広島県議会議員の政治倫理に関する条例
 【平成19年9月定例会において全会一致で可決・成立】
条例の内容
 地方分権が進展するとともに、政治とカネの問題に対する県民の関心が高まっている中、県議会議員にはより高い倫理観と識見が求められていることを踏まえ、広島県議会における政治倫理の一層の確立を図るため、議員が自らを律するための行為規範などを定めました。
 なお、行為規範に反する疑いのある議員がある場合には、議会に政治倫理審査会を設置して審査し、審査会の報告に基づいて、議長が必要な措置を講じることとしています。

議員の行為規範
・議員の品位と名誉を損なう行為により、県民の議会に対する信頼を損ねないこと
・公正を疑われるような金品の授受を行わないこと
・政治活動に関して道義的な批判を受けるような寄附を受けないこと(資金管理団体や後援
 団体にも受けさせないこと)
・議員としての影響力を及ぼすことにより、自己の利益を図るために、行政庁の処分や県等
 が締結する契約に関して働きかけたり、公務員の公正な職務の執行を妨げたりしないこと

広島県議会議員の政治倫理に関する条例

 県民の奉仕者たる県議会議員の政治活動は、県民からの信頼と負託に基づくも
のであり、議員が、自らを律する厳しい政治倫理を実践することによってのみ、公正
かつ健全な政治の実現が可能となるものである。
 地方分権が進展し、地方議会の役割が一層大きくなる中、県議会議員には県勢
進展のための重大な使命が課せられており、より高い倫理観と識見が求められて
いることについて、議員一人一人が改めて認識を深めなければならない。
 ここに、広島県議会における政治倫理の確立と議会制民主主義の健全な発展を
期して、この条例を制定する。

 (目的)
第1条 この条例は、広島県議会議員(以下「議員」という。)の責務及び行為規範
 を定めることにより、議会政治の根幹をなす政治倫理の確立を期するとともに、広
 島県議会(以下「議会」という。)の権威と名誉を守り、県民の厳粛な信託に応え、
 もって清廉で民主的な県政の発展に寄与することを目的とする。

 (責務)
第2条 議員は、県民の信託を受けた代表者であることを自覚し、自らの行動を厳
 しく律して、政治倫理の向上に努めなければならない。
 議員は、時代の要請に的確に対応できる識見を養うとともに、常に県民全体の
 福祉の向上を目標として行動するよう努めなければならない。

 (行為規範)
第3条 議員は、地方自治法(昭和22年法律第67号)、公職選挙法(昭和25年法
 律第100号)、政治資金規正法(昭和23年法律第194号)等の諸規定を遵守す
 るとともに、次に掲げる事項を遵守して行動しなければならない。
  議員の品位と名誉を損なう行為により、県民の議会に対する信頼を損ねない
   こと。
  公正を疑われるような金品の授受を行わないこと。
  政治活動に関して次に掲げる行為を行わないこと。
   道義的な批判を受けるような寄附を受ける行為
   その資金管理団体(政治資金規正法第19条第2項に規定する資金管理団
   体をいう。)及び後援団体(公職選挙法第199条の5第1項に規定する後援団
   体をいう。)に前イに規定する寄附を受けさせる行為
  議員としての権限又は地位による影響力を及ぼすことにより、自己の利益を
  図ることを目的とする次に掲げる行為を行わないこと。
   特定の者に対する行政庁の処分又は県若しくは県が出資している法人が締
   結する売買、賃貸、請負その他の契約に関し、特定の者に有利又は不利にな
   るよう働きかける行為
   前イに定める行為のほか、公務員及び県が出資している法人の役職員の公
   正な職務の執行を妨げる行為
 議員は、政治倫理に関し、政治的又は道義的な批判を受けたときは、真摯かつ
 誠実に事実を解明し、その責任を進んで明らかにしなければならない。

 (審査の請求)
第4条 議員は、前条第1項各号に規定する行為規範に反する疑いがあると認めら
 れる議員があるときは、議員の定数の6分の1以上で、かつ、2以上の会派の議員
 の連署により、理由を付した文書をもって広島県議会議長(以下「議長」という。)に
 審査を請求することができる。

 (審査会の設置)
第5条 議長は、前条に規定する審査の請求があったときは、これを審査するため、
 議会に広島県議会政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置するものとする。
 審査会は、委員12人以内で組織する。
 委員は、議員のうちから議長が指名する。
 委員の任期は、当該審査が終了するまでとする。
 審査会に委員長及び副委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。
 委員は、その職務を遂行するに当たっては、公正不偏の立場で審査しなければ
 ならない。
 委員又は委員であった者は、第1項の審査に関して知り得た秘密を漏らしてはな
 らない。

 (審査会の運営等)
第6条 審査会の運営は、次に定めるところによるものとする。
  審査会は、委員の半数以上が出席しなければ会議を開くことができない。
  審査会の会議の議事は、委員長を除く出席委員の過半数で決し、可否同数の
  ときは、委員長の決するところによる。
  前2号の規定にかかわらず、審査会は、審査の請求をされた議員(以下「被審
  査議員」という。)につき、第3条第1項各号に掲げる行為規範に反し、政治的又
  は道義的に責任があると認めた場合で、この条例の遵守、出席自粛、役職辞任
  又は議員辞職の勧告、文書警告、全員委員会での陳謝その他の措置を審査の
  結果に明記しようとするときは、委員の3分の2以上の者が出席し、その4分の3
  以上の者の同意を要するものとする。
  審査会は、審査のため必要があるときは、議員、識見を有する者等に対し、そ
  の出席を求めて意見若しくは事情を聴取し、又は報告を求めることができる。
  被審査議員は、審査会から出席の要請があった場合は、出席し、誠実に答え
  る義務を負う。
  被審査議員は、審査会に対し口頭又は文書により弁明することができる。
  審査会の会議は、原則として非公開とする。
 審査会は、前項第3号に定める措置に至らなかった場合で、被審査議員の名誉
 を回復することが必要であると認めるときは、所要の措置を講じるものとする。
 審査会の運営に関し必要な事項は、その都度、委員長が審査会に諮って定める。

 (審査の結果の報告)
第7条 審査会の委員長は、審査の結果について議長に報告するものとする。

 (審査の結果の通知)
第8条 議長は、審査会から審査の結果の報告を受けたときは、審査の請求をした
 議員及び被審査議員に対して審査の結果を通知し、次条第1項に規定する意見書
 の提出の有無を確認の上、審査の結果を公表しなければならない。

 (意見書の提出及び公表)
第9条 被審査議員は、前条の規定による通知を受けたときは、審査の結果につい
 て、議長に対し意見書を提出することができる。
 議長は、前項の規定により意見書が提出されたときは、審査の結果の公表に当
 たり、意見書の全部又は概要を併せて公表するものとする。

 (措置)
第10条 議長は、審査会から審査の結果の報告を受けたときは、審査会が必要と
 認める措置を講じるものとする。
 議長は、前項の措置を講じたときは、これを公表しなければならない。

 (委任)
第11条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、議
 長が別に定める。

  附 則
 この条例は、公布の日から施行する。