環境白書の刊行にあたって
 
広島県知事 藤田雄山
 
 現代社会に生きる私たちは,飛躍的な科学技術の進展と経済の発展により,大量生産,大量消費,大量廃棄型の社会経済システムを構築し,便利で豊かな社会を当然のように享受してきました。
 しかし,その一方で,地球温暖化,廃棄物問題,自然環境の破壊など,日常生活や通常の事業活動に起因した環境問題が顕在化しており,環境への負荷の大きいライフスタイルや社会経済システムを転換し,持続可能な循環型社会を実現することが強く求められています。
 このような状況の中,県では,「環境にやさしい広島づくりと次代への継承」を基本理念として,循環型社会の構築に向けて,各種の環境施策に取り組んでいます。
 昨年10月には,新たな環境問題へ広範に取り組むため,規制するだけでなく県民・事業者の自主的な取組を促す手法を取り入れた「広島県生活環境の保全等に関する条例」を制定するとともに,この3月には,地球温暖化を防止するため,県民・事業者・行政等の各主体が総合的に温室効果ガスの削減対策に取り組むためのマスタープランとして,「広島県地球温暖化防止地域計画」を策定したところです。
 県としては,引き続き,健全で恵み豊かな環境を保全し,さらにより良い環境を築き,将来の世代に継承していくための施策を積極的に推進して参ります。
 本編が,県民のみなさんの環境問題についての関心を高め,自主的な取組を促進するための一助となれば幸いです。
平成16(2004)年9月
 

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