【解説】
螺髪(らほつ)は切り込み式に仕上げ,眼は彫眼になる。法衣は通肩(つうけん)に着け,顔面,胸肌,手先は艶消しの金色に塗る。右手は施無畏(せむい)印を結んで胸の高さに上げ,左手は掌を上に腹の高さに上げて,薬壷を手と同木で作り出す。光背(こうはい)は蓮弁円形頭光のみ当初のものを残していると思われる。
本像は,顔面などの肌の艶消し金色仕上げ,法衣を写実風に作りながらも彫刀の運びの硬直的なところなど,また眼の半眼開き,唇の小さく締まる形相は,室町時代中期頃(15世紀)の作と見られる。
木造日光・月光菩薩立像は,彫刀の運び,衣文の湾曲の線,すね部の直線など彫成技法は中尊薬師如来像と同じ技法で,中尊の脇侍として造立されたものである。
木造十二神将は,薬師如来の十二の大願に応じて現われた神,あるいは本尊の周囲を囲んで守護する神ともいわれる。彫法は中尊,脇侍とよく似る。
名称 | 木造薬師如来立像 附木造日光・月光菩薩立像2躯 木造十二神将立像12躯 |
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よみがな | もくぞうやくしにょらいりゅうぞう つけたりもくぞうにっこう・がっこうぼさつりゅうぞう もくぞうじゅうにしんしょうりゅうぞう |
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指定 | 県指定 | |
種別 | 重要文化財 | |
種類 | 彫刻 | |
所在地 | 呉市川尻町 | |
員数 | 1躯 | |
指定年月日 | 昭和60年3月14日 | |
構造形式 | 薬師如来像,日光・月光菩薩像,十二神将像/一木造 | |
法量 | 薬師如来像/像高67cm,肩幅21cm,台座高25cm,総高(光背含)96cm 日光・月光菩薩像/像高30cm,台座高13cm,肩幅9cm 十二神将像/像高29cm,台座高4cm(1体のみ7cm),肩幅10cm |
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公開状況 | 事前に連絡必要(0823-87-2377) | |
交通案内 | ○JR「川尻駅」から北東へ約2km | |
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