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1 《循 環》 環境への負荷が少ない循環型社会広島

(1) 環境への負荷の低減に配慮した地域づくりの推進
 
B 騒音・振動・悪臭の防止
 騒音公害は,公害苦情件数全体の約2割を占めている。近年は,都市化の進展や生活様式の多様化等に伴う近隣騒音が問題となっている。
 振動公害は,工場,建設作業,交通機関等による人為的な地盤振動が原因で,建物を振動させて,物的又は感覚的被害を与えている。
 悪臭公害は,その発生源が多種多様であり,様々な臭気物質が混合して生じていることなど,その態様は複雑である。

水道普及率


総人口
(千人)
給水人口
(人)
普及率
(%)
全国平均普及率
(%)
4 2,884 2,549,321 88.4 95.1
5 2,889 2,570,118 89.0 95.3
6 2,894 2,589,099 89.5 95.5
7 2,897 2,603,936 89.9 95.8
8 2,900 2,620,214 90.4 96.0
9 2,903 2,630,786 90.6 96.1
10 2,905 2,639,414 90.9 96.3
県環境衛生課調べ

 概況
(ア)  騒音については,一般住環境で11.0%,自動車騒音では70.8%が環境基準を達成できていないなど厳しい状況にある。
(イ)  振動については,道路及び新幹線鉄道の振動調査を実施した結果,それぞれ振動規制法に基づく要請限度及び振動対策指針値を満足している。
(ウ)  悪臭については,発生源が化学工業等の大規模なものから畜産業等の小規模なものまで広範囲に及んでおり,その態様は複雑化している
 防止対策
 騒音・振動・悪臭防止対策として,地域の指定を行い,発生源に対する規制基準に基づき規制を行っている。

■振動に係る苦情件数の推移
■騒音に係る苦情件数の推移
■悪臭に係る苦情件数の推移
■騒音に係る環境基準の地域類型の指定図
■振動規制法に基づく地域の指定図

C 化学物質による環境リスクの低減
 今日の経済社会活動のいろいろな場面で,様々な化学物質が製造・使用されており,これらの化学物質の中には,人の健康や生態系への影響が懸念されているものがある。
 化学物質による環境汚染を未然に防止するため,平成11年7月「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)」が制定されるなど,総合的な取組が進められているところである。
 特に社会的な関心が高いダイオキシン類については,平成12年1月「ダイオキシン類対策特別措置法」が施行され,ダイオキシン類の耐用1日摂取量(TDI)や環境基準の設定のほか,その主な発生源とされている廃棄物焼却施設等に対し,排出規制が行われる等対策が進められている。
 また,動物の体内でホルモン作用を攪乱し,人の健康や生態系への影響が懸念されている化学物質−いわゆる環境ホルモン−の調査・研究が国において進められている。

 環境リスクの低減に向けて,大気・水質環境の実態調査をはじめ,生物・食品の化学物質汚染状況調査を実施している。
 またダイオキシン類については,発生源対策として排出抑制指導や大気環境調査等を実施している。

ア 大気汚染防止対策
 ・ 有害大気汚染物質のモニタリング・排出抑制指導
イ 水質汚濁防止対策
 ・ 水質環境調査・排水規制
ウ 生物・食品の汚染対策
 ・ 魚介類等の汚染状況調査
 ・ 養殖カキの衛生対策
エ ダイオキシン類対策
 ・ ダイオキシン類排出抑制指導事業
 ・ 環境汚染状況調査の実施
 ・ 環境保全資金融資事業

【有害大気汚染物質】
 継続的に摂取される場合には,人の健康を損なうおそれのある物質で大気汚染の原因となるもの(ばいじん以外のばい煙及び特定粉じんを除く)をいい,中央環境審議会(8年10月)で,234物質が挙げられている。

【優先取組物質】
 多種多様な有害大気汚染物質のうち,その有毒性や大気中の濃度から健康リスクが高いと考えられるものをいい,国において,現在22物質が選定されている。

 アクリロニトリル,アセトアルデヒド,塩化ビニルモノマー,クロロホルム,1,2−ジクロロエタン,ジクロロメタン,テトラクロロエチレン,トリクロロエチレン,ニッケル化合物,ヒ素及びその化合物,1,3−ブタジエン,ベリリウム及びその化合物,ベンゼン,ホルムアルデヒド,マンガン及びその化合物,六価クロム,クロロメチルメチルエーテル,酸化エチレン,水銀及びその化合物,タルク,ダイオキシン類,ベンゾ(a)ピレン

【指定物質】
 有害大気汚染物質のうち,人の健康被害を防止するため,その排出又は飛散を早急に抑制しなければならない物質で,政令で指定したもの

ベンゼン(平成9年1月指定)
トリクロロエチレン(平成9年1月指定)
テトラクロロエチレン(平成9年1月指定)

ダイオキシン類排出抑制指導事業の概要
立入指導 ・法の基準の遵守徹底
・ ダイオキシン類排出濃度の自主測定・記録の指導
行政検査 ・ダイオキシン類排出濃度の測定・チェック

ダイオキシン対策に係る環境保全資金の融資
対象施設 ・産業廃棄物処理施設
・ 一般廃棄物処理施設
限度額 8,000万円

ダイオキシン類環境汚染状況調査の概要
調査地点 大気23地点,水質5地点,土壌5地点
調査回数 年1回〜年4回

【環境ホルモン】
 「環境ホルモン(外因性内分泌攪乱物質)」とは,「動物の生体内に取り込まれた場合に,本来,その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える外因性の物質」のことをいい,環境庁が設置した専門家の研究会によると,約70の化学物質が指摘されている。
 野生生物では,生殖機能障害や生殖行動の異常などの事例が世界各地から報告され,その原因としてこうした環境ホルモンの影響が疑われているが,環境ホルモンが体内に摂取された後,どのような過程を経て正常なホルモン作用を攪乱するのか,あるいは天然のホルモンと比べてどの程度の強さで影響を及ぼすのか,濃度と人体や生体系への影響の関係など,科学的に未解明の部分も多く残されている。

(2) 物質循環に配慮した社会システムの構築
@ エネルギーの有効利用
 本県のエネルギー消費量は,年々増加している。
 電気及び都市ガス販売量では,家庭用が大きなウエイトを占めているなど,産業部門での取組と同様,家庭部門での取組も重要である。
 資源の有効活用とエネルギーの安定供給,地球温暖化や酸性雨などの地球環境問題の防止などの観点から,エネルギーの消費量をできるだけ小さくすること,エネルギーを有効に活用することが大切である。

 今日の我々の経済活動や日常生活を支えるエネルギーの大量消費は,大気汚染や地球の温暖化に大きな影響を与えており,今後,これらの問題の防止のため,エネルギーの効率的な利用や新エネルギーの導入が課題である。

 平成11年度の電灯・電力消費量は,184億kwh,都市ガス販売量は,27,703億kcalで,前年度と比べそれぞれ3.6%及び15.8%増加した。
 そのうち家庭用は,電灯・電力で35%,都市ガスで51%と大きなウエイトを占めている。
 平成10年度の燃料油販売量は,4,752千klで前年と比べ,0.4%増加した。
 種類別には,工場等の主な燃料である重油は減少傾向,運輸・民生部門で使用される自動車の燃料である揮発油は増加傾向にある。

■用途別電気エネルギー使用量
■用途別都市ガス販売量

A 廃棄物の対策
 廃棄物の排出量は,ここ数年間,一般廃棄物,産業廃棄物とも概ね横ばいの傾向が続いているものの,廃棄物最終処分場のごみ収容の残余年数は,一般廃棄物で11.2年(平成9年末,全国平均),産業廃棄物で3.1年(平成9年末,全国平均)の状況にあり,依然として逼迫している。
 県内のごみの排出量(10年度)は,10年前と比べ17%増加しており,この間の計画収集人口の伸びである3%を大きく上回っている。
 廃棄物の多様化も進んでおり,プラスチック系廃棄物や大型家電,先端技術部品を使用した廃棄物等処理が困難なものも増えている。

■ごみ排出量の推移

ア 概況

(ア)  平成10年度のごみの排出量は,1,030千tで,前年度の1,020千tと比べ1%の微増にとどまったが,10年前と比べると17%増加し,県民1人1日当たりの平均排出量は977gとなっている(全国平均:1,105g(平成8年度))。
 一方,資源化は年々着実に増加し,平均10年度には10.7%となっている(全国:5.9%(平成8年度))。
(イ)  平成10年度の産業廃棄物の発生量は,約1,405万tで,業種別には製造業が60%,種類別には鉱さいが41%を占めている。
 発生量の85%が資源化・リサイクル等の有効利用及び焼却等の中間処理による減量化が図られ残りの15%が埋立等により最終処分されている。

イ 廃棄物処理対策
 廃棄物の減量,リサイクル,適正処理に向けて次の事業を推進している。

(ア) 廃棄物の減量化,リサイクルの推進
・ 福山リサイクル発電事業
・ リサイクル推進ネットワーク事業
・ 廃棄物排出抑制プラン作成指導
・ 廃棄物再生事業者登録制度の推進 等
(イ) 廃棄物の適正処理の推進
・ 一般廃棄物処理施設整備の促進及び監視指導
・ 産業廃棄物排出事業者等に対する監視・指導
・ 公共関与による埋立処分事業の推進

■容器包装廃棄物の排出及び収集見込量
  事業所立入検査件数
  ごみの処理状況




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