。耳朶(じだ)に孔あり,口は結んで上下より一本ずつの牙を表わし,目に玉眼を入れた忿怒(ふんぬ)の面相である。頸は三道(さんどう)につくる。両腕には花形を付けた釧(くしろ)を巻き,同じく両手首,両足首にも付けている。右手は腰に上げて剣を持ち,左手は垂れて条索を持つ。肩衣は左肩より右脇下に着け,裳を着け,その裾の垂れがやや長きを思わせるのは製作時代の特徴でもある。この像は,岩座に立っている。岩座を載せている箱形台座の格狭間(こうざま)に,密教法具の三鈷杵を付している(右側は欠失している)のは注目に価する。像の造立にかかる年次の推定には大いに参考になる資料である。
名称 | 木造不動明王立像 | |
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よみがな | もくぞうふどうみょうおうりゅうぞう | |
指定 | 県指定 | |
種別 | 重要文化財 | |
種類 | 彫刻 | |
所在地 | 廿日市市廿日市 | |
員数 | 1躯 | |
指定年月日 | 昭和60年12月2日 | |
構造形式 | 檜材,寄木造,岩座 | |
法量 | 像高81.5cm,台座高16.5cm,筥形部14.5cm | |
公開状況 | 非公開 | |
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