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目崎町ボランティアの会

印刷用ページを表示する掲載日2010年3月9日

団体の概要

登校中の見守りの様子その1写真

 集団登校中の児童に付き添うメンバーの方々

 広島県東部の内陸都市,府中市の南部に位置し,世帯数500世帯余り,人口1,300人余りの地域となる目崎町において,子どもや高齢者の見守り,地域パトロールなど,地域に密着した幅広いボランティア活動を一年を通じて行っているのが「目崎町ボランティアの会」です。

 同団体は,目崎町近隣における事件事故や不審者の発生が問題視されるようになり,地域住民の危機意識が高まる中,平成17年11月に県内で発生した女児殺害事件が大きな契機となり,当時の町内会長等の呼びかけによって,子どもの見守りなどを含めた,地域に密着したボランティア団体として結成されました。

 活動の開始にあたっては,パトロールや見守り活動のノウハウがほとんどない状態で,短期間での準備に参加の呼びかけなど課題が多かった中,地域内でボランティア活動に関心の高い人が多かったこともあり,当初から多数の会員が集まりました。

 活動開始前の平成17年12月22日には,府中市立岩谷小学校(当時)において,目崎町ボランティアの会の内,登下校の児童の見守りを中心に活動する「登下校見守り班」のメンバー約20人を児童に紹介する式が行われ,翌年,3学期から活動を開始しました。
 府中市目崎町は近年人口が減少傾向で,地元の小学校も児童数が減少したことから,平成20年4月から近隣の小学校に統合されました。そのため児童の通学も,目崎町からは約2キロメートルの道程で,同団体の見守り活動は児童の安全確保のためより欠かせない活動となっています。

 高齢者対策や地域の環境改善など幅広い活動を行っている同団体の活動範囲は,府中市目崎町及びその界隈です。主な構成員は地域住民,保護者など60歳代から70歳代の80人余りです。

※ 目崎町ボランティアの会は「広島県減らそう犯罪・なくそう交通事故パートナーシップボランティア団体」の登録団体です。

 

活動状況

 活動状況イラスト

目崎町ボランティアの会組織図イラスト 「目崎町ボランティアの会」では児童や高齢者対策などについての活動を組織化し,それぞれの活動を統合・調整しています。
 組織は橘高石二会長以下,「幼児,児童対策部」「高齢者対策部」「地域対策部」の3つの部に分けられています。更に「幼児,児童対策部」は「読み聞かせ班」と「登下校見守り班」,「高齢者対策部」は「高齢者訪問班」と「介護者研修班」,「地域対策部」は「労務提供班」がそれぞれ設けられています。

 登下校の見守りについては,「幼児,児童対策部」の「登下校見守り班」が主に活動しています。これは,小学生の全登校日で見守りや交通誘導などを行うものです。具体的には,登校時と下校時,毎日30名前後の会員がそれぞれ通学路や主要交差点,その他街頭において,児童に対し「おはよう」「おかえり」などと声をかけ,見守りを行ったり,交通誘導などを行ったりしています。登校については,目崎町の児童は基本的に集団登校を行っており,その集団にメンバー4~5名も付き添います。7時20分に集まった児童達は,6年生の班長が先頭で旗を持ち,後方を5・6年生が笛を持つなどして,低・中学年の児童を守りながら30分かけて登校します。付き添いのメンバーは,活動用のベストを着装して車の通行などに注意を払う他,同じくベストを着装した犬も一緒に児童を見守ります。また,児童の見守りについては,メンバーの活動以外にも,府中警察署目崎駐在所のお巡りさんも交差点で毎日登校する児童を見守っています。

 同団体では,自家用車に「パトロール」と記載されたステッカーを貼り,その車両でパトロールをすることによって,犯罪の抑止を狙った活動も行っています。車両によるパトロール以外にも,児童の登校時と同様,会員の飼い犬にベストを着装して散歩を兼ねたパトロールを行っています。

クリスマス交流会の様子その1写真

 クリスマス交流会の状況(平成21年12月20日)

 こうしたメンバーの見守り活動などに対し,地域ではメンバーを招待して感謝の会を行うなどして,その労をねぎらっています。小学校合併前は,旧岩谷小学校でメンバーとの交流機会が設けられていました。小学校合併後は,地域の4つの子ども会で作る「岩谷地区育成会」により,メンバーを招待して,子どもや保護者100名余りと触れ合うクリスマス交流会を開いています。招待された橘高会長たちメンバーは,サンタクロースに扮して子どもたちにお菓子を配ったりしました。

 同団体の活動は,その他にもグラウンドゴルフや注連縄作りなどで積極的に地域の子どもたちと関わったり,高齢者宅の訪問や地域の環境改善を行うなど,その活動は幅広いものです。

サツマイモ収穫の様子その1写真

 サツマイモ収穫の状況(平成21年10月30日)

 その一つに,地元のリョービ保育園の園児たちを招いて,サツマイモの栽培体験を行っています。これは,「子どもたちが土に触れ,サツマイモが成長する過程を観察してほしい」という思いを込め,ボランティアの会メンバーが休耕地を借り入れて整備し,園児たちとサツマイモを栽培するもので,平成20年から取組んでいます。6月に園児たちと一緒にサツマイモを植え付け,メンバーや園児たちで水やりや草取りなどの世話を行い,10月にはみんなで収穫を行います。収穫したサツマイモについては,保育園で焼き芋やバター焼きにするなど,試食会も行われました。

 毎年春と秋には,目崎町から上山町の長谷寺へ続く「憩いの路」で桜の手入れ作業を実施しており,同団体結成から平成21年秋で8回の活動を行っています。

 また,同団体では,2か月に1回,団体の活動状況や参考事項などを掲載したボランティアニュースを発行して,メンバー全員に配付しています。

 地域に密着した幅広い活動を展開する同団体は,全くのボランティア団体であり,無報酬での活動です。その活動は,基本的に自主的活動で,活動の強制,強要などは一切ありません。こうしたメンバーのボランティア活動は,地域において子どもや高齢者をはじめ,多くの人々に大きな愛を育んでいます。
キャッチフレーズイラスト 

代表者の橘高石二さんから,以下のことについて,お伺いしました。

 活動を始めるまでとその後の苦労

  •  参加の呼びかけ
  •  パトロール,見守り活動のノウハウがほとんどない状態からのスタートで,腕章,タスキ等もなく,苦心した。

苦労の解決方法

  •  学校安全ボランティア(スクールガード)養成講習会を受講するなど,防犯に関する研修会などに参加した。
  •  学校や地域住民の協力を得るため,説明会や話し合いの場を設けた。
  •  県警の「子どもの見守り活動支援モデル事業」に応募し,腕章,ベスト,帽子などの活動支援物品を支給していただいた。
  •  警察,行政との連携を密にした。

取組の工夫・配慮事項

  •   パトロールを行うことによって,犯罪を未然に防止することを目的に活動する。

活動を通じてよかったこと・活動の効果

  •   地域の中で,子どもたちがお互いに顔見知りになった。
  •   地域の中で,大人と子どもがあいさつしあったり,声を掛けるようになった。
  •  防犯面だけでなく交通面での安全も図られた。
  •  会員と住民同士の親睦が図られた。
  •  毎日見守りやパトロールを行うことにより,会員が健康的になった。
  •  防犯以外の地域活動についても,活発になった。

今後の取組上の課題

  •   パトロール実施者は高齢者が多いことから,負担を減らすためにもより多くの方の参加を望む。また,パトロール方法についても今後検討が必要である。
  •   継続的な資金の確保が難しいことも課題の一つである。

 今後の展望等

  •   PTAや子ども会と意見交流を行ったり,地域の広報誌等で会の活動状況や活動への参加を訴えていきたい。

 

目崎町ボランティアの会代表者の橘高石二さん写真 橘髙石二さんコメント

 

 

登校中の見守りの様子その2写真 飼い犬もベストを着用して付き添ってくれます(写真)

 児童の集団登校では,飼い犬もベストを着用して付き添います。

サツマイモ収穫の様子その2写真 サツマイモをバター焼きにしてくれるお母さん方写真
園児の芋掘り体験。サツマイモが鈴なりに顔を出しています。 園児が掘ったサツマイモをバター焼きにして食べました。
クリスマス交流会の様子その2写真 クリスマス交流会に参加されたみなさん写真
クリスマス交流会。子どもや保護者100名余りと触れ合いました。 招待されたメンバーの方々と岩谷地区育成会の方々

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