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ホスピタルダイエットによる健康被害について

印刷用ページを表示する掲載日2011年12月1日

 タイから個人輸入により入手した「ホスピタルダイエット」などと称される無承認無許可医薬品を服用された方で,健康被害が発生しています。当該品は,インターネットのホームページ等を利用して,身長,体重等を知らせた上で購入する,タイにある病院のダイエット目的の処方薬とされるものです。
 これらの製品により体調異常が現れた場合には,すぐに服用を中止し,医療機関へ受診するとともに,最寄りの保健所・分室又は県庁薬務室にご連絡ください。

1 製品の概要

 製品名:「ホスピタルダイエット」又は「ドクターダイエット」と称して販売されたもの

 剤型等:各種錠剤・カプセルを数錠ずつポリ袋に入れたものが5種類(購入者の年齢,体重等によって変更されると思われる。)封筒に入っている。

2 製品の検査結果

No. 剤型 特徴 検出成分
1 錠剤(大) 白色の錠剤(大) 直径約8mm,丸
「T.O.CHEMICALS★」の刻印
ヒドロクロロチアジド
2 カプセル 白色のカプセル   シブトラミン
3 錠剤(小) 黄色の錠剤(小) 直径約6mm,丸 マレイン酸クロルフェニラミン
アセトアミノフェン
4 錠剤(大) 青色の錠剤(大) 直径約8mm,丸 アスコルビン酸
5 錠剤(小) オレンジの錠剤(小) 直径約6mm,丸 ビサコジル

3 健康被害の状況

  広島市内の女性(20代)が平成15年8月7日から当該品の服用を開始したところ,体重減少,頭痛,眠気,発汗,動悸,口渇,のどの痛み,うつろ目,胃のむかつき,筋肉痛の症状が現れた。8月20日,服用を中止したが,症状は改善せず,8月22日,広島市内のA医療機関へ救急搬送された。
 8月25日,頭痛,嘔吐が続くため,広島市内のB医療機関を受診した。肝機能,腎機能の検査の結果,異常は認められなかったが,診察した医師によると,当該品を服用後,このような症状が出たことから,当該品による健康被害であることは否定できないとのことである。

 医薬品,健康食品等を個人輸入する際は,危険な成分が含まれていることもあるので,医師,薬剤師等の専門家に相談して成分等を十分に把握し,安全を確認した上で使用してください。
 なお,個人輸入で購入した医薬品を業として販売若しくは譲渡した場合には,薬事法違反となるほか,インターネット等により注文する個人輸入であっても,向精神薬を海外から輸入することは,麻薬及び向精神薬取締法で禁じられています。

(参考)

【ヒドロクロロチアジド】
降圧利尿剤(日本薬局方収載の医薬品)
適応:高血圧症,悪性高血圧,心性浮腫等。
重大な副作用として,再生不良性貧血,溶血性貧血等がある。

【シブトラミン】
肥満症治療剤(国内では医薬品としての承認なし)
 適応:肥満症の治療(肥満における体重減少及び体重減少の維持)
 米国の添付文書において,警告として,「血圧及び心拍数の増加」が記載されている。
 主な有害事象は,頭痛,口渇,便秘,不眠及び鼻炎など。

【マレイン酸クロルフェニラミン】
抗ヒスタミン剤(日本薬局方収載の医薬品)
 適応:じんま疹,皮膚疾患に伴う掻痒等
 重大な副作用として,ショック等がある。

【アセトアミノフェン】
解熱鎮痛剤(日本薬局方収載の医薬品)
 適応:頭痛,耳痛,症候性神経痛等
 重大な副作用として,ショック等がある。

【アスコルビン酸】
ビタミンC(日本薬局方収載の医薬品)
 適応:ビタミンC欠乏症の予防及び治療等
 副作用:悪心・嘔吐,下痢等

【ビサコジル】
排便機能促進剤(日本薬局方収載の医薬品)
 適応:便秘症等
 副作用:過敏症状,直腸刺激感,直腸炎,腹部不快感,腹痛等

 最近の事例では,平成15年5月27日に香川県が4品目から4種類の医薬品成分(1種類の向精神薬を含む)を,同年8月21日に兵庫県が4品目から4種類の医薬品成分(3種類の向精神薬を含む)を検出したとして公表しています。

「ホスピタルダイエット」などと称されるタイ製の向精神薬等を含有する無承認無許可医薬品による健康被害事例について(平成15年9月2日厚生労働省ホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/diet/jirei/030902-1.html

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