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平成17年度「心の元気!」1000人フォーラム

1 趣旨

 平成14年度から指定校を中心に着実に進めてきた道徳教育実践研究指定事業の成果を,県内の公立小・中学校等に波及させ,本県道徳教育推進の一層の充実を図るために,昨年度に引き続き開催したものである。
 今回は,ポスターセッションや模擬授業を取り入れ,より実践的な内容とするとともに,保護者部会を設け,指定校の保護者が実践発表を行うなど新たな工夫を取り入れた。

2 日程

日時

平成17年8月10日(水曜日) 10時00分~16時40分

場所

県立広島中・高等学校

9時30分 受付

10時00分 開会行事

10時30分 ポスターセッション

12時00分 昼食・休憩

13時00分 演習(教員) 実践発表(保護者)

13時30分 模擬授業

14時35分 協議

15時30分 講評

16時30分 閉会行事

各内容をクリックすると,詳細を見ることができます。アンケート結果へ 成果,今後に向けてへ

3 参加状況

全公立小・中学校及び盲・ろう・養護学校の道徳教育担当者903名
保護者89名,教育委員会関係者33名 計1025名

4 内容

1 ポスターセッション

 平成16年度道徳教育実践研究指定事業指定校の30校が,研究報告やお勧めの道徳授業等について,パネルや
プロジェクター等を使用して,各教室(24会場)でポスターセッションを行う。

学校名をクリックすると各校の資料を見ることができます。

小学校(PDF)

大竹市立小方小学校

廿日市市立佐方小学校

呉市立阿賀小学校

呉市立三津口小学校

坂町立小屋浦小学校

安芸高田市立美土里小学校

竹原市立竹原小学校

三原市立中之町小学校

福山市立光小学校

福山市立旭小学校

府中市立栗生小学校

庄原市立総領小学校

庄原市立東小学校

広島市立日浦小学校

広島市立阿戸小学校

広島市立仁保小学校

中学校(PDF)

大野町立大野東中学校

大竹市立玖波中学校

東広島市立松賀中学校

海田町立海田西中学校

安芸太田町立加計中学校

北広島町立豊平中学校

尾道市立長江中学校

因島市立重井中学校

竹原市立竹原中学校

福山市立向丘中学校

府中市立第二中学校

庄原市立東城中学校

広島市立国泰寺中学校

広島市立井口中学校

ポスターセッションの様子1 ポスターセッションの様子2 ポスターセッションの様子3

(2) 演習(教員)・実践発表(保護者),模擬授業,協議

模擬授業者一覧へ(PDF)

 小学校低学年,小学校中学年,小学校高学年,中学校,保護者の4部会(28会場)に分かれて,模擬授業等を
行う。演習・実践発表では,教員の部会は模擬授業に備えて,発問等を考える。保護者部会は,家庭と連携した
道徳教育について道徳教育研究指定校の保護者が実践発表を行う。模擬授業では,各部会ごとに同じ資料で,
指定校の道徳教育推進者等によるTT授業を行う。

◇小学校低学年部会

学習指導案例へ

主題名

友だちっていいね 〔2-(3)〕

資料名

にわのことり

ねらい

喜ぶやまがらを見たみそさざいの気持ちを,動作化や役割演技を通して感じ取り,友だちのよさに気づき,ともだちの気持ちを考えて行動したり,言葉をかけたりしようとする心情を育てる。

◇小学校低学年部会

学習指導案例へ(PDF)

主題名

本当の友だちとは 〔2-(3)〕

資料名

絵葉書と切手

ねらい

友だちだからこそ間違ったことを教えてあげたひろ子の心の動きを考えがら,友だちを信頼し,時には忠告し合いながら,友情を深めていこうとする心情を育てる。

◇小学校低学年部会

学習指導案例へ(PDF)

主題名

誠実で明るい心を 〔1-(4)〕

資料名

手品師

ねらい

男の子との約束と自分の夢のどちらをえらぶかで葛藤する主人公の心情を話し合うことによって,自分の良心にしたがって行動することの大切さを知り,誠実で明るい心をもって行動しようとする心情を育てる。

◇小学校低学年部会

学習指導案例へ(PDF)

主題名

公徳心 〔4-(3)〕

資料名

傘の下

ねらい

自らの身勝手な行為によって揺れる「僕」の気持ちを通して,公徳心は利己的な考えの対極にあることを理解させ,よりよい社会の実現に寄与しようとする心情を育てる。

小学校低学年部会の様子
小学校低学年部会
小学校中学年部会の様子
小学校中学年部会
小学校高学年部会の様子
小学校高学年部会
中学校部会の様子
中学校部会

◇小学校低学年部会

実践発表資料へ(PDF)学習指導案例へ(PDF) 

実践発表

テーマ

 『保護者参加型授業の取組み』

発表者

江田島市立柿浦小学校 保護者 重長英司,落海美穂子

発表概要

1 学校からの依頼を受けて

(1)保護者が授業に参加することの意義

2 授業に参加するにあたり

(1)事前の打ち合わせ
(2)授業の日を迎えるまで
(3)いよいよ授業
(4)授業後の余韻

3 授業に参加して

模擬授業

主題名

「チームのために」〔4-(1)〕

資料名

星野君の2塁打

ねらい

監督の言動の意味を考え,集団の中では,自分に与えられた役割を責任をもって果たそうとする態度を育てる。

(3)講評

好評資料へ(PDF)

演題

心に響く道徳の授業づくり

講師

文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官 永田繁雄先生

内容

はじめに
 ・模擬授業から授業づくりの視点を学ぼう
1 道徳教育・道徳の時間と心の教育のかかわりを押さえよう
2 子どもがその気になって学ぶ「学習」としての道徳の時間をつくろう
3 道徳の指導案を,子どもの「学習」の視点から見直してみよう
4 道徳の時間の基礎を踏まえながら,指導の可能性を広げよう
5 魅力的な道徳資料を発掘し,開発してみよう
6 子どもの「学び」を豊かにするための実践的指導力を高めよう
7 子どもの教材「心のノート」の活用をうながし,広げよう
おわりに

5 参加者アンケートの状況

(アンケート協力者 589名 回収率 57%)

教員

問1 今日のフォーラムは,自校の道徳教育の推進に向けて参考になりましたか。

問2 自校の「道徳の時間」の内容は充実していると思われますか。

問3 近隣校同士の道徳教育に関する情報交換や研修は充実していると思われますか。

問4 道徳担当者(道徳主任)は,校務分掌上機能していると感じておられますか。

教員アンケート結果のグラフ

問5-(1) 自校では,「道徳の時間」を保護者に公開している。

問5-(2) 自校では,「道徳の時間」を地域に公開している。

問5-(3) 自校では,道徳教育について保護者や地域の方々と懇談会をもっている。

問5-(4) 自校では,保護者参加型(指導者として参加)の授業を行っている。

問5-(5) 自校では,道徳教育の取組みを保護者に通信などで計画的に紹介している。

教員アンケート結果のグラフ

保護者のアンケート

1 今日のフォーラムに参加されて,学校で行われている道徳教育について理解いただけましたか。

2 現在,子どもたちの道徳性について満足しておられますか。

3 保護者として自校の道徳教育にもっと関わるべきであると思われますか。

4 学校で行われている「道徳の時間(道徳の授業)」や「心の教育」についての情報はもっと家庭に届くようにするべきであると思われますか。

教員アンケート結果のグラフ

保護者の感想

・ 模擬授業は,とても楽しく参加させていただきました。大人の私も心を揺さぶられ「うーん」と心の中で考え込みました。この心の揺さぶりを子どもたちに感じてもらえたらと思います。道徳は生きる力をつけることにつながるとつくづく感じ,家庭でももっともっと親と子が関わり合い,豊かな心,生きる力を身につけていかなくてはと思いました。
・ 今までは,道徳教育というものがよく分からなかった。道徳は良いか悪いか判断するものだと思っていたが,感じるものなんだと思った。今日,模擬授業を受けてとても良かった。単P でも他の保護者に受けてもらいたいと思いました。
・ 道徳というものが何を勉強する授業なのかよく分からず,今日参加しましたが,"生き方などを子どもと先生がいっしょに深く考える時間"というのにとても納得しました。私は保護者として,学校でどんな道徳教育が行われているかをもっとよく知り,家庭の中でも話題に出しながら,子どもと一緒に心を揺さぶる時間を持ちたいと思いました。永田先生の講評の中で,"タイムリーな話題"を資料の材料にするいう話がありました。学校の道徳の授業で,もっと身近な問題を取り上げて,深く考える時間を持ってほしいと思います。
・ 道徳の授業と言えば,例えば「友だちとけんかをしたらどうすればいいか」というような模範的な解答が求められるようなものだと思っていて,子どもたちも授業では良い事を言っているイメージがありました。今日「星野君の2塁打」の授業を受けて,はっきりした答えは出ない,人は十人十色で色んな答えがあってもいいんだという授業もあるんだと思いました。我が子も含め,子どもたちが「自分の思い」と「相手の思い」を尊重できるようになってくれたらと思います。

6 成果

 ポスターセッションでは,指定校の教師が自らの実践をパネルや映像を用いて熱心に発表し,参加者も熱心にメモや写真をとる姿が見られた。また,模擬授業では,参加者が児童生徒の立場に立って授業参加することにより授業を受ける側の視点から授業改善に懸命に取り組んでいた。これらの研修方法を取り入れたことにより,これまで以上に具体的・実践的な研修となった。また,新たに保護者部会を設け,その中で保護者が実践発表したり模擬授業をとおして道徳の授業を疑似体験したりしたことにより,道徳教育の重要性とその正しい認識について保護者への啓発の端緒となった。
 アンケート結果からも,教職員の98%,保護者の100%が本フォーラムについて肯定的評価をしており,研修内容に満足しているとともに,学校で行われている道徳教育の理解につながったと思われる。
 特に,教職員アンケート結果3の「近隣校同士の道徳教育に関する情報交換や研修の充実」についての肯定的評価は49%ではあるが,昨年度(33%)より16%アップしている。これは,平成15年度以来,各市町に道徳教育推進協議会の設置を進めてきた成果であり,学校間のネットワークが着実に広がっていることによるものと思われる。
 各指定校の道徳教育推進者の熱のこもった発表や参加者の意欲的な姿勢は,本県道徳教育の一層の充実と発展につながるものと感じられた。

7 今後に向けて

 保護者アンケートの結果から多くの保護者が「道徳性を養うには,保護者の関わりが大切」であると感じ,「学校からの情報提供」を求めている。しかし,教職員アンケートをみると,「保護者や地域の方々との懇談会の開催」(29%),「保護者参加型の授業の実施」(23%),「学校からの保護者への計画的な情報提供」(35%)と,家庭・地域社会との連携は十分とはいえない。これからの道徳教育の充実を考えるとき,家庭・地域社会との連携をさらに進めていく必要がある。
 また,「近隣校同士の情報交換や研修の充実」については,地域別にみたとき,地域差が大きい。 指定校を核として構築しているネットワークを一層活用・拡充して,各学校の「道徳の時間」の充実への意識を高めるとともに,具体的な実践の広がりを図っていく必要がある。

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