環境白書の刊行に当たって
 
広島県知事 藤田雄山
 
 本年2月に,地球温暖化防止のための京都議定書が発効しました。京都議定書の目標達成のためには,温室効果ガスの削減対策等を進めていかなければなりません。こうした地球温暖化問題を始め,廃棄物・リサイクル問題,自然環境の破壊などといった現在の環境問題を解決し,持続可能な社会を築いていくためには,行政だけでなく,県民,事業者,民間団体等が,自主的,積極的に環境保全活動に取り組むことが必要です。
 近年,県内においても,地域住民やNPO等によって地球温暖化防止や自然再生等の取組が進められたり,企業の社会的責任という観点から,環境配慮の取組を自主的,積極的に進める企業が増加するなど,県民,事業者,民間団体等による環境保全活動は広がりつつあります。
 本年5月には,県民に向けた環境保全運動を展開してきた,各種団体・行政の連合組織「環境にやさしいひろしま県民会議」と,事業者による自主的な環境保全活動を推進してきた,事業者組織「ひろしま地球環境フォーラム」が統合され,両団体の活動を継承した組織として「ひろしま地球環境フォーラム」が設立されました。
 また,7月には,全国初の取組として,県と県内の大学,廃棄物処理業界が,廃棄物・リサイクル分野における協力協定を締結するなど,各分野での連携も進みつつあります。
 こうした取組が更に活発化し,現在及び将来の県民が健全で良好な環境を享受できる社会を築くことが重要であると考えています。
 県としても,県民,事業者,民間団体等と連携しながら,環境保全活動を支援するとともに,「環境にやさしい広島づくりと次代への継承」を基本理念とする環境施策を積極的に進めて参ります。
 本編は,本県における環境の現状や県の環境施策について取りまとめるとともに,地域住民やNPO等の自主的な取組についても紹介しています。本編が,幅広い関係者における情報の共有を促進するとともに,効果的な環境保全活動を促進する一助になれば幸いです。
 
平成17(2005)年9月

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