酸性雨・酸性霧の定点観測(森林環境部)

1 目的

 近年,我が国では都市近郊の平地スギ林や山岳地帯のモミ,ブナ林等の衰退が確認されており,酸性雨等の環境汚染が森林生態系に影響を与えているのではないかと危惧されている。
 このため林業技術センターでは,森林に影響を与える恐れのある酸性雨・酸性霧について,継続的な雨霧水の監視を行っており,各イオン濃度の変動状況やその地域特性の有無について解析している。

2 方法

 林業技術センター内に設置した採雨・採霧装置により収集された雨と霧を,半月毎に回収して,pH,EC(ECは電気泳動度ともいい,雨や霧に溶け込んでいる不純物の量の程度を示す指標として用いられている。)の測定及び,陰陽各イオン濃度の分析を行っている。

写真 雨水の回収方法

雨水の回収方法

写真 陽イオン分析装置

陽イオン分析装置

3 結果

 1993〜1996年度の雨水のpHの平均値は4.7(最小値3.6,最大値6.0)であった。なお,この間の全国のpHの平均値も4.7であった。ECの同時期の平均値は21.6μs(最小値7.94μs,最大値94.8μs)であった。
また当センターでは霧の多い三次の地域特性を行かして,霧水の収集・分析を行っているが,同時期の霧水のpHの平均値は5.1(最小値2.8,最大値7.3)で,ECの平均は251.1μsであった。
 雨水・霧水ともpH・ECの値が夏季に低くなり,冬季に値が高くなる傾向があった。また,雨水よりもpH,ECともに測定値の変動が大きい傾向があった。

4 活用の方向

 今後とも雨・霧に関する調査を継続し,必要に応じて行政機関を通じた情報の発信を行う。なお現在まで蓄積された雨・霧水のデータは,現在継続中の委託事業(酸性雨等森林被害モニタリング事業報告及び衰退森林健全化技術対策事業)等に活用する事で,全国的な解析資料にも用いられている。

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