藤田県知事 環境白書の刊行にあたって
広島県知事 藤田 雄山
 
 20世紀の飛躍的な科学技術の進展と経済の発展により,私たちは,便利で豊かな生活を当然のように享受してきました。しかしこのままの生活を続けていけば,地球温暖化の進行,廃棄物問題,自然破壊を始めとする環境上の制約に直面し,私たちの生存と活動の基盤である環境を破壊してしまうことになりかねません。
 恵み豊かな環境とそれに基づく安定した生活を将来に引き継ぐため,私たちは,ライフスタイルを根本から問い直すとともに,社会経済のあり方そのものを持続可能なものに変革していく必要があり,今,具体的な行動が求められています。
 県では,こうした持続可能な社会を実現するため,「環境にやさしい広島づくりと次代への継承」を基本理念として環境政策に取り組んでいます。この3月には,県民,事業者,行政すべての活動が,「環境へ配慮」したものとなるよう,環境基本計画の改定を行いました。
 昨年開催されたヨハネスブルグサミット《持続可能な開発に関する世界首脳会議》のテーマは,「ことを起こせ!(Making It Happen!)」でした。日常生活や地域社会など身近なところから,それぞれの主体が自発的に行う取組は,持続可能な社会への変革の第一歩であり,この小さな一歩が,大きな原動力となります。
 本編が,県民のみなさんの環境問題についての関心を高め,それぞれの立場から,「ことを起こしていく」ことのきっかけとなることを祈念して止みません。
 
平成15(2003)年9月




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