基本的に全クラスでT・T授業が行われている。昨年度も各教科におけるT・T授業を積極的に行っていたため生徒は違和感なく道徳のT・T授業を迎え入れてくれた。しかし,教師側は道徳におけるT・T授業をはじめて経験する者が多く,最初は戸惑いの方が大きかった。研修を積み重ねる中で徐々に効果的なT・T授業を実施することができるようになったが,T1・T2の打ち合わせ時間をどう確保するかが課題である。道徳授業におけるT・Tの動きについてまとめると次のようになる。
・資料の範読 ・ロールプレイ(役割演技) ・説話 ・机間指導 ・板書・配布物 ・切り返し発問 ・T1と違う価値の提示(揺さぶり発問) |
導入のねらいを主題に対する生徒の興味や関心を高めることと,道徳的価値の自覚に向けて動機付けを図ることととらえ,導入の工夫について各学年会で研修を重ねていった。マイナスイメージから入らず,ふれあいやあたたかい雰囲気づくりの導入や授業のねらいにせまる導入などいろいろな方法を試みた。実際に行った導入については次のようなものがある。
・前もってアンケートをとり活用する。 ・ロールプレイ(役割演技)を使う。 ・現物 を提示し,見たり触ったりする。・絵や写真を使う。 ・新聞記事や雑誌を使う。 ・吹き出しなどで思いつく言葉を書く。 ・体験することから入る。 |
道徳の授業における終末のねらいを次の視点でとらえた。
・実践への意欲を喚起し,今後の発展につなぐ。 ・ねらいとする道徳的価値を確認 する。 ・道徳的価値を深く刻ませたり印象付けを行い,定着させる。 |
終末の種類としては,オープンエンドやクローズドエンドがある。無責任なオープンエンドにならないように留意することと価値を押しつけるのではなく,実践への方向づけをすることに注意しなければならない。また,余韻をもって終わる終末や板書を使う終末,BGMを使う終末などが効果的であることもわかった。実際に行った終末については次のようなものがある。
・教師の説話 ・ことわざ ・格言 ・名言 ・詩 ・新聞記事 ・保護者等から の手紙 ・視聴覚資料(ビデオ,絵,写真) ・感想の発表(全体で,グループで,ペ アで) ・BGMを効果的に使う。 |
「道徳の時間」の組立ての手順については,以下に示すような流れで構成していった。以前は授業を考えるとき導入から考えがちであったが,現在は生徒の状況を分析する中で,ねらいとする価値につなげる中心発問から考えるようにしている。また発問の内容については,発問の条件に合っているか吟味しながら生徒の道徳的価値を高める発問づくりにむけて各学年会で取り組んだ。T・T指導の長所を生かし,揺さぶりや切り返し発問を必ず用意するようにしている。
基本的には,副読本を全校一斉購入しそれをもとに資料を選んでいる。しかし,生徒の実態は各学年,各学級によって違いがあり,実態に即した資料精選が必要である。そこで,他校の実践や道徳の書籍をそろえた道徳コーナーを職員室に設置し,さまざまな資料を自由に閲覧できるようにしている。これまで使った資料の種類には次のようなものがあげられる。
・視聴覚資料(テープ,VTR,パワーポイント等) ・漫画資料 ・紙芝居資料・自作 読み物資料 ・実物資料 ・副読本の活用 ・生徒のアンケート結果・インター ネットの活用 |
学級通信や学年通信,または学校通信等に道徳の時間の様子や生徒の意見を積極的に掲載している。また,PTA総会やPTA役員会等で道徳教育の必要性と本校が道徳教育に力を入れている意義を説明した。今後は,地域の方や保護者をゲストティーチャーとして招いたり,道徳参観日といった取組みをする予定である。
心にひびく,あたたかいムードづくりのために次のような道徳的環境づくりをしている。
・階段の踊り場に花を飾りあたたかい心のムードづくりをしている。(環境美化委員 会) ・心にひびく詩を廊下に掲示する。 ・道徳のキャッチフレーズを教室に掲示 する。 ・英語のことわざや名言をカレンダーとして教室に掲示する。 |
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