【解説】
平安時代後期の長寛2年(1164)9月,平清盛をはじめ,子息重盛,弟経盛・教盛・頼盛など平家一門の人々が一巻ずつ結縁(けちえん)書写して厳島神社に奉納した経典群。
各巻とも金銀の優美な金具で飾られた表紙に,経の大意を描いた美しい見返し絵をつけ,料紙は表裏とも金銀の切りはくをまき,野毛あるいは,あし手を散らすなど意匠をこらしてある。また,水晶の軸に金銀の装飾金具をつけ,螺鈿(らでん)をするなど当時の工芸技法の粋をつくしている。平安時代(794~1191)に流行した装飾経の最高峰をなすものであり,大和絵(やまとえ)の史料としても貴重である。
※平清盛(1118~1181)…平安時代後期の政治家・武将。太政大臣。保元・平治の乱を勝ち抜き,平家政権を築く。
名称 | 平家納経 法華経(開結共)30巻 分別功徳品に平盛国,法師功徳品に長寛2年平清盛,薬王品に平盛信,厳王品に長寛二年平重康の奥書がある 阿弥陀経1巻 平清盛の奥書がある 般若心経(紺紙金字)1巻 仁安二年平清盛書写の奥書がある 長寛二年平清盛願文1巻 金銀荘雲竜文銅製経箱1具 蔦蒔絵唐櫃1合 慶長七年福島正則の寄進銘がある |
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よみがな | へいけのうきょう | |
指定 | 国指定 | |
種別 | 国宝 | |
種類 | 絵画 | |
所在地 | 廿日市市宮島町 | |
員数 | 1具 | |
指定年月日 | 昭和29年3月20日(重要文化財指定) 昭和29年3月20日(国宝指定) |
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構造形式 | ||
法量 | ||
公開状況 | 厳島神社宝物収蔵庫において,定期的に一部を公開 平家納経及び金銀荘雲竜文銅製経箱レプリカは,宝物館で常時公開 |
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交通案内 | ○宮島桟橋から南西へ約1km | |
関連施設 | 名称 | 厳島神社宝物館 |
開館時間 | 8時~17時 | |
休館日 | なし | |
入館料 | 一般300円(250円),高校生200円(150円),小・中学生100円(70円) ※( )は50人以上の団体,特別展は別料金 |
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所在地 | 廿日市市宮島町 | |
電話番号 | 0829-44-2020 | |
交通案内 | ○宮島桟橋から南西へ約1km |