月刊こちら広報課 2017年7月号

今月のよくばりさん

尾道市 河本 清順さん

今月のよくばりさん 河本清順さん
クラウドファンディングを利用して購入した機材

全国から協力を得て、尾道で映画館を開館

尾道は映画の舞台にもなり、映画のまちとして知られていますが、2001年に最後の映画館が閉館。 私は映画を通して、自分の世界を広げてきたので、とても残念に思いました。 そこで「映画館が消えると暮らしの中に映画がある文化もなくなってしまう。 何とか自分たちで映画館を作りたい!」と思い、2004年に映画好きの友人たちとNPO法人を立ち上げ、次第に協力の輪を広げて、市民の皆さんからも寄付を募り、ついに2008年に「シネマ尾道」を開館しました。 映画がデジタル化され、高価なシステムの導入が必要になった時も、全国の映画館やマスコミのご協力でクラウドファンディングを利用して、何とか乗り切りました。 現在は月に12~13本、年間150本ほどの国内外の作品を上映しています。 全くの素人だった私達がここまで来られたのは、尾道はもちろん、全国の皆さんのおかげなんです。

おのみち映画資料館ワークショップ 集合写真

映画でつながり、伝えて、尾道のまちを元気に!

私達の目標は、映画を通して尾道の文化に貢献していくこと。 年に一度、子供達が短編映画を撮るワークショップを開催していますが、子供達はそこからチームワークの大切さやモノづくりの楽しさを感じているようです。 尾道が舞台の「東京物語」のロケ地などを歩くワークショップでは、白黒映画自体やそこに映る昔の景色に、地元の小学生達はびっくりしていました。 「東京物語」が好きな映画だという脳科学者の茂木健一郎さんからは、その魅力について子供達と楽しくディスカッションをして頂きましたし、俳優の佐野史郎さんも出演映画のトークイベントがきっかけで、ものすごく尾道を気に入っていただき、尾道の魅力を発信してくださっています。 この映画館からつながりが生まれることや、それを通じて、子供達がさまざまな世界を知ったり、感じたりして、将来尾道のまちづくりの主役になってくれたら、嬉しいですね。

今月のよくばりさん 河本清順さん

よくばり=映画という芸術を仕事にできたこと

家に帰ってからも試写のDVDを見たり、休みも他の映画館に出かけたり、映画に関しては、とても「よくばり」な毎日です。 自分が選んだ映画を皆さんにお届けする仕事にもやりがいを感じています。 上映する映画を選ぶ時はファンの視点と興業主の視点の折り合いがつかず、悩むことも多いのですが、どちらの視点でも自信を持って上映した「この世界の片隅に」は、開館以来最大のヒット作となって、嬉しかったですね。
そんな映画漬けの私の気分転換は、ふらっと列車に飛び乗って日帰りの「プチ旅行」に出かけること。 美術館に行くことが多いのですが、遠い時代の作品が、現代を生きる私に新鮮な感動を与えてくれることに気付くと、芸術は人間の根底にある大切なものなのだと痛感させられます。 そして、映画という芸術を仕事にしていることに改めて幸せを感じるひとときになっています。

シネマ尾道のパンフレットの画像

シネマ尾道のパンフレット

こども映画制作ワークショップ 集合写真

こども映画制作ワークショップ

シネマ尾道の館内の様子

シネマ尾道の館内

今月号の目次