広島県理容生活衛生同業組合三次支部「子どもの安全見守りたい」のみなさん |
中国地方のほぼ中央部に位置し,高速道路を含めた主要道,鉄道の数路線が交差して,山陰と山陽の連絡の要である三次市において,子どもの安全等の地域活動に取組んでいるのが広島県理容生活衛生同業組合三次支部「子どもの安全見守りたい」です。
同団体の活動は,基本的に三次市内の理容師で構成される広島県理容生活衛生同業組合三次支部としての活動で,組合員の内,登下校中の児童・生徒を見守る有志については「子どもの安全見守りたい」の名称で活動しています。
同組合は,以前から三次地区暴力監視追放協議会に所属しており,暴力団の排除,進出防止を広く市民に呼びかける活動等を行っていました。平成12年に組合の三次支部長に就任した馬場眞示郎さんは,暴力監視追放協議会の活動の他にも,組合として地域に貢献できることはないかと考えていました。平成17年以降子どもの見守り活動が全国的に広がりを見せる中,暴力監視追放協議会の一員として三次警察署に出入りすることが多かった馬場さんは,防犯面にも関心を持ち,組合の活動の一環として子どもの見守り活動を始めたのです。
活動を開始するため,平成17年から取組んだ準備には紆余曲折あったものの,平成19年春に組合員の承認を得て,見守り活動を行うためのグッズを作成し,現在は組合の役員を中心に見守り活動を行っています。
活動範囲は旧甲奴郡を除く三次市全域ですが,登下校時の子どもの見守り活動を行う「子どもの安全見守りたい」としての活動は,バス通学の児童・生徒がいる関係で市内中心部となります。構成員は,全組合員70名で,「子どもの安全見守りたい」は市内中心部に店舗を構える組合役員11名です。
※ 広島県理容生活衛生同業組合三次支部「子どもの安全見守りたい」は「広島県減らそう犯罪・なくそう交通事故パートナーシップボランティア団体」の登録団体です。
同団体では,登下校の児童・生徒の見守り活動を行う際,組合で作成したジャンパーなどを着用しています。揃えたグッズはジャンパー,Tシャツ,帽子,安全棒,タスキ,ホイッスルで,活動時にはその他に三次地区暴力監視追放協議会で作成したネームプレートを着用しています。ジャンパー,Tシャツには理容組合のイラストなどをプリントし,オリジナリティにあふれたものとなっています。
登校時の見守りについては,基本的に第2・第4月曜日の午前7時30分から午前8時30分までの間,市内中心部の主要交差点で行います。「子どもの安全見守りたい」のメンバー11名が,2~3人ずつで交差点に立ち,行き交う人々に「おはようございます」と声を掛けながら,登校する児童・生徒を見守ります。活動開始当初はいぶかっていた子どもたちも,今では元気良く「おはようございます」と返事が返ります。
サンタクロース姿での見守り活動(平成21年12月14日) |
この見守り活動は,12月のクリスマス前後に毎年サンタクロースの格好に扮して行っており,今では楽しみにしている子どもたちも多いようです。
下校時の見守りは,基本的に店の状況に合わせて,お客がいないときなどは,できるだけ下校する児童・生徒に店内外から見守ることとしています。
全国理容生活衛生同業組合連合会では「理容こども110番の店」に取組んでおり,広島県の理容生活衛生同業組合でも以前から「こども110番の店」のステッカーなどを作成して積極的に取組んでいます。三次支部の活動はその一環でもありますが,オリジナルのグッズを揃え,実際に交差点などに立っての見守り活動を行うなど,三次支部では他の支部以上に積極的な活動が行われています。
また,広島県理容生活衛生同業組合三次支部は三次地区暴力監視追放協議会のメンバーで,暴力監視追放活動も定期的に行っており,子どもの安全に限らず幅広い活動を行っています。クリスマス前後のサンタクロース姿での見守りは,現在は三次地区暴力監視追放協議会としての活動でもあります。
三次支部ではレクリエーションも積極的に行われており,これらの取り組みは,組合員の気持ちを一つにしている要因の一つです。
「三次支部をまとめていき,後継者を育てるとともに,地域社会にも貢献していくことは,支部長としての私の役目です。」と話された代表者の馬場さんは,広島県公安委員会から委嘱された職域安全推進連絡員でもあります。その馬場さんは,三次市全体が活気にあふれ,安全で安心して暮らせる住み良い街となることを強く願っていました。
理容組合三次支部で揃えた見守り活動用のグッズ。理容組合のイラスト等をプリントしたオリジナルのものです。見守り時には暴力監視協助員のネームプレートも着用します。